ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第6節 大分トリニータvsサンフレッチェ広島

2021-03-23 17:19:26 | サッカー視聴記(2021年J1)

<大分スタメン> 3-4-2-1
GK 高木
RCB 小出 CCB 羽田 LCB 三竿
RWB 井上 DH 小林裕紀 DH 下田 LWB 福森
IH 町田 IH 小林成豪
FW 長沢
<広島スタメン> 4-4-2
GK 大迫
RSB 今津 CB 野上 CB 荒木 LSB 茶島
RSH 藤井 DH 青山 DH 川辺 LSB エゼキエウ
FW ドウグラス・ヴィエイラ FW 浅野

開幕節(仙台戦)・2節(マリノス戦)と、有利な展開から引き分けに持ち込まれ、勝ち点を落としての滑り出しとなった広島
5戦無敗と聞こえが良い成績ながら、同じ無敗の川崎・名古屋・鳥栖の快調なスタートとは一線を成し、中位からの浮上を狙う立ち位置。
過去3年はスタートダッシュに成功しているのとは対照的なシーズンになっています。
そんな流れで4年目を戦っている城福浩監督(現在J1での日本人最年長監督)も、60歳を迎える事となったこの日。

今季は4バックへと基本フォーメーションをシフトし、前線は基本的には、ヴィエイラを最前線に配置。
それでも4-2-3-1だったり4-4-1-1だったりと、過密日程もありマイナーチェンジを重ねつつの戦いとなっています。(この日は4-4-1-1との事だが、便宜上4-4-2とした)
新戦力のジュニオール・サントスですが、開幕から2戦連続でゴールを挙げながら、その後はスタメン落ちが続いている状況。
前年まではレアンドロ・ペレイラ(現ガンバ)の、一長一短の特性に悩まされていたようなシーズンでしたが、今季も同様の悩みを抱えるとしたら苦しい一年になりそうな予感がします。

それはともかくとして、試合は広島ペースの入りに。
前半2分、左サイドでエゼキエウのスルーパスから奥でパスワークを経て茶島のクロスが上がり、クリアされたボールを浅野が中央でシュートするも枠を捉えられず。
5分にはクリアボールを収めたヴィエイラがスルーパス、浅野が抜け出すもGK高木が抑えます。
長短を使い分けての攻撃で主導権を握る……と思われましたが、その後大分もやり返し。
6分に右サイドから攻める大分、井上のフリックから小出がドリブルで前進し、町田のクロスを長沢がヘディングシュート。(枠外)
この日スタメンとなった長沢、ボールポゼッションとサイド攻撃がチームの持ち味な中、ターゲットとしての一芸で戦うという気概が感じられる立ち上がりとなりました。

その後大分がボール支配する時間が増えていきますが、自陣でのパスワークのシーンが長く。
常に疑似カウンターを狙っているチームなので、数字上のポゼッション程攻め込む印象は強くなく、ビルドアップの形を整えつつのボールキープに時を費やしていきます。

その大分の基本形ですが、ボランチ1人が最終ラインに落ち、両サイドのCBが開いての形なのは変わらず。
しかし三竿・小出の上がりがかなり大きく、小出に至っては時に右サイド最前線にまで張り出す事もありました。
そしてドイスボランチ双方が最終ラインに吸収される事もあるなど、前年までのやり方をマイナーチェンジさせたような形に見えたこの日。
前線の人数を増やしたうえで、いざボールを前に運ぶ事に成功させた際に大チャンスを作る、そんな感じでしょうか。
今季予想を裏切るような快調なスタートを切っているのが鳥栖ですが、「6トップ」へと変形するやり口が奏功し、圧の強い攻撃を繰り出す事に成功している。
前年のJ2・北九州(攻撃時は3-1-6へと可変)もそうでしたが、いかにビルドアップの中で前線にかける人数を増やしていくかが最近のトレンドとなりつつあるのでしょうか。

試合の方は、お互いゆっくりとしたビルドアップを経て、散発的にシュートを撃ち合うもゴールは割れずに時間が経過。
大分のやり口に付き合うように、広島も無理にボールを前に運ばず、後ろの方で回しつつ様子を伺うシーンが増えていきます。
しかしこちらの方は、ビルドアップ時も可変が少ないため、露骨なリスク回避のようにも映り。

飲水タイム(25分)後は、徐々に大分がペースを握り始め。
その中心は右サイドで、井上の突破力を活かしての攻撃。
ちなみにこの日も前半は、守備時は4バックで構える姿勢をとるなど、井上を出来るだけ前の位置でプレーさせる配慮をしていました。
広島はこれを受け、サイドハーフの位置を入れ替え右=エゼキエウ・左=藤井と手当て。(33分辺りからか?)
この策が当たったか再びペースを握り、36分には右サイドでパスを回しつつ前進、川辺のエリア内右へのスルーパスにエゼキエウが走り込んでクロス。
ヴィエイラが合わせにいくも逆サイドにこぼれ、中央へと戻され再び川辺からエリア内へとロビング、右から今津が折り返したボールをヴィエイラがヘディングシュート。
しかしゴールバーを直撃し、先制点は奪えず。

その直後の38分には大分が、今度は左サイドで好機を作り、長らくパスを繋いだのち福森が手前からクロス。
町田と長沢が合わせにいくも触れず流れ、そのまま右ゴールポストを直撃してこちらもゴールとはなりません。

44分には広島の攻撃、ヴィエイラのポストプレイを受けた浅野がドリブルで前進、エリア手前左からシュートを放つもGK高木がセーブ。
ここからコーナーキックが2本続くなど攻勢となるも得点はならず。
共に枠に嫌われた事もあり、結局前半は0-0のまま終了となります。

ハーフタイムを経て、広島サイドが2枚替え(エゼキエウ・藤井→森島・サントス)を敢行して迎えた後半。
前半終盤の流れを引き継ぎ攻勢を掛ける広島でしたが、シュートは放つ事が出来ず。
浅野が右SHへと位置し、サントスとヴィエイラの2トップ……とも思われましたが、サントスがやたらと降りて来るので繊細は解らず。(開幕節のような4-2-3-1か?)

