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DAZN観戦 2022年J3リーグ第34節 いわきFCvsY.S.C.C.横浜

2022-11-22 16:00:54 | サッカー視聴記(2022年その他)

<いわきスタメン> 4-4-2
GK 坂田
RSB 吉田知樹 CB 家泉 CB 遠藤 LSB 日高大
RSH 嵯峨 DH 山下 DH 宮本 LSH 山口
FW 古川 FW 有田
<YS横浜スタメン> 3-4-2-1
GK 佐川
RCB 柳 CCB 藤原 LCB 土館
RWB 吉田明生 DH 山本 DH 松井 LWB 古賀
IH 菊谷 IH 田場ディエゴ
FW 長澤

既に優勝を決定させ、ホーム最終戦を迎えたいわき。
Jリーグ初年度とは思えない強豪ぶりは衰えを知らず、その栄冠まで見事に走り切り。
そして1年でJ3を後にして、来季はJ2という一段上への戦いへとステップアップしていきます。

そんな送別のお相手を務めるのはYS横浜で、いわきとは対照的に開幕からテールエンドの状況を打開できずに最後まで進んでしまったクラブ。
最下位脱出は何とか果たしたものの、いずれ幕が開けるJFLへの降格制度を凌ぐ戦いを展開するには不安だらけのシーズンとなってしまい。

夏場の補強ではオーストラリアのクラブに在籍していた古賀が加入。
さらに助っ人のロリス・ティネッリを加える等した結果、無国籍と言わんばかりの選手編成になってしまった感があり。
大ベテランの松井や、古賀と同じ海外クラブ経験者の菊谷・中村海渡と、異色の経歴を持つ選手は枚挙にいとまが無く。
そしてこの日の1トップには、ドイツ所属経験があり、かつ今季前半は故障により登録抹消状態となっていた長澤が初スタメンとなりました。

試合が始まると、YS横浜がボールを握りパスを回すシーンが繰り広げられるも、それはいわきにとって望んだ展開でもあり。
つまりはビルドアップvsプレッシングの図式を容易に成り立たせる事であり、走力・フィジカルを活かしたプレスを存分に発揮する状況となります。

最終ラインから繋ぎ続けるYS横浜ですが、そんないわきの圧力を受け、とてもじゃないがポジションの可変・5レーンを意識した立ち位置を取る余裕など無く。
必死で繋ぎプレスをかわし続け、いわきサイドの密集を作ったうえでのサイドチェンジに活路を見出すという攻撃。
前半9分にはGK佐川のスローから右サイドで前進、吉田明のスペースへのサイドチェンジに走り込んだ古賀が繋ぎ、田場がカットインからミドルシュートを放ったもののゴール上へと外れ。
その成果は見られたものの、大半はボールを奪われるか、苦し紛れにロングボールを送るかに終始するという具合に圧に屈する流れとなりました。

縦に速い攻撃のイメージが強いいわきサイドも、ある程度最終ラインがボールを持つシーンを作り。
15分、家泉の左サイドへの長いパスを受けた日高大、すかさず自身も中央へグラウンダーで長いパスを送り。
カットされるも山口が拾って攻撃継続(シュートまでは行けず)という具合に、ボールを地面に突けてのパスワーク+前線へのロングボールの融合体らしき攻撃という斬新さを見せます。

序盤はある程度ボールを回せたYS横浜も、次第にただ自陣でボールを奪われるシーンを量産してしまう流れに。
そこからショートカウンターで脅かすいわき、18分には一旦攻撃が途切れたのち左サイド深めに追い込み、こぼれ球を日高大が落として再度攻撃に転じ。
拾った宮本がエリア内左を突いてシュートするも、GK佐川がセーブ。
27分にはYS横浜のビルドアップを右サイド(YS横浜から見て左サイド)に追い込み、パスミスを誘発させて古川→宮本→山口と繋がり、山口がミドルシュート(ブロック)と成果を順調に積み上げます。

いわきは最終ラインでボールを持った際、左肩上がりの形になる事が多く。
それを見たYS横浜にとってはいわき・日高大が上がった隙を突きたい所あり、実際右サイドで吉田明がボールを持って敵陣で展開しようとする場面を何度か作ります。
しかしそうなっても、いわきの素早い寄せの前に流動性を失い、結局は前述のようなサイドチェンジを使わなければままならない状況でした。
結局前半全体では、YS横浜の攻撃機会は7度のみ(自分の集計です)と限りなく少ない結果に終わり、シュートは立ち上がりに放った2本。
その他の成果では、42分に菊谷のドリブルでカウンターになりかけた所を、いわき・宮本が反則で阻止して警告を受けた事ぐらいだったでしょうか。

逆にいわきの攻撃機会は26度あり、その半数以上は25分以降に集中。
その25分では、日高のドリブルをYS横浜・菊谷に反則で止められ、フリーキックを素早くリスタートしてシュートにまで持っていった(嵯峨が左ワイドからクロス気味に撃つもGK佐川セーブ)という流れ。
この揺さぶりを境に、YS横浜サイドはひたすら我慢の展開を強いられる事となったようでした。
2トップ中心にボールが集まるいわきの攻撃を凌ぎ、攻撃を切ってもゲーゲンプレスにより前へ運べず。
奪われて二次攻撃を浴びるというシーンも膨れ上がるという、一言で言えば厳しい状況へと追い込まれ。
それでも無失点に抑えるというミッションは何とか果たし、前半をスコアレスで折り返します。

逆にほぼワンサイドゲームという状況ながら、得点出来なかったいわき。
ハーフタイムに選手交代を敢行(古川→谷村)し、メンバーに刺激を与えにいったでしょうか。

その効果は抜群だったようで、キックオフの攻撃では、左サイドへの放り込みから代わって入った谷村が奥へと切り込み。
クロスが流れた所を吉田知がシュートにいく(ジャストミート出来ず)というシーンを作り。
YS横浜は切り替えるべき入りで、いきなり危機に晒された事で浮足立ってしまったでしょうか。
続く後半2分に再び自陣深めからのビルドアップを強いられた末、苦し紛れの縦パスを吉田知が拾っていわきのショートカウンター再び。
右から嵯峨の低いクロスが入ると、有田のポストプレイで落とされたボールに走り込み、シュートを放ったのは谷村。
GK佐川の脇を抜いてゴールネットを揺らし、投入後2分で結果を出した谷村により先制点が齎されました。

追い掛ける立場へと突き落とされたYS横浜。
それでも攻めなければならない状況故に、ベクトルを前向きにして強敵に立ち向かう姿勢が出来たでしょうか。
後半最初の攻撃機会は5分で、吉田明のロングパスを頭で受けた古賀、そのまま収めてエリア内中央で溜めを作り。
そして戻しのパスを田場がダイレクトでエリア内へ送り、走り込んだ土館がシュートを放ちましたが、GK坂田のセーブに阻まれます。

今まで殆ど可変の無い攻撃だったYS横浜、センターバックがフィニッシュに絡むという変節を見せた事で反撃の狼煙を上げた……とはいかず。
やはり順位が示す通り力の差は歴然で、その後も厳しい展開が続きます。
7分のいわき、またも敵陣で山口のボール奪取からの攻めで左ワイドから山口→谷村→有田とエリア内へ流れるようにパスが渡り、中央左寄りから放たれた有田のシュートが右ゴールポストを直撃。
辛うじて難を逃れたものの、9分に今度は吉田明が足を痛める事態が発生し、しかもディフェンスに遭ったいわき・山口が倒れた所と交錯してしまうという不運な痛め方。
一度はプレー続行したものの13分に再度倒れ込み、担架で運ばれて途中交代となってしまった吉田明。

