ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第18節 モンテディオ山形vsレノファ山口FC

2021-06-15 16:13:33 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(14節・愛媛戦、1-0)
※前回の山口の記事はこちら(14節・相模原戦、1-0)

良い勝ち方をしたかと思えば、その流れを活かせず中々這い上がる事が出来ずにいる山口。
前回観た時が今季初の連勝時でしたが、そこからまた3戦未勝利と足踏みし、勝ち点は20。
そんな停滞感が漂う中、目下絶好調である山形との対戦となりました。

開幕当初は4バックでしたが、途中から3バックに切り替えての戦いを見せている山口・渡邉晋監督。
10番・池上がトップ下に入っての3-4-1-2が主流でしたが、この日は3-3-2-2と微調整。
しかも池上はFWでスタメンで、ボランチ3枚(佐藤謙介・田中・神垣)が並べられたような中盤の構成は、1アンカーに佐藤謙という形となりました。
こうした微調整は相手対策の側面とも取れるものの、この日の山口は果たしてそうだったのか。

試合が始まると、山形が山口のビルドアップを遮断して攻撃権を支配。
5分、山口のミドルパスをカットした中原がエリア内左へ進入、一旦跳ね返されるも尚も繋ぎエリア内右の國分の下へ。
國分はダイレクトでグラウンダーのクロスを入れ、中央で林が合わせシュート、GK関がセーブした所を山田拓巳が詰め。
ゴールに突き刺しますが、オフサイドの判定でノーゴールに。(林・山田拓のどちらが取られたかは不明、山田拓は完全にオフサイド)

山口の前線も山形の最終ラインに対し果敢にプレッシングを掛けますが、それが実らない場面も多く。
6分の山形はプレスを受け続けるも、左サイドで山田拓・山田康太・南が巧みなボール捌きでかわし(山田拓のロブとか南のヒールでのポストプレイとか)、山田康の右サイドへのフィードから逆に好機に繋げ。(シュートには持ち込めず)
プレッシングとビルドアップで流れをモノにしようという山口の理想は見えたものの、それを上回る技術でプランを台無しにさせるかのような山形の入り。

しかし13分に山口が最初の好機、それもプレッシングでボールを奪ってGKと一対一に持ち込むという願っても無いシーン。
左サイドでパスコースを封じられた山形、中央へと戻すも、パスコース選択に意識を取られる野田に対し梅木がアタックを掛けてボール奪取。
そしてDFがおらず、中央で前進してエリアライン際からシュートを放った梅木。
GK藤嶋の足下を抜くも、ボールは無情にもゴール右へと外れ、決定機逸となってしまいました。

これを機に山口は主体的な攻撃も巧くいくようになりましたが、山形の反撃に悩まされ。
15分にはクリアボールを南が拾い、そのまま中央をパスワークで突破。
林のダイレクトパスに抜け出した山田康がシュートし、ゴールネットを揺らしますがまたもオフサイドで、2度目のノーゴールに。
17分にはカウンターを受け、中原に自陣から一気にエリア内にまでドリブルを許しますが、左サイドに流れた所を何とか防ぎ。

3バックのシステムながら、守備時には5バックでは無く、左ウイングバックの澤井が上がり目に位置した4-4-2へと可変する体制を取っていたこの日の山口。
そのため右サイドを上がった川井の裏を取られるシーンが目立つ、といったアンバランスさを露呈させており、攻守ともにリズムを掴めず。
そんな流れのまま、24分に飲水タイムを迎えます。

ブレイク明け、山口は可変システムによる更なる弱点を突かれる事となり。
それはインサイドハーフの田中で、澤井が左に張り出す事で、守備時は右サイドハーフとしての振る舞いが求められたこの日。

山形はそれを利用しようと、27分には最終ラインからの繋ぎで、山田拓が中へ絞ると同時に左へ展開。
そして山口・田中が山田拓をケアした事で左サイドが空き、降りてきた山田康から縦パスが中原へと渡り、中原がドリブルからクロスを入れた攻撃。(シュートまでは行けず)
これで左サイドからの攻撃に迷いが無くなったと思われ、迎えた31分。

再び最終ラインでの山形の繋ぎに対し、先程のシーンが頭を過ったか、山口は佐藤謙が遮断しに前進するも奪えず左サイドの山田拓に。
そして山田康へと渡りドリブル、そこに山口は神垣が対峙するも、イレギュラーな守備を強いられた影響か中原→山田拓→山田康へとパスを許しエリア内左へ。
山田康からのグラウンダーのクロスが入ると、ニアサイドで林が合わせて仕上げ、ゴールネットを揺らします。
今度は取り消される事も無く、相手の特性を綺麗に利用した先制点となりました。

先制後も山形は、サイドを素早く揺さぶる攻撃を敢行して主導権を握り。
山口は可変システムの影響か、スライドも後れを取る場面が目立ち、依然として押され気味の展開を強いられます。

前半も終盤、ようやく山口はボールを握っての攻撃を展開。
41分にはGK関から右サイドへと展開するパスワークののち、裏へ走り込む川井に向けて佐藤謙がロングパス。
受けた川井は右奥からクロスを入れ、クリアされたボールを神垣がダイレクトでシュートしますがゴール左へと外れ。
好機を作り始めるものの、依然として川井を高目に上げての右サイドアタック偏重という感は拭えず。
逆に42分に、山形はそれを突くように左サイドで速攻、南のシュート(ループ気味もGK関キャッチ)に繋げるなどカウンターの脅威は健在。
結局1-0のまま、前半終了となりました。

攻勢を掛けたい山口、ハーフタイムに選手交代。
神垣→小松へと交代し、池上がFWから一列下がって小松・梅木の2トップへと位置も入れ替えます。

後半1分の山口、佐藤謙の右サイドへの展開から、池上が開いて受けて中央へと送り。
佐藤謙がダイレクトで縦パスを送ると、小松のポストプレイののち自らダイレクトでシュート。(枠外)
後半最初の好機をシュートに結び付け、反撃体制が功を奏すかに見えました。

しかし前半同様、山形は左サイド中心の攻撃が冴え渡り、山田拓・山田康の関係性を止める事は相変わらず難儀する山口。
8分山田拓が南とワンツーで前進、その後の山田康へのパスこそ遮断するも、中原に拾われて攻撃継続。
ドリブルから右へと展開し、國分がカットインからミドルシュートを放つも枠外に。
続く9分には逆の右サイドから、山﨑の縦パスを受けた半田から中央へ送られ、山田康が前進してシュートを放つもGK関がセーブ。
尚も右サイド奥で拾った國分から繋がり、エリア内右から山田康が右足でシュート、逆方向に巻いてゴール左を襲うもポストを直撃してゴールならず。

相変わらず山口ゴールを脅かす山形でしたが、その最中である3分にアクシデントが。
最後尾での繋ぎの中で、GK藤嶋が山口・梅木のアタックを受け、足を痛めて倒れ込んでしまいます。
その際は立ち上がりプレーを続けた藤嶋でしたが、13分に山口・梅木のシュートがブロックされこぼれた所を拾った際、再度倒れ込んでしまい続行不能となり。
ベンチで控えていたビクトルが投入される事となりました。

天皇杯2回戦では不覚を取った(ヴェルスパ大分戦・1-2)ものの、リーグ戦では好調な山形。
ピーター・クラモフスキー氏が監督に就任して以降、無敗でここまで来ており一気に上位を伺う位置まで躍り出ています。
当初は相手に押される試合が目立ったものの、日に日に内容も良化しており、この日の前半は一度ミスから決定機を招いてしまった以外はほぼ完璧な試合運び。
前年清水であれだけ苦労していたのは何だったのか、と言いたくなる程の、手腕を如何なく発揮しているクラモフスキー氏。まあ今季ロティーナ監督でも苦戦しているので清水というクラブ自体に欠陥がある気がしないでも無いですが