そうこうしているうちに大分が好機。
後半7分、右サイドで攻める構えから左へと展開され、福森がドリブルからスルーパス。
小林成が奥へと進入に成功し、戻されて三竿からクロスが上がると、ヘディングシュートを放ったのは長沢。
広島・荒木とのエアバトルを制し、ネットを揺らし先制に成功した大分。
ヘディングで戦う男の意地が垣間見えた得点となりました。

先制されてから、再び広島はSHの入れ替えを敢行し右=森島・左=浅野へ。
しかしその後は、サントスが左サイドに流れてボールを受ける事が多々あり、サントス=左SH・浅野=トップ下ないしはシャドーのように見えました。

サントスの長い足を活かした(?)突破は迫力あり、12分には左サイドで受けてから、エリア手前でカットインし一気に中央へ。
しかし大分ディフェンスに囲まれシュートは撃てず。
その特徴と共に、何処と無く「広島が扱いに困っている」感も伺えるシーンとなりました。
そんな中もう一人の助っ人・ヴィエイラは、14分に今津のクロスからヘディングシュート。(枠外)
17分には自らエリア手前からシュートを放つ(GK高木キャッチ)など気丈にゴールを狙うも、結果を出せず。

この間大分の攻撃機会は稀でフィニッシュシーンも無く、広島がペースを握りながらも、ビハインドの続く展開に重苦しい雰囲気が感じられ。
それを吹き飛ばすのはやはりゴールという要素であり、迎えた20分。
敵陣中央で浅野がサントスとのパス交換を交えて左へと展開、茶島からクロスが上がると、中央で合わせたのは両助っ人では無く青山。
ループヘッドは絶妙な軌道でゴールバー下に当たり、ゴールに吸い込まれ。
ベテランが窮地を救う同点弾を挙げました。

直後に再び広島は2枚替え、茶島・ヴィエイラ→佐々木・柏へと交代。
左サイドに柏・佐々木のホットラインを作り、尚も押し込みを見せます。
23分には敵陣深めでのボール奪取から、森島からクロスを受けたサントスがエリア内でシュート。(右へ外れる)
26分には左サイド、柏のスルーパスに走り込んだ佐々木からクロスが上がると、ファーでサントスが収めたのち今津が走り込んでシュート。(GK高木セーブ)

広島に針が振れていく展開に、大分も30分に流れを変えるべく3枚替え。
小林成・井上・福森→渡邊・黒﨑・香川へと交代します。

しかし広島の勢いを止める事は叶わず。
この辺りから3度目のSH入れ替えを敢行し、右=柏・左=森島へ。
35分には浅野→鮎川へと交代し、鮎川がFWに入り明確な2トップに。

広島のパスワークに対し、耐えるだけとなっていく大分。(38分に小林裕→長谷川に交代)
ようやくマイボールになり攻撃を仕掛けるも、それが逆起点になってしまう事に。
42分、今津が自陣でパスカットして自らドリブルで持ち上がり。
そしてそのまま裏へスルーパスを送ると、川辺が走り込んで受け、エリア手前からシュート。
GK高木の股を抜く勝ち越しゴールとなり、歓喜に沸く広島サイド。

攻めなければならなくなった大分、43分に最後のカードを切ります。(町田→高澤)
しかしフィニッシュに辿り着く事が出来ず、広島はパス回しで時間を使いにいきリードを守る体勢に。

アディショナルタイムに入り焦る大分、そんな中で生まれた最終ラインでのパスミス。
三竿のパスが森島にカットされると、拾った鮎川がそのままエリア内右でGKと一対一に持ち込み、左へとシュート。
試合を決定付ける3点目となり、また鮎川はプロ初ゴール。

その後はロングボール攻勢に出た大分、そこから下田がミドルシュートを放つ(ブロック)などしましたが、結局1-3のまま試合終了。
無敗を保つ事に成功した広島。

敗れた大分、後半から全くペースを掴めなくなったのは気掛かり。
前年観た際は、後半から攻勢に出れていた試合が多かっただけに、それが逆転してしまっています。
この日も後半から、守備時は5バックで構える体勢へとシフトしていましたが、この可変が体力を奪う原因になってはいないか。
それでも現状井上の突破力が攻撃の矢となっている事もあり、これから難しい選択を強いられる気がします。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第4節 東京ヴェルディvsツエーゲン金沢

2021-03-22 18:27:29 | サッカー視聴記(2021年J2)

開幕節(愛媛戦・3-0)で快勝。
それだけで無く、阿野や橋本といった若き戦士をピッチに登場させた事で、育成面でも順風なスタートを切った……かと思われたヴェルディ。
しかしその後勢いは付かず、1勝1敗1分という綺麗な星取りで迎えた4戦目。

ここでも触れているように、現在のヴェルディのフォーメーションを「4-1-2-3」の認識で個人的に筆を執っています。
しかし実際には「偽9番」というワードが定着しているように、センターフォワードが下がり目の位置を取るシステム。
CFでは無くトップ下という認識で、「4-3-1-2」のような感じの配置。
その「偽9番」を、現状最も良く務め上げられるのは端戸ぐらいのもの。
開幕節で負傷交代してしまい、以降端戸を欠いた2・3戦目で芳しくない結果を描いたのも頷けますが、この日無事スタメンに復帰。

試合が始まり、前半1分に早くも金沢・藤村がミドルシュートを狙う(GKマテウスキャッチ)など、金沢がペースを掴みかける入りに。
しかしそんな状況の中、4分にカウンターで一閃を魅せるヴェルディ。
センターサークル手前で端戸が佐藤優平からの縦パスをポストプレイ、これを受けた井出が裏へスルーパスを出すと、走り込んで受けたのは小池。
そのままエリア内へ進入しシュート、見事に最初のチャンスでゴールを決めたヴェルディ。
これで小池は4戦で5ゴールと量産体制で、良い攻撃の流れが出来上がっているかのようでした。

その後もこの得点シーンの如く、「縦パス→端戸がポストプレイ→受けた選手がスルーパス」という流れを何度か見せるヴェルディ。
ややシステマティックなのが気になりますが、反撃に出たい金沢の気勢を削ぐように好機を作っていきます。