彼の代わりに花房が投入されて右CBに入り、柳が右ウイングバックに回る事となったのが16分。
その前の12分に既に長澤→脇坂へとカードを切っており、吉田明が退いたのちも準備に追われる事となったベンチにより、数的不利での凌ぎが続いたYS横浜。
その間の15分にいわきの決定機が訪れるという踏んだり蹴ったりで、しかもその内容がGKへのバックパスをミスしてのものなのが印象悪く。
藤原がエリア内同士という距離にも拘らずGKへのパスが短くなってしまう有様で、走り込んだ有田のシュートを浴びるもGK佐川が足でセーブ。
跳ね返りをさらに谷村がシュートしましたが、これもGK佐川が今度は左に跳んでセーブと、絶体絶命の危機を2連続で救いました。

バタバタとした印象を残したYS横浜、とても前半のようなボールポゼッションから同点の機会を伺う余裕は既に無く。
反撃のチャンスは、いわきがベクトルを前に向けた所を逆手に取る攻撃で、21分にクリアボールを巧く繋げた末に山本のスルーパスに脇坂が走り込み。
GK坂田が前に出てクリアして防がれましたが、この姿勢を根気良く続けるのが一匙の希望といった所でしょうか。

22分にいわきベンチも動き、既に今季限りでの退団が発表されている鈴木を投入。
吉田知と交代し、空いた右SBに嵯峨がシフト、さらに右SHに山口が回って鈴木は左SHに入るという具合に激しく動いたポジション。
やや隙を見せた風にも感じられ、実際20分の山下のミドルシュート(枠外)を最後にフィニッシュは小休止状態に。

その間に試合を動かしたいYS横浜、28分にいわきの左サイドからのスローインを花房が直接拾うという、再びベクトルの逆を突く好機が訪れます。
そしてそれを松井のスルーパスで突き、受けた菊谷がさらに右からエリア内へとスルーパス、中央で走り込む脇坂。
手前でいわき・家泉がカットに入ったものの、掻き出せずにこぼれた所を脇坂が反応してシュート。
ゴールネットに突き刺し、見事狙い通りに同点に追い付きます。

31分にもエリア内から脇坂がシュートを放つ(ブロック)など、勢いに乗らんとするYS横浜。
王者の威厳を取り戻したいいわきは、32分に山口→江川へと交代。
これにより嵯峨がスタートの右SHへと戻り、それによりペースを揺り戻しに掛かります。

再び押し込む流れを作った事で、35分以降YS横浜に攻撃する余裕は全く生まれず、ひたすらいわきがゴールに迫る時間帯となりました。
投入された江川のロングスローをはじめ原始的な攻撃が幅を利かせる、いわきの体力・フィジカルが活きるという内容であり。
36分にその江川のロングスローから、こぼれ球を日高大が拾いシュート(コース上の有田に当たる)した事でエリア内で混戦となり。
一度は拾われるも谷村が奪い返して後方に繋ぎ、宮本がミドルシュートを放つもGK佐川がセーブ。
38分には敵陣で左→中央→右へとサイドを移し、嵯峨のクロスが直接ゴールに向かうもGK佐川が跳ね返し。
43分には右サイド奥からのFKを得て、キッカー山下はクロスと見せかけて直接シュートを狙いましたがこれもGK佐川のセーブに阻まれるという具合に、攻めまくるも最後の壁を破れず。

直後にYS横浜は最後の交代カードを使用、田場→古山へと交代するも流れを変えられず。
そのままアディショナルタイムへと突入し、尚もいわきは宮本のミドルシュートがYS横浜・土館の決死のブロックに阻まれるなどフィニッシュの量産体制を維持。

しかしその流れが最後に途切れると、YS横浜の左サイドからのスローイン、エリア脇で受けにいった古山をいわき・山下が引っ掛けてしまい。
PKかどうか際どい位置での反則と、来季上のカテゴリで戦うには不安を残すシーンを演出してしまう事となりました。
結局FKとなり、このラストチャンスにYS横浜はこぼれ球をエリア内で古賀が拾う好機となるも、シュートはミートせず。
1-1のままスコアは動かずに、引き分けで幕を閉じました。

順調なステップアップを果たし、とうとうJ2へと辿り着いたいわき。
今後は試合後セレモニーの大倉智氏の「来季は優勝できるとは思わない」とのコメントの通り、一筋縄ではいかない戦いが待ち受けており。
それでも各リーグを圧倒してきたその力が通用するかどうか、注目度は頂点に達する事でしょう。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第34節 AC長野パルセイロvs藤枝MYFC

2022-11-21 16:01:06 | サッカー視聴記(2022年その他)

<長野スタメン(守備時)> 3-3-3-1
GK 矢田貝
RCB 池ヶ谷 CCB 秋山拓也 LCB 杉井
RWB 原田 DH 佐藤 LWB 水谷
RSH 三田 CH 山中 LSH 森川
FW 山本
<藤枝スタメン> 3-4-2-1
GK 内山
RCB 小笠原 CCB 川島 LCB 鈴木翔太
RWB 久保 DH 水野 DH 鈴木惇 LWB 榎本
IH 杉田 IH 横山
FW 渡邉

2戦連続で相手の昇格を阻むべき一戦となった長野。
しかし藤枝は仮に負けても13-1とか余程の事が無い限り、昇格は手中に収めているという状況を得たクラブであり、既に防ぎようが無く。
即ち「昇格正式決定2時間前」といった状態で、後は勝ち点を得て自力で決められるかどうかの戦いとなりました。

ホーム最終戦の長野は、GKに2節以来の矢田貝をスタメン出場させたり、ベンチには既に退団ないしは引退が決まっている選手(坪川・東・牧野)の名を並べたりとそれに相応しいメンバー選択。
先に好機を得たのは藤枝でしたが、右サイドのスローインからの攻めで中央へのパスを渡邉がシュートにいくも、ジャストミートせず不発に。(前半2分)
以降コーナーキック攻勢に持ち込むも、この不完全燃焼ぶりが、長い先取点への道のりの幕開けを象徴するシーンだったでしょうか。

その後は長野のビルドアップvs藤枝のプレッシングの戦いに突入。
長野・水谷の左ウイングバック→ボランチへの可変を受け、そこに右WB・久保が付いていくかどうか迷いを見せていたような藤枝サイド。
序盤はその動きが見られ、久保が中央寄りで構える事が多く。
何度かボール奪取からの好機を作っていた藤枝でしたが、次第にその久保の穴を突いて左サイドで前進していくシーンを目立たせていったのが長野サイド。
そんな攻めの下地を作ったうえで、ゴールを狙いにいきます。
10分、秋山拓の山中を狙った長いパスから、こぼれ球をダイレクトで繋いで佐藤のスルーパスで藤枝最終ラインの裏を取り。
受けた三田が中央からGKとの一対一に持ち込まんとするも、追走した藤枝・榎本がエリア内でクリアしてシュートは撃てず終わりました。

押され気味で進む展開を受け、右サイドを埋める姿勢へと移っていった藤枝ですが、そうなると4-2-3-1へと可変する長野とのギャップに苦戦する事となり。
久保が誰にも付かずに前に出た小笠原のスペースを埋める守り方を見せたり(23分)、鈴木惇がプレスにいくも、最終ラインにまで食いついた隙を突かれて前進を許したり(25分)という具合。
それでも長野はさしたるフィニッシュシーンを作れず、ボールを失ったのちのゲーゲンプレスで、藤枝に攻撃の形を作らせないといったリズムの得方が最も際立っていたでしょうか。

守勢だった藤枝も、次第に持ち味のボールポゼッションを思い出すかのように攻撃を組み立て。
長野のディフェンスは、前節ではリトリート・プレスという具合に、相手がパスを受けた際の素早い囲い込みを重視。
しかしこの日は選手の距離を大きく取る藤枝が相手ゆえ、そうした囲みは厳しい状況であり、一転して前線からのプレスへと舵を取っていたようでした。

