ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

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『原典訳 マハーバーラタ 1-8』

2013年06月02日 | 

 『原典訳 マハーバーラタ』の8巻をとうとう読み終えてしまいました。市販されていないので、8巻まで集めるのに数ヶ月、読み終えるのに2年半近くかかりました。ちくま学芸文庫から、全11巻の予定で発行される予定だったこの『原典訳 マハーバーラタ』は、訳者の上村勝彦氏が、8巻の途中で亡くなってしまい、8巻の「カルナの巻」は、全69章のうち、49章で終わってしまっています。日本には、上村勝彦氏の訳以外、サンスクリット語から直接、翻訳された、マハーバーラタが未だなく、8巻の50章以降は、英語版テキストからの重訳版を読まなくてはなりません。レグルス文庫のダイジェスト版『マハーバーラタ』で、あらすじは知っているとはいえ、実に残念なことです。

 『マハーバーラタ』は、とにかく長い話なので、上村氏も、1巻のまえがきに書かれているように、「とにかく速く訳す」ことを第一に訳されていたようです。そのため、本文中にも、「テキスト疑問」とか、「別テキストによる」、反復が多く、重要でないのか、「第○節~第○節略」と、ばっさり省略されている箇所も時々あります。中には、「私は最高に喜ぶ」など、一般人の私からみても、普通の日本語なら、「このうえなく喜ばしく思う」とか何とかいうんじゃないか?とか、英雄を表す常套句なのか、「人中の雄牛」などはともかく、猿であるハヌマーンまで「猿の雄牛」云々はいかがなものか…と思うような表現も多々出てきますが、そんな細かいことは、どうでもいいくらい、すごい勢いで訳されたようです。第1巻のまえがきに、上村氏が書かれているように、全部で9万詩節を超える大作なので、毎日10詩節ずつ、年間300日訳しても25年、他の仕事をしながらだと、4,50年はかかるかもしれない…という量なのですから、テキストに不明な点があろうと、どんどん先に進んでいかなくてはならなかったのだと思います。とにかく、上村氏個人の偉業のおかげで、8巻の途中までマハーバーラタを読むことができました。

 このあと、他の人の英語版からの重訳で続きを読むことも考えましたが、山際版も絶版で、簡単には手に入りません。また県立図書館で借りるという手もありますが、2年半前にも増して疲れやすくなっているので、休みの度に県立図書館に通う元気はなし。それより何より、登場人物が多く、同じ人を別の名前で呼んだりするので、頭を整理させるために、もう一度読み直してみたい。今度はさらに時間をかけて、登場人物の血縁関係や、エピソードを整理しながら、名前をサンスクリットというか、デーヴァナーガリー表記してみたい…気がします。

 

 兄が入所していたホスピスまで、うちから2時間ちょっとかかったので、マハーバーラタを一番読み進んだのは、兄が入院していた冬の間でした。兄の入院中は、いろいろつらいことが多く、一人で電車に長時間乗っていると、落ち込んだり、人を恨んだり憎んだり、悪いことばかり考えてしまいそうでした。そんな中、親戚同士が熾烈な戦いを繰り広げる6巻以降を読み続け、バガヴァッド・ギータをはじめとする、教訓や戒め、倫理や神々や梵仙、王仙の苦しみなどの言葉に、少なからず救われました。最終巻の8巻は、激しい戦闘シーンの途中なので、読み終えてもカタルシスは得られないのですが、ひとまずここで中断せざるをえません。

 『原典訳マハーバーラタ』は、すでに市販されていなかったので、数冊は、中古本に定価の2倍、3倍の金額を支払って揃えました。最近では、巻によっては、1冊1万円以上で取引されているようです。やっと1巻目だけ手に入れて、読み始めてもいない『新訳 ラーマヤナ』も、今のうちに買っておかねば…。

 

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8 コメント

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インドの古典 (笹団子)
2013-06-03 19:46:04
マハーバーラタはダイジェスト版のみだったのですか?

