諫早湾ニ審判決

諫早湾干拓堤防をめぐる訴訟で
きのう福岡高裁も常時開門調査という判決。

もう事業は完了してすでに干拓内では営農も始まっており、
調査とはいえ開門することのリスクは双方において大きいと思う。

干拓営農地の塩害と防災機能の低下はよく報道されているが、
調査というだけでもいざ開門するとなれば
湾内旧堤防の改修工事で６００億円かかり、
調整地内もすでに新しいビオトープが形成されており、
海水が入ることでまた環境が変わることになる。

なによりもほんの数百メートルの排水門２箇所だけの
湾内への汐の出入りは凄まじいものと予想できる。
この潮流で潟土が巻き上げられ、有明海に流入することで
新たな漁業不振につながらいのか心配だ。

今春に行われた赤松農相との懇談の席でどこかの県だったか
「開門することで更なる漁業被害が出た場合は国は補償して欲しい」
と、話が出ていたがあまりにも身勝手すぎるのではないか。

閉鎖海域有明海に込流入河川の水質比較では
諫早湾調整地は平均程度である。
もっと広域的な有明海全体の環境保全に図るべきではないか。