西 油彩
土曜日は岩田が担当します。
今回は、土曜午後のクラスに在籍の西さんの作品をご紹介します。
こちらは、ご自身のお祖母ちゃんです。敬老の日にプレゼントしたいということで間に合うように頑張って描いた作品です。
緻密にというより、その佇まいを重視し雰囲気を大切に描いた作品。
第3者が描いた所謂肖像画にはない、血の繋がった者だけが描ける距離の近さを感じると共に、歳を重ねた年輪とその穏やかさや優しさといったようなものまで彷彿とさせます。
油彩は暫く描いていなかった西さんですが、髪の毛の全体感と流れ、顔の描き方など少ない手数で最大限の効果を生んでいます。
ペン画や透明水彩など多義に渡って画材を扱ってきた成果が表れているのでしょう。
人を描く際に、そのポイントとなるのは何といっても顔の表情ですが、こちらの作品は、撮影しているのにふと気づいて、こちらに顔を向けた一瞬のようにも見えます。
絵は静止画ではありますが、描いているシーンの前後の時の流れが想像できるような、言い換えると鑑賞者の頭の中で動画に変換できるような作品はとても魅力的です。
皆さんも時間や空間といった縦軸と横軸を意識して作品を描いてみると更に面白い作品を作ることができるかもしれません。