ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

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マニプリの名前

2014年10月04日 | インド

 アジア大会で、判定を不服としたボクシング選手が、表彰式でメダルを返還するという騒ぎがありました。アジア大会は全く興味がありませんでしたが、メダルを返還した選手がインド人だというので、記事が目にとまりました。

 

  選手の名前は、サリタ・デーヴィー。DEVIがつく名前は、ビハール州出身者に多いような気がするなぁ…と、ウキペディアでサリタさんのプロフィールを調べてみたら、マニプル州の人でした。ウィキペディアに書いてあった名前は、Laishram Sarita Devi。弟はプロボクサーで、ディヴェンドロ・スィン。姉弟で名字が違うのはどういうこっちゃ?と思いながら、弟もウィキペディアで調べると、「Devendro Singh または、Devendro Laishramで知られる、Devendro Singh Laisharam」とのことでした。つまり「Laishram」が、ファミリーネームなんでしょうね。

 

  Laishram Sarita Devi サリタさん

  Devendro Singn Laishram ディヴェンドロさん

 

 と、ファミリーネームのLaishramの位置が違いますが、もともとは、サリタさんのように、前につけるものらしいです。弟のディヴェンドロさんは、英語の名前や、一般的な北インドの人の名前と同じ順番で名乗っているということでしょうか。

 マニプル州に住む人達を、「マニプリ(人)」と呼びます。「マニプリ」には、メイテイ(メーテイかも?meetei)、ナガ、ミゾ、クキ、など、いろいろな少数民族が含まれるようですが、狭義では、一番大きいコミュニティーのメイテイ(族)を指すようです。Laishramというファミリーネームを調べると、メイテイ・パイテ・クキ・ミゾのコミュニティーに共通の名前のようなので、サリタさん、ディヴェンドロさんが、どのエスニック・グループの人なのかわかりません。

 

 サリタさんの名前にはDevi、ディヴェンドロさんの名前にはSinghがついていますが、性別を表すもので、女性には、「chanu/devi」、男性には「meetei/singh」がつきます。スィク教徒が用いる「Kaur」「Singh」と同じようなものだと思いますが、スィクの場合は、カーストを意識しない平等な同胞の、共通のファミリーネームとして、「Kaur」「Singh」を採用したのに対して、マニプリは、性(ジェンダー)を明確にするためにつけているような気がします。

 Sarita Devi やDevendro Sign は、北インドのヒンドゥーの名前で、まったくマニプル的ではありません。「ラビーンドラナート・タゴール」が、ベンガル語では「ロビンドロノート・タクゥル」になるように、「ディヴェンドロ」という名前も、デリーやムンバイでは、「ディヴェンドラ」と呼ばれるのかも。いずれにしても、伝統的なマニプリの名前ではなく、「インド化」した名前です。

 ファミリーネームの位置が前であったり後ろであったり、性別を表すSingh やDeviがファミリーネームのように使われていたり、インドの名前は複雑です。そういう事情で、インド人のパスポート名もいろいろ。日本在住のインド人家族のパスポートにも、ファミリーネームを表記する位置に、別々の名前が書かれていたりします。

 

  DeviやSinghを名前の一部に使っている人が、もし性転換したら、躊躇なくDevi→Singh、Singh→Deviに変更するんだろうか?平等な社会を目指して同じ姓をつけたというスィク教徒の人達も、実際にはSinghやKaurとば別のファミリーネームを使っている人が多いし、女性でも(Kaurではなく)Singhをファミリーネームとして使っている人もいます。マニプリやスィクだけでなく、ロシアなど、名前で性別が区別できるコミュニティーがたくさんあります。

 区別するために、何にでも名称は必要だけど、人名には意外にたくさんの情報があり、一生ついてまわるものだから、ややこしい。

 

 名前のことを調べて、マニプリのサイトをいろいろ見ていたら、「サリタさんの勇気ある行動に対して、在韓国インド人会から、栄誉賞と賞金US$1,710が贈られた」というニュースがありました。アジア大会も今日が最終日です。

 

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2 コメント

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Unknown (よもぎ)
2014-10-06 23:43:58
私にとっては一回、読んだだけでは理解できない内容ですが・・・

フィリピンの人も本名でなく、みんな愛称で呼んでる人達がいますね。数人しかしらないけど・・・

焼き鳥屋の板さんの奥さんが、フィリピンの人で・・・
その人の本名を聞いたのですが・・・聞きなれなくて、すっかり忘れました。
その彼女が歯医者に通っているのですが、そこの歯医者さんから、本名は何?と、いう話を聞いて、愛称だとわかりました。通称?かな?


アジア大会のサリタさんは、素敵ですね。
今回のバトミントンの試合といい・・・・
世界大会への姿勢が見えたような気がします。

区別と差別 (とーこ)
2014-10-07 06:18:11
よもぎさん

自分にとって興味があることを備忘録的に書きました。

知らなかったことを知って嬉々としていたのですが、名前からいろいろな情報がわかってしまうというのは、時にはめんどうなことらしく、インド人からは、「先週見た映画のラストシーンで、『私は彼の名前を聞かなかった。彼のルーツを知ろうとしなかったから』という台詞がありました」と言われました。

外国の名前は難しくて聞き取りにくいものが多いですね。日本でも、自分の名前ではなく、日本名とか、愛称を名乗る外国人が多いですね。 

昔、インド人の友人から、「日本人は僕の名前(アニル)をちゃんと発音できないから、『アニさん』でいいよ」といわれたことがあります。日本人はつい「アニール」さんと呼んじゃうことが多い上に、「に」の発音が違うんだそうです。

フィリピンの名前も、長くて難しそうな気がします。「とーこ」は簡単な名前だけど、アラビア語には、「お」の母音がないそうなので、「とぅーく」になっちゃうのかも…

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