練馬・板橋の注文住宅/アセットフォー日記(http://blog.goo.ne.jp/assetfor)

お打ち合わせ、設計、建築中現場、見学会のことなどアセットフォーの注文住宅家造りの日々を皆様にお伝えいたします。

祝!上棟

2016年08月31日 16時30分04秒 | 注文住宅/木工事

台風一過。

抜けるような青空です。

風速0.5m/s

気温28.1℃

湿度46.1%

まさに絶好の建て方日和です。

『FPの家 H邸』

無事、上棟完了しました。

その模様を、簡単にご報告します。

まずは、朝一番の様子を上から一枚。

いつもは基礎上に1階の材料、足場の上に2階および小屋の材料を分けて置きます。

でも今回は、重機を使わず手運びで材料を搬入したため、全て基礎上に置いてあります。

 

朝一番の作業は、ガーターレールに電動ウィンチを取り付ける事でした。

足場の上端、長手方向にレールが取り付けられ、そのレールをビームが平行定規のように滑ります。

ビームには電動ウインチが付けられ、付属のワイヤーを引っ張ればごこにでも移動させる事が可能です。

ラフターやポターンが使えない現場には、なくてはならない新兵器の準備完了です。

こんな感じに積まれたプレカット材を配置します。

配置が終わったら柱を立て、その上に梁を載せていきます。

ガータークレーンで梁を吊っている様子です。

梁の下端に明いたホゾ穴に柱のホゾを挿し、梁上を掛矢で叩き入れます。

作業者の背中には命綱が着いていて、万が一の際も安心です。

写真は2階床梁の金物を締めている様子です。

いつもと違い、半分だけ梁を組み、金物を締め、その上に小屋材及び2階柱を揚げます。

その後、残りの梁を組み、金物を締めます。

金物を締め終えると、建入検査を行います。

柱が垂直に立っているかを確認し、なっていなければ梁を引っ張って歪みを直します。

歪みの修正が終わったら、仮筋交いを取り付けて完了です。

 

ネダノン合板を仮敷きし、N75釘を150mmピッチで留め付けた所でお昼休みです。

午後は、少し温度が上がりました。

風速1.1m/s

気温32.4℃

湿度42.1%

風が吹いているので、涼しく感じます。

合板の上を材料を持って歩き回ります。

材料を所定の位置に配置して、まずは柱から建てていきます。

柱の上に梁を載せていきます。

2階の建て方はすぐに終わってしまいました。

小屋組みの金物を締めている様子です。

母屋下がり部分のタルキ間に入れる断熱パネルと、バルコニー床組の間に入れる断熱パネルも既に搬入を終えています。

2階柱の建入検査も終わりました。

小屋束を建て

母屋を載せていきます。

ようやく棟木の取付が終わりました。

上棟完了です。

おめでとうございます。

本日のメンバーは、

棟梁と息子さん。

鳶の代わりに建て方を行う足場業者×4名

交通誘導をしてくれるガードマン

搬入業者×3社および担ぎ屋さん×2名

皆さん、お疲れさまでした。

この後は、屋根タルキや筋交い等の羽柄材の荷揚げを行います。

また足場屋さんは、ガーターレールの取り外し及び足場の組み換えを行います。

天気に恵まれた、良い建て方でした。

 

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よっ!大統領!!

2016年08月31日 07時00分00秒 | たわいもない話

今日は待ちに待った上棟の日。

晴天、暑くなりそうです。

昨日の荷運びのお蔭で、筋肉痛・・・。

安全に気を配りつつ、頑張ってきまーす。

上棟といえば、棟梁(トウリョウ)の出番です。

大統領ではありません。

棟はムネ、梁はハリの事を云います。

棟は家の一番高い所にあります。

つまり、一番偉い人という訳ですね。

中国流に言えば、棟は1棟・2棟つまり1件・2件の事を云います。

梁は柱の事を云うそうです。

つまり何件も建てている大工の事を云うらしい・・・。

匠とも言いますよね。飛騨の匠が有名です。これらは大工・職人・工人の事を指していましたが、いつのまにか先生級の職人を指すようになりました。

棟という字を分解すると、木と東になります。

つまり家は南向きに建てるのが普通なので、棟は西から東になります。

中国の諺に『東風無力百花残』というのがあるそうです。

東は太陽の昇るところ、東風は万物を成長させる恵みの雨を運んでくれます。

これを転じて天子・長を指しているようですね。このように東は始まりであり、大切な方向です。これを間違えると風に逆らう事になり、大変な努力と忍耐を必要とすることになります。こんな辛抱を無理にする必要はありませんよね。反対に西は黄昏を指すそうです。

こんな話があります。

観音堂を造っている時、最も大切な長い桁丸太1本を、建前(上棟)の前日に誰かに短く切り落とされたそうです。

1本短くなると全体を小さくやり直すか、1本を新しく手当しなければなりません。手当するには半年以上かかってしまいます。

棟梁は困り、仕方がないので綱を両端に縛り付け、両方をみんなで引っ張ってみました。

観音様が応援して、伸ばしてくれるかもしれない・・・。

みんなは半信半疑でしたが、棟梁の命令です。一生懸命引っ張りました。

少し伸びたように思えます。

そこでもう一度、引っ張ってみました。

そして棟梁が寸法を測ってみると、ちょうどいい長さに伸びています。

これは観音様のお蔭とばかりに、みんな喜び合い、無事翌日建てる事ができました。

種明かしをすれば、反対派の誰かが悪さをすると予見した棟梁が、予め少し長くしておいただけの事でした。

でも観音堂が完成した後、これを知った人々は棟梁の力量を褒めたたえたそうです。

棟梁は、技術者であるとともに伝承者であり人格者でもあります。

棟梁の知恵と技、凄いですね。

 

