酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

森本防衛相の軽さ

2012-08-11 05:44:10 | Weblog
 韓国の李明博大統領が10日、島根県の竹島を訪問した。

 ≪韓国の李明博(イミョンバク)大統領は10日、日本政府の中止要請を無視し、領有権をめぐり日韓で対立が続く島根県・竹島への日帰り上陸を強行した。
韓国大統領の竹島上陸は初めて。日本政府はこれに強く抗議し、同日、武藤正敏・駐韓大使を一時帰国させた。北朝鮮の核開発問題など、日韓が共同対処すべき懸案が山積する中で、両国の深刻な外交対立は長期化が避けられない見通しだ≫=読売ONLINE=。

 日本の敗戦記念日、韓国の光復節(解放記念日)に当たる8月15日を前に、自らの求心力を高めるためというのが日本国内メディアの見方だ。森本敏防衛相が「韓国の内政上の判断で決めたこと。とやかく言うべきでない」と述べたのも同様の解釈からだろう。任期が残りわずかとなったうえ、実兄が立件されるなどでレームダックとなった大統領が「勇気ある行動」で日本への対抗意識をあおり、国民の支持をつなぎとめようとした行為であることはほぼ間違いあるまい。問題は国防の任に当たる人物が、評論家然として解説してみせる軽さである。

 ≪森本敏防衛相は10日の記者会見で、韓国の李明博大統領による竹島(島根県)訪問について「韓国が内政上の判断で決めた。他国の内政にとやかくコメントすることは控えるべきだ」と述べた。(中略) 森本氏は会見後、防衛省で記者団に「訪問は内政上の要請があったのだろうとの推測を述べた。竹島問題が韓国の内政問題だと言った覚えはない」と釈明。この後の参院外交防衛委員会の理事懇談会では「誤解を与えたのなら申し訳ない」と陳謝した≫=共同=。

 内政が行き詰まった際、国民の目を外に向けさせるため外交上の火種を掻きたてることはよくある。だからこそ、そうした行為には厳しく対処しなければならない。「とやかくコメントすべきでない」などと傍観者的立場を採れば、火は広がる一方である。火種をかき回す隙を与えない。これが防衛相の態度である。自衛官上がりのタレント教授の限界かもしれない。

 ところで、なぜ10日のタイミングでの強行上陸なのか。メディアが気づいていながら触れていない点がある。五輪日韓戦である。11日には男子サッカー、12日には女子バレーで日本と韓国が激突する。韓国内で打倒日本の機運が最高潮に達する時を狙ったのだ。サッカーは韓国がカウンター2発で快勝した。耐えて日本をやっつける図が見事に決まった。この勝利を一番喜んでいるのは李明博だろう。
 
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