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モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

木炭デッサンの効用

2025-05-19 10:25:04 | 学生


陽音 中3 木炭デッサン

サトルです。今回は中学生の描いた木炭デッサンの紹介になります。ヘルメットを被った裸の像がマルス、マントを掛けている像がジョルジョです。頭部と体の比率も良く合わせられていますし、石膏像の大きな立体感も感じられます。

元々鉛筆で石膏像を何枚も描いていたので形を取ることや描写力は中学生離れしていたのですが、石膏像の大きい立体感や光が当たって起こる、明るい所から暗い所へのグラデーションがうまく出せませんでした。木炭を使うことでその弱点を克服し、二枚目に描いたジョルジョはボリューム感をよく出し見事に仕上げました。

木炭は黒くて描きづらそう……と敬遠しがちだと思うので、ここで木炭デッサンのコツを紹介しようと思います。

木炭の最大の特徴は「強い黒が塗りやすく、消しやすい」ことです。木炭を画面に塗ると、筆圧の関係なく真っ黒い線がでてきます。これが木炭の難しいところで、単純な塗り重ねで色の濃さの調節が出来ないため、食パンや練りゴムで木炭の粉を取ったりしてグレートーンに調節しなくてはなりません。食パンや練りゴムの他にも、擦筆(さっぴつ)・スポンジなどは、小さな面積や少しだけ色を明るくしたい時の微調整に使えますし、ガーゼや手のひらで大きい範囲を一気に擦ることも可能です。(陽音のジョルジョの体の部分は、このようなテクニックを積み重ね使い分け上手く描けています。)一度大きく光と影を塗り分け大まかに整えてから、練りゴムなどで光側に白い線を引くように木炭を取っていく。木炭デッサンはこのようなプロセスを踏むことで効率よく大きなボリューム感と細部の質感を両立させることができます。

少しトーンの調整に慣れが必要な木炭ですが、鉛筆に比べて圧倒的に早く広い範囲を塗る事が出来ます。僕はクロッキーや大きいデッサンを描く時は木炭で大きく色を乗せて細かい所を鉛筆で描いています。人によっては鉛筆より木炭の方が得意なこともあるので、石膏デッサンなどの大きい作品のときに挑戦してみると新しい発見があるかもしれませんね。


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