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台風ですね。

2016年08月30日 17時15分58秒 | 注文住宅 その他

台風ですね。

やっぱり、来ちゃいました。

今のところ、たいした事ありませんが・・・。

どんよりとした空

雨粒が時々落ちてきます。

気温は26.3℃

湿球温度23.9

相対湿度は78.7%

雨だから、湿度が高いのは仕方ないですよね。

でも雨支度をした職人さんにとっては、辛いかもしれません。

『FPの家 H邸』

雨にも負けず

風にも負けず

足場の先行架設を行っています。

ガードマンも、あっちに行ったり、こっちに行ったり・・・。

通行人が来るたびに案内&誘導に走っています。

基礎の回りにPPシートを敷設したところを撮影しました。

こうする事で掃き掃除が楽になるのと、泥足を引き摺り道路を汚す事が少なくなるメリットがあります。

基礎の中の水位はこんな感じでした。

ここで、簡単に周囲の状況をご説明します。

南西に位置する前面道路は幅員4.0m。但しセットバックをしていない方が多い為、建設地に車を横付けする事は出来ません。

手前の広く見える道路の幅員は、片側のみ後退したいるので2.9m程でしょうか。その先10m位は1.8m程しかありません。

道路の反対側では、解体工事を行っています。そろそろ終わりそうですね。

こちらが敷地南西にある生活用通路、幅員は1.6mに満たない位です。

写真中央に見えるのが足場を積んだトラックです。

敷地の端から3.0m位のところから先は4.0m道路になっていて、そこまでは車を近ずける事が出来るます。

ここにトラックをつけて手運びをしていますが、実はこれにも問題があります。

この道路の入り口付近で新築工事が始まってしまい、工事車両が邪魔で進入出来ない場合があるんです。

お互い工事関係者同志ですから、どうにかやり繰りできるとは思うのですが・・・。

遣り方を終えた現場の写真です。今日はお休みのようですね。

トラックの荷台に積まれた足場用の部材を、ドンドンと降ろして基礎の回りに並べていきます。

ようやく、先行足場の架設工事が始まりました。

下で見ていると、クラクラしそうですよね。

どんどんと足場が組み上がっていきます。

プレカット材を積んだトラックが到着したようです。

電線が邪魔で敷地内に降ろす事が出来ません。

仕方なく、少しづつ通路に降ろす事にしました。

降ろした材料は、『担ぎ屋』と言われる手運び専門の業者により指定した場所まで運んでもらいます。

その間も、足場は着々と組立てられていきました。

先行足場、完成です。

この後、建て方用のガータークレーンを設置しました。

写真じゃ、よくわからないですよね。

ガータークレーンの様子は、明日報告させていただきます。

最後は足場屋さんも合流して、プレカツト材の搬入を行いました。

さすがに担ぎ屋さんもバテたようですね。めっきり作業速度が落ちています。

しかも、途中からバケツをひっくり返したような大雨です。

全身ズブ濡れになって作業を終えました。

泥足で汚れた道路の清掃も完璧です。

他の地域でも台風の被害、たいした事無いといいんですけど・・・。

明日は暑くなるようですね。

張り切って、建て方作業頑張ります。

イラストのようにラフターやポターン等の重機が使えませんから、全身運動になると思われます。

ダイエット!ダイエット!ですかね・・・。

皆さん、本当にお疲れさまでした。

 

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閑話休題

2016年08月30日 07時00分00秒 | たわいもない話

ちょっと一息、つきませんか?

階段にまつわる話です。

13段階段は、絞首台の異名です。

これを知って、ご自宅の階段を13段階段にする事を嫌がる人もいるでしょう。

中には、「偶数の方が好き」なんて方がいるかもしれません。

ちなみに弊社の階段は、2階建ての場合15~16段が標準となっています。

一方13という数字は、キリスト教徒が忌む数字でもあります。

キリストの処刑された日は13日の金曜日であったとか、エルサレムに入城したキリストが捕らえられ、死を予知して弟子12人と共に催した最後の晩餐の同席数も13人です。

このように13という数は、ヨーロッパで嫌われる数の最先端でもあります。

ちょうど日本で4(死)と9(苦)の数が忌み嫌われるのと同じように、ヨーロッパのホテルでは13の部屋番号はありません。

十二支が一巡し、元に戻る年ゆえ気分を一掃するところより催す十三回忌の法要を盛大に催す日本とは大違いですね。

13という数は、日本の住宅ではちょうど階段長さが9尺(2.73m)で納まる良数でもあります。

上図の階段を見ると、14段目が階段長さ2.73mで納まっていない事がわかります。

でも階段の段数は納まりだけで決定する訳ではありません。

何故なら、階段の寸法は法律で規定されているからです。

階段巾≧75cm

踏板巾(T)≧15cm

蹴上げ高さ(R)≦23cm

規定いっぱいの階段の勾配はおよそ57°、かなりの急こう配で降りる際には危険が高まります。

住宅の場合は2R+T=60cmより決めるのが一般的になっています。

すなわち、人が平地を歩く歩幅を60cm(成人63cm・幼児57cmとする場合もあります)とすると、階段を昇るのは平地を歩くよりも2倍のエネルギーが必要になります。これが根拠となって上の式が出来ています。

上図の場合であれば、階高2.90mを段数で割ったものが蹴上げ寸法(R)になります。

14段階段であれば

2900/14≒207.14となります。

13段階段であれば

2900/13≒223.07となります。

双方ともに規定寸法内になってます。

これを先述の数式に当て嵌めてみます。

14段の場合は

2R+T=2×207.14+T=60cmですから、185.72となります。

13段の場合は

2R+T=2×223.07+T=60cmですから、153.86となります。

後者は残念ながら規定寸法を満たしていません。よって14段階段を選択する必要があります。

上図では、踏み板寸法を21cm・蹴上げ寸法を21cmにしていますが、この時に勾配は45°になります。

勾配は緩いほど昇りやすくなりますが、その為には踏み板寸法を大きくする必要があります。

書籍に使われるバーコード(白と黒の縞模様と線の太さで商品データーを表示、上段の最初の4桁でコード用プラグと国番号、次の8桁で会社名と商品名、最後の1桁はチェックコード)の数も13ですから、13は便利な数とも言えそうです。

最後に、13にまつわるモノを並べてみましょう。

十三参り・・・子供が13歳になると虚空蔵菩薩に詣でる。

十三夜・・・陰暦9月13日の夜。「お月さんいくつ、13と7つ」の童謡を思い出す方もいるのでは?

13枚・・・トランプの4種のカードは、それぞれ13枚。

十三里・・・サツマイモの隠語。九里(栗)四里(より)甘いの意。 

いかがでしたか?

たわいもない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

そろそろ、台風の影響が出始めるようですね・・・。

 

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土台敷き終わりました。

2016年08月29日 15時04分58秒 | 注文住宅/木工事

『FPの家 H邸』

空模様は、猫の目のように変わっています。

晴れたり、曇ったり、雨粒が落ちて来たり・・・。

朝から行っていた土台敷き、無事完了しました。

基礎の上には『キソパッキンロング』を敷き込んでいます。

土台を載せたところを横から写してみました。

通風用スリットがよく見えると思います。

キソパッキンは新しい技術と思われていますが、実はずいぶん昔から利用されていたと言います。

当時は『猫土台』と言われ、欅や御影石で出来ていました。

樹脂のしなやかさと石の強さを兼ね備えた複合材で出来たキソパッキンは、優れた耐久性と安定性を有し、経年変化にも強くなっています。

主な特長は以下の通りです。

基礎と土台を絶縁し、土台が腐る原因を作りません。

また建物全周の通風用スリットから湿気を効率良く排出します。

従来の床下換気口工法に比べて、1.5~2.0倍の換気性能を実現します。

写真は、アンカーボルトの穴を土台に明けている様子です。

この後、ホウ酸系防蟻剤を土台裏面に塗布します。

防蟻剤を塗った土台を、設置する場所に配り、土台を敷いていきます。

土台には、米ヒバの105×105材を使用しました。

写真は、プレカットによる大入蟻の加工です。

腰掛鎌継手もきれいに納まりました。

土台を敷き終えると、アンカーボルトにナットを締め付けます。

床パネルと干渉しないように、天端が土台と同じレベルになるものを採用しています。

土台と土台の間に、910mmピッチで大引きを設置します。

こちらも米ヒバの105×105材を使用しています。

大引きの下には、910mm間隔で鋼製束が設置されます。

耐圧盤が濡れているため、接着は行わず、後日行う事にしました。

土台敷き、完了です。

台風の様子を見て、先行足場および上棟となります。

台風、たいした事ないといいんですけど・・・。

 

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雨が降ったり止んだり・・・

2016年08月29日 11時58分10秒 | 注文住宅/木工事

今日は『FPの家 H邸』の土台敷きの日です。

空を見上げると、雲が低く立ち込めています。

注意して見ると、上層と下層の雲の流れる向きが異なっているようですね。

雨が降ったり、止んだり。時折陽光が差し込んだりもします。

やはり台風の影響なんでしょうね。

基礎に雨は溜まっていません。

水抜栓、頑張っているようですね。

気温は26.7℃

風速は0.4m/s

相対湿度は82.8%

湿球温度は24.8℃

気圧は992.1hpa

絶対湿度は21.031g/m3

となっています。

気温が高くない割りに、ジメジメとして快適ではありません。

体感温度はどうなんでしょうか。

知っていますか?

体感温度の算出方法には大きく分けて2つあります。

リンケの計算式とミスナールの計算式です。後者には改良版もあるので、3つになるのかな?