パスワークでの攻撃サッカーという方針は変わらずも、フォーメーションは無理に自信の理想を押し付けず。(この辺はシーズン途中からという要素もありますが)
既存の手駒の能力を結果に結び付け、リーグ序盤に低迷していたチームに対し「欠けていたもの」をプラスさせているかのような試合運びを展開しています。
そしてこの日は、選手交代という采配面でも力を発揮する事となりました。

GKがビクトルに代わって以降も、最終ラインからボールを繋ぐ攻撃を継続する山形。
21分に野田が右サイド裏へとロングパス、(コーナーキック後の流れで)右へ移っていた中原が受けてボールキープ、エリア内へと進入した所で短いスルーパス。
走り込んだ半田からグラウンダーでクロス、ニアサイドに林が走り込むという1点目と似たシーン(逆サイドですが)となるも、合わずにGK関がキャッチ。

ここで両チーム動き(22分)、山口は澤井・梅木→石川・高井へと2枚替え。
山形も林・中原→木戸・加藤へと2枚替えと、双方2人を交代。
そして迎えた24分。

GKビクトルの藤田への縦パスから右サイドで攻撃、その後の縦パス攻勢を山口は一旦は遮断するも、こぼれ球が繋がって山田康が一気に左サイド裏へとスルーパス。
受けたのは左SHに入っていた加藤で、ドリブルでエリア内左へと進入し、そのままシュート。
GK関のニアサイドを破ってゴールに突き刺し、貴重な追加点を齎します。
交代がピタリと嵌り、ムードも最高潮に達した所で飲水タイムへ。

2点差となり、残り時間を考えると攻めるしかない状況の山口。
29分にはこの日貫いていた右サイドアタックから、川井のクロスを小松がヘディングシュート(枠外)という攻撃。
しかしこの場面以外は、中央をパスワークで突破する攻撃を見せ、何とかこじ開けようとする姿勢を見せていました。
それを果たすべく、佐藤謙も積極的に縦パスを送るシーンが目立ちましたが、やはり厳しいものがあり。

32分に山口は楠本・田中→浮田・佐藤健太郎へと2枚替え、5枚のカードを使い切り。
この後4バックへと切り替え(池上がトップ下の4-2-3-1か)、W佐藤のドイスボランチがここに来て復活するも、時間が決定的に足りず。
38分に再び中央で佐藤謙が縦パス、こぼれた所を浮田が拾いシュートするもGKビクトルがキャッチ。

山形は堅守を見せるとともにカウンター気味に攻撃し、相手に攻撃をやり直させ時間を進めていきます。(39分に南・國分→岡﨑・ルリーニャへと交代)
終了間際となり、焦る山口を尻目に尚も攻め込み。
44分には中央で山田康が相手に倒されながらもキープして繋ぎ、木戸の右へのスルーパスを受けた半田からファーサイドへクロス、加藤のポストプレイを経て岡﨑がシュート。(枠外)
アディショナルタイムにはCK攻勢、それでもボールキープには入らず、二次攻撃で山田拓の左からのクロスで山﨑がヘディングシュート(オフサイド)とフィニッシュに繋げていき。

6分あったATも最終盤、ようやく山口が攻撃権を得て攻め上がるも、シュートは放てぬままタイムアップとなり。
2-0で山形が勝利し、序盤は全敗だったホームゲームもこれで4勝目。(1分4敗)
出遅れを挽回し、このまま一気に昇格争いの輪へと加わりにいきたい所でしょう。

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DAZN観戦 2021年J3リーグ第11節 FC岐阜vsテゲバジャーロ宮崎

2021-06-14 16:17:32 | サッカー視聴記(2021年その他)

<岐阜スタメン> 3-4-2-1
GK 桐畑
RCB 藤谷 CCB 甲斐 LCB 三ッ田
RWB 舩津 DH 大西 DH 中島 LWB 橋本和
IH 吉濱 IH 柏木
FW 川西
<宮崎スタメン> 4-4-2
GK 植田
RSB 青山 DH 井原 DH 藤武 LSB 大熊
RSH 徳永 DH 千布 DH 前田 LSH 渡邊
FW 梅田 FW 藤岡

ホームが白基調という、珍しいカラーリングの体制を取っている宮崎。(この日のオレンジがアウェイ)
前年JFLでJリーグ入りを決め、厳しい戦いを勝ち抜いた末のJ参入となった今季。
しかし成績は快調の一言で、ここまで立派にJ3の上位争いを展開と、活きの良いクラブの典型として存在感を示しています。

「GKを絡めたビルドアップ」「相手にプレスをさせた上で長いパスをFWに送る」といったスタイル、と断片的に情報を得ていた(カンニングした)自分。
J1大分のような、疑似カウンターで決定機を生み出すのが持ち味なのか。
失点数がリーグ最少という要素もあり、ポゼッション力を「相手の攻撃機会を減らす」というような守備面でも発揮しているのか。
そんな考え(妄想)を脳裏に膨らませながら、この日(全カテゴリで)唯一の開催になった試合を楽しみました。

現在3位の宮崎ですが相手の岐阜も2位で、勝った方が暫定ながら首位に立つことが出来るという、コンセプトがハッキリとした試合。
前半が始まったその刹那、ロングボールを左サイドで収めにいった岐阜・橋本和が、宮崎・青山に反則を受け。
すると暫く立ち上がれない有様となり、「プレイ時間がたった7秒とは笑えないな……」という考えも過りましたが、何とか立ち上がり一旦ピッチ外→のちに復帰という流れになりました。

有名選手を多く揃えた岐阜に対し、後手に回る立ち上がりとなった宮崎。
前半4分に再度千布が反則を犯してしまうと、中央やや手前からのフリーキックを中島が直接狙い、低い弾道ながらゴール左へと外れ。

岐阜はてっきり柏木がキッカー担当かと思われましたが、吉濱が大部分を担い、前述のように直接狙う場面で中島が絡むという塩梅。
この柏木が、浦和を(半ば自業自得ですが)石もて追われる格好となり、J3へと活躍の場を移したというのが注目の動きの一つ。
放送席で試合前からこれでもかというぐらいに持ち上げられていたのが印象的でしたが、プレー自体も繋ぎ役に徹しており、しっかり機能を果たしていました。

劣勢を強いられた宮崎ですが、7分に中央での縦パス攻勢から徳永→藤岡と渡り右へ展開、藤岡がそのまま前進し自らシュート。
ブロックされて右コーナーキックとなり、キッカー大熊が低いクロス→ニアで藤岡フリック→藤武合わせるも枠外と脅かし。
これで相手からペースを剥がすのに成功すると、以降はビルドアップからの攻撃も出来るようになります。

GKが前に出てのビルドアップのスタイル通り、2センターバック+1を基本とし、ボランチも縦関係となるのが目立ち。
しかし序盤から相手のプレッシングが激しかった事もあったか、サイドバックは高い位置を取らず。
しばしば後方での繋ぎで、プレスをかわしに助成するシーンが目立ちました。
また持ち味であるGKのパスワークも序盤は影を潜め、14分頃からGK植田がエリア外でパスを繋ぐという本来のシーンをようやく見せる事となりました。