その金沢の反撃は、リードを奪われたという事もあり、最後方からのビルドアップも駆使しつつの形作り。
それでも縦に速い攻撃が理想形らしく、7分には石尾のボール奪取から右サイドをパスワークで前進したのち、丹羽が斜めのスルーパスをエリア内へ。
そして走り込んだ大谷が左からシュート(ブロック)と、エリア内を急襲する攻撃を展開しました。

時間が進み試合が落ち着きを見せる中、ビルドアップを強いられているような状況となる金沢。
サイドバック(右・松田、左・渡邊)を高い位置に上げ、サイドにボランチの片割れが開いて受けるという、前年の山形に近いような基本形。
大橋・藤村の「鉄板のドイスボランチ」から、そのままそのサイドで攻撃するか、あるいはサイドチェンジを敢行するかを主として組み立て。
ボランチにかなりの動きを要求するようなサッカーで、前半に左コーナーキックのキッカーが、藤村ではなく嶋田が務めていたのはその負担減の一環だったでしょうか。(右は変わらず藤村が蹴っていた)

それでも普段はビルドアップに不慣れな金沢。
逆にボール支配に長けるというイメージながら、未だ形が定まっていないのか(開幕節では、センターバックを務めた加藤が一列上がってのビルドアップをしていましたね)金沢のマンマーク基調のディフェンスに対し、今一つボールを前に運べていない感じのヴェルディ。
一進一退の様相を描きつつ前半の飲水タイムへ。

明けた後、最初の好機はヴェルディ。
26分左サイドで井出のパスカットから、中央→右サイドへと展開されたのち、山本のドリブルを絡めつつ前進。
山下から中央へとパスが送られ、エリア手前で端戸スルー→井出ヒールでポストプレイ→端戸シュートという流れるような攻撃を放ったものの、GK後藤にセーブされゴールならず。

ヴェルディの側に針が振れるかと思われましたが、その後は金沢が一方的に攻撃を仕掛ける絵図が展開されます。
速攻と遅攻、双方を駆使して相手陣内に押し込み、また出足の良い守備でヴェルディに反撃の間も与える事無く圧を掛けていきます。
36分に決定機が訪れ、嶋田の左サイド裏へのロングパスを丹羽が受け、戻されたのち藤村がグラウンダーでクロス。
クリアされたボールを嶋田がエリア手前からシュート、ブロックされこぼれたボールを拾い直した嶋田が今度はエリア内からシュートするも、GKマテウスが片手でセーブして防ぎます。
良い時間帯の中、相手GKの好守に阻まれ得点出来ないという、前節(北九州戦・1-1)と近似的な内容に嫌な予感も過る展開。

しかし43分に、そんな雰囲気を遠ざける一発が。
藤村のロングパスがクリアされるも、敵陣左サイドで嶋田(40分辺りから、大谷とサイドハーフ同士でポジションを入れ替えていた)が拾い、溜めたのちエリア内左へとスルーパス。
走り込んで受けた丹羽が、そのまま角度の無い所からシュートを放ち、GKマテウスの股を抜くゴール。
攻勢がようやく得点に結び付き、同点に追い付いた金沢。
以降もヴェルディに攻撃権を渡す事無く、前半を終えます。

迎えた後半、早速の後半1分に石尾のラフなロングパスを瀬沼が拾ったのち、中央で嶋田がドリブル突破して丹羽へラストパス。
再びエリア内からシュートした丹羽でしたが、今度はGKマテウスがセーブ。
前半の勢いそのままに、という流れを見せる金沢。

そして6分に怒涛の攻撃。
嶋田・大橋がミドルシュート攻勢を仕掛けて防がれるも、敵陣右サイドでプレスバックした丹羽がボール奪取して尚も攻撃継続。
中央への展開から嶋田→瀬沼ポストプレイ→嶋田スルーパスという流れで、エリア内左へ瀬沼が走り込みワントラップからシュート。
見事ニアサイドを抜いてゴールに突き刺し、逆転を果たした金沢。
新戦力の2トップ、丹羽・瀬沼の双方が結果を出すという好循環も露わになりました。

追う展開となってしまったヴェルディ。
平の後方からの縦パス・ロングパスを駆使してようやく攻勢に出れるようになるも、今度はエリア付近での金沢の球際の強さの前に苦戦し、シュートを撃てない場面が目立ちます。
そして再び金沢ペースへと傾く中、溜まらずヴェルディベンチが動き。
端戸・佐藤優→佐藤凌我・馬場へと2枚替え。
CBの加藤が一列上がり、馬場がCBに入るという配置転換も絡め反撃せんとします。

前節(町田戦・2-2)にかなりのパフォーマンスを見せ、2点ビハインドから同点に持ち込む事に貢献した新人の佐藤凌。
故障がちの端戸の代役として定着すればチームとして大きいですが、この日は流れを呼び込む事は出来ず。
金沢の守備の前にボールを繋ぐ事がままならないヴェルディの攻撃を尻目に、追加点を狙うべくの金沢の圧力に脅かされつつ(後半から左CKでも藤村が蹴っていた)、23分に後半の飲水タイムが。
(22分にヴェルディは福村→安在に、24分に金沢は島田→力安に交代)

そして明けた後の最初の好機で、スコアが動く事に。
動かしたのはまたも金沢で26分、クリアボールの落としを拾った大橋が右サイドをドリブル、そしてエリア内中央へとスルーパス。
走り込んだ瀬沼のシュートこそGKマテウスが防ぐも、こぼれ球を大谷が詰めてゴール右へと突き刺し。
金沢らしい縦に速い攻撃で点差を広げました。

窮地に立たされたヴェルディ、以降は最後方でのビルドアップから、左サイドへパス→ダイレクトで中央へ叩くという流れで攻撃。
一筋の光明を見出すかの如く31分にはその流れから、中央で山本が右へとスルーパスを出すと、走り込んで受けた山下がエリア内右へと進入。
そしてシュートしますが、GK後藤に弾かれ惜しくもゴール左へと外れ。
その後もエリア内から山本や山下がシュートを放つ(いずれも33分)など、ようやく押し気味の流れに持ち込む事に成功します。