リンケの計算式

体感温度=t-4×√V
t=気温(℃)、V=風速(m/s)。

風が吹くと体表の熱が奪われるため、体感温度は低くなります。(風が1m強くなると体感温度は1度下がります。)

ミスナールの計算式

体感温度=t-1/2.3×(t-10)×(0.8-(h/100))

t=気温(℃)、h=相対湿度(%)。湿度を元に計算した体感温度。

気温が10℃以上のときは湿度が上がれば上がるほど暑く感じ、10℃以下のときは湿度が上がれば上がるほど寒く感じます。

ミスナールの計算式 (改良版)

体感温度=37-(37-t)/(0.68-0.0014×h+1/A)-0.29×t×(1-h/100)

t: 温度(℃)

h: 湿度(%) 

v: 風速(m/s) 

A: 1.76+1.4×(V^0.75)

では、それぞれの体感温度を算出してみます。

温度・相対湿度・風速等は、現地で測った値を使用します。

リンケの計算式の場合

体感温度=t-4×√V=26.7-4×√0.4=24.1℃

ミスナールの計算式の場合

体感温度=t-1/2.3×(t-10)×(0.8-(h/100))=26.7-1/2.3×(26.7-10)×(0.8-(82.8/100))=26.9℃

ミスナール(改定版)の計算式の場合

体感温度=37-(37-t)/(0.68-0.0014×h+1/A)-0.29×t×(1-h/100)

=37-(37-26.7)/(0.68-0.0014×82.8+1/(1.76+1.4×0.4^0.75))-0.29×26.7×(1-82.8/100)

=25.0℃

一般的には、3番目の25.0℃を採用するケースがようですね。これだと、適温ということなんでしょうか?

個人的には、もう少し湿度が低い方が良いと思うのですが・・・。

今度は、不快指数を算出してみましょう。不快指数はアメリカで考案された指数です。
不快指数=0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3
の計算式で求められます。

不快指数=0.81×26.7+0.01×82.8×(0.99×26.7-14.3)+46.3=77.9

湿度の高い所に住んでいる我々日本人は、アメリカ人より高湿度に対して身体が順応しているため、不快指数が高くてもアメリカ人より不快に感じないのかも知れません。そのせいか日本人は不快指数75~80で半数が不快に感じ、80以上になると殆どの方が不快に感じると言われます。

どうやら私は、湿度に敏感な半数に分類される人間のようですね。

土台敷きの話は、次のブログをご覧ください。

 

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暑さや寒さを感じるのは・・・

2016年08月29日 08時00分00秒 | 省エネ住宅の基本

人体は、周囲の環境(温度や湿度・気流・放射熱など)との関係で、熱を放散したり熱をもらったりしています。

また摂取した食物と酸素をエネルギー源として、運動量に応じた熱を体内で生産している人は、これと同じ量の熱を放散している時には暑さも寒さも感じません。

人体の生産熱と放散熱のバランスが保たれているかどうかが、暑さや寒さの感じ方と大きく関係しているんです。

夏、長袖衣服を着ていると放熱を妨げられるので暑苦しく感じます。

その時は、半袖衣服にして放熱しやすくしてやります。

それでも暑いと感じる時は、害は温度が高くて体内で生産された熱を充分放出できていないのです。

人体周辺には、秒速0.15~0.22mというゆっくりした上昇気流があり、急激な温度変化から人体を守っています。

ところが冬など外気温が低く風が強い時には、この上昇気流が吹き飛ばされ、冷たい外気が肌に当たるので寒さが肌身に染みるのです。

室内の空気の流れについては、あまり関心を持つ人は少ないのですが、隙間風をほとんど感じない高断熱高気密住宅の冬の室内環境面から考えると、理想的には室内空気の流れは秒速0.15m以下が良いでしょう。

スウェーデンでは室温20℃の時秒速0.2mの風があると、風が無い時よりも約1.6℃ほど寒く感じると言われています。

日本でも秒速0.1mと秒速0.5mの気流では、前者が2.0℃ほど寒く感じるとされています。

人体の生産熱に比べて周りの空気温度が低い時は、皮膚温との差が大きくなるので対流による放熱が増大します。

電気ストーブに手をかざすと手が温かく感じるのは、手に放射熱を受けているからです。

表面温度の高い物体が存在すれば、人はその温度を放射熱の形で感じる事になります。

また冬の間、窓に近づくと寒く感じるのは、窓ガラス表面の温度が低いため冷放射を受けるからです。

机や椅子・床といった人体が直接触れるものの場合は、熱が物体中に伝わって高温部から低温部に移動する現象によって耐熱が奪われます。

家のドアノブのような金属類が冷たく感じるのは、熱伝導率が大きいからです。

寒さの原因は、温度・風速・湿度・放射が大きく関係します。

その中で最も大きく関係するのが温度といわれています。

でも快適さを表す指標としては、体感温度や不快指数の方が一般的かもしれませんね。

温度とは別に、実際に何度くらいと感じるかを表す指標が体感温度です。

その考え方には2つあります。

1.気温と湿度で測る方法

気温が10℃以上ならば、湿度が上がるほど暑く感じる。

気温が10℃以下ならば、湿度が上がるほど寒く感じる。

これを『ミスナールの体感温度』と言います。

2.気温と風速で測る方法

風速1.0m/sにつき体感温度が1.0℃下がる。

これを『リンケの体感温度』と言います。

なおミスナールの体感温度には『改良版の計算式』があり、それには風速が加味されています。

例えば夏、気温は同じでも湿度が高く、風のない日は気温以上に暑く感じるものですが、体感温度はその感覚を温熱環境の3要素を使って具体的な計算式で表しています。

また不快指数は1959年に米国で考案されたもので、主に蒸し暑さを表す指数です。

風速を考慮せず気温と湿度のみで算出するため、実際に感じる蒸し暑さとは多少の相違があります。

体感温度を比較してみましょう。

閉め切った部屋でエアコンを28℃に設定した場合の温度は28℃、湿度60%、風速0m/sの時の体感温度は26.0℃になります。

エアコンを停めて窓を開けてみると、温度30℃、湿度70%、風速4m/sなんて事もありますよね。この時の体感温度は25.1℃になります。

風の影響もおおきいですよね。

人体側の要素で言えば着衣量と活動状況になります。

半袖・半ズボンの軽装と、毛糸のセーターの厚着では、人が感じる温度に数度の違いが生じると言われています。

夏と冬では快適な温度が違うのはその為です。

また健康状態や年齢・性別により、感じる温度が違うこともあります。

発汗の気化熱による温体温調整も忘れてはいけません。

でもこの話は前回しましたよね。

 

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セルロースファイバーと調湿性

2016年08月28日 17時09分25秒 | 省エネ住宅の基本
 
今日は日曜日、しかも生憎の天気です。
現場ネタも特にありません。
先日参加したセミナーで紹介された、『セルロースファイバー』についてお話をしたいと思います。
 
FPの家しか建てない弊社が使う断熱材は『FPウレタンパネル』だけ。
と思っている方が多いと思います。
でも、そんな事ないんです。
例えば浴室や玄関土間は『基礎断熱』となるため、FPウレタンパネルは使いません。
イソシアヌレートフォームの成型板を切って、土間部分と立上り部分に貼り、断熱層とします。
また、天井断熱の場合はセルロースファイバーを天井板の上に吹き込みます。
 
セルロースファイバーの特徴は以前も書いた事がありますので
今回は『OK-DEPOT』の『EMセルロースファイバー』の特徴の中でも、調湿性(吸放湿性)に関する部分のカタログ記載を抜粋してご紹介します。
 
