浩子 油彩 / 聖菜 水彩 共に中3
マユカです!今回は中学3年生二人の作品をご紹介していきたいと思います。
少しファンタジーな世界観を感じるようなベニテングダケの油絵と、自分でモチーフを組んだ静物の水彩画です。浩子も聖菜も丁寧な塗りと色使いからきちんと描こうという誠実さが表れていますね。それでは一人ずつご紹介していきたいと思います
まずは浩子、白雪姫の森の中のような雰囲気のある1枚で、奥の方はぼんやりさせ、手前の描き込みにしっかりピントを合わせる手法や、キノコ以外の色味を少し抑えめにすることで赤色がビビットに見えるような色彩のバランスなど、画面の調整がとてもうまいですね。白の斑点部分は少し絵具を多めに乗せ、立体感が強く出るようになっています。どこか異世界のような空気感が強く伝わってくるため、神秘的なイメージを受けますね。この色調を映えさせる白っぽい額に入れ飾りたくなるような作品です。
お次に聖菜。水彩絵の具ですが青色が綺麗に発色しており、慎重に塗り進めて行ったのが分かります。水彩絵の具は塗り重ねすぎると色がくすんでしまって少しぼんやりとした仕上がりになってしまうのですが、聖菜の作品は全体的に鮮やかに仕上がっていますね。
布、レンガ、ガラス、そしてぬいぐるみ...と、素材の描きわけができており、触れたときにどんな触感なのか伝わってくるようです。ハイライトの入れ方や影の濃さ、シルエットも含め、モチーフと真摯に向き合い、らしさを表現しようと工夫したことが見て取れます。
最初から丁寧に描き進めることで、仕上げの工程が少なくなるだけでなく、調整もしやすくなり、完成した時に美しい画面になる確率が高いです。その分時間はかかってしまいますが、時には考えながら筆を進めるのもいいかもしれません。