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2024年J2リーグ・開幕前の編成の雑感1 ~北から南に抜けるパワーサッカーの環流

2024-02-05 16:00:33 | 雑記

※例によってあまり込み入った事は書いていません

オフには、浦和が参加したクラブワールドカップ(に加え、福岡が行ったウクライナチャリティーマッチ)の発信力不足・新シーズンの日程の発表の遅さなど、槍玉に上がる事例が多かったJFA。
こうした一種のヘイトも半ば強引に決定させた秋春制移行(2026年夏から開始)により溜まっていたが故の産物……と言うのは暴力的な気がするものの、同時にそういった組織の脆弱ぶりでは、目標とする「世界と戦う舞台へ」Jリーグを持ち上げるのは至難の業な予感しかしないのも確か。
そんなトップの状態に振り回されるのは何時でも立場の弱いクラブというのが物悲しくもあるが、それに歯向かう暇も無いままに今季から降格枠が3に拡大と、生き残りも難しくなったJ2リーグ。逞しさを増してのし上がるクラブは何処になるだろうか。

※ポジションの凡例
GK=ゴールキーパー。そのまんま。
CB=センターバック。3バックの際は()内に左右中を表記。
SB=サイドバック。4バックのみ記述。()内に左右を表記。
WB=ウイングバック。3バックのみ記述。()内に左右を表記。
DH=ディフェンシブハーフ。要はボランチ(2人)ないしはアンカー(1人)。
SH=サイドハーフ。4-4-2のみ記述。()内に左右を表記。
IH=インサイドハーフ。3バックの際はシャドーないしはトップ下、4-3-3の際はボランチを除いたMF。
OH=オフェンシブハーフ。4-2-3-1の2列目。()内に左右中を表記。
WG=ウイング。3トップのみ記述。()内に左右を表記。
FW=フォワード。セカンドストライカーの役割にはSSを追記。
CF=センターフォワード。3トップのみ記述。

R=右サイド C=中央 L=左サイド

J2移籍情報

今季も4クラブが拮抗する東北勢。注目すべきはJクラブでは無く、高校サッカーで圧倒的な強さを見せた青森山田高校だろうか。
東北に広がりつつあるパワーサッカーの源流というべきスタイルで、強靭なフィジカルで圧倒するその戦いぶりは栄光とともに、賛否や議論を巻き起こすに至っている現状。
その北の地から巻き起こったパワーサッカーの流れは、南下していき、福島県のクラブ・いわきに行き着くという趣深い図式なのが東北サッカー……というのは邪推が過ぎるか。

<ベガルタ仙台>

混迷極まれりというけさ位にすらならない昨季を過ごし、新監督に森山佳朗氏を迎えて新たなシーズンを迎える。アンダー代表(ユース世代)においての監督の実績は説明不要であるが、そのサッカーは観ていないので、どんなスタイルなのか開幕節で確かめたいと思う。
編成としては、昇格をと焦った前年からの方針転換が伺えるものである。新卒選手は4人と膨らませ、かつベテラン選手を撫で切りにするという、単純に言えばリフレッシュさせる狙いか。そんな中、禁断の移籍ともいえる山形への完全移籍が2件も起こった(氣田・加藤)訳であるが、動揺せずにどれだけ泰然自若としてサッカー構築に邁進できるか。
そうした「弱者が故の移籍劇」を味わう立場に突入してしまったものの、秋田のサイドバック・高田を獲るなど一定の強さは依然として健在。J1経験者の知念・モラエスも交え、最終ラインの強度は増した感があり。お隣のライバル(山形)よろしく、1ポジションに2人程度というスリム化された編成が、安定感を齎す事となるだろうか。

予想順位=6位~14位

予想フォーメーション 4-4-2

GK 林 小畑 松澤 梅田
CB 菅田 モラエス 知念 石尾
SB 真瀬(R)内田(L)小出(R)高田(R)
DH 鎌田 長澤 松下 工藤蒼生?(遠藤)
SH 郷家(R)遠藤(LR)相良(L)オナイウ(R)工藤真人(?)名願?
FW 中山 中島 菅原 エロン

<ブラウブリッツ秋田>

新スタジアム計画の状況も気になるものの、現場としてはとにかく今季も「秋田一体」の下生き残りを図るシーズン。フィジカルに定評のある村松・栗本をJ3から引っ張ってくるなど、補強路線から見てもそのスタイルは不変である。
高田・飯尾の両サイドバックが抜かれ、仙台で現役を終えられなかったベテラン・蜂須賀と本来はセンターバックなはずの村松を引っ張ってカバーしてきたものの、このポジションの収支はマイナス面が拭えない。逆にGKは圍が残留したものの、J3から2人も引っ張って来た辺りがチグハグさを感じる。(まあ控えが2人抜けたが故の足し引きだろうが)
その他、サイドハーフ中心に控えクラスのMFをいっぺんに放出して手薄となったが、この辺りはこれまでのようなコンバートでやり繰りするという吉田謙監督の手腕の見せ所。というか、中心の中村がそろそろ衰退期を迎える事を考えても穴埋めの手法は必須と言えよう。それとは反対に、青木の衰えを考慮すべきFWでは、J3得点王に輝いた小松の獲得に成功したのが光る。
仙台と山形が「仁義なき戦い」の空気を形成する傍ら、それをサンドするように秋田・いわきのフィジカルを活かすクラブが君臨するという、特色ある配置となっている東北地方。今後もこの図式は定着していくのだろうか。

