モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

訪れたことのない風景

2015-03-28 00:57:10 | 大人 油絵・アクリル
 大澤 油彩

こちらの作品は水曜夜間クラスの大澤さんが旅行されたベルギーの風景ですが、大澤さんが撮られた写真ではなく、新聞から切り抜いた写真を元に制作されました。
少々季節外れの完成になってしまいましたが、秋になりつつある川べりの風景を楽しみながらそぞろ歩く恋人達が、夕暮れ時の日差しに照らされている絵です。
それにしても素敵な風景ですね。秋の紅葉の中で恋人同士が寄り添っているなんて演出もバッチリです。まさに「絵」にするには申し分ない写真です!
真ん中に流れる川の表情にまず目が惹かれます。日差しを浴びて川面がキラキラ光っているところなどとても巧みに表現されています。
橋の影が投影されている部分を見ても絶妙な色合いで描かれています。結構川や海って描こうとすると難しいんですよね。何かが反射している水面と水中が透けて見えているところ。その辺りの描き分けが水を描く上でのポイントとなりますが大澤さんとても的確に表現されていると思います。川のちょっと淀んだ感じも上手いです!

斜め上から俯瞰している風景なので掴みづらいところもありますが建物、地面といった関係が少しままなら無いところがありますね。静物などでもそうですが平らな面にものが置かれている状態を正確に表現することはとても重要です。セットしたモチーフであれば自分でその状況を把握しているものですがこうした写真を絵にする場合、描いている場所が行ったことの無い場所であることも多いです。
例えば今回の絵で言えば、橋とそのたもとにある建物の関係がちょっと近すぎるのかな?といった印象を受けます。こちら側と橋を挟んだ向こう側の繋がりが更に自然になってくると絵にも安定感がでてくると思います。

とは言え、自分が訪れたことのない風景を絵にするのは色々な想像力も働き、とても面白いものですよね。描く前にちょっとだけその写真を良く観察してそこがどういう状況になっているのか出来るだけ客観的に理解することが出来ると良いかもしれません。

岩田でした。
コメント
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