菅原 油彩
凍える辛い朝を迎える度に、何故人類は冬眠をしないんだ…？と頭を抱えてしまう大竹です。
今回ご紹介させて頂くのは菅原さんの油彩作品です。
以前の色鉛筆での作品も穏やかでゆったりとした時間が画面から感じられましたが、油彩になっても菅原さんらしさは発揮されていますね。
段々下にいくにつれて薄くなっていく空のグラデーションや大きく跡を残さない筆のタッチによって画面の静かな空気感が生み出されています。
ご自分で撮影された写真を見ながら制作されていましたが、メインの富士山の邪魔をしないよう右の枝を少し減らすなど、構図も工夫されていました。
この手前にある梅は重要で、手前に物がある事によって、より富士山が奥に感じられ、画面の中の空間が広がっています。
写真だと伝わりにくいのが残念ですが、青空を絵の具の厚さが均一になる様に丁寧に塗られているので、その上に少し厚めに盛られた梅の花や枝の絵の具との差が絵を面白くしています。
また、空の青、富士山の青、河口湖の青が丁寧に色作りされているので、似通った色にならずそれぞれの青を楽しめるようになっています。
山頂部分ですが、ご本人が一番苦労されたという部分だけあって一番美しく仕上がっています！
雪の白や山肌の青へ変わる部分が特に素晴らしいです。
暗めの色の手前の足場や他の山も濁らず良い色に仕上がっているので、明るい部分がより綺麗に見えてきますね。
現在ミオスの展覧会へ向けて製作中の色鉛筆画も様々な工夫が施されていて完成が楽しみです★