そんな長野のディフェンスに対し、攻撃でも苦戦していた藤枝。
基本であるボランチが最終ラインに降りてのビルドアップの形からこちらも変え、次第にボランチが降りずにパスを繋ぐ割合が増え。
水野が一列前の中央でアンカーとなり、片割れの鈴木惇は左ワイドに張り出してパスを受けるという役割へと変節していきました。

こうしてボールを握って崩しを掛ける体制を築きましたが、エリア内へチャンスボールを運んでも長野の粘り強い守備を前にシュートは撃てず。
かくして両者ともフィニッシュまで辿り着けないという流れが出来上がりつつありましたが、前半も終盤に来てそこから脱却を見せたのは長野の方。
40分に左サイドからのスローイン、奥でのキープを経て杉井がクロスを上げ、跳ね返りを繋げて水谷がミドルシュート。(GK内山セーブ)
43分には中央から素早い前進で、スルーパスを受けた三田がエリア内左を突いてシュート(左サイドネット外)と藤枝ゴールを脅かし。
しかし結局長野の前半のシュートはこの2本のみで、藤枝も立ち上がりに放った2本のみ。

アディショナルタイム、最後に好機を掴んだのは鈴木惇のドリブルが佐藤に倒されて反則(佐藤に警告)となり、フリーキックを得た藤枝。
右サイド中盤からという遠目ながら、時間も無いので放り込みを選択し、川島がエリア手前左の位置でヘッドで折り返し。
さらに小笠原のフリックで繋いだ所に久保が跳び込むという理想的な流れになるも、僅かに合わずに終わり。
それと同時に前半終了の笛が鳴り、スコアレスで折り返しとなりました。

共に交代無く迎えた後半。
何とか「超攻撃的サッカー」に相応しい内容を見せたい藤枝、後半2分の好機。
自陣でのボール奪取から、長野のゲーゲンプレスをかわした末に鈴木惇のミドルパスが最前線の渡邉に渡り。
エリア内右へと切り込んだ渡邉でしたが、クロスを選択した結果精度を欠いてモノに出来ず終わります。
前半と同様、渡邉の今一つなプレーで幕を開けてしまった攻撃。
一方の長野は、3分に三田が右サイドをドリブルしたのちのクロス、5分には左サイドで森川のドリブルが反則で止められてFKという好機の作り方。
両翼の突破を前面に押し出した立ち上がりとなりました。

藤枝サイドが中々波に乗れないという流れが出来上がり、それを象徴したのが10分の藤枝のCK。
クリアされたのち、長野が前線に残していた山本(この日のCKの守備は常時この形)がその落下点に入った事で攻撃権が入れ替わり。
これは藤枝陣内へのこぼれ球となるも、その後バックパスのミスに山中が走り込むという願っても無いシーンが生まれましたが、GK内山が飛び出して間一髪クリア。

冷や汗を掻いた藤枝でしたが、このボールを水野が拾ってから長いボールポゼッションを敢行した事で幾ばくか落ち着きを取り戻し。
16分、小笠原のボール奪取から右サイドで前進、水野のスルーパスに走り込んでエリア内右奥を突いた久保。
彼のバックパスを受けた杉田がシュートするも、ブロックに当たり枠外に。
22分にはゴールキックからショートパスによる前進、左へ開いた鈴木惇がスルーパスに走り込む役となり、エリア内左からマイナスのクロスを入れるもブロックに阻まれ実らず。

藤枝がらしさを見せ始めた所で、23分に双方最初の選手交代。
長野が山中→山口へ、藤枝が渡邉→岩渕へと交代します。

以降次第に中央寄りへと位置を変える鈴木惇から、攻めの形を作る藤枝。
28分には鈴木惇の右への展開から、受けた久保がドリブルでエリア内右を突いてマイナスのクロスを入れるも、中央の岩渕の手前でカットされ繋がらず。
31分には鈴木惇の自陣でのボール奪取から、拾った久保が右サイドで長い距離をドリブルし、奥から再びマイナスのクロス。
エリア手前の杉田を経由し岩渕に渡るもディフェンスに遭い撃てずと、チャンスボールをエリア内へ入れる流れは出来つつありましたが崩すには至りません。(長野は28分に佐藤・三田→坪川・東へと交代)

逆に守備では、鈴木惇の食い付き傾向を突かれるというシーンは相変わらずで、30分にそこから前線へと運ぶ長野。(右サイドでの森川のクロスにまで繋げるも撃てず)
時間も押し迫った事で、32分に鈴木惇を諦める選択を採る藤枝。(河上と交代・同時に鈴木翔→神谷へと交代)

試合が進み、自然と藤枝が攻撃権を支配する展開へと移っていき。
坪川・東と長野でのラストゲームとなる選手が投入されたものの、それ故に戦術の薄まりが見られてしまった感じでしょうか。

最大の好機は34分に訪れ、久保が右サイドを前進したのち中央の岩渕へとパスを通さんとし、カットされるも奪い返す久保。
今度は水野経由で縦パスが岩渕に渡り、エリア内へ切り込みシュートを放ったものの、判断良くGK矢田貝が前に出てブロックで防ぎます。
以降も長野ゴールに迫る藤枝、勝利で昇格に花を添えるべくの終盤戦を展開。
42分にも久保→岩渕のホットラインからシュートが放たれるもゴールならず。(ゴール右へ外れる)

直後に藤枝・小笠原が足を痛めた(攣らせた?)というタイミングで、長野が最後の選手交代。(43分)
引退表明済みの牧野を投入(森川と交代・同時に山本→佐野へと交代)し、ラストゲームの選手が揃い踏みとなります。
同時に藤枝も小笠原→久富へと交代。

ここから長野へと針が振れ始める、藤枝の攻め疲れが露呈するような流れとなり。
しかし後半ここまでシュート皆無の長野、奇しくも前節と同じような展開。
勝負を賭けたい時間帯で伸び悩むという、意外と深刻な悩みを抱えているのかもしれません。

敵陣でパスを回す時間が増えた長野ですが、藤枝の守備ブロックを崩すまでには至らず。
AT突入後もフィニッシュに辿り着く事は無く、逆に藤枝は一度の好機で、左サイドから横山がカットインシュートを放つ(坪川がブロック)シーンを創出します。
藤枝攻撃陣には最後までやらせなかったものの、自力昇格を阻止する流れを作るには至らなかった、そんな展開だったでしょうか。

結局最後のセットプレーの好機(中盤からのFK)からもシュートには繋げられなかった長野。
スコアレスのまま試合終了の笛が鳴り、勝ち点1を積み上げた藤枝が2位を確定させるに至りました。

来季は初のJ2を戦う事となった藤枝。
そこには偶然にも、同じ静岡県で雲の上的な存在であった清水と磐田がともに降格し、同一カテゴリで肩を並べる事となります。
清水vs磐田という図式に初めて割って入る権利を得た歴史的なシーズン、果たしてその歩みはどんなものとなるでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第33節 テゲバジャーロ宮崎vs松本山雅FC

2022-11-16 18:12:30 | サッカー視聴記(2022年その他)

<宮崎スタメン> 4-4-2
GK 石井
RSB 奥田裕貴 CB 奥田雄大 CB 代 LSB 新保
RSH 徳永 DH 下澤 DH 大熊 LSH 岡田
FW 橋本 FW 北村
<松本スタメン> 3-4-1-2
GK ビクトル
RCB 篠原 CCB 大野 LCB 常田
RWB 下川 DH パウリーニョ DH 佐藤 LWB 外山
IH 菊井
FW 横山 FW ルカオ