湿気をコントロールして快適な住まいに

セルロースファイバーの最大の特長は、木質繊維が持つ吸放湿性です。
換気やエアコンに頼らなくていい、快適な室内環境をつくりだすには、この吸放湿性がとても重要なのです。



木の優れた調湿性能

空気の入った管でできた木の繊維は、いつもわずかな湿り気を要求します。

それは生き物としての証なのかもしれません。だから十分に乾燥した木でも湿度を調整する機能(調湿機能)があります。
一般に建築材料として使用される木材の含水率は、約15%程度で平衡状態を保ち、雨の日は含水率が少し増え、晴れた日は逆に減ります。つまり、木には雨の日は室内の水分を吸い、晴れた日は水分を吐くといった吸放湿性があります。わたしたちが呼吸をするように、木も呼吸しているのです。

日本の夏は、温度が高いうえに湿度も高い。このような日本特有の高温多湿の環境における住まいの湿度調整には、木材が最も適しています。

人間が「心地よさ」や「不快」を感じる要素としては、温度、光、風、湿度といったものがありますが、その中で一番大切なのは「ほどよい湿気」ではないでしょうか。わたしたちの肌はいつも適度の湿度を求めているからです。

住宅にも同じことがいえます。床、壁や天井などに湿度調整機能をもたせることで常に一定の湿度が保たれて快適な空間となり、そこに住む人の肌にも一定の湿度が補給されるのです。

セルロースファイバーは自然のエアコン

水は蒸発するときに熱をまわりから奪います。

夏の暑い日に、庭に水をまくと涼しくなります。同じ場所でも、コンクリートやアスファルトの地面と芝生が生えた地面とでは温度が違います。それは、芝が水分を蒸発させて地面から熱を奪うからです。都市の屋上緑化を国や自治体がすすめていますが、これも屋上に植物を植え、植物から熱を放散して建物の温度を抑えているのです。

セルロースファイバーの孔の中に水を蓄える機能があることは話しましたが、その水を蒸発させるときにも、まわりから熱を奪います。

昔の日本家屋の壁は土壁でできていました。土壁の家に入ると夏でもひんやりします。なぜでしょう。土壁は年度と5センチほどに刻んだ藁(稲)でできています。藁は粘土が崩れないようにするためのツナギの役割もありますが、植物繊維なので、沢山の孔が空いており、空気や空気の中の水分を吸収します。それが、土壁に含んだ水分を蒸発させ、室内の温度を下げてくれるのです。

セルロースファイバーには調湿性能があると同時に、室内の温度を下げる、つまりエアコンの作用もあるというわけです。

木の調湿性能をもつ断熱材

セルロースファイバーは、様々な太さの繊維が絡み合い、空気の層を作ることはもちろん、1本1本の繊維の中にも空気胞が存在しています。この空気の存在がよりいっそう熱や音を伝えにくくしているうえに、木質繊維特有の吸放出性をもっているので、適度な湿度を保っています。

セルロースファイバーは木が本来もっている一定の湿度を保つ「吸放出性」や「断熱性」といった優れた機能をそのまま受け継いでいます。

セミナー当日、プレゼン用のサンプルや実験装置を逐次活用しながら色々な説明をしてくれました。

難燃性・吸音性・添加されたホウ酸効果による防カビ・防虫性・環境性等々。

様々なメリットのあります。

でも何故か、『調湿性』の話は出てきませんでした。

不思議に思い、担当者に耳打ちしました。

「調湿性の話はしないの?」

担当者は申し訳なさそうに言います。

「セルロースファイバーは断熱材ですから・・・。」

「湿気を吸わせれば、色々ありますし・・・。」

なんとも歯切れの悪い感じです。

でも最後には、はっきりと答えてくれました。

「弊社では、セルロースファイバーの内側に『防湿・気密シート』を貼る施工をお勧めしています。」

納得です。

湿気を吸ったセルロースファイバーは重量が増えて沈んでしまいます。上部に隙間が開けば、それは断熱欠損です。そこから内部結露の発生する可能性が大きくなります。

断熱材は内部にある動かない空気が熱を保ちます。湿気を吸った断熱材の断熱性は大きく低下します。これも内部結露の危険性を増大させるでしょう。

断熱材に蓄積された湿気は、都合よく室内に戻ったりしません。そのまま建物外に排出されるのが一般的です。

それなのに積極的に断熱材に湿気を吸収させる事を勧める人がいるとしたら、恐ろしくて付き合えませんよね。

突っ込んだ話が出来て良かったと思います。これで安心してお付き合いが出来ます。

この場を借りて、ここで改めて宣言させていただきます。

弊社は、セルロースファイバーを『断熱材』として使用します。

その際の、調湿効果は考えません。

当然の事ながら室内側には防湿・気密シートを丁寧に施工し、湿気を吸収させないようにします。

室内で発生した湿気は室内で処理し、建物外からの湿気は断熱材に吸収させません。

これがセルロースファイバーの正しい使用方法だと思います。

 

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乾燥した気候を持久力で生き延びた人類の祖先

2016年08月28日 08時00分00秒 | 省エネ住宅の基本

昨日に引き続き

日経BP社 刊

エコハウスのウソ[増補改訂版]

東京大学准教授 前真之 著

の中から、難しいけど面白い話をご紹介します。

人類の故郷であるアフリカでは500万年前頃から気候の乾燥化が進み、当初は湿潤なジャングルであった地域がサバンナに変化しました。食料豊富なジャングルでのんびり暮らしていた人類の祖先は、突如として乾燥地帯での過酷な生存競争に放り込まれたのです。

2本足の人類は手先は器用でも、足は遅い。獲物を追いかけるにしてもスピードでは勝てない。そうなると延々と追いかけ回して獲物が弱ったところでとどめをさすという『持久戦』に持ち込むしかない。

こうして長時間、暑く乾燥した気候の中でオーバーヒートせずに走り続けるため、人間は体をつくり変えてきたと想像されています。

そして10万年前になると、アフリカで異常気象が続き、祖先は全滅の危機に瀕する事となります。

やむなく故郷たるアフリカを出て、人類は世界に進出しました。

恒温動物とはいえ、体は極端な『アフリカ仕様』になっていた人類です。寒い気候への適応は非常に苦労したものと想像されます。そこで人類は衣類そして『家』を発明する事で、世界中の様々な気候で生き延びる事が可能となったのです。

世界の気候を制して繁栄を極める人類ですが、なにぶん熱が逃げやすい体のまま。体温が下がり過ぎてダウンしない為に『寒さに気付く工夫』が全身に施されています。

人の皮膚には『触覚』『痛覚』の他に、暑さ・寒さを感じる『温点』と『冷点』が埋め込まれています。

上図は表皮の温点と冷点の1cm2当たりの数を示しています。暑さを感じる温点は数が非常に少ない一方で、寒さを感じる冷点は全身隈なく分布しています。熱を失いやすい体を持つ人間にとって、寒さに早く気付き回避することが、生存する上で不可欠だったのでしょう。

こうして人体を見返すと、人間が暑さ専用にチューンされていて本当の弱点は寒さである事が判ります。

人体は熱ロス過剰にならないように全身の冷点で常に寒さへの警戒を怠りません。

人間の快適と健康の為には、まずは寒さの克服が最優先である事は自分の体をみれば明らかだと思います。

 

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プール?公衆浴場?

