世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

続続・次世代エコカー・本命は?(21)

2017-05-01 00:00:00 | Weblog

アルミにも2つの課題が見つかる

 アルミニウム空気電池の開発を開始して直面した問題は、想定していたような性能がでないことだという。

 「アルミ二ウム空気電池の負極には、2つ大きな問題があった。1つ目は自己放電、これが容量損失を引き起こす。もう1つが放電残渣(ざんさ)。残渣が表面に堆積することによって反応が阻害されてしまう」(陶山氏)。本来の容量よりも少ない電力しか引き出すことができない上に、電池の放電がうまく続かなくなるということだ。

 アルミニウム空気一次電池の構造の概略を図2に示す。

図2 アルミニウム空気一次電池の模式図 出典:陶山氏の発表内容から本誌が作図

 負極(アノード)では金属アルミニウムが水酸化アルミニウムに変化して、電子(e-)を放出*3)。この電子をモーターが使った後、正極(カソード)で、酸素と水が吸収する形だ。
負極:Al+3OH-→Al(OH)3+3e-
正極:O2+2H2O+4e-→4OH-
全反応:4Al+3O2+6H2O→4Al(OH)3
*3) 実際にはテトラヒドロキソアルミン酸イオンAl(OH)4-が生成する。

電極内にミニ電池ができてしまう

 陶山氏のいう自己放電とは、負極の表面で上に示した狙った反応以外に、水の還元分解が起こって水素が発生してしまうこと(図3)。

 「水の還元分解は、アルミニウム金属中に含まれる不純物によって起こる。解析の結果、主な要因は鉄だった。鉄などの不純物層とアルミニウムの粒界層の電位差によって局部電池が生じる。アルミニウムが負極、不純物層が(ごく小さな)正極になる。電極の中で電池反応、放電反応が進行してしまうことが問題だ」(陶山氏)。

図3 自己放電として考えられる副反応 鉄不純物の上に添加剤を吸着させることで副反応を抑制できるかどうかを検証した 出典:陶山氏の発表に基づき本誌が作成

 放電残渣とは、放電時にアルミニウムの表面にたまる黒色の物質。陶山氏の研究グループは電解液として水酸化ナトリウムを用いている。研究用のアルミニウムを電解液中に放置(浸漬)しておくと、アルミニウムが溶け出し、残渣が元の電極の形を保ったまま溶け残るほどだという。これでは電池を放電したときに不具合が生じるだろう。

普通のアルミニウムを使って電池を作る
 
陶山氏の研究チームは純度99%の金属アルミニウムを負極に使っている。つまり1%は不純物だ。より高純度な99.99%のアルミニウムを市場で容易に入手できるはずだ。なぜ高純度なアルミニウムを使わないのだろうか。

 「アルミニウムの純度を99%から99.99%に高めると、材料コストが1桁跳ね上がる。電気自動車への適応を考えて、99%で実現できる電池技術の研究を進めている」(陶山氏)*4)。そこで、アルミニウムの純度を上げずに、不純物の影響を抑える手法を考案した。「特に不純物の残渣については過去の報告例もないため、研究対象とした」(陶山氏)。

 不純物の影響を抑えるために研究チームが選んだ手法が、電解液に添加剤を加えることだ。「残渣の表面に特異的に吸着する添加剤を加えることで、自己放電や残渣の影響を抑えることができるのではないかと考えた」(陶山氏)。

*4) 次に紹介する添加物(チオシアン酸ナトリウム)は、純度99.99%のアルミニウムでは効果がないことを確認済みだとした。

添加剤の効果あり
 
アルミニウムとは結合せず、鉄と特異的に結合する物質として硫黄化合物が考えられる。「立体障害が起きると困るため、硫黄を含む低分子化合物を選んだ。さらに実験中に他のグループからひどい臭気の問題があると指摘されたため、NaSCN(チオシアン酸ナトリウム)を選択した」(陶山氏)。チオシアン酸ナトリウムは、試薬や染色、除草剤に用いられる化合物だ。
 
チオシアン酸ナトリウムを添加したところ、顕著な効果を示した。自己放電時に発生する水素の発生速度を測定した結果だ。添加剤を導入することで自己放電速度を3分の2に抑えることができたという。

 放電残渣については効果があったのだろうか。「添加剤を加えた電解液にアルミニウム板を浸漬すると、残渣が細かい散らばった状態となった。放電残渣を微細化できたということだ」(陶山氏)。電池の放電が抑制されにくくなる。

 この結果、アルミニム負極だけを観察する半電池(ハーフセル)において、容量が30%増えたという。さらに電池の内部抵抗に由来する過電圧も下がった。

 トヨタ自動車の研究は、さまざまな品質のアルミニウムのうち、安価な材料を用いながら、電池の性能を落とさないように工夫するというもの。電気自動車に向けた実用性を優先した研究内容といえるだろう。

【更新履歴】 本文公開後、注1と注2の順番を入れ替えました(2016/12/26)。
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1612/21/news056_4.html


トヨタリチウム空気電池ではなくて、アルミニウム空気電池に研究を集中しているのはコストが安くできるからである。これが完成すれば、価格も性能もそれなりに期待できるEVとなろう。

一足飛びにリチウムイオン電池からアルミ空気電池に飛ばなくても、トヨタはEVを出さざるを得ない状況に陥っている。

ドイツはVWはじめ各社がEVの導入を宣言しているし、GMもFORDもEVを発売している。欧米の各社が揃ってEVをラインナップに加えていれば、トヨタだけ「EVはありませんという訳にはいかないだろう。中国などではまさにその状態で、EVがないと環境対応に劣る企業としての烙印を押されかねないからだ。

(続く)
コメント
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