16分、藤武のロングパスを藤岡が落とし、拾った徳永が前進したのちミドルシュート。(GK桐畑キャッチ)
事前情報通りの攻撃を見せると、18分には千布のパスカットから、拾った藤岡が自らドリブルで運びエリア内からシュート。
ブロックされるも尚も繋がり、前田がミドルシュート(枠外)と、フィニッシュシーンを作っていきます。

しかしそれを遮断されると、岐阜の攻撃が容赦無く襲い掛かって来る結果に。
20分、ロングパスを舩津がカットして岐阜の攻撃、中央やや左で吉濱がリフティングしながらボールキープ。
そして左へスルーパスが送られ、奥で受けた橋本和の戻しから吉濱がクロスを上げると、ファーサイドで舩津が跳び込んでヘディングシュート。
ゴールに突き刺して先制点を挙げると、その余韻が冷めやらない23分。
吉濱ロングパス→川西落とす→柏木スルーパスという流れで再度左サイドへ展開され、橋本和が今度は自らクロス。
低いボールに対し、ニアサイドに走り込んだ川西が左足で合わせシュートと、先程と対称的なクロスの質でゴールゲット。
あっという間に岐阜が2点を挙げ、同時に飲水タイムへと突入します。

一気に2点ビハインドとなってしまった宮崎、ブレイク明け直後にコーナーキックを得て、キッカー大熊のクロスをファーサイドで渡邊が頭で合わせ。
後は触るだけという位置でのヘディングシュートでしたが、すれたような当たりになり左に外れてしまい、モノに出来ず。
その後はSBに高い位置を取らせつつ、GK植田のフィード(左サイドの大熊へのものが圧倒的)で組み立てるビルドアップに活路を見出して反撃します。
しかし先程までと違って容易にフィニッシュには辿り着けず。
逆に37分には大西のパスカットから、川西→柏木→吉濱と3人の前線が攻撃を彩り、最後は吉濱のループシュートが宮崎ゴールを襲い。
GK植田がセーブして辛くも逃れましたが、相手の堅守に難儀しているうちに、カウンター気味に追加点を奪われるという負けパターンが過る嫌な流れを強いられます。

その後もボールポゼッションを高めて攻める宮崎ですが、シュートまで辿り着けず。
(GK以外)全員敵陣に進入する場面も目立ちボールを繋ぐも、岐阜の守りを崩す事はままなりません。
45分には再度岐阜の攻撃、吉濱のエリア内へのスルーパスに橋本和が走り込むも、GK植田が抑えて何とか防ぎ。

このまま前半終了するかと思われたアディショナルタイム、右サイドで青山のドリブルが倒されてFKを得てから、セットプレー攻勢に入った宮崎。
その後の右CKでキッカー大熊はショートコーナー、戻しを経てグラウンダーでクロスと変化をつけると、ニアサイドに入り込んだ藤岡が合わせシュート。
岐阜ディフェンスの隙を突き、ネットを揺らし1点を返します。
反撃の狼煙を上げたと同時に前半が終了。

J3降格という汚泥を味わい、何とか這い上がらんという姿勢を見せている岐阜。
前年は成績的に惜しい所までいったものの、結局は中盤での空回りが響いて昇格を逃し。
終盤のレレウ・パウロン獲得もあり、「昇格を焦り、なりふり構わず戦力を搔き集める」という指向に駆られているのでは無いか。
そんな危惧の通り、今季もあらゆる所から有名選手を獲り、主力として起用。
前述の柏木はじめGK桐畑・吉濱・舩津・本田と、戦力を充実させての戦いを繰り広げています。

今季から監督を務めるのは安間貴義氏で、現在J3首位に居る富山での長期政権(2010年途中~2014年)で有名。
その際に採用した「3-3-3-1」や「3-1-4-1-1」という、独特過ぎるフォーメーションが話題を呼ぶも、最後は戦力不足を跳ね返せずJ3降格となってしまった富山時代。
紆余曲折を経て岐阜に働き場を代えた今季も、3-1-4-1-1のフォーメーションを取り入れて挑んでいましたが、柏木スタメン起用とともに微調整。
3-4-2-1のオーソドックスなものへと転換するなど、戦力を組み込みつつの現実路線ぶりも見せています。

曲がりなりにも長らくJ2に居たクラブだけに、J3から抜け出す事が出来るか、という思いを抱えながら戦う事となるのは仕方なく。
それだけで無く、仮に昇格出来たとしても、現在の戦力補強路線を維持しつつ定着出来るのか。
また戦力補強により、Jリーグ参入時に発生してしまった経営危機問題が再発しやしないか等々、未来を考えると不安な点が拭えない。
しかしまずは昇格しなければ始まらないのも事実でしょう。

共に選手交代は無かったハーフタイム、後半の入りも宮崎はポゼッションを維持して攻勢に出ます。
多彩なパスを繋ぎつつ前進し、後半5分にはワンツーから渡邊がシュート(ブロック)、11分には藤岡のドリブルから梅田がシュート。(ブロック)
エリア内でフィニッシュするシーンが増え、前半のうちに1点を挙げた勢いを持ち越しているような攻撃。

14分に最初の交代カードを切り、渡邊→三村へと交代。
主力に大卒の生え抜き選手が多い宮崎、新人もこの日はベンチに留まっていた橋本啓吾の他、センターバックに藤武を大抜擢。
そこに経験のある選手の投入で攻撃力を高めに掛かりました。

しかし物事は上手くいかないもので、16分には抜擢された藤武(この日初スタメン)が、足を攣らせてしまい続行不可能に。
代わって大畑が投入されたものの、直後にその動揺を岐阜に突かれてしまいます。
18分、敵陣での中島のパスカットから右CKに持ち込んだ岐阜、ここで柏木がこの日初のキッカーに。
ファーに高いクロスを上げると、跳んだ三ッ田の奥で川西が足で合わせ、ゴールネットを揺らし。
ピンポイントクロスが見事結果に繋がり、貴重な追加点を挙げた岐阜。

再び2点差となり、主導権も岐阜へと移り変わる事に。
26分には、三ッ田のカットから川西が自陣からロングシュートを狙い、ゴール上を襲うという好機を生み出し。(上に外れる)
やりたい放題の岐阜という絵図を描きつつ、後半の飲水タイムへ。

明けて最初の好機は宮崎で、ゴールキック→藤岡落としを経て三村のロビングを受けた梅田がエリア内右へと切り込み、そのままシュートを放つもゴール左へと外れ。
少ないタッチ数で崩した攻撃だけに、ここで決めればまだ解りませんでしたが……。
それでも以降押し込んでいく宮崎という流れを受け、岐阜も交代カードを切り。
30分に橋本和→松本へと交代(舩津が左ウイングバックにシフト)すると、その流れも止まり双方が攻撃権を得る展開となります。

34分に再度宮崎に千載一遇の好機、千布のスルーパスを右ハーフレーンで受けた梅田、エリア内に進入してグラウンダーでクロス。
中央に藤岡が走り込んでいたものの、ボールはその後方へ流れてしまい、合わずという結果に終わり。
その後CKとなるも、結局これで宮崎の勝ち筋はほぼ消える事となりました。
直後に岐阜は吉濱・柏木→三島・村田へと2枚替え。(35分)

尚も抵抗を続ける宮崎は、37分に藤岡・徳永・千布→橋本啓・儀保・内薗と3枚替えを敢行。(梅田が右サイドハーフへシフトし、橋本啓・儀保の2トップ)
その後は(直後に宮崎・儀保のヘディングシュートがあった後)攻撃権が激しく入れ替わりつつも、どちらも好機を作れず、そして選手が痛むシーンが目立つという流れ。
イライラが募り易い展開で、ビハインド側の宮崎には辛いの一言でしょうが、宮崎のFKを岐阜・舩津が妨害し警告を受けるといった副産物も齎され。