しかしこれを受けた金沢も、以降はカウンター狙いへとシフト。(34分に丹羽→杉浦恭平に交代)
ヴェルディの攻勢を凌ぐと、38分にチャンス到来。
中央から杉浦恭がエリア内へとスルーパス、これを先に触れると思われた若狭の後方で瀬沼が追い掛け、ボディコンタクトを経て前に出て先にシュート。
GKマテウスのブロックで混戦となる中、ボールはゴールに吸い込まれ。
決定的な4点目が生まれる事となりました。

もはや総攻撃に出るしかないヴェルディ。(失点直後に若狭・小池→奈良輪・松橋に交代)
長短のパスを繋いで金沢ゴールに迫ったり、井出がミドルシュートを放ったり(ブロック)と反撃の姿勢を見せるものの、この時間帯での3点差はやはり大きなものでした。
アディショナルタイム突入間際の45分、平の右サイドへのロングパスから好機を作り、奥からの奈良輪のクロスがブロックされエリア内にこぼれ。
これを佐藤凌がポストプレイで繋ぎ、受けた山下がエリア内右から果敢にシュートを放つと、左ゴールポストを叩いてゴールの中に。
1点を返し何とか意地を見せたヴェルディ。

ATにCKを3本得る(時間も押し迫っていたためかキッカーが一定せず)など、尚も攻勢を続けたヴェルディですが反撃もここまで。
終了直前には逆に金沢にゴールを脅かされ、杉浦恭が右サイドから長距離のドリブルで一気にエリア内に進入してシュート。
ゴール左に外れると同時に試合終了の笛が鳴り、綺麗に終われずとも無事勝利に辿り着いた金沢。

ある程度のパスサッカーの形が見られた金沢でしたが、やはり本来は縦に速い攻撃と、出足の良い守備からのカウンター。
双方バランスの良い攻撃を繰り広げられたという感じの前半でしたが、今後「ボールを持たされる展開」を強いられた際も、この日のような結果を叩き出す事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第3節 ザスパクサツ群馬vsFC琉球

2021-03-17 16:28:27 | サッカー視聴記(2021年J2)

強風吹き荒れる中での一戦。

開幕から秋田・相模原と、日程の悪戯で昇格組との連戦になった群馬。
開幕節・秋田戦では、先制したものの追い付かれ、相手のプレッシャーに晒される試合。
アフタージャージを幾度も受ける等苦しみながら(その後平尾がやり返したりもしましたが)も、後半に勝ち越しての辛勝。
続く2節・相模原戦、秋田と似通った守備重視の相手ながら、秋田程のプレッシャーは無く試合内容で圧倒。
シュート数22本と蜂の巣状態を築いたものの、肝心の得点は最後まで奪う事が出来ず、手痛いと言うべき引き分け。
凸凹のような内容と結果ながら、勝ち点はとりあえず付いて来た滑り出し。
自身も昇格組であった前年の戦いを幾ばくか思い出しつつ(?)、迎えた第3節。

この日は(画面から見て)左→右への風の強さが凄まじく、ユニフォームや副審・コーナーのフラッグが常に靡いているという状況。
しかもセットプレーの際は、セットしたボールが転がってしまう程の環境とあり、集中力を保つのに難儀する事を強いられます。
群馬はホームながら、ある意味「出たとこ勝負」の昇格組との戦いを切り抜けたと思ったら、自然の猛威にさらされつつ戦わなければならなくなりました。

それでも風上に立った前半の群馬、それを味方にしつつ琉球を押し込む立ち上がり。
前半2分、内田の縦パスから青木のポストワークを経て、加藤がエリア手前中央からミドルシュート。(ブロック)
これがコーナーキックとなり、群馬のセットプレー攻勢に突入。
しかし最初のCKこそ、大前のニアサイドへのクロスを藤井がフリック気味にヘディングシュート(ゴール前で琉球・沼田がブロック)しましたが、その後はキッカー・大前が強風に苦しめられ。
クロスが直接ゴールラインを割る事2度。

押し気味ながら、8分に内田の縦パスを受けようと走り込んだ吉永が、大前と被ってしまい受けられないなど今一つリズムに乗れていないような群馬。

一方、強風とともに群馬の圧力を受ける立場となった琉球。
ロングフィードの押し戻され方が半端ない状況ながら、持ち前のポゼッションスタイルを駆使してペースを掴まんとします。

しかし群馬の、水ならぬ風を得たような勢いを止める事は難しく。
15分過ぎから琉球陣内奥からのスローイン攻勢に入り、その最中の18分。
右サイド奥から岩上のクロスが入ると、中央で大前が跳び込んでのヘディングシュートを放ちましたが、ゴールバーを直撃してしまいモノに出来ず。(こぼれ球を岩上がシュートも枠外)
以降も群馬が主導権を握り、逆風の琉球の攻撃は強引に後方から縦パスを入れるも、結局繋がらずというシーンが目立ち。

そんな流れのまま飲水タイムが挟まれると(24分)、以降はベンチのアドバイスもあったか、琉球がこの環境に適応を見せ始めます。
グラウンダーの縦パス主体ながらも、要所で浮き球のパスも使いつつ。
戻される性質にも慣れを見せ、攻撃権を掴み始めます。
35分には自陣からのフリーキックで、岡﨑のロングフィードに池田が跳ぶも頭を越えましたが、風で戻ったボールが丁度池田に収まり。
そして阿部→清水と繋がり、エリア内から清水がシュート。(ブロック)

その後CK攻勢にも入った琉球ですが、こちらも強風でキッカー上里が難儀。
全部左サイドでアウトスイングとなったのも災いし、最後の方はショートコーナーに切り替える有様。
これで流れが変わり、再び群馬が攻め上がり、再度CK攻勢に。
ここから久保田のヘディングシュート(41分・枠外)が生まれたりもしましたが、モノにならないまま前半終了の時を迎えます。
結局前半だけで7本CKを得た群馬でしたが、無得点のままコートチェンジとなり、向かい風での戦いに突入する事に。

開幕から連勝スタートの琉球。
2試合とも前半に先制し、リードを守り切っての先行逃げ切りでの勝利となりました。
特に開幕節(磐田戦)は、被シュート数20本にものぼる等守勢を強いられましたが、ここで勝ち点3を得られたのは大きかったでしょう。

