モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

威風堂々

2023-05-31 23:47:36 | 学生


海良 高2 油彩

あっという間に6月ですね、ナツメです。今回は木曜学生クラスの海良の油絵をご紹介します!本物のクジャクの羽を左手に、右手に筆を、良く観察しながらコツコツ制作していた油絵が、ようやく終わりました。

顔の側の模様と、顔から離れた模様の鮮やかさ・描き込みに差を付けました。
主役の顔が手前に感じるように、
顔周りは彩度を落とし暗めな色を使っています。また描き込みも丁寧に、フワフワの細い羽毛を緻密にしました。
顔から離れた場所は、大胆に鮮やかにくっきり大きく描くことで、顔周りのおしり部分が一番凹み(奥)、画面右側が手前にぐっと迫ってきているのが分かりますでしょうか?輪郭を全てフレーム外にしている為、その前後関係を表現するのが難しいのですが、全てが計算尽くしです。
目玉模様の大小(奥は小さく/右手前は大きく)・角度(奥は丸く斜めに/手前は横に長く)・彩度明度(顔の側と下の方は暗く/右上は鮮やかに明るく)・配置の密度(奥はたくさん/手前はパラパラと)・描き込みの粗密(奥は細かく密度高く/手前は太い羽毛を隙間を空けて)・油絵具の盛り(奥はオイル多めに薄く/手前は絵具多めでマチエールを効かせる)の違いを駆使し、非常に上手く表現しています。

細々テクニックの事を書き連ねてしまいましたが、純粋にクジャクの凛々しさが伝わってきます。まるで「僕の美しい羽を見ろ!」と主張しているような、どこか誇らしげな印象も。孔雀が求愛行動のために広げる飾り羽は目玉模様が多かったりより大きく綺麗である方が優れていると言われていますが、画面の外に大きく広げられている様子が想像できるほどいっぱいに描かれた羽のボリューム感が素晴らしい!羽の目玉の模様も全て細い毛で構成されているのですが、その密集している様子や枝分かれした毛の一本一本の小さな凹凸にも反応し最後まで挫けず(一度だけ小原先生に二人羽織で手伝ってもらっていましたが)緻密に描写しました。
真面目だからこそ「見つけたものはできる限り描こう」と苦戦したところも多かったでしょうが、その甲斐あってここまで華麗で気品に溢れた一枚になったのだと思います。私も似たタイプなので気持ちはよくわかりますが、たまには息も抜きつつ、次の作品にも臨めると良いですね!


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