『いまもある玉ひでは私の家から東へ
1,2軒目の所にあって、おいしいかしわ屋だったので
食べに行ったことはないが始終取り寄せて食べた……。』
日本橋人形町で過ごした幼少期の回想を書いた
谷崎潤一郎の「幼少時代」には、鎧橋方面から来る都電、水天宮、
人形町通り、甘酒屋、玩具の「清水屋」、佃煮屋の「ちとせ」、
親子丼で評判の「玉ひで」などが登場します。
「玉ひで」まで行ったなら少し足を延ばして
「谷崎潤一郎生誕の地」へ行ってみてはいかがでしょうか。
プレートの右下に「松子書」と書かれていますが、
谷崎潤一郎の三番目の夫人であった松子さんの書です。
ノーベル文学賞の候補に7回も選ばれたという
文豪の谷崎潤一郎の『春琴抄』、『細雪』など
映像化や舞台化もされることが多く、
華やかな舞台の『細雪』などは何度も観ています。
関西の人のイメージが強い谷崎潤一郎ですが、
生まれは東京・日本橋人形町でした。
母方の祖父・谷崎久右衛門は、
一代で財を成した人でした。
東京都中央区日本橋人形町1-7-10
2021.10.21