この日は一転して、前半は得点どころか環境に適応するのに精一杯な内容。
しかし開幕節のような粘り強さを発揮し、ゴールを許さずに無事に切り抜ける事に成功。
攻撃サッカーを謳うチームとは裏腹に、守備の堅さが光っているこれまでの戦績。
理想の追求とともに、勝負に拘った立ち振る舞いも厭わない、といった姿勢の現われか。
J2昇格を果たして3年目とあり、そろそろ大なる結果を表す時が来たのでしょうか。

その琉球が、久々のスタメンとなった富所をハーフタイムで退かせて(風間宏希と交代)迎えた後半。
向かい風を受ける群馬のキックオフ、いきなり蹴り出して相手陣内左へと出し、ボールを捨てるリスク軽減の振る舞いを選択。
そんな及び腰の相手を余所に、追い風を得て攻め上がる琉球。
後半1分、自陣エリア内で風間宏希右へロングパス→阿部足でフリックして奥へ→右サイドで風間宏矢クロスと、早速伸びるボールというアドバンテージをふんだんに生かした攻撃を見せます。

しかし5分から群馬は再びCK攻勢に突入し、通算9本目のCK。
ニアサイドへのクロスを藤井がループ気味にヘディングシュート、GK田口がキャッチするもこぼし、エリア内で渡辺が拾う好機でしたが追撃のシュートは撃てず。
直後には琉球もCK攻勢で、10分の右CK。(後半から、左からのキックは風間宏希が務める)
上里のクロスがクリアされたボールを、池田が叩き付けるボレーシュートを放ちましたが枠を捉えられず。

追い風という要素があっても、立ち上がりの後は普段の持ち味通りにショートパスを繋いでの攻撃をブレずに敢行する琉球。
時折ミドルシュートを狙いつつ(3分に上里が、9分に風間宏矢が放つ)、群馬陣内でパスを繋いでクロスを入れる攻撃で相手守備を脅かしていきます。

キックオフしかり、風に人一倍神経を使っていたかのような群馬、そんな中で琉球のパス主体の攻撃に耐え続けるのは並大抵の事では無く。
迎えた19分、右サイド手前から田中恵太のクロスが上がると、ニアサイドの池田の頭を越えて中央へ。
清水が走り込む所を、GK松原が岩上と交錯しながら何とか弾きますが、エリア内左で田中稔也が拾ったボールに反応しシュートしたのは阿部。
GK不在のゴールに吸い込まれ、待望の先制点を獲得します。

一方追い掛ける展開となった群馬ですが、再度のキックオフは再びボールを捨てるキックを選択。
相手のスローインを高めの位置で奪うのが理想だったのでしょうが、琉球のボール回しに対しプレスを嵌められず。
逆に琉球が攻める展開となり、23分には右サイドでパスを繋いだのち、阿部が中央遠目からシュート。(枠外)

直後に挟まれた飲水タイムを経て、群馬は田中稔→北川へと交代。(FWに入り、青木がFW→右サイドハーフへシフト)
琉球サイドも27分に動き、清水・風間宏矢→清武・赤嶺へと2枚替え。
4-2-3-1から4-4-2へとシフトし、池田が右SHへと回り阿部・赤嶺の2トップへと配置転換。

双方交代策を経て、先にチャンスを得たのは群馬。
29分右サイドでのスローインから、岩上のクロスがこぼれ球となった所を大前が拾いシュート。
ブロックされるも尚も左サイドで繋ぎ、吉永のクロスをファーサイド奥で北川がヘディングシュート(GK田口セーブ)と連撃を浴びせるも、ゴールは奪えず。
尚も32分に青木→高木へと交代を敢行した群馬、同点を狙いに攻め上がり。
右サイドでは岩上のロングスローも交える、なりふり構わない姿勢も見せます。

時間も押し迫り、ここまで来れば風という要素も気にしている場合では無く。
しかしそんな意識の薄れが少なからずあったでしょうか、一瞬の隙を琉球に突かれたのが39分でした。
左サイド浅めでパスを繋ぐ琉球、何度かの沼田・上里のパス交換ののち、かなり手前の位置から沼田がクロス。
風にも乗ったこのボールがニアサイドの阿部へと合い、後ろ向きで放った阿部のヘディングシュートはループの軌道でゴールに向かうも、右ゴールポストに当たって跳ね返り。
しかし赤嶺が詰め、貴重な追加点を得る事に成功しました。

手痛い失点で2点ビハインドとなった群馬。(ちなみに3度目のキックオフも、左サイドへボールを捨てる選択)
総攻撃の姿勢を見せるしか手段は無く。
何度か攻撃機会を得るものの、45分に琉球のカウンター(清武ドリブル→右サイドからクロス→ファーで阿部折り返すもGK松原キャッチ)が生まれたのを切欠に、アディショナルタイムは琉球の時間に。

CKから琉球の決定機が生まれ、キッカー風間宏希のクロスがクリアされるも、ファーで知念の折り返しからさらにこぼれ球となり、上原慎也(沼田と交代で出場・44分)が至近距離でシュート。
GK松原がセーブし、跳ね返りをさらに知念がシュートするも、松原の後方で岩上がブロック。
さらに阿部が折り返すもクリアと、際どいシーンを演出。
何とか3点目は防いだ群馬ですが、既に勝利は絶望的となっていました。

AT中に最後の交代枠を使い(田中恵→上原牧人に交代)、ラストプレーは清武のロングシュートで締めた(枠外)琉球。
悪条件・しかも逆らえない自然という要素にも負けず、3連勝を達成する運びとなりました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第3節 ジェフユナイテッド千葉vsブラウブリッツ秋田

2021-03-16 17:03:02 | サッカー視聴記(2021年J2)

初のJ2での戦い。
前年J3では圧倒的な成績で優勝を果たした事で、その舞台においても「台風の目」という評価を得ている秋田。

その戦いぶりは周知の通り。
それでも開幕節(群馬戦・1-2)で、群馬のボールキープに対しアフターチャージを連発する内容を観て、色んな意味で「大丈夫かよ……」と思ってしまったものです。
しかし次節(栃木戦)の勝利で持ち直し、迎えた3戦目。

立ち上がりは千葉が攻撃権を得て、2本コーナーキックを得る等押し気味に。
どうやら放送席(2年前に引退した佐藤勇人氏がこの日初の解説だったらしい)の話によると、今季からポゼッションを意識しての攻撃に取り組んでいるとの事で、ボランチを経由するゆっくりとしたパス回しが目立った千葉。