2016年08月27日 11時54分05秒 | たわいもない話

結構な量の雨が降っています。

台風の影響でしょうね。

『FPの家 H邸』

基礎に水が溜まり始めました。

折角設けた水抜栓ですが、排水量を超えた雨量では効果は期待できません。

もちろん、雨が止んだ時には機能するんですけど・・・。

このまま雨が降り続けば、プールか公衆浴場がオープン出来そうですね。

こうした光景を目の当たりにする度に、「コンクリートに含まれる水分ってどの位建物に影響するのかなぁー。」

なんて思ったりします。

どうせこの雨で報告する事も無いし、この辺りの事を書いてみましょう。

コンクリートは主にセメントと水で構成されています。

一般的な住宅の基礎コンクリートにおける水セメント比は60%程度で、その半分およそ30%の水がセメントが硬化する際の化学反応に使われます。残りの30%を「養生水分」といい、セメントが型枠内へスムーズに流れ込み、隅々まできれいに化学反応し、硬化するために必要な水分とされています。

諸説あるものの、日本建築学界の論文によると、「新築からおよそ2年間、基礎コンクリートから養生水分が水蒸気として蒸散し続ける」とされており、この養生水分が、昨今の基礎断熱工法を始め、ベタ基礎の床下における、湿害発生時の原因のひとつになっています。

しかし現在の建築現場を取り巻く環境下では、工事途中に雨に降られる事もあり、コンクリートからの水蒸気発生を完全に防ぐ手立てはないと言ってもよいでしょう。

この基礎コンクリートの養生水分とは、いったいどのくらいの量があり、日々どの程度蒸散していくのでしょうか。

ある住宅関連のインターネットサイトで、「30坪の広さの住宅床下に使われる基礎コンクリートの体積は、約9.6m3」との記述がありましたので、この数値をもとにシミュレーションしてみました。

30坪の基礎コンクリート養生水分量 = 9.3m3 の約30%

水セメント比は重さの比率であり、一般に水に対するコンクリートの比重は1:約2.3なので

9.3 × 30% = 2.79 × 2.3 = 6.417t

これだけの水が2年間かけて蒸発する事になります。

1日あたりの平均蒸発量は、6417kg ÷ 730日 = 8.79kg(約9リットル)

大変な蒸散量ですが、天候や季節によって蒸散量は異なります。

またコンクリート打設当初の方が蒸散量は多く、蒸散量はだんだん少なくなることが予想されます。

つまり新築して間もない時期では、上記の9リットルよりさらに多い水蒸気が発生していると考えられるのです。

基礎コンクリートから発生するこれだけの量の水蒸気は、いったいどの程度の量なのでしょうか。

30坪×床下高さ50cmの床下空間(気積:49.68m3)が、気温20℃の時に含める飽和水蒸気量は、わずか0.859kg程度ですから、もし換気が行われていなければ、1日9リットルの水蒸気は2時間半程度で、床下相対湿度が100%に達してしまいます。

2時間半を経過すると、床下空間の空気が含む水蒸気は飽和水蒸気量を超えるという事は、つまり結露を意味します。もちろん換気が適正に行われていれば問題ありませんが・・・。

しかも気温が低下する時期であれば、飽和水蒸気量自体が減少しますから、結露が始まる時間が早まってしまいます。

弊社が採用している「床断熱」であれば、基礎コンクリートからの水蒸気は基礎パッキンによる換気で排出する事が出来ます。

床下換気口であっても、その配置や設置数を工夫する事で十分可能だと思われます。

基礎断熱の場合はどうでしょうか。

基礎コンクリートからの水蒸気は、床下空間から繋がった室内に蒸散される事になります。

湿ったコンクリート特有の臭いも同様です。

床下空間の空気環境は室内の空気環境と同じですから、乾燥は促進され2年もかからないかもしれません。

でも湿った空気の発生源が部屋の中にあるなんて、なんとなく不安ですよね。

この辺りの事が要因にあるのか、最近は基礎断熱の家に「床下エアコン」を設置するケースが増えているようです。エアコンの風を床下に送り、乾燥を促進しつつ、その空気を室内に循環させて足元から家を暖める仕組みです。

こうした仕組みを採用し、引渡し前にエアコンを運転し、床下の乾燥を図っているようですが、どうせやるならば工事中からやってはどうでしょうか?

そうすれば、ご入居時の床下は十分乾燥し、特有の臭いもしないと思うのですが・・・。

と思っていたら、実践している凄い工務店がありました。

工事の間、基礎空間の空気をダクトで強制的に排出して換気・乾燥している方がいるんですね。

なんて良心的な工務店でしょうか。ご丁寧に床下の湿度を測定して、安全を確認しているところもあるようです。

基礎断熱を採用するのであれば、安易に床下エアコンの採用に走るのではなく、まずはこうした対応をキッチリとこなす必要があるのではないかと思いました。

弊社が基礎断熱を採用する事は、まず無いと思います。でもこうした姿勢だけは真似したいと思います。

もちろん、床下に水が入らない工夫を最大限にするのは当たり前の事なんですけど・・・。

台風なんかに負けるもんか!

テルテル坊主と共闘です。

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人間は暑さに弱い?

2016年08月27日 08時00分00秒 | 省エネ住宅の基本

人間は動物の中でも『暑さにめっぽう強い』そうです。

日経BP社 刊

エコハウスのウソ[増補改訂版]

東京大学准教授 前真之 著

の中から、難しいけど面白い話をご紹介します。

湿度が高く蒸し暑い日本の夏を過ごしていると、「人間は暑さに弱い生き物」に感じられるのも無理はない。

しかし冷静に見れば、人間ほど暑さに強い動物はほとんど存在しない。

夏の炎天下にマラソンできる動物を人間以外で見た事のある人はいないはず。

実は人間は暑さにめちゃくちゃ強い生き物なのである。

その理由は、我々の祖先について振り返るとおのずと明らかになる。

動物の分類はいくつもあるが、体内で代謝熱を生み出すか、体温が安定しているかどうかの区別では「変温動物」と「恒温動物」とに分類される。

ナマケモノなどの変温動物は、自分の体からはほとんど代謝熱を生み出さず、外界の温度変動が体温に直接影響する。

熱を出さなくてよいので食料は少なくて済むが(一日当たりの食事はたったの10グラム)、外界の温度が上がり過ぎたり下がり過ぎたりすると活動できなきなってしまう。

これに対してコアラなどの恒温動物は、食料のエネルギーを消費して、体の中で代謝熱を生み出す。(一日あたりの食事は500グラム)

人間も恒温動物の端くれであり、全く動いていなくても代謝熱(基礎代謝熱)が発生する。

恒温動物のメリツトは、外界の温度が変化しても体温を維持することで活動し続けることができる事である。

人間が現在、世界中の様々な場所で活躍できるのは、この恒温動物である恩恵である。

恒温動物である事は活動の自由を広げてくれるが、デメリットもある。

代謝熱を生み出すために大量の食糧を摂取しなければならないし、なにより代謝熱を捨てなければ体温がオーバーヒートして死んでしまう。

体から余計な代謝熱をせっせと捨てる事が、恒温動物に課せられた「宿命」なのだ。

この代謝熱は、人間の活動量に応じて変化する。この代謝量の単位はメットで表され、下図のように活動に応じて大きく変化する。代謝量1メットは体表面1㎡当たり58.2Wの熱量を表す。図は日本人の平均的な体表面1.7㎡の場合である。(出典:空気調和・衛生工学会「快適な温熱環境のメカニズム」より)

この代謝熱を速やかに捨てる事が常に人体に求められている。

例えば特に激しいマラソンともなると、1000Wという60W電球16個分もの大量の代謝熱を捨てる必要が出てくるのである。因みにこの代謝量は健康管理にも用いられている。厚生労働省は、ウォーキングなど3メット以上の活動を1日1時間以上行う事を求めている。とはいえ、3メット1時間のウォーキングで燃焼出来るのは250キロカロリー程度。運動後のビールで軽く帳消しになってしまう。やはり食事療法が重要なのだ。