44分、左サイドから三村がドリブルからクロスを上げ、クリアボールに青山が走り込んでエリア内でシュート(GK桐畑キャッチ)したのが宮崎最後のシュート。
その後6分あったATでは、ひたすらロングボールを蹴り込む攻撃を強いられる事となり、有効打を放てず。
最後は岐阜が右コーナーでボールを持つ展開となり、そのままタイムアップ。
首位に立ったのは岐阜という結果になりました。

翌日に富山が勝てず終わった(vs熊本・1-1)ため、首位の座が入れ替わった11節。
それでもクラブ数が奇数なため、富山・宮崎より1試合多い岐阜という日程のあやもあり。
様々な不安要素を吹き飛ばす一歩となる、昇格という結果に結び付けられるでしょうか。

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天皇杯 JFA第101回全日本サッカー選手権大会 北海道コンサドーレ札幌vsソニー仙台FC in札幌厚別公園競技場

2021-06-11 18:24:50 | サッカー観戦記

今年は通常に近い形のレギュレーションで、全J1クラブは2回戦から参加。
そんな訳で札幌・厚別も2年ぶりに、2回戦の舞台になりました。

厚別公園へと向かう裏街道、札幌カラーの赤黒がペイントされていたのに初めて気付いたという絵。(遅過ぎ)
ここを利用しないと自転車で辿り着くのは困難を極めるという印象ですが、歩行者・車も結構見かけましたな。

厚別という事で、いつものインドカレー屋・カフェの販売ワゴンがあるというぐらいのスタジアムグルメ事情。(他にもあったとの事だが未確認)
入場開始時刻(16時30分)を大きく過ぎて到着したのもあり、スルーして競技場内へ。
余談ですが、(札幌ドーム含め)ネーミングライツ制度を利用する気は無いのでしょうか。おかげで「スタジアム」という呼称が使いづらい
(札幌市側に主導権があるならば)既に札幌ドームはプロ野球・北海道日本ハムの撤退が決まり、経営的にも苦しいようなので、ここら辺で切り替えても文句は言われないと思うのですが。
(尚、真駒内(競技場・アイスアリーナ)ではセキスイハイムが命名権を買い取っている模様)

チケット購入の際座席を指定しなかった(出来なかった?)ので、メインスタンド右端付近となってしまったため、中央ののぼりはこの角度。

近年はジャイアントキリング製造クラブと化している節がある札幌。(2017年はいわきFC・2019年はHondaFC)
今季の相手はソニー仙台FC(以下ソニー)で、JFLの常連として定着しているクラブ。(しかし2011年は本来ならば降格の成績だったらしい)
1回戦で札幌因縁の相手・いわきFCを下して当たる事となりましたが、もしいわきが勝ち上がってきたらと思うと……。
アマチュアクラブらしく、在籍選手は全員が生え抜きで、当然元プロ選手も何処を探しても見当たらないという編成。
2014年に鹿島に勝利した、というのがこの大会での大きな実績との事です。

しかし今大会は、このご時世故サポーターは皆無となり。
2年前に、Hondaがアウェイ席で断幕ジャックを敢行していたのが強烈に脳内に残っている身としては、やはり寂しいものがありました。

練習前の散水が始まり。
何かとトラブルが絶えないという厚別(あくまで個人の印象)ですが、ほっこりする絵図が生まれます。

放水された部分に出現した虹で、何とも美しい光景に早変わりしたピッチ。(写真だと判り辛い)

「天皇杯の歴史」のVTRが電光掲示板に流され。
しかし2年前の映像に、神戸と川崎の優勝が付け足されたというだけのものでした。

そんなこんなで時間が進み、各座席も大分埋まってきたという所で練習開始。

ソニーのGKも赤色のウェアであり、傍らからでは何方のクラブなのか見分けが付かない状況に。(まあ札幌の方には2メートルの中野が居るのですが)

ひたすらエリア内でのボール処理・クロス処理の練習が行われ、その際にGKは「(キャッチする際)キーパー!」「(跳び出さない際)クリアー!」とのコーチングも欠かさずという徹底ぶり。
そんなシーンが最も印象的でしたね。

そして現れた、ソニーのフィールダー選手。
こちらはしっかりとチームカラーのウェアでした。

やはり最初に、サーキット・体幹運動を行う札幌の図。
今季はこの姿勢を貫く腹積もりなのでしょう。

そんな最中に、早いタイミングでのスタメン発表が行われ。
札幌ではこのスタンスが主流か。

でかぁぁぁいっ!と叫びたくなる、札幌の面々。
平均身長は184.09㎝と凄まじい事になった11人。
小さいイメージの菅でさえ170㎝超えと、高さに関しては隙が見当たらず。

一方のソニーは175.09㎝、180㎝越えは3人と明らかに見劣り。
これでは高さ勝負は出来ず、そんな状況でカテゴリーの差が現れたら……と試合前から末恐ろしくなりました。

気を取り直し、この日の両チームのメンバー。
3日前にこの地でルヴァンカップ・プレーオフステージを戦った札幌(マリノス戦・1-1)、スタメンは全員入れ替えと大胆なターンオーバー。
3日前は途中出場のドウグラス・ルーカス・菅と、ベンチで出場無しのGK中野・柳・キムミンテ・岡村。
そしてメンバー外だった中村・小野・ガブリエル・中島で構成されました。
フォーメーションは、おなじみ3-4-2-1・攻撃時4-1-5という「ミハイロ・ペトロヴィッチ(以下ミシャ)式」のシステムで、小野とキムミンテというドイスボランチが一抹の不安要素か。
一方のソニー、前試合はJFL11節で4日前。
そこからスタメンは1人入れ換えたのみ(松本(16番)→内野)と、ベストメンバーからほぼ弄らずという気合い十分の布陣。
システムはこの図では4-2-3-1か4-1-4-1なのかは不明ですが、試合開始後に4-2-3-1である事を確認しました。(ボランチは上2人、5番・平田と7番・吉森)
尚、札幌のベンチメンバーは福森・金子・田中・荒野と錚々たる顔ぶれ。

そして(暫く経ってから)選手入場の時を迎えました。

 

ドーレくんが居ない……やはり感染症対策なのか。
ともかく、こうして後ろから見ると一際目立つGK中野のサイズ。

揃って一礼した瞬間を取りたかったが、各人まちまちなので失敗したの図。

ソニー選手の集合、その前に立つのは監督の中村元氏か。
その脇には、何やら青色のボールみたいな物体が抱えられており。

後でベンチに戻った際に見ると、どうやらダルマだった模様で、ソニーのチームカラーに染められており。
札幌を破った際に目を入れる、という儀式を行うのでしょうか。

この日の札幌のキャプテンは小野らしい。

いよいよキックオフを迎え。

ソニーは中央からの攻撃が主体で、サイドに流れる事があっても、クロスには行かず中央に戻して再度突破を図るというシーンが目立ち。
やはり身長差が第一の問題として立ちはだかっていたのでしょう。

しかしそのパスワークを活かし、早くも試合を動かしたのが前半7分でした。
敵陣エリア手前でパスを繋ぎつつ右に展開、2番・三浦がカットインからグラウンダーのクロスを入れると、ニアで9番・内野が合わせて左サイドネットに突き刺し。
札幌にとっては2年前の悪夢が蘇るようなソニーの先制点、そんな予感を生み出しました。

