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NASAがISS乗員に宇宙船内避難を指示

2024年06月28日 | 宇宙開発
ISSに影響を及ぼす可能性のあるスペースデブリが確認されたためISS乗員が一時的ですが宇宙船内避難を実施したようです。

φ(.. ) 宇宙船内避難とは、スペースデブリ衝突などの危険性が迫ったときにISSから速やかに離脱できるようにソユーズやドラゴンに乗船してアンドックできる状態で待機することです。

 これまでも、ISS近傍を数cm程度のスペースデブリが通過する時に同じような措置をとったことは何度かありましたが、今回は対象となったスペースデブリの数が100個以上だったとのこと… わぉ!

 いったい何が起きたの!? 

 このデブリについて「国防総省第11戦闘司令部(USSPACECOM)」が 6/27.20:39(JST)に X で声明を発表しています。この声明と複数の情報によると…

 運用を終えたロシアのRESURS-P1衛星(39186)が6月27日02時(日本時間)に100を超えるデブリを発生、RESURS-P1衛星は350km × 363km × 97° の極軌道を周回中でデブリ・クラウド(破片雲)の広がりと個数については調査継続中とのこと。

 ISS乗員の一時避難は1時間で解除となったようですが、確認されたデブリは180個まで増えているそうです。RESURS-P1衛星の軌道高度が350kmと比較的低軌道だったのでデブリが他の衛星に衝突する危険性は少ないようですが、

 これがISSやCSSの運営高度400km付近でデブリを放出していたら、デブリの衝突が連鎖的に起きるケスラーシンドローム(Kessler Syndrome)が発生していた可能性があります。それはまさに映画「ゼロ・グラビティー」のワンシーンそのものの地獄絵図です。おそろしい~

 RESURS-P1は、高解像度(最大解像度1.0m)の画像を取得できるロシアの商用地球観測衛星で、長さが 7.93m x 2.72 m、重さが6,570 kg もあるのでかなりの重量級です。

 運用を終えたRESURS-P1は本来なら2024年末ごろに大気圏へ再突入して廃棄されることになっていたようですが、今回のデブリ放出で制御不能となってしまったら、またしてもどこに落ちるの?問題が発生してしまいます。

 今のところロスコスモスからの公式発表等はありませんが、今回のデブリ放出はロシアの衛星撃墜実験(ASAT)ではなくバッテリーの爆発などの突発的なトラブルが原因とみられています。

 デブリの解析が進むことでデブり個数がさらに増える可能性もあるので、他衛星への影響も含めてRESURS-P1衛星の今後の情報を待つことにしましょう。
 

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2 コメント

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Unknown (ich)
2024-06-30 06:25:31
晴れスターさん
 デブリクラウドとは、恐ろしい用語です。蜂の群れのように軌道上の物体に襲いかかる感じがします。高度が50kmも違っても念の為退避するのでは、これが重要な作業中だと困りものですね。
 さて、2024MK当日は、突然の晴れ予報!どうしようか迷いましたが、やめました。晴れスターさんは、どうされましたか?
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Me too (晴れスター)
2024-06-30 10:08:17
ichさん
 2024MKは私もやめました。20cm反射F5で写らないことはないと思いましたが、正確な位置が分からなかったことと移動が速すぎるので遠征しても徒労に終わるなぁ~と思ってやめました。2013年に双眼鏡で空を駆け抜ける様子を目視できた小惑星2012 DA14は直径58mでしたが接近距離が静止衛星軌道の内側 27,700kmだったのでそれに比べると今回はぜんぜん遠いですよね。
 さて、デブリクラウドですが、今回の原因がバッテリー等の自然発火?だったとしたら運用を終えた衛星の中には潜在的な危険性があるものが少なからずあるということになってしまいますよね~。今後打上げる衛星は廃棄計画を運営ミッションのラストに位置づけることがマストだと思うのですがいかがなものでしょうね~。
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