アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

油絵具のパレット(色の選択)

2015-06-17 06:49:13 | 画材、技法、芸術論、美術書全般、美術番組
 ほんの少し使ってみた程度ですから、何とも言えませんが、海外メーカーの油絵具と国内メーカーの油絵具に大きな差は感じませんでした、私は。
 昔、絵画教室に通っていた頃、私の絵の先生が言ってました。戦後、国内メーカーが猛勉強して追いついたので、今は国内外で差はないと。確かにそんな感じです。色によっては、やっぱり海外メーカーの方が良いという話はよく聞きますが、自分が使ったわけではないので、何とも言えません。忘れてはいけないのは、海外メーカーの油絵具の価格には輸送費がかかっている分、国内メーカーよりも高めだということでしょうか。
 油絵で、どの色を使うのか、色数は多い方がいいのか、少ない方がいいのか、気になりますが、組み合わせは無数にありますし、これが絶対だ、ということもありません。青はコバルトブルーでもプルシャンブルーでも、その両方を使っても構わないでしょうし、白はシルバーホワイトでもチタニウムホワイトでも、両方でもいいでしょう。
 しかし問題は使ってみないことにはわからないということです。使ってみるためには買わなければなりません。買うにはお金が要ります。弱った、困った、お金がない。
 そこでひとつ、透明水彩で試すという手があります。油絵具には透明、半透明、不透明がありますが、透明水彩絵具では当然そんなことまでわかりません。でも色味はほぼ同じです。実際的な解決方法だと思っています。透明水彩絵具は油絵具よりも安いですし、量も少ないので使い切るのも容易(水彩スケッチをすればよいだけ)。小さいので場所も取らない。それと肝心なことが一つ、油絵具だろうが水彩絵具だろうが、人間、自分が気に入らない色は使わないのです。だから試すだけの価値はあります。
 そりゃ実際に買って試せればいいですよ、でも油絵具は高いですし、もし買って気に入らなかったら、使い切るのも大変です。ですから私の場合、透明水彩の色数は多くしています(今はお金がないので水彩パレットに空きが多数ありますが)。気に入らなくて減りの遅い色がパレットに出しっぱなしのままの状態ですが、気になりません(気の向いたときに使っていずれなくなります)。逆に普段使わない色の油絵具を、透明水彩絵具で買ってあれこれ試す、という手もあります。
 まあ、ただ危険を伴います。昔、透明水彩でプルシャンブルーとバーントアンバーが大好きで(今でも好きで使っていますが)、油絵具で買って使ってみたら、個人的にあまりぴんとこなかったことがありました。そうしたらネットで誰かが「透明水彩ではプルシャンブルーとバーントアンバーは必須だが、油彩では必ずしもそうではない」と書いていて、納得したことがありました。以来、この2色は私の油彩パレットから外れています(最近プルシャンブルーが一時的に復活しましたが)。
 私の油彩パレットは増減を繰り返し、結局色数は少なくなりました(たくさんの色数を揃えると、その分お金がかかるので)。今は一時的に復活した色がありますが、これも消えるでしょう、たぶん。
 透明水彩絵具で気に入ったからといって油絵具で気に入るとは限らないし、油絵具で気に入ったからといって透明水彩絵具で気に入るとは限りません。困ったものです。


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