徳川幕府が威信をかけて築城した将軍の城は、
段違いに巨大な日本最大の城郭である江戸城で、
総構を入れると千代田区がすっぽりと入るほどです。
世界遺産の姫路城でも内郭は、
江戸城の四分の一以下になります。
江戸の地の利に最初に気づき、築城したのは太田道灌。
1457年に築城し、江戸の町の整備にも着手しますが、
主君に殺害された後は、明確な城主を持たずに江戸城は荒廃。
関東入りした徳川家康は、まず市街地の整備を行い、
江戸城の改築に着手、加藤清正や福島正則など
外様大名を呼び寄せて普請にあたらせ、
およそ30年で完成で完成しました。
天守は1667年の明暦の大火で焼失し、
以後造営されることのなかった天守台。
石垣がまだらなのは八代将軍吉宗の代に焼けた
伊豆石をはずし、小豆島の御影石を加えて
石積みをやり直したからだとか。
本丸は芝生が広がっていますが、
江戸時代はぴっしりと御殿が建て込んでいました。
江戸城への入り口はいくつかありますが、
大手御門などから入場する際、手荷物検査を受け、
入園票を受け取り入場します。
三之御門渡櫓跡の南に建つのが百人番所で、
甲賀組、伊賀組、根来組などの鉄砲百人組が
昼夜交代で警備、百人組は与力20人と
同心100人で構成されていました。
主な遺構は、櫓、城門、番所、本丸、二の丸、
三の丸、西の丸、北の丸、石垣、濠。
北の丸、本丸、二の丸、
三の丸は一部見学ができます。
将軍慶喜の恭順により、皇居になりましたが、
江戸城は一度も戦禍を被ったこともなく、
歴史上最大かつ最強にわたり全国を統治したその城は、
今は天皇家を抱え、悠然と佇んでいるのです。
江戸時代のものが残っている桜田門と桜田濠。
城と同様に濠も広く、内堀を一周するだけでも
その土木量の巨大さ、防御力などを実感できます。
別名:千代田城
種別:平城
築城年:1457年、1606年、1622年、1637年
築城者:太田道灌、徳川家康、徳川家忠、徳川家光
東京都千代田区千代田
訪問日:2019.1.26他