しかしこの日は、ストロングポイントがハッキリした攻撃で主導権を握ります。
188㎝トリオ(中島・ドウグラス・ガブリエル)を活かして収めさせつつ、ルーカスからの逆サイドへの展開・突破からのクロスという二択。
あるいは中央からサイドに展開してルーカス以下略か、ドウグラスのドリブルかという二択の攻撃が中心でした。
12分には右サイドで受けたルーカスから、ガブリエル→ドウグラスと経由し中央へ渡り、ドウグラスがシュート。(ブロック)
助っ人トリオのホットラインも生まれ、以後怒涛の攻撃を仕掛ける事となります。

そして直後の13分、同様のパターンから中央でドウグラスが受け、そのままエリア内へ入らんとする所をソニー・吉森に倒されて反則。
辛うじてエリア手前でPKにはなりませんでしたが、そこは名キッカーが居れば、直接フリーキックの絶好の位置となり好機なのは変わらず。
そしてこれを蹴るのは説明不要の小野で、ソニーサイドもフィールダー全員で壁を作るなど防戦姿勢を見せますが、それを物ともせず小野は実にあっさりと直接シュートをゴール左に突き刺します。
あまりにも美しい軌道だったのかGK鴨川も一歩も動けず、同点に追い付いた札幌。

 

この日のピッチ脇のミシャ氏、夏も近付きポロシャツ姿。
前半はルーカス、後半はキムミンテの名をしきりに叫んでおりました。

これで札幌は気分的に楽になった、と思われましたが16分に致命的なミス。
GK中野が前に出てのビルドアップの最中、小野のGKへの戻しをを内野に掻っ攫われ、そのまま空っぽのゴールにシュートされてしまいます。
内野の2ゴール目で、あっさり勝ち越したソニー。

しかしその直後、札幌もやり返します。
ルーカスの右→左のサイドチェンジ(グラウンダー)を中村がダイレクトでパス、それを受けた菅からのクロス。
これをファーサイドのルーカスの足元にピタリと合い、強烈なボレーシュートをゴール左へと突き刺したルーカス。
基点とフィニッシュ双方をこなした彼の働きで、再び試合を振り出しに戻しました。
これで16分に双方1点ずつと、傍らから観れば面白いながらも当事者達がパニックを起こしそうな展開に。

その後ソニーが、21分・22分とともにシュートを放ちますが実らず。
すると再び札幌のクオリティ高い攻撃が牙を向きます。
キムミンテのロングパスで、再びルーカスが右サイドでボールを持つと、ゆっくりと前進ののちクロス。
これをニアサイドで中島がヘディングシュートで見事ネットを揺らし、長身を活かした逆転ゴールとなり。
直後に飲水タイムに突入と、第1クォーターのうちにとんでもない点の取り合いとなりました。

広告は何も無し、流石はサッカー協会直接の運営です。

反撃したいソニーは、27分に右サイドから10番・藤原がシュートするも、ブロックされコーナーキックに。
そしてキッカーの7番・吉森がニアに低いクロス、これを22番・福宮がフリックするもクリアされます。
すると札幌のカウンターとなってしまい、これがゴールに繋がる事に。
尚、自身は「フリックしたのは誰だ?」と確認するのに目を奪われていたため、気が付いた時には既にボールがエリア手前まで辿り着いていました。
ルーカスがディフェンスに阻まれるも、こぼれ球を中島がエリア内でシュートし、ゴールネットを揺らす事に成功。
これで4-2、中島もこの日2点目と、前半からケチャドバにも程があるスコアとなりました。

2点ビハインドを跳ね返すべく、ソニーも反撃を試みますが、やはり「クロスを上げても高さ勝負では話にならない」という状態が心理的圧迫感を招いてしまったのか。
以降はパスワークも乱れがちになり、ドリブル突破(主に8番・佐藤)も阻まれるなど、攻め手が見当たらない状況に。

こうなると札幌はイケイケの展開で、33分にはドウグラスの左からのカットインから、ラストパスを受けたルーカスがシュート。(枠外)
40分には、再びルーカス・ガブリエル・ドウグラスのトリオのパスワークから、ドウグラスがシュートを放ちましたがゴールバーを直撃。
アディショナルタイムには、ルーカスが右からカットインして左に展開、受けた菅が中央へパスとサイドを激しく振っての攻撃。
そして小野→ドウグラスと渡り、シュートが放たれるもブロックに阻まれ。
止めは刺せなかった札幌でしたが、J1の貫禄を見せつけたかのような前半戦が終わりました。

前半だけでこのスコア、やはり壮観ですな。

巻き返したいソニーは、ハーフタイムに2枚替えを敢行。
内野・佐々木→金井(13番)・吉野(14番)が投入され、佐藤の1トップとなりました。
吉野はボランチに入り、金井は2列目中央で、主にポストプレイ役を務める事に。

交代策が嵌りを見せたか、次第にソニーに流れが傾く事に。
後半6分には交代出場の金井がドリブルからスルーパス、藤原が走り込んでシュートするもブロックに阻まれます。
9分には左からのスローイン、佐藤が直接エリア内で受けてキープ、そしてシュートするも枠を取られられず。
押され始める札幌、8分には三浦のドリブルを倒してしまった中村に警告が与えられるなど厳しい展開に。

そして11分、シュートがブロックされて右CKを得たソニー。
キッカー吉森はグラウンダーでクロス→三浦スルーと変化をつけると、ファーサイドで受けた佐藤がシュート。
ゴールネットに突き刺さり、好循環を得点につなげる事に成功したソニー。
1点差に詰め寄り、試合の行方は解らなくなりました。

迫りくる相手の足音を聴く事となった札幌。
ミシャ氏のキムミンテの名を叫ぶ機会も多くなってきましたが、以降は再びペースを掴み、攻撃権を握っていき。
そして14分に3枚替えを敢行、ルーカス・キムミンテ・菅→金子・荒野・田中へと交代します。

立ち位置も代わり、柳が右CB→右ウイングバック、岡村が中央CB→右CBへ。
荒野はボランチ、田中は中央CB、金子は左WBとそれぞれ入りました。

直後の16分にソニーが、吉野の右からのクロスをGK中野がファンブルし、藤原がシュートを放つもブロックで何とか防いだ札幌。
以降はルーカスが退いたためか、ボールを大きく展開する攻撃は鳴りを潜め(金子を中心とした突破力に賭ける体制か)、その分ソニーも攻撃機会が増えていきます。
前半よりもサイドからクロスを上げるシーンが増えたものの、やはり高さでは通用せず。
21分に吉森→秋元(18番)へと交代後もそれは変わらず、あと1点が届きそうで届かないという雰囲気になってきた所で後半の飲水タイムへ。(26分)

明ける際に札幌は2枚替えを敢行(ブレイク前から準備していた)、小野・中村→高嶺・福森へ。
2回の交代で早くも枠を使い切った札幌、これでリーグ戦のメンバーともある程度謙遜無くなり、第4クォーターに挑みます。

28分に金子のドリブルをソニー・三浦が倒してしまい、反則・警告。
これでお互い1枚ずつイエローカードを貰う図式となり、終盤戦へと突入していく事に。

ソニーは31分に、佐藤→松本へと交代。
DF登録の松本、何処に入るかと思われましたが、右サイドに。
布陣はどうなる……と思い目を凝らすと、どうやら3バックへと変更した模様。
3-4-2-1か3-3-2-2なのかは不明で、というのもボランチの片割れであった途中出場の吉野が、しばしばチャンスの際はエリア内へと上がっていくからであり。
2.5列目からの飛び出しが売りの選手、そんなイメージを抱きました。

