森共同アトリエ 管理人日記

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作品の完成。 (緑青のつくり方解説)

2017年09月03日 19時24分24秒 | vision (2016年9月から)
今日完成しました!
緑青も上手くいきました。といっても途中は失敗の連続です。
最初は水酸化アンモニウムで緑青を出そうとしていました。通常は塩化アンモニウムを使うのですが、水酸化アンモニウムはより青が強く出るのでそうしたいなと。でも反応が今一で、部分的に(おそらく金属密度や表面の荒さの差)で色がつかない部分が何とも出来ず、途中であきらめて塩化アンモニウムに切り替えました。重ねがけはよくなさそうなので一旦塩酸で洗い流しました。

塩化アンモニウムでの緑青の形成方法を記します。
塩化アンモニウムは劇物ではないので簡単に手に入ります。結晶(粉)状のものです。
水1リットルに対して薬剤は小さじ1杯から多くて1杯半。入れてよく撹拌します。
天日に当てながら(ある程度の温度が大事。でもバーナーなどで炙ると黄変したり剥離するのでやめた方が良いです)刷毛で塗っていきます。溜まりができるとそこだけ反応が進んでしまうのでよく水を切って塗っていきます。垂れた痕も出るのでそれも注意。
何度かに一度は水刷毛で拭き取っていきます。表面の余分な膜を洗って反応を促進させます。
何度も何度も根気よく塗り重ねます。
段々表面が古い10円玉のように焦げ茶色になってきます。
何度も何度も根気よく塗り重ねます。
すると所々うっすら色が出てきます。その後はみるみる色が乗っていきます。
全体に均一に。という訳にはなかなかいかないので最終的には反応が遅れている所を重点的に塗ってバランスを取ります。
多分200回以上は塗り重ねたと思います。
濃い物を一気に塗ると、剥離するし、きれいな色にならないのです。とにかく薄めた物を何度も何度も。が大事です。湿気と温度、日光(紫外線)も大切です。
青い緑青も好きなので、小さい作品で水酸化アンモニウムを試してみます。

それでは完成した作品です。









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