インド文学の研究をされている方が代々翻訳するという気の長い作業になるかと思いますが、とっても大事なことだと思います。
そういう方が少ないのでしょうね。
こわくてこわくて (zoso)
2013-06-04 09:28:28
インド文学は翻訳やってる最中に死んじゃうというジンクスがあるから、こわくてこわくて誰も手をつけられないんですよ。 きっと。
ワタシタチハ、ニホンニクールノヲ、ナンドモマチマシタ。
英語版からの翻訳 (とーこ)
2013-06-04 21:51:47
笹団子さん

サンスクリット語からではなく、英語版テキストからですが、山際素男さんの翻訳は、完訳版です。

上村氏は翻訳スピードを最優先させたせいもあって、インド文学研究者の中には、その翻訳に文句をつける人も少なくないようですが、とにかく量を考えると、初訳で完璧にするのは無理だという気がします。上村氏の後を、翻訳チームを作って続けるという話もあるようですが、複数の人間となると、いっそう意見が分かれて難しいかもしれませんね。
長生きしたもん勝ち (とーこ)
2013-06-04 21:57:20
ZOSOさん

そーなんですよ。インド文学というか、マハーバーラタは、とにかく長いので、よほど若い頃から始めないと、寿命が尽きてしまうようで、サンスクリット→英語の訳者も、「名訳」と言われているもにに限って、完成していないとか。

バンドの寿命が短いイギリスで、ストーンズみたいに長く続けられるグループは珍しいですよね。

ストーンズヨリ、ワターシノカラダノホーガ、サキニ、ガタガキマーシタ。
Hyde park 2013 (zoso)
2013-07-27 20:10:48
ハイドパークの音源はダウンロードしたのでしょうか?
日本でも各国でもダインロードランキング1位になってますね。4週間限定なのでもしまだなら急げ。 Itunes storeで1500円だぞ。
もちのロンロン・ウッド (とーこ)
2013-07-28 17:11:36
zoroさん

ご無沙汰していました。

もちろんダウンロードしましたとも。でも聞く時間(通勤時間)がなくなったので、聞いたのはきのうが初めて。しかも雷を恐れて2度中断しました。

さすがにルビー・チューズデーみたいな、スイートなバラードは違和感アリアリでしたが、テンポを落としたサティスファクションは、カバーしたサム・クックの影響前のごく初期のストーンズを感じたりしておもしろかったです。

ストーンズ、商売うまいですよね~。
Unknown (全充)
2014-02-01 08:39:41
はじめまして
マハーバーラタで訪問させていただきました
高校の世界史でインドには二大叙事詩
「マハーバーラタ」「ラーマヤナ」というものがあることを知り
どういう内容なのか興味を持ってはいましたが、日本語訳がなく内容をしることはありませんでした
「ラーマヤナ」は一度東洋文庫から出たとき1巻を購入したのですが、その後書店で目にすることもなく
「マハーバーラタ」にいたってはあきらめていました。


遅まきながら今年になって「ギルガメッシュ叙事詩」を偶然手に入れてからネットで「マハーバーラタ」を検索すると、あるではないですか、日本語訳
ともかく上村さんの原典訳第1巻を古書で入手
図書館で山際版と比べながら読んでいます
近くの図書館には上村さんのも山際さんのも全巻置いてあるのでじっくり読んでいこうと思っています

ところで
「マハバーラト」というタイトルで池田さんが全訳を自費出版されているのはご存知ですか
これは全4巻4,000ページでほぼ原典訳のようです
ビーシュマの巻(第6巻)が第2巻の最後に入っています
一般書店ジュンク堂から入手可能です
Unknown (とーこ)
2014-02-01 10:06:36
全充さん

池田運さんの訳書も近所の県立図書館にありますが、山際版と同様読んでいません。もう1回上村訳版を読んで、登場人物の関係やエピソードをおさらいしてから…と思っていますが、いつになりますことやら(苦笑)。

東洋文庫の「ラーマヤナ」は、中村訳の第一巻だけ買ってみましたが、結構読みにくいのと、高価なので、それっきりになっています。読みにくい(翻訳調)のは、物語の世界に浸ってしまえば気にならなくなると思います。高価といっても、手に入る内に揃えておいた方がよさそうですけどね~。

マハーバーラタ、ラーマヤナ、それぞれレグルス文庫でダイジェスト版があり、あらすじは確認できます。

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