しかし前半4分の秋田最初の攻撃。
齋藤のポストプレイから右サイドを中村がドリブルで突破し、パスを受けた沖野が奥からマイナスのクロスを入れると、ニアサイドで誰も触れずにガラ空きのファーへボールが流れ。
そこに走り込んだ茂、強烈なシュートをネットに突き刺しゴール。
雰囲気をガラリと変える秋田の先制点が生まれました。

スコアが動いた事で、守備重視の秋田に対し、ボールを握っての攻撃を展開する千葉という流れが完全に出来上がり。
千葉は8分、CKからクロスのこぼれ球を小島がシュート。
ブロックされてその後の二次攻撃、左サイドでパスを繋いだのち高橋がクロスを上げると、チャンミンギュがヘディングシュートを放つもGK田中がキャッチ。
セットプレーから矢を放ったものの、肝心の流れの中での攻撃は今一つ。

その後は秋田の攻勢へと移り変わり。
特に右サイドバック・鈴木準弥のスローインは圧巻の一言で、奥からのロングスローで何度もエリア内を急襲。
それだけで無く、遠目からのスローインでも、その飛距離を活かして一気に陣地を稼ぐというシーンが顕著でした。
かつて千葉が市原だった頃、神戸から移籍加入した和多田充寿氏(1年のみの在籍)のスローインの威力が市原緑地臨海公園競技場(現・ゼットエーオリプリスタジアム)を沸かせた事がありましたが、それを彷彿とさせるこの日の秋田右サイドのスローインでした。

千葉の反撃ムードが萎みつつ、迎えた17分。
GK田中の右へのロングフィードから、中村がフリックで落として再び右サイド奥で沖野のグラウンダーのクロスに繋がります。
これがこぼれ球となるも、クリアボールをペナルティアークで拾った輪笠がシュート、グラウンダーでゴール右へと突き刺し。
序盤で早くも2点リードを奪った秋田、J2常連のチーム相手に「秋田強し」という印象を強烈に植え付けます。

その後はFW齋藤の裏狙いによるカウンター体勢にシフトする秋田。
千葉がボールキープしつつも攻めあぐねている中、ラフなロングパス一本でも、その齋藤のスピードで千葉最終ラインを脅かすシーンが多発。
ボールポゼッションを完全に捨てていながらも、どちらが攻勢なのか解らないという展開を演じます。

といっても、千葉がポゼッションに拘る(この日の放送席の話を真に受けるならば)姿勢を見せたのは今季から。
前年はひたすらロングボールをFWに向けて蹴り込むという、攻撃の形が希薄なサッカーでズルズルと日程を消化していった千葉。
その主たるターゲット役のクレーベと山下が移籍した事も影響したのか(ないしはGK新井章太の長期離脱という要素か)、 尹晶煥(ユンジョンファン)監督の中にコペルニクス的な転換が生まれたのでしょうか。

守備構築とハードワークが、今までの指導の売りだと思われた尹氏。
しかし千葉初年度の前年は、その守備指導でもリトリートだったりハイプレスだったりと時期毎に形が落ち着かない不安定なものに終始しました。
もう一方を支えるハードワークという面も、過密日程なうえ千葉の選手構成的にそぐわず。
かつて鳥栖やセレッソで一世を風靡した尹サッカーは、影も形も無いシーズンとなってしまいました。

その守備体制から、尹氏自身に迷いが現れていたのは明らかでしたが、今季はさらに根幹の部分でもブレが生まれていやしないか。
ポゼッションを高めても、中々フィニッシュに持ち込めない千葉のサッカーを観ていると、そんな疑念を感じてしまうこの日の試合。

33分辺りから秋田が3本CKを得、そこから2本シュートを放つなど、得意のセットプレーで追加点を狙わんとする流れ。
それを何とか凌いだ千葉、以降はボールを握り、かつ相手に何もやらせない時間帯に持ち込みます。

今季はフォーメーションを4-2-3-1へとマイナーチェンジし、トップ下の船山を軸にした2列目を動かしつつ、相手に中央とサイドの択をかけるような攻撃。
一行で表すならばそんなイメージでしょうか。
田口不在のボランチは、小島を軸にしたパスワーク。
その過程でサイドバックを高めに上げる事で、今まで孤立しがちだった右SB・米倉(クロス精度は良いが単独突破には向かない)も、例年より機能しているように見えました。
サイドハーフの見木・福満も盛んにポジションチェンジを繰り返し、相手守備をこじ開けようと必死でパスを繋ぐ千葉。

それでも秋田の守備を崩すのは容易ではありません。
アタッキングサードにボールが入っても、そこでの人数の掛け方が半端無く。
逆に前線のプレスは緩めであり、いかに「最後の部分でやらせなければ良い」と割り切られていたかが窺えます。
そのため中央は固く、必然的にサイドからクロスを上げるだけに留まり。
何度か奥に進入しマイナスのクロスが入るという見せ場はありましたが、結局シュートは高橋のミドル一本に留まり、無得点のまま前半終了。

そして後半。
ハーフタイムに秋田が加賀→山田へと交代したものの、前半終盤の流れそのままの展開を描いた立ち上がり。

ボールを持つものの一向にフィニッシュまで辿り着けない千葉。
後半5分に船山がミドルシュート(枠外)、13分には福満がミドルシュート(ブロック)と遠目から狙う姿勢は見せても、ゴールに至りません。
ショートパスからの攻勢でエリア内のFW大槻に何度かボールが入るシーンはありましたが、そこで収まらなかったり、大槻自身がサイドに流れクロッサーになったりとで巧くいかず。

秋田サイドも受けっぱなしの展開に痺れを切らしたか、あるいは相手のスタミナ切れを待っていたのかは不明ですが、前からのプレスへと傾倒し始めます。
しかしその初っ端の15分、自陣からのパスワークで相手のプレスをかわし続け攻め上がる千葉。
中央でのダイレクトパスの連続で船山へと渡ると、その船山のスルーパスがエリア内の大槻へ。
やや右寄りの位置で大槻がシュートを放ったものの、ボールは無情にもゴール左へと外れ、千載一遇の好機を逃してしまいました。