運動量が活発になると、膨大な代謝熱は速やかに捨てる事が最重要となる。

この熱の捨て方は下図のように放射・対流・伝導による「乾性放熱」と、汗の蒸散に伴う「湿性放熱」の2つに大別される。

このうち、前者の「乾性放熱」は周辺環境が暖かいか寒いかで決まってしまうので、人間に出来る事は着衣の調整だけである。

例えば夏に素っ裸になってしまえば、それ以上に乾性放熱量を上げる事は出来ない。あとは冷房して周辺環境を涼しくするしか方法がないのだ。

一方の「湿性放熱」は人体の方で汗をかく量を調整できるので、はるかに自由度が高い。

なにより人体は最大で1時間当たり1500グラムもの大量の汗をかく能力が備わっている。1時間に1500グラムの汗が蒸発してくれれば、気化熱で概ね1000Wの熱を捨てる事ができる。

こうして水の補給が続き、かいた汗が乾いて、気化熱を奪ってくれる限り、人間はオーバーヒートする事もなくマラソンし続ける事が出来る訳である。

汗をかいていない時でも体からは1時間当たり40グラムの水が蒸発し、27W相当の放熱をしています。

暑い日に放射・対流・伝導での放熱がゼロでも大丈夫!1時間に150グラムの水が蒸発すれば100Wの放熱が可能です。

厳密に言えば呼吸に拠る放熱も湿性放熱のひとつですが、ここでは汗の蒸散に含めています。

なぜ人間は、動物の中でもまれにみる強力な冷却システムを身に着けたのか。

そこには楽園を追われた我らが祖先の苦しい歴史があったのだ。

つづく・・・。

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型枠外れました。

2016年08月26日 16時40分34秒 | 注文住宅/地盤調査・地盤改良・基礎工事

『FPの家 H邸』

朝から作業を始めていたようですね。

現場に到着した時には、全ての型枠が外されていました。

基礎の上には外されたばかりの鋼製型枠が所々に積まれています。

電動ブラシを手に、型枠に付着したコンクリートを取っている人もいれば

鋼製型枠の上に天端マグネットを並べている人もいます。

現場で使った全てのマグネットを並べ終わったようですね。

何をするつもりなんでしょうか?

電動ブラシを持ち、おもむろにマグネットにブラッシングを開始しています。

どうやら、マグネットのサビを落としているようですね。

コンクリート打設前のマグネットは錆びていませんでした。

という事は、この3日間で錆びた事になります。

職人さん曰く「すぐに錆びますよ。毎回こんな感じです。」

えっ、そうなんだ。恐るべし・・・、錆びの力。

サビを落としてきれいになったマグネットです。この後、裏面のサビを落とすそうです。ご苦労様・・・。

鋼製型枠は何回も使うので、こうした手入れが必要です。コンクリート打設の前には『剝離剤』を型枠のコンクリートに接する部分に塗布して付着を防ぎますし、脱型後はすぐにブラッシングを行います。

型枠を外す時間よりも、お手入れの時間の方が掛かっているかもしれませんね。

ブラッシングが終わった型枠は、次々とトラックに積まれていきます。

何しろ鉄で出来ているので、ひとつひとつが結構な重量です。

手伝おうと思い、手にしてみました。

「熱い!」日射で温度が上がっています。60℃位あるかもしれません。

しばらく持っていると、手の平は真っ赤になり火傷の一歩前という感じでヒリヒリします。

生憎軍手の用意がありませんでしたので、手伝いは断念し、ひたすら応援しながら基礎の様子を確認していました。

「ガンバレー!」

基礎巾は180mm、きちんととれています。かなりしっかりとしているでしょ。

一昔前であれば、基礎巾120mmなんてザラにありましたよね。

今では135~150mmが一般的なようですよ。(150mmならば、かなり良心的ではないかと思います。)

基礎巾180mmは、基礎に対する弊社の拘りのひとつです。

立上り筋の頭頂部にフックを設け、主筋を16mmの異形鉄筋とし、被り厚さをしっかりと確保する。

現場における施工精度を踏まえた安全性を考えると、180mmは必要である。

これが弊社の安心品質の考え方です。

職人さんが丁寧にやるだろうとか、図面で納まっているんだから大丈夫。とは考えません。

「もしかしたらがあるかもしれない」のであれば、その分安全側に施工するようにしよう!

極めてシンプルな方針ではないでしょうか。(オーバースペック、おおいに結構です。)

浴室の点検口の写真です。

ピンクの部材はスライド錠です。これを引く事で断熱蓋が洗面所側に開ける事ができます。

弊社では、浴室の下に基礎断熱を施しています。上図の青い部分と床面前面にフェノールフォームを施工し、気密施工を行う事で浴室空間の快適さを確保していますが、この図で『着脱可能な断熱材』に当たるのが浴室点検口です。(基礎断熱の様子はいずれ、この場を借りてご報告したいと思います。)

その他、基礎面のアバタやジャンカの有無をチェックしましたが、特に問題はありませんでした。これも打設時の丁寧なバイブレーター掛けやタンピング等のおかげだと思います。(基礎屋さん、ありがとうございます。)

搬出が終わると、基礎天端のバリをコテで削除する作業に入ります。

見えますかね?

際にあるのがバリです。

地道にコツコツとヘラで削り取っていきます。

これが終われば、基礎の回りに土を戻す作業「埋め戻し」とそれを平らに均す「整地」に移行します。

ここで一旦現場を離れました。

用事を済ませ、現場に戻ってみると作業は終了していました。

ダンプの荷台の上から一輪車に客土を降ろし、一輪車でそれを運びます。

降ろした客土をスコップで撒き散らし、鍬で均します。

ダンプを現場に横付け出来ないので、大変な作業の筈でした。

こんなに早く終わるとは・・・。

コンクリートもすっかりと乾き、真っ白です。

基礎工事もようやく完成です。お疲れさまでした。

本来であれば、この後外部水道配管を行うところなんですが、土台敷きまでの日数がありません。

今回は先行配管工事を諦めて、足場撤去後に行う事にします。

月曜日から木工事が始まる予定です。

台風の動きが気になりますよね・・・。

テルテル坊主に良い仕事をしてもらいましょう。

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湿度って・・・?

2016年08月26日 14時31分08秒 | 省エネ住宅の基本

今日も良い天気ですね。

天気は晴れ

気温は31.2℃、湿度は63.7%でした。

写真の計測器、ケストレル4300と言います。

色々な機能があるので、重宝しています。

乾球温度や湿球温度、気圧や風速等々。色々と使えて便利ですよ。

例えば、絶対湿度を算出するためのデーターが簡単に出せます。

例えば今回の絶対湿度は23.29gH2O/m3。

湿球温度は25.7℃でした。 

一般的に「湿度」という時は「相対湿度」を指していますが、別の表し方に「絶対湿度」があります。

相対湿度

 

相対湿度は、ある温度の空気中に含む事の出来る最大限の水分量に比べて、どの程度の水分を含んでいるのかを示す値です。

絶対湿度

 

また絶対湿度は、1㎏の空気中に含まれる水蒸気の重量を示す値です。

空気を座席数が決まっている部屋と考えましょう。 
この例では、最大で16人座ることが出来ますが、8席だけが埋まっています。
相対湿度は、座席数に対してどれだけの席が埋まっているかという「割合」になりますので、この場合、相対湿度は50%ということになります。
対して、絶対湿度は、実際に座っている人の数になりますので、1人を0.001kgとした場合、絶対湿度は0.008kg/kg'(=座っている人が8人)ということになります。