ビハインドを跳ね返すべく、好機の際は全力で押し込みにかかるソニー。
札幌陣内でディフェンスを受けて倒れる場面も目立ちましたが、笛は鳴らずという判定も多く、ソニーベンチから声が上がる回数も増えていきます。
そんな中、ジョーカーとなるべき最後の交代が用意され、ベンチから「獲って来いよ!」という声の下送り出される17番・上野。

しかしその矢先の84分でした。
福森がソニー陣内でチャンスメイクする札幌、最初はエリア内右へのロングパスで折り返しを狙うも、シュートには結び付かず再び福森の下へ戻され。
そして左への展開に切り替えた福森、その期待に応え金子が前進してクロスを上げると、ニアサイドで中島がヘディングシュート。
ゴール左を捉え、この時間帯で貴重な5点目を挙げた札幌。
中島のハットトリックというおまけも付き、勝利を手繰り寄せます。

やはり事前予想どおり、高さ勝負に持ち込まれるとキツかったソニー。(失点直後に藤原→上野へと交代)
43分には吉野がエリア内からシュートを放つも、GK中野のセーブに阻まれゴールならず。
2点差のままATに持ち込まれ、最後は金井がシュートする(枠外)シーンも生まれましたが、結局それ以上得点する事はありませんでした。
乱打戦を制した札幌、今年は波乱を起こされる事無く3回戦にコマを進めました。

善戦したソニーでしたが、やはりパワーという点で札幌に上をいかれ、それを覆す事は出来ず。
後押しする存在の観客も無し、という環境も厳しかったでしょうが、まあ仕方が無いでしょう。

試合終了の時間にはすっかり暗くなっていた屋外。
つい1時間前には↓のような写真を撮っていたのが嘘のようだ、そんな事を考えつつ、競技場を後にしました。(どうでもいい)

上空を飛んでいた飛行機。

遥か彼方の夕暮れ。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第17節 ツエーゲン金沢vs大宮アルディージャ

2021-06-09 15:00:39 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(15節・群馬戦、1-1)
※前回の大宮の記事はこちら(15節・北九州戦、1-3)

J2の底辺付近へと沈む、過去最大の危機といえるであろう大宮の現状。
J1時代には「残留争いのプロ」などと揶揄されたものですが、今度はJ2でその地位を築くつもりなのか。
最も当事者にとっては、そんな事を言っている余裕は無さそうですが。

解任された岩瀬健氏の後を継いでいるのは佐々木則夫氏で、後任が決まるまでの暫定監督として指揮を振るう真っ只中。
女子サッカーで代表チームを栄光に導いた人物であり、男子の指導は2006年に大宮ユースで経験あり。
暫定かつクラブは降格圏に沈む危機故、戦術云々より成功体験による精神的な部分で引っ張る事を期待されての人選だったでしょうか。
従来の戦術からの一新を図ったものの、前節・千葉戦でのフォーメーションは4-1-4-1というやや変則的なものでした。
恐らくは今までのサッカーからの転換を形によって示したのでしょうが、1アンカーの弱点を突かれて0-2の敗戦。
後が無いという状況で、最近不調の金沢が相手のこの日、是が非でも勝ち点を積み上げたい所でしょう。

そんな執念は試合開始直後から発揮され、前半1分から早くもスローインで、左サイドから翁長がロングスローをエリア内に投げ入れ。
その後も敵陣深めでのスローインは全てロングスローで、翁長・馬渡と両サイドに1人ずつそれが行える選手が居れば、納得出来る手法ではありました。

いきなりその圧を受ける事となった金沢ですが、冷静にロングボール攻勢でそれをいなす事に成功。
4分には庄司ロングパス→本塚落とす→右ハーフレーンから瀬沼シュート(枠外)と、シンプルな攻撃で大宮ゴールを脅かします。

一方、「現実的なサッカー」への転換を唱えた佐々木氏による大宮も、それまでの最後尾からショートパスを繋ぐビルドアップによる攻撃を一新。
極力早くボールを前へ送るスタイルで、空中戦を経てこぼれ球になったボールをラフに蹴り込むシーンが多発。
フォーメーションは前節の4-1-4-1を改め、三門・小島のドイスボランチとしたうえで、2トップからイバと佐相を縦関係にした4-4-1-1のような感じに。
前述のスローインだけで無く、コーナーキックの際にもキッカーの位置に2人(三門と小野)を立たせ、軽く蹴り出してからのクロスを多用。
どんな形でもゴールを狙うという姿勢を前面に押し出します。

しかし前掛かりになる意識を逆手に取られると脆い。
15分の金沢、渡邊がパスカットして左サイドから縦パスを入れ、受けた瀬沼が前進する所を大宮・山田に倒されるも杉浦恭平が拾ってアドバンテージ。
そしてすかさずスルーパスが送られると、走り込んだホドルフォがシュートを放ち、ゴールを襲うもバーを直撃して間一髪。
その直後も、渡邊がホドルフォとのワンツーでエリア内左へ進入しシュート(ブロック)という好機を作られた大宮。
守備でもプレッシングで早めにボールを奪う体制を取っており、この辺は戦術がリセットされたが故の単純さが弱点となっていた節がありました。

それでも大宮は22分、左からのロングスローでイバフリック→小野収めてシュート(ブロック)と、ゴール間近でシュートする場面を作り。
0-0のまま飲水タイムが取られたのが24分。

ブレイクが明け、最初の攻撃は金沢で26分、これまで縦に速い攻めが主でしたがここでは遅攻。
後方でパスを繋いでいる間に藤村が前へ上がり、大橋の縦パスを受けるという変化を付け、そのままエリア内へスルーパスを送るという攻撃。(杉浦恭が走り込むもクリア)
ここで多彩な攻めの姿勢を見せたのが奏功したでしょうか。
29分、左サイドで渡邊の裏へのロングパスが瀬沼に渡るという、今度は一本の長いパスによる好機。
これを左エリアライン間際で瀬沼がトラップした際、ディフェンスに入った大宮・山田の腕に当たり、ハンドを取られて反則・PKに。
大宮にとっては不運な形となり、PKを瀬沼が中央やや左にシュート。
GK笠原は反応するも脇を抜かれ、無事ゴールネットを揺らし金沢が先制します。

その後はリードした金沢が、余裕をもって長短を絡めての攻撃で主導権を握ります。
大宮サイドはビハインドとなった事で、それまでの速攻主体から、最後尾からのビルドアップも余儀なくされ。
そんな意識のズレにより、中々攻撃の形を作る事が出来ず、金沢が攻撃機会を重ねる展開に。

41分、再び左サイドから渡邊の縦パスが中央へ入ると、杉浦恭がスルーして瀬沼が後ろ向きで受け。
こぼされた所を大橋がすかさず浮き球でスルーパス、そして杉浦恭が走り込んでシュートするも、僅かにオフサイド。(シュートはGK笠原がセーブ)
最初の好機以降、左サイドからの攻撃が非常に効いている金沢。
前回観た際は、左サイドのあまりの出来に柳下正明監督もご立腹といった感じの試合でしたが、これならば一安心でしょうか。(水戸戦は守備面が槍玉となっていましたが)

追い掛ける大宮は、試合が進むにつれて、三門が最終ラインに降りる「丁の字型」の形によるビルドアップを展開。
それによりサイドバックを高い位置に押し出すという、岩瀬氏時代の基本形と同じですが、やはりそこまで前の形を取っ払う時間的余裕は無かったのでしょう。
しかしリードを奪われて以降はシュートを放つ事が出来ず、1-0のまま前半終了となります。