一方でカウンターの姿勢は崩さず、18分には右サイドで中村のスルーパスに齋藤が走り込み。
千葉・鈴木大輔がショルダータックルで何とか止めるも反則・警告となってしまうなど、そのスピードが十二分に脅威となった齋藤。
それでも消耗具合も相当なようで、22分に秋田がカードを切り齋藤・中村→吉田・才藤へと2トップを揃って交代。

飲水タイム(23分)が挟まれ、千葉サイドも24分に大槻→ブワニカ啓太へと交代。
開幕節(甲府戦・1-1)で初出場初ゴールを決める快挙を達成したブワニカ、この日も望みを託すべく起用されます。

しかし以降は秋田が、流れの中からも好機を作っていく展開に。
後方からのロングパスを巧く繋げ、齋藤不在を感じさせないシーンを連発。(といっても吉田・才藤を競らせてマイボールにするやり口でしたが)
さらにプレスも嵌るようになり、33分には稲葉のボール奪取から國分(沖野と交代で出場・32分)がドリブルし、彼のパスを受けた吉田がミドルシュート。(ブロック)

反撃体制が乱れて四苦八苦する千葉。
何とか再度整えようとするも、以降の秋田は、千葉の両ボランチのパスコースを切るようにFW2人が構える事で容易にパスワークをさせず。
ボランチ2人の働きが生命線となっていた千葉にとって、この時間帯からこの体制を採られたとあっては詰みのようなものでした。
以降はチャンミンギュが、持ち上がってクロスを入れたりロングボールを上げたりするも、苦し紛れの域を出ず当然フィニッシュにも繋がらず。

万策尽きた(それにしては交代枠を残したままだったのは謎)千葉を尻目に、アディショナルタイム突入後は秋田のペースに。
ロングパス・スルーパスで容易にサイドを突破し、クロスかボールキープかの二択に持ち込む逃げ切り体制を容易に築きます。
途中で最後の交代カード(茂→井上に交代)も使い、それを崩す事無く、5分のATを紛れを起こさず過ごす事に成功。
そして試合終了となり、連勝を達成した秋田。

終わってみれば千葉のボール支配率は71%を記録しましたが、押しているという感覚は殆ど無かった試合。
本当にボール保持に傾倒しつつあるのか、ボールを持たせるタイプの秋田との試合だから結果的にそうなったのかは判断しかねる所。
しかしやりたい事を貫いての勝利となった秋田に対し、千葉にとっては今後の見通しすら解らなくなるような敗戦、そんな印象を受けたこの日となりました。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第3節 レノファ山口FCvsアルビレックス新潟

2021-03-15 18:15:07 | サッカー視聴記(2021年J2)

開幕から連勝で好スタートとなった新潟。
それでも、舞行龍ジェームズの出遅れ(2節から復帰)や、本間の退場→今節出場停止とベストメンバーを組めない故の試行錯誤を強いられる戦いを繰り広げています。
この日は本間の代わりに星が左サイドハーフでスタメンに。

前半のキックオフとなった山口、いきなり楠本のロングパスを右サイド奥で高木大輔が収め、コーナーキックをゲット。
先制攻撃したものの、前半3分に新潟もやり返し。
右サイドでパスワークののち高木善朗から中央→左へと渡り、島田縦パス→高木善スルーパスでエリア内へ。
中央で鈴木が受けてシュート、ゴールネットを揺らしたもののオフサイドとなりノーゴール。

双方とも最初の攻撃で相手守備を脅かす入りとなりましたが、ここから主導権を握ったのは新潟。
最後方でのビルドアップを下地に、パスを散らして幾度も好機を作っていく立ち上がり。
そして山口のビルドアップを前線から果敢なプレスで遮断し、攻撃権の支配に成功します。

そこから先制点が生まれたのが13分。
敵陣深め右サイドでロメロ・フランクがボール奪取、鈴木→高木善→島田という流れで中央へ渡り、ラストパスを受けた星がエリア内からシュート。
綺麗なショートカウンターで先制に成功、星の移籍後初得点という運びとなりました。

尚もゲームを支配し、反撃したい山口の気勢を削いでいく試合展開に。
そんな新潟のサッカーを支えるべき最後方には、新戦力とも言うべき選手が2人。

大卒2年目となるGKの阿部(前年は出場無し)、開幕節からスタメン出場を続けて見事レギュラー定着の運びとなっています。
エリアを飛び出してのショートパスでビルドアップに関わるのはポゼッションスタイルの生命線ですが、その役目を担い続け「11人目のフィールダー」として貢献。
そして一列前のセンターバックには、10年ぶりの復帰となった千葉。
近年故障続きでJ1(広島・名古屋)で出場機会を失いつつあったベテランが、カテゴリーを落とした今季はレギュラーとして輝きを取り戻し。
段違いの足元の技術で、新潟の攻撃を円滑にする役割を演じていました。

フィニッシュに関してはあまり狙いにいかず、どちらかというとハイプレスによる「相手のミス待ち」な感じの展開。
それでも先制点によるプレッシャーは相当なもので、山口は同点どころか、攻撃機会を作る事すらままならない状況を強いられていきました。
そうしてから徐々に2点目を狙いにいく意識を強めていく新潟。

31分、左サイドで千葉の縦パスから、高木善・星を経由し中央から右サイドへ展開されて攻撃。
右サイドバック・藤原がドリブルからクロスを入れ、クリアされたのち高木善がエリア手前中央からダイレクトでシュート。(ゴール右へ外れる)
尚も好機を連発し、そして38分でした。
ここも左サイドで攻める姿勢ののち、GK阿部まで戻されてから右へフィード、そして藤原から攻撃。
中央へ流れてから、右へのスルーパスにロメロが走り込み、エリア内へ進入して中央へ横パス。
これに走り込んだ高木善がシュート、ゴール左に突き刺して追加点。
弟(山口・高木大)の目の前で得点を挙げる事に成功した高木善。

43分にも決定機、千葉左へミドルパス→堀米受けた後戻される→千葉右へロングパスと、再度左から右への展開での攻撃。
島田のエリア内へのスルーパスを受けた藤原からのグラウンダーでのクロスに、またも高木善が合わせてシュート。
しかし今度は枠を捉えられず。