開幕から終始昇格争いを続けている松本。
4クラブもある降格組の中でも出色の成績といえるでしょうが、それでも昇格が確定となる程のものでも無く。
それだけJ3が「魔境」と呼ばれるに相応しいリーグになった証明でしょうが、破格の予算(あくまでJ3内では)を利用して1年でJ2復帰を目指さんとしている松本にとってその存在は障害でしか無い。
前節はとうとう生命線であった守備陣が崩壊しての敗戦(富山戦・3-4)で、残り2戦どんな形でも良いから勝利を……という思いは強く。

宮崎のキックオフで試合開始となると、早速の攻めでロングボールの跳ね返りを右サイドで拾った徳永、そのまま角度の無い所からシュートを狙い。
GKビクトルがセーブしてコーナーキック(ここからはシュートに繋がらず)と、硬さが見られるであろう相手の意表を突かんとします。
対する松本も前半3分、ロングパスをルカオが収めにいくという形から右サイドで攻め、下川のクロスをファーサイドで外山が合わせシュート。
ブロックされてCKへ移行と、宮崎の攻撃と似通ったプロセスを描き。

しかしここから松本がセットプレー攻勢を仕掛け優勢に立ち。
得た左CKから、クロスを常田が合わせヘディングシュートを放ち、ブロックで防がれるも尚も空中戦で押し込みゴールを狙い。
こうした絵図ではいかにもフィジカルの強いルカオが頼りになるといった感じで、その後もスローインやフリーキックでの好機を量産していく松本。
まさに「何でも良いから勝つ」精神を実行するかのような攻撃でした。

それでも、ボールポゼッションに長けている宮崎の方が攻めの見栄えは良く。
松本はそのビルドアップを遮断しようとするも、3-4-1-2というフォーメーション故に前線のプレッシングも変則といった感じ。
端的に言えば、トップ下配置となっている菊井が最前線に出るという可変が目立つ分、遅れてかわされるという欠陥が付いて回っていたようでした。
かといってリトリートに回っても5-3-2という形なので、2列目が薄い弱点を常時考えなければならない。(しかもトップ下を「3」のどこに降ろすのかという問題も生まれる)
そんな訳で、3-4-2-1や3-3-2-2(3-1-4-2)からマイナーチェンジの形であっても、その性質に有効性が見出し辛いものとなってしまったでしょうか。

宮崎は10分に橋本が、11分に奥田裕がエリア内からシュート(両者ともブロックに防がれる)と、しっかりと落とし込まれたビルドアップから有効打を放っていく流れを形成。
ボックス型(2センターバック+ドイスボランチ)の最後方の形から、徳永が降りて来て出口役を務める事で詰まりは殆ど起こらず。
攻撃権を支配し、21分には敵陣でボールを上下動させ続けた末に、最後はポイントゲッターの岡田がエリア内中央からシュート(GKビクトルセーブ)という決定機も生まれます。

攻撃を受け続ける状況に、松本も次第にしっかり守ってカウンター、という意識が強まったでしょうか。
23分の宮崎の攻撃、左ワイドからエリア内左へのパスを受けにいった橋本が、入れ替わらんとして奪われたのを機に松本のカウンター。
佐藤のラフなスルーパスに対し、横山が自慢のスピードを活かして左サイドで受け、そのままドリブルからカットインシュートを放ち。
枠外に終わるも、相手に目に見える脅威を与えたという所で飲水タイムが挟まれます。

ブレイクを挟み、松本は主体的な攻撃も交えながら先制を狙い。
宮崎のプレッシングを、3バックが距離を取ったうえでのショートパスで打開を図り、そこに大きなサイドチェンジも絡めて繋ぐ体勢を築きます。

徐々に宮崎ゴールに迫るシーンも増えていき、迎えた34分。
パウリーニョの縦パスをルカオが右サイドで受け、そのままドリブルで奥へ切り込むと、そのフィジカルを活かして宮崎・新保を剥がしカットイン。
そしてエリア内でGK石井の眼前を伺ったうえでクロスを入れると、後は合わせるだけと言わんばかりの菊井のシュートがゴールネットを揺らします。
どうしても欲しかった先制点に辿り着いた松本。

後は前節崩壊した守備を整えるだけといった状況ですが、多彩な宮崎の攻撃にその後も苦しめられ。
37分に右サイドのスローインからの攻撃で、エリア内へのミドルパスを橋本が走り込んだうえでの落とし、拾った北村が右ポケット奥に切り込んでシュート。
右サイドネット外側に終わるも、目線を変えられての攻撃に難儀といったシーン。

そして前線は前に出るのか構えるのかが曖昧といった印象は拭えず。
迎えた41分、ボールの奪い合いを経て自陣で回収した宮崎、そのまま松本のゲーゲンプレスをいなしつつのビルドアップから徳永の裏へのミドルパスでひっくり返し。
左サイドで受けた岡田のグラウンダーのクロスから何度もエリア内で展開される攻撃、マイナスのクロスあり橋本の落としありと際どいシーンが描かれ、それを必死に掻き出す松本ディフェンス。
しかし最後は新保の縦パスを受けた岡田、左ポケットからクロス気味のシュートを放つと、ループの軌道で右サイドネットに突き刺します。
集中砲火により守備網は決壊、という表現をしたくなる波状攻撃を決めきりました。

リードを失った松本ですが、アディショナルタイムに決定機が訪れ。
自陣右サイドのスローインながら、投げられたボールをルカオが入れ替わりで受けた事により宮崎の前へのベクトルを逆手に取る体勢に。
そして中央への絶妙なスルーパスで、受けた横山がGKと一対一になるという願っても無いシーンが生まれます。
しかし放たれたシュートは前に出たGK石井が片手でセーブ、左へこぼれたボールにさらに詰めた横山ですが、ゴールに向かうボールを宮崎・奥田裕の決死のスライディングに阻まれ決めきれず。
逆に凌ぎきった宮崎、このプレーで奥田裕が勢い余って横山と交錯、痛んでしまいましたがその対価は素晴らしいものとなりました。
結局1-1のまま前半が終了。

勝ち越す事が出来なかった松本、その気持ちの切り替えはハーフタイムでは足りなかったようであり。
後半も最終ラインからの組み立ての姿勢を崩さない宮崎の攻撃が冴え渡り、そこに強烈に絡むのはゴールゲッターの岡田。
後半2分に新保のミドルパスを受け、左ワイドからのカットインでエリア内からシュートを放ち、ボールはブロックを掠めてゴールポストを直撃という際どいものとなります。

松本はこの流れを切らないと大惨事を招く、そんな事を考えていた矢先の5分。
再び左サイドで岡田が受けると、今度はスルーパスで新保を走らせる選択を採り、新保のクロスが逆サイドに流れるも尚も継続される攻撃。
そして徳永がエリア内右からのカットインシュートという、岡田と対称のシーンが描かれると、GKビクトルがセーブしたこぼれ球を詰めた岡田。
見事に連撃を決め、好循環を結果に繋げた宮崎が逆転を果たしました。

その後も宮崎の攻勢は続き、8分には中央で岡田のパスを受けた橋本、ポストの体勢でのキープから反転してのシュート。
ブロックに当たっての枠外でCKとなると、そこからもクロスの跳ね返りを大熊がミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、ひたすら脅かされる松本ゴール。

5-3-2で構える守備を採っていた松本ですが、懸念のトップ下の菊井は右脇へ降りる事が目立ち。
それ故にボランチも左寄りへと位置を移すので、事前の落とし込みが無ければトランジションに難儀しそうな布陣でした。
そんな状況の中、ベンチは12分に動き横山・パウリーニョ→榎本・田中パウロ淳一へと2枚替え。
佐藤をアンカーとして、2シャドー(菊井・パウロ)・2トップ(ルカオ・榎本)の体勢を採る3-3-2-2(3-1-4-2)へとマイナーチェンジさせます。