共にハーフタイムでの交代は無く、同じメンバーでぶつかり合った後半の入り。
その結果、主導権を握ったのが金沢というのも同様でした。
後半3分、敵陣中央で松田陸がパスカットしてエリア内左へ縦パス、受けた瀬沼が切り返してシュートするもゴール右へ外れ。
4分には最終ラインの繋ぎから大橋がロングパス、クリアされるも渡邊が繋ぎ、後方から本塚がミドルシュートを放ちますがGK笠原がセーブ。

7分に大宮がロングスローから、イバのトラップ→バイシクルシュート(枠外)という流れが挟まれますが、その後も金沢の攻撃。(8分には藤村ミドルシュートもブロックされる)
9分、渡邊のボール奪取からホドルフォがドリブル、そのままエリア内左奥へと切り込んで中央へシュート気味の速いクロス。
杉浦恭の手前でGK笠原が弾き、瀬沼が詰めにいくも何とかクリアと、押し込み続ける金沢。

しかしこの直前に、左サイドで渡邊と共に良いシーンを作り続けていたホドルフォが、大宮・馬渡との接触で倒れ込むシーンがあり。(6分)
その後もプレーを続けますが、故障から明けて3試合目という要素も考慮されてか、結局13分という早めの段階でお役御免となったホドルフォ。(高安が投入され右サイドハーフに、本塚が右SH→左SHへシフト)

これ以降主導権が移り変わり、大宮が反撃体制へ。
その最中の18分に、佐相に代えてネルミン・ハスキッチを投入と、交代カードにも手を付けた佐々木監督。
恐らくはイバを中央に張らせるための佐相FW(セカンドトップ)起用だったのでしょうが、ビハインドとなって結局サイドからの攻撃しか出来ないため、イバがボールを受けにサイドに開くというシーンが多発していたこの日の大宮。

ここから期待に応え、19分には左サイドでのフリーキックから、21分にはロングスローからと立て続けにヘディングシュートを放ったハスキッチ。(両者とも枠外)
尚も勢い付けるべく、23分には小野・小島→松田詠太郎・大山と2枚替え。
それと併せ、翁長が左SHから右サイドバックに、馬渡が右SBから左SHへと位置を入れ替えます。

同時に金沢サイドも、杉浦恭→大谷へと交代。
直前に大橋が、大宮・小島のドリブルをスライディングで倒してしまい反則・警告を受けてしまうなど、大宮の圧力に押されるシーンも目立ち。
何とか押し返したい金沢は、以降FWの位置に入った大谷の裏抜けを狙ったり、右サイドから形を作ったうえで高安に同じく裏抜けをさせたりという攻撃。
ホドルフォの交代以降、左サイドに多くを期待出来なくなった故の策でしょうが、これで攻撃権を確保し五分の状況へと戻します。

両サイド交代カードを使っていく中でフィニッシュシーンは減っていき。
27分に飲水タイムが挟まれたのちも、30分に大宮がロングスローから、クリアボールを渡部がボレーシュートした(枠外)ぐらいに落ち着いていきます。

当然、リードされている大宮にとっては由々しき状況。
36分に金沢がアクシデントで交代(足を攣らせた本塚→力安)して以降、再度ペースを掴み押し込んでいきますが、ボールを繋ぐものの肝心のシュートには中々持ち込めず。
とうとう40分に最後の交代カードを切り、黒川を投入。
渡部と交代して自身は左SHへ入り、馬渡が元の右SBへと戻って翁長が左SBに回りました。

しかし流れの中からはクロスが上がってもフィニッシュには繋がらず。
期待の黒川は、セットプレーからのヘディングという、矛盾するような形で目立ちます。
40分にはロングスローから、エリア内にこぼれた所を松田詠がクロスを上げ、ヘディングシュート。(枠外)
45分もロングスローからで、ニアサイドでハスキッチのポストプレイから再度繋ぎ、馬渡のクロスに合わせヘディングシュート。(枠外)
何とか自分の得意でない形でも、得点に繋げようとした黒川ですが結果に結び付かず終わります。

それでも押し込まれる展開に金沢サイドも苛ついていたか、42分には大宮・イバを倒してしまった庄司が反則を取られると、判定に不満を露わにし。
最後はボールを地面に投げつけ、警告を受ける破目となってしまいました。

そのシーンは褒められたものでは無いですが、不満に対しガス抜きをするのも大事な要素ではあり。
試合前のインタビューで柳下監督が、チームの不調に対する原因という名の不満?を、思いきりインタビュアーにぶつけていたのが印象的だったこの試合。
何処までが本心なのかは不明ですが、溜まっていたものを出す事で、チームを覆う暗雲も取り払いたかったという側面もあったでしょうか。

そんな事を思い出させた庄司の一幕でしたが、以降も金沢は集中力を切らす事無く守り抜き。
最後は大宮が、山越・山田も前線に上げるロングボール攻勢に入ったうえで、裏をかくようなサイド攻撃も仕掛けましたが最後までシュートは放てず。
1-0のまま金沢が勝ち点3に辿り着き、実に8試合ぶりの勝利となりました。

対する大宮はこれで12戦未勝利という、迷宮にも似てきたような状況に。
それを打破するための新監督の就任もようやく決定し、前年までJ2(山口)の戦場を経験していた霜田正浩氏が、次節から指揮を執る事となりました。
山口とは資本も段違いながら、今季過去に無い程の低迷に苛まれている大宮というクラブで、どんな結果を齎すでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第17節 栃木SCvs京都サンガFC

2021-06-08 16:19:22 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(13節・水戸戦、1-1)
※前回の京都の記事はこちら(12節・琉球戦、0-0)

15節での直接対決に勝利し、新潟から首位の座を奪った京都。
しかし前節(甲府戦)はスコアレスドローで、一日天下となってしまいましたが。一日では無い
混沌としてきた事で下との差も詰まり、新潟・琉球の2強という様相は終わりを告げ、ここからが昇格争いの本番なのでしょう。

一方の栃木、そんな上位の状況とは無縁な位置に落ち着きつつあり。
降格圏からは一歩上なものの、下を気にせざるを得ないような立ち位置となっています。
前年と比べての「中央の強度の低下」を解消するべく、早速補強を敢行。
育成型レンタルで福岡から三國ケネディエブスを加入させ、早速15節・松本戦から起用。
狙いは的中し、以降無失点でここまで来ています。

ピーター・ウタカが今季2度目のベンチ外という事で、彼抜きで得点を挙げる事が勝利への必須条件である京都。
しかも相手は栃木で、今季は同タイプの秋田に敗戦している(5節・0-1)など、不利な要素を抱えての試合となり。
キックオフ直後に、京都・松田と栃木・山本がボールと無関係な所で身体をぶつけ合うシーンでスタート(反則無し)と、早くも様相が色付けられたようでありました。

そんな中、ウタカ不在のセンターフォワードの位置には、あろう事か最もサイズが劣る存在の中川。
京都の前線は盛んにポジションチェンジが繰り返されるので違和感はそれほどでも無いですが、流石に栃木のセンターバック相手では分が悪く。
結局前半14分頃から、代わって武富がCFに回る事となりました。

ミスマッチを起こしていた京都を尻目に、栃木は自身の土俵に持ち込む事に成功。
2分に敵陣深めでパスカットしたジュニーニョが、すぐさま京都・川﨑の出した足に掛かってしまい反則となったシーンがその象徴だった気がします。
その後も6分に京都・武富が、栃木・佐藤をアフターチャージで倒してしまい反則、警告を受けるという具合に立ち遅れていた感があり。
ロングボールを矢野目掛けて放り込むというシンプルな攻撃ながら、主導権を握っていきます。