なおこの図の場合、座席は16席ですが、この座席数は温度によって変わります。

た、乾球温度計は何の加工も施していない温度計です。
乾球温度計の液だめに水を浸したガーゼを巻くなどして
通常よりも低い気温を示すようにしたものが湿球温度計です。

気温とは、乾球温度を指します。なぜなら、湿球温度計は通常正しい気温を指しません。
液だめで水が蒸発する分、低い温度を示すからです。
では湿球温度は何に使うのでしょうか。
湿球温度と乾球温度の差でどれくらい水が蒸発したのかということがわかります。

水は湿度が低いほどよく蒸発します。つまり、湿球温度と乾球温度の差で湿度がわかるのです。

人は暑い時、汗をかきます。汗が蒸発する事で体皮から気化熱が奪われ体温が下がるのです。湿度が高く汗が蒸発しにくい状態では、気化熱はそれほど奪われません。

ですから人が感じる温度により近い温度は、乾球温度ではなく湿球温度とも言えるでしょう。

人が快適と感じるかどうかを決める要素は以下の6つと言われます。

温度が低くても、湿度が高ければ快適とは言えません。反対に温度が高くても湿度が低ければ快適な場合もあるという事になります。放射も大きく関係しているんですが、これは感覚的に誰でもわかる事なので・・・。

こうした湿度や風、気温等と快適さの関係を感覚的に身に付けたくて、最近はケストレルを肌身離さず携帯しています。「蒸し暑いな」とか「割と涼しいな」なんて時に覗く事で、なんとなく空気の中の湿度の量がわかってくるような気がします。

目指せ!空気マスターなんてね・・・。

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FPの家の気密性能

2016年08月26日 08時00分00秒 | FP工法/屋根・壁・床断熱材・断熱サッシ

たまには『FPの家』の話をしたいと思います。

健康・快適で省エネな暮らしを得るために必要な住宅性能と言えば、断熱性能と気密性能でしょう。

もちろん日射遮蔽性能や蓄熱性能、換気・通風性能も重要ですし、耐震・耐風性能も忘れてはなりません。

今回は、気密性能についての話です。

高断熱の住宅であっても低気密な住宅は、冬の隙間から侵入する冷気や夏の隙間から逃げる暖気により、室内温度差が増大し寒さや蒸し暑さが同居する不快な居住環境を作りだします。

エネルギーロスが多くなるのも当然です。FPの家の熱損失の部位別割合と家の隙間によるエネルギーロスを表してものを挙げてみました。

これを見ると機械換気からの熱損失が25~30%ある事がわかります。

また家の隙間を表すC値が5cm2/m2の家(東京における気密住宅レベル)の、隙間からの漏気による換気回数は機械換気と同等であり、結果として換気システム2台分の熱損失をしている事になります。

しかも隙間からの空気の出入りで、室内空気の流れがコントロールできないため、本来あるべき健康的な空気環境を実現する事ができません。

気密性を考慮していない一般住宅(延床面積45.0坪)の隙間は、ハガキ約10枚分と言われています。

つまり小さな窓1つ分の穴が空いているようなものなんです。隙間からの自然換気による熱損失だけで多くの熱を失ってしまいます。これでは穴の空いた浴槽にお湯を貯めようと、蛇口をひねりお湯をジャバジャバと注いでいるようなものです。

快適には程遠く、不経済極まりないですよね。

一方FPの家は、全国各地で実測した相当隙間面積(C値)の平均値は0.48cm2/m2。

この隙間はハガキ1枚分にも満たない大きさです。

これは『FPウレタン断熱パネル』自身の気密性能の高さに加え、柱や梁といった構造とウレタン断熱パネルの繋ぎ目や開口部回り、建築金物や電気配線・各種配管でパネルを貫通する部分の隙間を、現場発泡ウレタンやアルミ気密テープで徹底的に埋めた結果です。

隙間の大きさを測る気密測定技能士による『気密測定』を全棟実施し、数値を明示します。

目標としている値、C値1.0cm2/m2を上回る場合は施工の手直しを行い、目標を遵守してもらいます。

こうした拘りがFPの家の断熱・気密性能を確保し、健康・快適で省エネ・安全な暮らしを約束します。

気密測定は、家の性能を測ると共に家の健康状態を知る唯一の手段でもあります。

建てた時には頑丈に施工された構造体や金物、断熱材等は自然乾燥による変形や結露による腐食、度重なる大小の地震を通して、さまざまな経年変化をしているでしょう。壁の中の見る事が出来ないこうした状態は、気密測定をする事で伺い知る事が出来ます。

本来、完成時に気密測定を実施して、家の性能を証明する事は当たり前の事なんですが、実際に行っている住宅会社は極めてまれです。

でもFPの家は完成時の測定だけではなく、お引渡し後1~10年以上経過した全国の50棟以上の再測定を実施しています。

経年による変化がそれほど無く、また隙間の増大の原因がサッシのパッキン劣化にある事も確認しています。

FPの家の気密性能は、完成時だけではありません

いつまでたっても隙間が無い家=古くなっても光熱費の変わらない家

あなたの家はどうでしょうか?

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無垢材信仰 7

2016年08月25日 17時27分49秒 | 木育・住育

 

学芸出版社 刊

佐道健 著

木がわかる~知っておきたい木材の知識

から抜粋した記事を7回に分けてご紹介してます。

第7目はエンジニアウッドとは?いう話です。

最近よく使われている建築材料の中に、エンジニアウッド(EW)というものがあります。

これは工学的な手法で、耐力性能が計算・評価・保証された木質材料です。

特徴として、耐力性能がはっきりしていて材料としての信頼性が高い事が挙げられます。

無垢材を始めとして従来の木質材料は、強度やヤング係数などの耐力性能がはっきりせず構造材料として使う場合に構造計算の根拠となるものがありませんでした。その為最も弱い材料に当たったとしても安全なように設計する必要があり、無駄な使い方を強いられていました。

EWは耐力性能が数値で示されている為、このような事はありません。

その種類は種々ありますが、代表的なものはグレーディングマシンで等級区分された製材(MSR材)・構造用集成材・構造用LVL・OSB・OSL・LVLとOSBを組み合わせてI型断面の梁としたIビームなどがあります。

このように注目されるようになったのは、建築基準法の改正で今までの仕様規定で設計していた木造建築に代わって、構造計算に対応できる性能規定で設計出来るようになったからです。その結果として要求される耐力性能を満足させる木質材料が必要となりました。

もちろん、それ以前から構造用集成材や構造用合板はありましたが、EWとして考えられるようになったのはつい最近の事なのです。

EWのメリットはあくまでも強度を保証するものであり、他の木質材料の一般的特徴と同一視してはなりません。またいくつかの誤解があるのも事実です。

例えば、「工業的に製造された木質材料である」というのは誤解です。

EWの多くは工業的に生産されたものではありますが、MSR製材のように製材工場で生産されていても通常は工業的に生産されたものとは言いません。また造作用の集成材や合板、パーティクルボード・MDFは工業的に生産されていてもEWではありません。

少しややこしい話になりますが、木質材料の特徴として狂いが少ない事が挙げられます。

その製造にあたり、木質材料を複合した結果として狂いが少なくなったとしても、それが必ずしもEWの特徴ではないのです。

また耐力性能の改良があったとしても、それはあくまでも表示されている強度が保証されているという事であり、無垢材よりも強くなるという事ではありません。

確かに同じ原料丸太から製造した集成材の強度のばらつきは、単に製材しただけのものよりも少なく、下限強度は高くなります。しかし製材であっても強度等級区分した材料であれば強度のばらつきは少なくなり、下限強度も高くなります。