それでもあと2点が必須という窮状は変わらず。
ビハインドという状況では必然的にショートパスでのビルドアップを強いられる、つまりボールを持たされるという割合も増え。
焦りからか、15分には宮崎・北村のドリブルを後ろから倒した榎本が警告を受け。
17分にはCKのチャンスを得るも、キッカー・パウロのクロスが中央にこぼれ、そこを大野がボレーシュートを狙いましたが振った足は宮崎・代を蹴ってしまいここでも反則・警告。

リードしても、宮崎は松本の3バックに対し、2トップ+サイドハーフ1人というプレスの姿勢は変わらず。(それでも嵌めにいく事は減り、一定の距離で構える体勢)
それに対し前半と同様にサイドチェンジを交えながら、何とかかわしてボールを運ばんとする松本。

何度か好機も作ったものの、ゴールは奪えないまま後半の飲水タイムが挟まれ。(26分)
その際にルカオが宮崎・大熊との激突で倒れてしまい、そのままブレイクとなった事で欲求不満が全体としてさらに高まってしまったでしょうか。
明ける際に宮崎ベンチが動き、北村・下澤→薗田・内薗へと2枚替え。

松本のFKから再開し、ブレイクが挟まった事で自陣からという位置ながら放り込みを選択。
その後もスローインで押し込み続け、左からのクロスに対し前残りしていた篠原が合わせにいく(28分)という惜しいシーンも生まれましたが実らず。

逆に直後の29分にはパスミスから危機を招き、岡田のスルーパスを受けた橋本がエリア内に突撃して決定機になりかけるも、必死に戻った篠原がスライディングで掻き出して何とか凌ぐ松本。
しかしこれを期にペースは再び宮崎のものとなり、「ここで追加点を与えては終わり」といった典型的な状況を強いられます。

そしてその結果、耐えられずとなり。
32分、最終ライン~中盤でのパス回しから右裏へミドルパスを送る宮崎、走り込んだ徳永のダイレクトでの折り返しに、中央で薗田が足から跳び込んで合わせ。
遅攻→速攻への流れを綺麗に決めた結果、決定的な3点目が生まれました。

狼狽を隠せない状況となってきた松本。
34分に再びベンチが動き、大野・菊井→宮部・稲福へと交代し、4バックへと変更します。
<後半34分~36分までの松本> 4-4-2
GK ビクトル
RSB 宮部 CB 篠原 CB 常田 LSB 下川
RSH パウロ DH 佐藤 DH 稲福 LSH 外山
FW 榎本 FW ルカオ
こういう時にマルチプレイヤーである下川(右サイド→左サイドへシフト)の存在は貴重であり。

一方の宮崎も36分に岡田・徳永→青山・藤武へと2枚替え、それに伴い3-4-2-1へとシフト。
しかしそれから間もなく事件が発生します。
宮崎・薗田のチャージを受けたパウロが、激高のあまりその後インプレーの最中にボールと無関係な所で薗田に体当たりを敢行、倒してしまった事で反則の笛が鳴り。
明らかな報復行為という事で、主審が躊躇い無く赤いカードを出す事態となり、パウロが退場して10人となってしまった松本。

その後の松本は見るも無残であり。
4-3-2へと布陣を移して何とか反撃体制を築かんとするも、それが果たされる前に更なる失点。
40分に右CKを得た宮崎、キッカー奥田裕は中央へクロスを上げると、橋本がヘディングシュートで仕留め。
この日は何度もショートコーナーを使っていた宮崎のセットプレーですが、数的優位を得たのち正攻法で得点、という流れがあっけなくも映りました。

諦めずに攻める松本、42分にはCKから篠原のヘディングシュートがゴールを襲ったものの、GK石井のセーブに阻まれて実りません。
その後常田を前線に上げてのパワープレイに全てを賭け、道中反則に対し宮崎・奥田裕がヒートアップするなど珍妙なシーンも加わりますが、ロングボールを前線に入れ続け。

しかし最後は力尽きたかのように、ATでは宮崎がボールキープする体勢に入られ。
それをひっくり返す程の余力は残っておらず、試合終了の時を迎えました。

結局2戦連続の4失点で連敗となってしまった松本。
2位の藤枝が勝利したため、勝ち点差は3ながら得失点差は17差と絶望的な状況を作られ。
同じく勝ち点差3の鹿児島も、15もの得失点差があり、最終節を前にして十中八九藤枝の昇格が確定したと言っていいでしょう。
後は降格補助金が無くなる来季に向け、どういった落としどころを図るのかが見所でしょうか。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第33節 FC今治vsAC長野パルセイロ

2022-11-15 16:01:05 | サッカー視聴記(2022年その他)

<今治スタメン> 4-4-2
GK 茂木
RSB 駒野 CB 飯泉 CB 照山 LSB 上原
RSH インディオ DH 楠美 DH 三門 LSH 近藤
FW 千葉 FW 中川
<長野スタメン(守備時)> 3-3-3-1(5-1-3-1)
GK 大内
RCB 池ヶ谷 CCB 乾 LCB 杉井
RWB 原田 DH 佐藤 LWB 水谷
RSH 三田 CH 山中 LSH 森川
FW 山本

大注目を浴びたJ1参入プレーオフ・決定戦ですが、佳境となっているJ3リーグはその間も歩みを止める事は許されず。

既にいわきが優勝を確定させ、唯一の障害であったライセンスの問題も一応の解決となり昇格も決定。
残るは2位つまりもう一つの昇格クラブを巡る争いで、可能性があるのは藤枝・松本・鹿児島・今治・富山。
このうち6位の富山は、得失点差の面で現実的な可能性を失っているので、残り4クラブに絞られたという状況です。

そして今治も、2位との勝ち点差は4・得失点差は11差と、残り全勝が必須の状態。
そんな中で、ホーム・ありがとうサービス.夢スタジアム(以下夢スタ)はこの試合が最終戦で、来季は隣に施工中の里山スタジアムへと役割を移す事となります。
そして元日本代表・駒野の引退試合と、盆と正月が一緒に来たという表現をしたくなるイベント満載の一日に。

昇格へ望みを繋ぐには勝利とともに、藤枝・松本双方の引き分け以下という他力も絡む状況で、まさに一縷の望みといった今治。
そんな状況が焦りを生んだか、立ち上がりは長野の可変システム(攻撃時は4-2-3-1へ)が生み出す守備スタイルに苦戦を強いられます。
5-1-3-1という独特の布陣から生み出される、ボールホルダーに対してすかさず複数人で囲みにいく姿勢を受けて思うように攻め込めず。

また長野の攻撃に対しても、杉井が左サイドバックへ・水谷がボランチへと可変する左サイド(今治から見て右サイド)を捕まえられず、また2列目の森川・三田の流動的な動きにも惑わされて炎上状態に。
前半5分には左から水谷のクロスの跳ね返りを、拾った杉井がエリア内左を突いてシュートを放ち、ブロックされるも尚も繋いで再び杉井に。
そして奥から低いクロスが入れられ、ニアサイドで山中が走り込んでこぼれるも、ファーサイドで原田がダイレクトでシュート(GK茂木)と両ワイドの選手が絡む攻撃となり。

そんな長野の圧力を凌ぎ、希望の光をともす先制点が欲しい今治。
15分にエリア内でストライカーの千葉にパスが渡るも、撃てずに逆に長野のカウンターを浴び。
何とかサイド奥で攻撃を切るも長野の右コーナーキックとなり、キッカー原田は中央にクロスを上げ、合わせにいった池ヶ谷は落としを選択。
叩き付けられワンバウンドしたボールを乾がヘディングシュートに持っていき、GK茂木がセーブするも混戦となり、拾った森川のシュートはブロックで防がれ。
その後も拾った長野選手に対し今治は必至に掻き出しを続け、何とかこのピンチを防ぎます。