そしてセットプレーも多数得た栃木でしたが、京都にもCBにはヨルディ・バイスという壁が健在しており。
コーナーキックの際は、他者がマンマークな中、バイスはフリーマン的に構える守備で万全の体制。
おかげでCKを得てもフィニッシュシーンを作る事無く、時間を浪費していく栃木。

栃木の攻撃を防ぎつつ、中川・武富のポジションを変えた後でも、攻撃では中々ペースを掴めずにいた京都。
本領を発揮したのは飲水タイム(26分)後であり、まずは相手を押し込みつつ、数多獲得したスローインで流れを得ようとします。
バイスのオーバーラップを絡めたり、飯田がロングスローを放り込んだりと、相変わらず変化を付けにいくスローインは健在。

そして35分、中央で荒木がエリア内右へスルーパスを通し、武富がシュートを放った(枠外)のがフィニッシュ攻勢の幕開けとなります。
37分には左ハーフレーンから中川のミドルシュート(GK川田セーブ)、39分には左サイドから荻原の浮き球パスを武富が受けてシュート(ブロック)、直後には左サイドから荒木がカットインからシュート(GK川田セーブ)。
45分はCKからの二次攻撃で、右からの飯田のクロスをニアで荻原→中央で武富と2連続でのフリックを経て、ファーで松田がシュートと面白いシーンを作りましたがブロックに遭いモノに出来ず。
序盤は苦戦した栃木のディフェンスにも慣れを示し始め、ボックス近辺でのショートパスを中心に好機を量産。
蜂の巣状態といった感じで前半の終盤を彩りましたが、得点は挙げられず。

アディショナルタイムに突入した所で、京都のスローインを矢野が直接カットしてそのまま栃木がカウンター。
ドリブルでエリア内を伺う位置まで進み、フェイントの連続で撃つ隙を伺ったものの、結局シュートは放てず。
ミスから危機を招くというシーンになり、良い流れで進めながらも予断は許さない状況を京都サイドに再認識させたでしょうか。
結局0-0のまま前半は終了。

12節から5戦連続で無失点と守備面での奮闘が光る京都の成績ですが、「引きこもり上等」というチームでは無く、積極的なプレッシングが売り。
同時に得点力に陰りが見え始め、勝利はいずれもウノゼロ(1-0)でのもので、3得点のみで3勝。
1点逃げ切りが目指す形とは言い難いチームにも拘らず、そうなっているのが今後の不安材料でしょうか。
まあ「理想と食い違う中でも勝っている」と置き換える事も出来ますが。

この日不在であったウタカは14節にもベンチ外で、その要因の一つと捉える趣もあり。
しかしウタカ自身は9節を最後に無得点なので、彼が居ても問題が変わらなかった確率は低くなく、根本的なものでは無いでしょう。

前線からのプレスが攻守ともに肝のチームであり、この日のように攻撃権を支配し、得点を狙いにいくのが持ち味。
そのため交代カードを切っていくのも早い傾向があり、積極的に入れ替えて前線の運動量を確保するのが狙いなのは明白。
そしてこの日も、ハーフタイムから早速交代が敢行されました。

左ウイングの荒木に代え、三沢を投入してMFに。
そして松田が左WGに回るという策を採った曺貴裁(チョウキジェ)監督。

後半、お互いロングボールを蹴り合う入りを経て、先に攻撃権を取ったのは京都。
特に最初の好機(後半3分)は、武田のロングパスを左サイドで受けた荻原が、中川へスルーパスを送りつつ中へ入り。
そして中川のグラウンダーのクロスをニアサイドで受けたものの、シュートは撃てずというもので、崩す所まではいくも得点は奪えずという流れは継続。

一方の栃木、相変わらず攻撃では矢野目掛けたロングパスが第一。
そして収めたのち、もう一人のFWであるジュニーニョを走らせるという、アバウトながらもハイラインの京都相手には有効な攻撃。
8分にはCKから、こぼれ球を拾ったジュニーニョがミドルシュート。(枠外)

京都はボールポゼッションに関してはそれほど重視はしないながら、栃木のようなチーム相手には必然的にボールを繋いでの攻撃をせざるを得ず。
攻め上がる京都と、カウンターの栃木という図式が完成し、後半の時間が進んでいきます。

15分の京都、左サイドで三沢・荻原・松田が繋いだのち三沢が右へサイドチェンジ、これが一旦カットされるも飯田が奪い返して継続。
そして武田がミドルシュートを放ち、ブロックされるもクリアボールをバイスが拾い、左サイドから荻原がクロス気味にシュート。(ブロック)
パス数を多くしつつ、クリアされても攻撃を継続させる分厚い攻撃を敢行し、後は栃木の堅守を破れるかどうかという持久戦の雰囲気も漂いつつありました。(16分に中川→中野克哉に交代)
栃木は11分にジュニーニョが足を痛めて倒れ込み、一度はプレー続行したものの、19分に京都・バイスに倒されて再度傷んだ所で交代。(有馬が代わって出場)

25分に飲水タイムが挟まれ、明けてすぐの27分、栃木・三國がキックミスで中野克が拾いそのまま右サイドをドリブル。
そしてエリア手前でカットインからシュートを放ちましたが、GK川田がキャッチ。
栃木にとって致命的にならずに済んだというシーンであり、シンプルな戦いを貫くにも、全員の強い意志でエラーを起こさない事が求められるのを再認識させます。
直後に栃木は山本→畑に交代。

それでも0-0のまま試合は進み、迎えた32分。
右サイドから川﨑中央へ縦パス→松田ポストプレイ→武田ダイレクトパス→三沢でエリア内を急襲、一旦クリアされるも飯田が再度繋ぎ、エリア内右から中野克がクロス。
中央で跳んだ武田を越え、武富がフリーで収める大チャンスになりましたが、放たれたシュートはGK川田がファインセーブ。
完全に崩したシーンでしたが、モノに出来なかった京都。
34分にはその武富に代えて、今季初出場となる上月を投入。(同時に荻原→白井へと交代)

押され気味ながらも、一糸を繋ぐ姿勢なのは変わらない栃木。
36分にこぼれ球を有馬が前へ送り、矢野が頭で受けるとボールは右サイドのスペースへとこぼれ、拾った矢野からマイナスのクロス。
これをニアサイドに走り込んだ有馬が受けるもシュート出来ずと、掴みかけるものの実る事は無く。

その後京都は白井の突破力を軸に、左サイドから主に攻撃。
荻原が主力級の働きを見せている左サイドバックのポジションですが、例え代わっても戦力的に落ちないという層の厚さを見せ付けます。
それでも終盤を迎え、守り切るという意識が一層強まっていく栃木に対し、急所を突くパスは鳴りを潜めてしまい。
シュートは42分、CKからの曽根田(松田と交代で出場・38分)のミドルシュート(GK川田キャッチ)ぐらいに終わる事となりました。

AT直前には栃木がスローイン攻勢を掛けるものの、面矢がベンチスタートなためロングスローを入れる事は無く。
三國・柳がエリア内に入って来るものの、それを活かせずに終わり。
そしてATも2分台に入ってようやく面矢を投入(菊地と交代)と、今一つ噛み合っていない感がありました。

最後は京都が、ここも左サイドから攻撃して白井から低いクロスが入るも、ニアで合わせた川﨑は枠を取られられず。
そして(ゴールキックののち)試合終了となり、スコアレスドロー。
京都は6試合連続、栃木は3試合連続で無失点が継続されたものの、やや物足りなさを感じつつの結果となりました。

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