止めは刺せなかった新潟ですが、依然として山口は攻撃の手段が無い、という状態。
45分に敵陣でボール奪取後、岸田が遠目からシュートする(GK阿部キャッチ)という、強引にフィニッシュに持ち込んだぐらいに終わり。

0-2のまま前半が終わりを告げ、一向に反撃体制が整わずといった山口。
ハーフタイムで2枚替えを敢行(岸田・佐藤健太郎→梅木・田中陸)し、ネジの巻き直しを図る事となりました。

今季から山口の監督に就任し、初のJ2での戦いに挑む事となった渡邊晋氏。
日本におけるポゼショナル・フットボールの推進者として名高い人物で、2014(途中)~2019年の仙台での監督業が何よりも有名です。

仙台時代は基本フォーメーションを選手編成に合わせて変えつつ、最終的には原点の4-4-2で終えました。
そして山口では、その時と同様のフォーメーションを選択。
開幕節(松本戦・0-0)は善戦し、アディショナルタイムにゴールネットを揺らしたものの、ハンドでノーゴールとなり勝利に辿り着けず。
これでリズムが乱れたのか、前節(琉球戦・1-2)は前半戦で2点を奪われたうえ、反撃の糸口が掴めず。
後半に盛り返したものの敗戦、そして挑んだこの日も、殆ど前節の焼き直しのような展開となってしまった前半戦。
そしてHTに2枚替え、という所まで同様となってしまい、迎えた後半戦。

最初に攻撃権を得たのは新潟で、右サイドから藤原のクロスを鈴木が収めてゴールを脅かし。(シュートは撃てず)
後半も同じ展開かと思われた入りでしたが、その後は山口がペースを掴む事に成功します。

前半の新潟の攻撃は阿部・千葉によるビルドアップの巧さ、そこからの右サイドによる好機もさる事ながら、左サイドでのポジション取りが絶妙という点も見逃せず。
左SBの堀米が前に出る代わりに、左SHの星が降りて出口役となったり。
堀米が中に絞った際は、ボランチの島田がサイドに出たりと、巧妙なポジションチェンジで山口を攪乱していました。
これで目線を釣りつつ、逆の右サイドで突破するという形が好循環の一因。

そんな相手の動きでヒントを得たのか、後半の山口はSBの動きが一変。
逆サイドからボールを受ける形をとるべく、中央に張る事で前半のようなどん詰まりを防いでいました。
そしてボールとともに自身も前進していく両SB。(右・澤井、左・石川)

後半6分、CB・渡部のドリブルから石川→草野と経由し、草野が左→右へとサイドチェンジ。
受けた高木大がエリア手前でカットインから中央へ送ると、走り込んできた石川がエリア内でシュート。(ブロック)
11分には左サイドから、中央で澤井が受けて右へ展開の後、高木大のスルーパスに走り込む澤井。(その後クロスもブロックされ上がらず)
17分にも高井のロングパスに左サイド奥へ走り込む石川がクロス、クリアされたのち池上から再度クロスが上がり、クリア後の空中戦を経て高木大の落としに草野が合わせにいくもGK阿部に防がれ撃てず。
両SBをサイド奥まで進入させる攻撃を見せていきます。
それでも直後に、澤井が燃料切れのためか交代。(橋本へと交代・左SBに入り石川が右SBへシフト)

一方、12分にロメロがヘディングシュートを放った(枠外)ぐらいの、後半の新潟。
上記の山口の交代直後、こちらも動きロメロ→谷口へと交代。(18分)
以降も山口の圧力に押され気味で、その意識故か、25分には自陣のフリーキックでGK阿部が遅延行為で警告を受ける事に。

28分には左サイドで橋本がボールカットしてのドリブルから、高井がエリア内へカットインしてマイナスのクロスが入るも繋がらず。
新潟のお株を奪う、敵陣でのボール奪取からの攻撃を見せたものの、それでもフィニッシュには繋がらない山口。
良い流れは出来ていましたが、シュートという爆撃は中々浴びせられず、ここら辺はまだ始まったばかりのチームという印象を抱かせました。

受けに回る新潟でしたが、ベテランの千葉がここでもチームを落ち着かせ。
直後の29分、最後方でパスワークを経て右サイドへミドルパスを送ると、高木善落とし→藤原スルーパス→高木善走り込んでマイナスのクロス(カットされる)とやり返し。
攻撃権を握られる中でも、泰然自若としつつ自身のサッカーを貫いていたようなこの日の新潟。
対する山口は以降も攻撃を仕掛けるも、惜しい所まではいくもシュートを放てず時間を浪費していきます。(37分に高井・池上→浮田・神垣へと交代)

終盤を迎えるに辺り、新潟は星→早川へと交代。(33分・早川が左SBに入り堀米が左SHへシフト)
守備を固める方策なのは明らかで、その通りに要所でのボールカットで目立ったこの日の早川。
そして新潟が2点リードを保ったままATを迎え、攻め疲れが見え始めた山口に対し、新潟がパスワークで時間を使う体勢に。
無理にカウンターを狙わず、はたまた相手コーナー付近で時間を稼ぐという姿勢でも無く。
山口のプレスをいなし続け、ポゼッションを高める事で攻撃機会を減らしていくその戦いぶりは非常に好感を持てました。(個人的に大好き)

最後は敵陣でパスカットされて山口の攻撃となり、そこから橋本の縦パスを受けた浮田が遠目からシュート。
これが舞行龍のブロックでループの軌道となり、GK阿部を越えていきゴールに吸い込まれ。
終了間際に1点を返した山口でしたが、及ばずそのままタイムアップ。

ミソは付いてしまいましたが、それでも無事に開幕3連勝となった新潟。
前年はポゼッションサッカーというよりは、中盤以前での強度の高さで勝ち点を得ていたような感があり、終盤はビルドアップのミスが目立ち不振に。
それ故放送席で言われていた「前年からのサッカーの継続」という点にはやや違和感もありました。
それでも阿部・千葉のスタメン定着で、前線の強度を保ったうえで、後方のビルドアップ能力を向上させるという両得なチーム強化を果たしつつあるようです。
昇格候補に名乗りを上げる、リーグの滑り出しとなったでしょうか。

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