すると18分、長野のビルドアップを敵陣で三門がスライディングしてカット、中川→インディオと経由させて中央を素早く前進。
そして中央ペナルティアークから放たれたインディオのシュートがゴールネットを揺らし。
ピンチの後にチャンスあり、という先制点を挙げた今治。

優勢だった長野、それだけにリードされたという事実にショックは大きく。
変則フォーメーションかつ1トップ故にどうしても最前線のプレスは今一つで、ショートカウンターは望み薄故にどうしても主体的な攻撃は反撃に必須。
しかし以降流れが悪くなり、ゴール前まで運んでも今治ディフェンスの激しいデュエルに阻まれてフィニッシュまで辿り着けず。
倒れても中々反則を取られないという絵図に、ピッチサイドのシュタルフ悠紀リヒャルト監督もヒートアップする(25分)など、踏んだり蹴ったりといった状況を強いられます。

相手がそんな状態のうちに、追加点を挙げたいという意欲に駆られる今治。
29分に再び三門の敵陣でのボールカットから好機を迎え、ミドルパスを収めたのは先制点を挙げたインディオで、しかも先制点とほぼ同じペナルティアーク付近という位置。
しかし浮き球をコントロールしてシュートにいった結果、振った足がディフェンスに入った長野・水谷をチャージしてしまい、反則そして警告を受ける結末となります。

不安定なチームが落ち着きを取り戻す要因としては、自身が一つ良いシーンを作るとともに、相手に一つ不利な要素が生まれるというものもあるでしょうか。
この日の長野は後者だったようで、31分にGK大内からの繋ぎによるビルドアップで攻撃に入ると、縦パスも交えつつ右→中央→左へとサイドを移しながらの前進でエリア左角を突き。
そして手前からのクロスを選択し、上げられた水谷の急角度のクロスを今治・上原はクリアしきれず、浮いたボールを山本がヘディングシュートで押し込みゴール。

相手の変節を見事に同点に結び付けた長野ですが、これだけでは終わらず。
キックオフの今治の攻撃を切ると、森川が素早く裏へ浮き球を送り、完全に抜け出した山本が浮かせるトラップでGK茂木までも抜き去り。
そして無人のゴールにシュートが放たれ、あっという間の2点目となります。
記録上は31分で、1分と経たないうちに2得点という珍妙な記録が生まれる事に。

電光石火の逆転劇を受け、主体的な反撃体制を採らなければならなくなった今治。
つまり最終ラインからの繋ぎを重視する攻撃で、オーソドックスな4-4-2からあまり可変はせず、斜めの縦パスを駆使して前進を果たしていくも中々フィニッシュには辿り着けず。
逆に36分、最終ラインでパスミスを犯してしまい、中央にこぼれた所に走り込んだ長野・三田がシュート(枠外)という危険なシーンを生み出し。

焦れる今治、40分には近藤が遠目からロングシュートを狙うも実らず。
42分には右サイドからのフリーキックで、クロスの折り返しを中川がボレーシュートにいくもミート出来ずこぼれるなど、フィニッシュシーンでも焦りが顕著という印象を残すに至ります。
逆に45分には長野に決定機、裏へのミドルパスに抜け出した山中がドリブル、中央からシュートを放つもGK茂木のセーブに阻まれゴールならず。
結局1-2のまま動かず、前半が終了。

今治にとってあと2点が必須の状況で迎えた後半。
早速の後半1分に、飯泉が最終ラインから持ち上がり、中川→近藤と経由したのち近藤のミドルシュートが放たれ。(GK大内キャッチ)

ホームのムードを一変させる一撃が生まれると、それに呑まれるかのようにピッチ上ではアクシデント禍も発生してしまいます。
そして襲われたのは長野で、3分にリベロの乾が顔部を痛め(目?)た事で交代の措置が採られ。
坪川が投入され、早くも最終ラインはスクランブルを強いられます。

そして8分の今治、自陣でのパスカットから近藤が中央をドリブルで持ち上がり、彼のパスを左ハーフレーン・エリア手前で受けた千葉がカットイン。
ペナルティアークへと流れて放たれたシュートは、彼のベクトルとは逆である左ポスト内側を叩いたのちゴール左へと突き刺さり。
ストライカーらしい、相手の動きの逆を突くシュートを決めた千葉。
これで同点に追い付きます。

その後一進一退の攻防を経て、今治がCK攻勢に持ち込んだ(18分)のち、再び長野に災難が。
今度は水谷が足を痛めてしまい、小西と交代。
そして原田が水谷の役割、つまり左ウイングバック兼ボランチを務める事となり、小西は右WBに入るという配置転換も強いられます。
相次ぐ誤算にシュタルフ監督も苛立ちを隠せなかったのか、20分に度重なる長野選手の被チャージの末に、佐藤が今治・インディオに倒され反則となった所で激しく異議を唱え。
すると前半からの積み重ねもあったか、ついに主審に警告を受けてしまったシュタルフ氏、これで今季通算3枚目となりました。

これらの不運もあり、一向に好循環を得られない長野。
当然今治はそれを突くように仕掛けていき、逆転を狙います。
27分、近藤の縦パスを受けた千葉がディフェンスに遭うも、こぼれ球を拾ってそのままエリア内を突いてシュート。
これは枠を捉えられずも、同じく27分に再び好機が訪れ、右サイドからの攻めで駒野のクロスの跳ね返りを三門が拾って二次攻撃。
そして中川がエリア手前右でパスを受け、ディフェンスでこぼされた所を三門が拾い、奥からのマイナスのクロスを千葉が合わせてゴール。
長野のディフェンスに対し、こぼれ球を拾って好機を継続させるという手法が実を結んだ3点目となりました。
ボールホルダーを囲む姿勢の長野が相手だけに、1対1の状況では囲まれる前に積極的に仕掛け、最低でもこぼれ球といった攻撃が正解かもしれません。

しかしこのゴールの副産物で、歓喜の輪に加わったインディオが味方の抱擁?で頭部を痛めてしまい。(この時点で、輪の中で首筋を抑える仕草をしていた)
29分に今治の攻撃が途切れたのち、特にチャージも受けていないにも拘らず頭部を抑え込み蹲るインディオ。
一旦ピッチ外に出たのち復帰するも、32分に限界を迎えてしまい倒れ込み、交代の憂き目に。(山田と交代)
あろう事かサッカー以外の部分での負傷で、退く事となりました。
それと同時に駒野も交代(下口を投入)となり、ラストゲームはリードを保ったまま役目を終え。

これと同時に長野ベンチも動き、原田・佐藤・山中→藤森・宮本・山口へと3枚替え、そして布陣も変更します。
<後半35分以降の長野> 4-1-3-2?
GK 大内
RSB 小西 CB 池ヶ谷 CB 杉井 LSB 藤森
DH 坪川
RSH 三田 CH 山口 LSH 森川
FW 山本 FW 宮本
可変システムを取りやめて常時4バック、という形ですが、2列目は相変わらず流動的。

後半は未だにシュートゼロと、度重なるアクシデントに完全に流れを断ち切られた形の長野。
それを改善出来ぬまま攻め上がるも、その影響か今治のカウンターに脅かされる事となります。

36分に近藤のカットから左サイドを素早く駆け上がり、ドリブルでエリア内左を突いてグラウンダーでクロス。
ニアで山田がスルーした先に千葉が待ち構えるも、クリアされて撃てず。
43分にはFKから攻め込む長野ですが、奪って敵陣に持ち込む今治。
一旦途切れるも右サイドで千葉がパスをブロックし、近藤が拾って攻撃継続、エリア内左でのキープからの戻しを経て三門がミドルシュート。(ブロック)