性は基本的に一般の無垢材や木質材料と変わりありません。原料となる木質エレメントの耐朽性がそのまま製品の耐朽性となります。構造用の複合木質材料は耐水性が高い接着剤を使いますが、これは接着層の耐性を高める上で効果的なのであって、エリメントが腐朽し使用に耐えなくなる事もあるので注意する必要があります。

木材は無欠点材であっても強度・ヤング係数の散らばりが多い材料です。その上実用に供される部材では、節や目切れなどの欠点を避ける事はできません。

例えばヒノキ材であっても、ひとつひとつの材料強さには相当の違いがあります。最も強いものは最も弱いものの2倍以上の強さになる事もあります。

ですから今までは、先述のように一番弱い材料に当たったとしても安全なように設計をしていた訳です。極めて不経済ですよね。

だからこそ、材料の品質を揃え強度・ヤング係数のばらつきを少なくする必要があるのです。そのための手段としては以下の2つの方法があります。

1.ストレスグレーディング

何らかの方法で非破壊的に強度を含め材質を推定し、強度・材質による木材の分別・区分する方法。

グレーディングマシンを使う事が多く、マシンには製材にわずかな曲げ荷重を加えてたわみを測定するタイプと、製材の一端の木口面を打撃し他端で伝搬する音の周波数を測定するタイプの2つがあります。

いずれも寸法・重量を同時に測定してコンピューターでヤング率を算出し、マーカーでその値やヤング率に対応したグレードを印字します。この方法でグレーディングした製材をMSR材と言います。

2.

原料である木材を一旦小さいエレメントに分け、接着剤複合し、欠点を分散させたりして材質を均等にする方法。

工程の中でエレメントの大きさや形によって、出来上がった製品の性能などが左右されます。これらの製品は品質の安定した信頼性の高い材料を得ると同時に、木材が持っていない新しい性能を持つものも多いというメリットがあります。

このようにして出来る木質材料に使用されている主なエレメントは、大きいものから順に挙げると以下のようになります。

挽板や小角材

単板

パーティクル(削片)

ファイバー(繊維)

エレメントが大きいほど木材が持っているテクスチャーや配向性(1つの方向に高い性能をもつ性質)、耐力性・断熱性といった特徴を受け継ぎます。逆にエレメントが小さくなればなるほど、品質の散らばりが小さくなるうえ、種々の比重のものが得られるため、異なる音や熱などを遮る性能が得られる一方、木材が持つ特性を受け継ぐ事は少なくなります。

壊れにくいものを作りたい。

この時、材料を選ぶ段階で壊れにくさや安全性といった事が重要視されます。

普通、信頼性とは通常に使用する条件のもとで規定の期間中に要求された機能を果たす事が出来る性質です。

似たような言葉ではありますが、安全性とは使う事やこれが壊れる事によって人体や財産に損害が与えられない事を確保する事に重点が置かれます。

本来、ある材料の強さや耐久性は壊れるまで負荷したり、時間をかけたりしなければわかりません。もちろん壊してしまえば使えなくなるわけで、ここに矛盾が生じます。ですから腐朽や虫害のような生物による劣化は別にして、主に次の2つの方法で壊れにくさを推定しています。

1.危険や損傷を及ぼす荷重が材料の耐力の限界以上になる確率をはっきりさせる。

個々の部材や接合部の強さは一定ではありません。強いものもあれば弱いものもあります。一方これに作用する荷重も一定ではなく、ばらつきがあり時にはかなり大きな力が作用する事もあります。部材の破損はこのばらつきが重なっている部分、すなわちたまたま弱い材料に大きい荷重がが作用した時に生じます。従って重なりの部分が大きいほど破損の確率が高くなり壊れやすくなります。

この事から安全性を高める為には強度の平均値を高めるとともに、その変動を小さくする必要があります。強度の変動が小さい時には、例え平均値が多少低くなってもある荷重下で破壊する確率が下がり、安全性が高くなります。

木材の様に強度に変動が大きい材料は、ストレスグレーディングによって平均値が異なるグレードを区分し、これに加えて部材の変動を小さくする事で部材としての信頼性を高める事が出来ます。また集成材やLVLとする事によっても部材の耐力性能の変動が小さくなり、部材としての信頼度を上げる事が出来ます。

2.材料は時間とともに劣化するので、許容できる強度まで材料が劣化するまでの期間を推定する。

劣化という事象は、反応速度論という物理化学的理論に基づいて進行すると考えられます。加水分解・木材や接着剤の劣化のような化学反応・クリープ変形・浸透や拡散のような物質移動などがこれに当たります。これらは普通、温度が上がったり水分が付加される事によって進行の速度が大きくなります。

一般に材料の耐久性を判定する試験は、たとえば30年間の寿命を保証するためには本来30年間の試験が必要と考えねのが普通です。でも現実にはこのような長期間に渡る試験は出来ないので、反応速度論的な理論を根拠に短時間の促進試験や他の間接的な試験の結果から耐久性を予測します。そのため、通常使用条件では考えられないような過酷な条件の下で試験する事も多くなります。

例えば合板や木質ボードのように接着剤を使って複合した材料に対して煮沸試験を課す事があります。実際にこのような材料を熱湯の中で使う事はありませんが、「これだけ厳しい条件に耐えたのだから、少々の雨露に曝されても大丈夫だろう」という安心感で試験結果を受け止めている人が少なくないと思われます。

このようにして個々の材料の信頼性がわかったとして、どのようにしてその品質が保証できるのでしょうか。

消費者が製品を手に入れる時、『どのようなものなのか正しいのか』という認識が必要で、これで消費者は『求めているものかどうか』の判断をします。この判断を助けるための『製品に付けて提供する情報』が品質表示になります。

品質表示を適正なものにして、消費者の利益を保護するためには公的な規制が必要となります。

日本農林規格(JAS)や日本工業規格(JIS)が代表的なものですが、国際的にはISO(国際標準化機構)があります。JASとJISはそれぞれ農林物資と鉱工業製品の品質表示を適正に行い、取引の公正と消費者保護を図るために法律で定められたものである。これらの規格には対象となる物資や製品の等級・形状・寸法・構造・信頼性と安全性を含む性質・性能のほか、品質の試験・検査法などが定められています。いずれも規格に適合していると認められたものには、JASやJISのマークをつけて供給する事が出来ます。両者の性格には多少の違いがありますが、基本的には対象となる物資・製品を管轄する省庁の違いと考えて良いでしょう。

この他木質建材を対象としたAQ認証制度もあります。この制度は新しい木質建材などが出た場合に、その品質・性能などを客観的に評価・認証し、消費者に対して安全性・居住性に優れた木質建材などの供給の確保を図り、合わせて製造業者の新技術や新製品の開発を促進する事によって、木材の利用推進も図っています。対象となるものは製材・集成材・合板・木質パネルなどであり、JASの基準を上回る製品も認証の対象になっています。認証を受けた製品にはAQマークを表示する事が出来ます。

実際の製品の安全性と信頼性については、部材の材質そのものの安全性と信頼性だけでなく、個々の部材の寸法と形状、製品の中での部材の配置、特に木材では適切な接合部の設計が必要となります。ここで信頼性を確保する為には設計段階で考えられる障害の原因となるものをどれだけ取り除く事が出来るかにかかっています。特に高い信頼度が要求される部分では、障害が発生してもこれに代替する処置が取れ、継続して機能を果たす事が出来るようにしておくことも必要でしょう。

また規格などの名称・内容は時によって改定される事がありますから、最新の情報を確認する事をお勧めします。

今回で終了です。固い話ばかりが続きました。

しばらく経って機会がありましたら接着剤の話も書きたいと思いますので、その節はよろしくお願い致します。

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