同点どころか4点目の危機、といった長野ですが、このタイミング(44分)で今治も最後の交代(楠美・中川→岡山・冨田)とともに布陣変更。
<後半45分以降の今治> 3-4-2-1
GK 茂木
RCB 飯泉 CCB 照山 LCB 冨田
RWB 下口 DH 岡山 DH 三門 LWB 上原
IH 山田 IH 高瀬
FW 千葉
5バックを採る、お馴染みの逃げ切り体制を築きます。

しかしこの日はそれが裏目に出て、決して良い流れでは無かった長野が、一方的に攻め込む体勢を労せずして作ってしまい。
既にアディショナルタイムのみと時間的に仕方無かったにせよ、これで押し込まれるだけとなる今治。

そして強引な坪川のロングシュートが、ディフェンスに当たってゴールラインを割るという流れでCKを得た長野。
未だにシュートはこの1本という後半の長野でしたが、ここで入ったCK攻勢を結果に繋げます。
2本目の右CK、キッカー坪川はニアサイドへ低いクロスを入れると、体勢を崩しながら放たれた山本のヘディングシュートがゴールに向かい。
ゴール前で照山がブロックに入るも、尚もゴール内へこぼれるボールを掻き出せず、今治にとって無情の同点ゴールとなりました。

これで4点目が必須となってしまった今治。
残り少ない時間で尚も圧力を掛ける長野に対し、カウンターに持ち込む事に成功。
左サイドをドリブルする高瀬から中央へ浮き球が送られ、収めた千葉から右へと展開し、下口のクロス。
跳ね返されたボールを冨田がミドルシュートにいきましたが、ゴール右へと外れ。
それでもめげず、今度はゴールキック→岡山フリックからの攻撃、左サイドを突いたのち上原からクロスが上がる事2度。
いずれもクリアされるも中央で拾った三門、そのままミドルシュートを放ちましたが、GK大内が正面でセーブして勝ち越しはならず。
ミドルシュート攻勢を浴びせたものの実らず、3-3のまま試合終了の笛を聴く事となりました。

2位の藤枝が勝利したため、これで昇格の可能性は無くなってしまった今治。
来季はこの夢スタは練習場へと転身し、以降も今治の昇格に向けた戦いを支える日は続く事でしょう。

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DAZN観戦 2022年J1参入プレーオフ決定戦 京都サンガFCvsロアッソ熊本

2022-11-14 16:00:53 | サッカー視聴記(2022年その他)

<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 上福元
RSB 白井 CB 井上 CB 麻田 LSB 荻原
DH 川﨑
IH 福岡 IH 武田
RWG 豊川 CF 山崎 LWG 松田
<熊本スタメン> 3-3-1-3
GK 佐藤優也
RCB 黒木 CCB 菅田 LCB イヨハ理ヘンリー
RWB 三島 DH 河原 LWB 竹本
IH 平川
RWG 杉山 CF 高橋 LWG 坂本

2回戦の記事 - 熊本 vs 山形(2-2)

J1で入れ替え戦(便宜上こう呼ぶ)という舞台に参加するチームは、残留へのラストチャンスか、ないしは崖っぷちの状態か。
2018年からプレーオフの最後に構える事となったJ1・16位のクラブ。
しかしその試合で残留を果たしたとしても、翌年再び残留争いの渦中に苛まれるのは避けられず。
2018年の磐田(翌年18位で降格)・2019年の湘南(翌年18位もレギュレーション上降格無しで助かる)と、運命に逆らう事が出来ず仕舞いとなっており。
そういう意味では、この場に立つ事自体が既に泥沼の状態であり後者の意味合いが強く、避けなければならなかった事態といえるでしょう。(ただし今季は閉幕が早いので、必然と言われる編成の遅れになり辛いのが幸い)

さて今季その戦いを強いられるに至ったのは京都であり、最終節(磐田戦)をスコアレスドローで終えたため這い上がれず。
しかも17位・清水がシーソーゲームを演じたため、試合の最中にそのスコアの入れ替わりにより何度も瞬間的な17位転落を味わうという、常時緊迫感を強いられる事となり。
そんな心理的状態で点を取るのは困難故に仕方無いと言うべきか、ないしは自力で決められないのだからこの場(プレーオフ)に立たされるのはある意味当然と言うべきか迷う所でしょうか。(勝てばガンバを抜いて15位になれていた)
逆に熊本にとっては、個の力で圧倒されかねない清水やガンバが対戦相手であったら勝利は至難の業ともいえたこの試合。

それでも、トランジションの速さとデュエルの強さは決して上位クラブと見劣りしない京都が相手。
熊本は立ち上がりから普段通りのサッカー、つまり最終ラインからの組み立てを重視しての攻撃を貫かんとしますが、その京都の強度に難儀する事となります。
3トップがしっかりと熊本の3バックに相対するプレッシングで、左右のセンターバックを経由してサイドから前進するというスタイルを、その素早い寄せで潰されるに至り。
前半3分には熊本・イヨハのパスの送り先で川崎がボール奪取、そこから左サイドへ繋いで荻原がシュート(ブロック)と、持ち味のショートカウンターで脅威を与える京都。

熊本の最終ラインはプレスを警戒したためか、アンカーの河原を経由しての攻撃もままならず。
ここで42節・横浜FC戦(3-4)のように、河原が最終ラインへと降りる可変を採る手もあったでしょうが、この日は殆どそれをせず。
その代わりに主に三島がほぼ常時中央に絞り、ドイスボランチのような形を取り中継点を務める事となりました。
相手の変節を余所に、攻撃では得意手であるスローインからの変化で揺さぶらんとする京都。

そんな苦しい立ち上がりを強いられた熊本は、12分にこぼれ球に対し坂本のダイレクトでの縦パスから、そこからダイレクトパスの連続で右サイドの杉山に渡し。
その杉山は切り込みから中央へ横パスを送り、竹本がダイレクトでシュートを放つもふかしてしまいモノに出来ず。
しかし京都の姿勢に対し慣れを示した事で、以降は裏狙いを交えながら、攻撃機会で優位に立っていきます。

それでも襲い掛かる京都の攻撃、22分に右サイドのスローインからの繋ぎで、奥を取った白井が熊本・イヨハを股抜きしてのカットインからクロス。
この低いボールに対しファーサイドで松田が合わせにいくも、熊本・三島に間一髪でクリアされ撃てず。
24分には再びプレスを嵌めて右サイドで白井がボールカット、そのまま奥を突いてマイナスのクロスを入れ、クリアボールを拾った川﨑のミドルシュート。(枠外)
熊本はそんなプレッシャーからか、30分に反則を与えた平川がボールを蹴り出してしまい、遅延行為により早くも警告を受ける事に。
流石にJ1クラブが相手となれば、今までのようにはいかず。
その後ストロングポイントの一つである、「杉山に良い形でボールを受けさせる」事に努めて攻め上がります。

37分に(左サイドでのパスワークを経て)右サイドで受けた杉山、細かいタッチでカットインを狙うもディフェンスに遭い実らず。
しかしその直後の38分、前に出た菅田のボール奪取から中央でパスを受けた杉山。
そのまま持ち上がってミドルシュートを放ちGK上福元がセーブと、得意のミドルレンジでの一撃で脅かします。

これで上げ潮ムードが生まれたかに見えましたが、直後にそれを全てひっくり返される事に。
39分の京都、GK上福元の山崎をターゲットとするロングフィードからの攻めで、敵陣で空中戦を制して拾った松田がそのままエリア内を突く浮き球パス。
これを遮断しにいった熊本・三島がクリア出来ず、こぼれた所に走り込んだ豊川がシュートを放つと、GK佐藤優の脇を抜いてゴール右へと突き刺さるボール。
逃げる立場であった京都が先制と、優位さを一層固める事に成功しました。

その通りに以降熊本の攻撃の流れは途切れ、強度を保って前半の残り時間を過ごす京都。
45分には再びGK上福元が山崎に向けてロングフィード、跳ね返りを拾った武田がシュート(枠外)と単純明快な攻撃で熊本ゴールを脅かし。
熊本はアディショナルタイムにポゼッションを高めて攻め上がるも、最後は左→右のサイドチェンジのパスを杉山が受けられず、前半終了の笛が鳴り。
このシーン然り、アウェイしかも初の舞台(サンガスタジアムby KYOCERA)の影響かフィードの精度が今一つに感じられました。

共にハーフタイムの交代無く賽が投げられた後半、泣いても笑っても残り45分。
そのキックオフから京都は、バックパスを受けた井上が熊本のプレッシングをフェイントで剥がしたのちにロングフィード。
上位カテゴリらしい振る舞いののち、獲得した左サイドのスローインからの攻めで、山崎のフリックはクリアされるも川﨑が左ハーフレーンで拾って好機に。
最初のシュートこそコース上に居た福岡に当たって跳ね返りましたが、すかさず拾い直してエリア内から再度シュート、これをGK佐藤優が際どいセーブで何とか防ぎ。
しかし得た右コーナーキックでも、キッカー松田のクロスを中央で井上がヘディングシュート、ゴール右を襲うも熊本・杉山がブロックと際どい凌ぎを強いられる熊本。
立ち上がりで決定機を連発し、反撃の流れを渡しません。

何とか追加点は防いだ熊本は、やはり杉山の居る右サイドから仕掛けるも、しっかりと対策されて好機を生み出せず。
後半10分には三島のスルーパスに走り込むも、京都ディフェンスは荻原のみならずCBの麻田も出て来て2人で対応し奪いきるなど、その対策の足跡が見受けられました。
ストロングポイントを封じられ、ビハインド故の焦りも加わり思うように攻められない状況に。
そして12分という早い段階でターレスの投入に踏み切り、坂本と交代したうえで杉山が左サイドに回ります。

杉山に代わって右サイドに張るターレス、14分には京都CKからのカウンターで単騎突撃、一旦京都・白井拾われるも奪い返すという圧を見せ付け。(その後デュエル合戦となり奪われる)
15分には再び敵陣で奪われるも右サイドですかさずパスカットするなど、単なる突破力だけでは無い存在感を発揮します。

16分に京都サイドも動き、豊川→金子へと交代。
金子が右インサイドハーフに入り、押し出された福岡が右ウイングに回ります。
右サイドをテコ入れしたその采配の通りに、直後に右サイドのスローインからのパスワークを経て、金子のエリア内右を突くパスを白井が走り込んで受け。
そして熊本・イヨハに倒され、あわやPKかというシーンが生まれるも反則の笛は鳴らず。
しかしクリアボールを井上が拾って二次攻撃を仕掛け、クロスの跳ね返りを武田がダイレクトでミドルシュート、しかしゴール上へと惜しくも外れてしまいます。

この時点では2点目を奪い試合を決める意識が旺盛だった京都。
しかし20分に左サイドでタッチラインを割った際に、荻原が足を攣らせる仕草を見せ。(一度倒れるもすぐに起き上がる)
ここでベンチは交代の準備を始めたものの、22分の熊本の攻撃。
右サイドでパスを受けるターレスに対し例によって2人で対応しようとするも、今度は三島も右へ開いて1対2にはさせず。
そして奥を突いたターレスに対し、追走した荻原がクリアするも、限界に達してカメラマン席の前で激しく倒れ込んでしまう荻原。
熊本の右CKとなるもピッチ外で倒れたためブレイクも挟まれず、熟考出来なかったためかここで交代の選択は採れず(それともまだ準備出来ていなかったのか?)に、数的不利のままセットプレー守備を強いられる京都。

そしてこのCK、キッカー河原のクロスをニアサイドでフリーになったイヨハが合わせ。
フリック気味に放たれたヘディングシュートが左ゴールポスト内側を叩いてゴールに入り、同点に追い付いた熊本。
シュートこそ紙一重というコースでしたが、京都は結果的に隙を見せた事で振り出しに戻されてしまいました。
それでも京都優位な状況は変わらず。

同点になった事でカード変更(得点源のピーター・ウタカを投入するため)を強いられ、その後のキックオフでも交代は行われず、数的不利の状況を何とかやり過ごして25分に交代カードを切った京都。
荻原→佐藤響のほか計3人を入れ替え(山崎・松田→ウタカ・本多へと交代)ると共に、フォーメーションも3バックへと移します。
<後半26分からの京都> 3-4-2-1
GK 上福元
RCB 井上 CCB 麻田 LCB 本多
RWB 白井 DH 川﨑 DH 武田 LWB 佐藤響
IH 福岡 IH 金子
FW ウタカ
あくまでアドバンテージがあり、逆転を防ぎにいく姿勢を重視した事で、ウタカはカウンターというよりはボールの収め所のウェイトが大きくなる状況となりました。

その後熊本サイドも29分に三島が足を攣らせ、それに伴いこちらも3枚替えを敢行。
黒木・三島・高橋→阿部・藤田・粟飯原へと交代、いずれも同ポジション同士と、これまでの戦いを崩さず。
しかしターレスを軸とした右サイドへの攻撃に偏重し、それもロングパス・ミドルパスでターレスに預けるというものとなり、緻密さを失いつつあった熊本の攻撃。
布陣を変えて1トップ2シャドーとなった京都の前線3人も、依然としてプレッシングで熊本のビルドアップを阻む姿勢は変わらず。
結局同点になったのちは殆どフィニッシュシーンを作れない熊本、そのまま最終盤を迎える事となります。

40分頃から、攻撃機会を得ても無理にゴールに向かう事無く、コーナー付近でのキープの姿勢を取る京都。
同点のまま逃げ切りを狙う意識が大きくなった事は明白であり。
43分に熊本は最後のカードを切り杉山→土信田へと交代、2ターゲット(+イヨハ?)となり放り込みへと針が振れる攻撃。(44分に京都も福岡→宮吉へと交代)

そしてそのまま試合はATに突入。
左サイドからイヨハがエリア内へ斜めの縦パスを打ち込み、中央の土信田に通った事で好機となり、藤田へのスイッチを京都ディフェンスが掻き出して左CKに。
残り少ない時間で当然GK佐藤優も前線に上がり、過去ドラマティックな場面を演出してきた舞台は整います。
キッカー河原がニアサイドにクロスを入れて合わせにいく佐藤優、潰されてこぼれた所を拾った平川がシュート。
これを顔面でブロックしたのは京都・ウタカで、跳ね返りをさらに平川がシュート。
今度は京都のブロックを掻い潜るも、あろう事か右ゴールポストを直撃して跳ね返り、寸での所で逃してしまいます。

どれかが違っていたら……という思いにふける間も無く、望みを捨てずに攻め込む熊本。
しかし京都サイドも、熊本の右サイドからのクロスを食い付いてブロックで防ぎ続けてやらせず。
そしてGK佐藤優から攻め直そうとした所で、目安時間の4分が経過した事で試合終了の笛が吹かれました。
非常に悔やまれる思いを残しつつ、J1への道は閉ざされてしまった熊本。

京都が残留となった事でJ1→J2の降格は2クラブとなり、その顔ぶれは磐田・清水。
一方下のJ3では、この試合の裏側でこの日もしっかりとリーグ戦が行われており、その結果あと1試合を残すのみに。
既に昇格・優勝を決めたいわきとともに、藤枝が2位の座を守りほぼ昇格を手中とするなど、来季のJ2の顔ぶれも決まりつつある季節。
果たして今季以上のドラマは生まれるのか、期待感を持って(例年より)長いオフシーズンを過ごしたい所です。

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