予想順位 9位~17位

予想フォーメーション 4-4-2

GK 圍 山田 矢田貝 猪瀬
CB 河野 岡﨑 星 加賀 喜岡 (小柳)(村松)
SB 才藤(L)水谷(LR)蜂須賀(R)村松(R)(藤山R)
DH 諸岡 藤山 小柳 栗本 小野原
SH 中村(R)畑(LR)鈴木(?)(小野原R)(水谷LR)(才藤RL)
FW 青木 梶谷 吉田 丹羽 小松 佐藤 半田 松本

<モンテディオ山形>

仙台が落ち目となったため、唯一東北で昇格が現実的というクラブに成り上がった感があり。それを示すように、弱ったライバルから氣田・加藤を引き抜いて戦力に加える容赦なさを発揮。この辺りは、長らく仙台で監督を務めていた渡邉晋監督(2014~2019年)の豪腕も光っただろうか。
それでも戦力としては強大となった訳では無く、自身も個人昇格という名の引き抜きにより編成は苦戦気味。あくまで「1ポジション2人」という原則を保ち、足りない部分は前年のように夏の移籍でのレンタル選手で補う算段か。デラトーレ・チアゴに代わる新たな助っ人も居なく、あくまで組織力の向上で目標を目指す。それでも、最終ラインの野田・小野を失った事である程度の助走期間が必要と思われ、これまで同様の「追い込み馬」のペースとなる(=出遅れにより自動昇格は厳しい)と予想する。
それを果たさんとするのが2年目となった渡邉監督。前年は前監督(ピーター・クラモフスキー氏)のスタイルの維持・微調整に努めたものの、今季も同じサッカーになるとは限らない。仙台時代に導入した3バックへの移行も考えられるが、それにしては長らく4バックを続けていた事もあり、そのメンバーの想像がつかないので前年と同じ予想フォーメーションとした。
ウイングの積極補強が目立ち、前監督からのシステムの肝なポジションなのは言うに及ばず。仙台コンビの他に前熊本のコンビ(杉山・坂本亘)までもセットで獲る辺り、気心知れた左右の2人で組ませる意図か。それとも渡邉氏ならではのシステムを導入し、その上で過剰な人員を当てはめていくのか。

予想順位=4位~10位

予想フォーメーション 4-2-1-3

GK 後藤雅明 藤嶋 長谷川 上林
CB 西村 熊本 安部 坂本稀吏也
SB 川井(RL)山田(RL)吉田(L)岡本(R)(加藤R)(安部L)
DH 南 高江 小西 松本 狩野
IH 後藤優介 高橋 國分
WG イサカ(R)横山(R)杉山(RL)氣田(L)坂本亘基(L)加藤(R)
CF 藤本 有田 阿部

<いわきFC>

日本地図の通り、東北クラブの南端ならびに「パワーサッカーの終点」を担う。
言わずと知れた「筋肉クラブ」だが、押しも押されぬ主力だった家泉・宮本をはじめ、多方面に移籍選手を送り出すその姿は「筋肉の輸出」というべきだろうか。そうして新たに獲得した選手も育成型レンタルが幅を利かせるなど、「いわきに行って筋肉を付けて戻って来い」という、貸し出したクラブ側のメッセージを感じる案件が多い。
それでも、永井のような準レギュラークラスを(ヴェルディに)引き抜かれるのは流石に想定外と思われる。数多獲得した新卒選手も、こうしてフィジカル養成を中心に急成長させた末にすぐさま旅立たせる事を余儀なくされる。つまりは育成型クラブに舵を切った感が強い編成となった。だとすると「降格しないように戦う(という弱気なスタイルを避ける)」というクラブ立ち上げの際の思想からは反するような……
完全移籍での補強は、中心軸2人(家泉・遠藤)が居なくなったセンターバックが中心に。残った速水とほぼ同年代という若い構成のなか、来日していきなりフィールダーでチーム最年長となったパクジュンヨンにかかる重責も問われそうだ。前線で唯一の完全移籍となったブワニカのブレイクも楽しみな要素。
田村雄三監督が行うサッカーも露骨なロングボールというものでは無く、4局面の意識をある程度持ちながら、フォーメーションも相手に合わせるように弄るという「今後どんなサッカーにも合わせられる」事を選手に身に付けさせる。言わば選手の将来になる、「育てて売る」体勢とはガッチリ噛み合うものという気がする。

予想順位=13位~19位

予想フォーメーション 4-1-4-1

GK 鹿野 田中 立川 ジュヒョンジン
CB 速水 生駒 照山 パクジュンヨン 大森
SB 石田(RL)嵯峨(RL)(山下L)(生駒R)
DH 下田 坂岸? (山下)
IH 山下 谷村 山口 加藤
SH 鏑木(L)加瀬(R)杉山(?)西川(L?)大迫(?)白輪地(?)(山口L)
FW 有馬 近藤 坂元 ブワニカ 棚田

3-3-2-2(3-1-4-2)の場合

GK 鹿野 田中 立川 ジュヒョンジン
CB 速水(CRL)照山(C)生駒(RL)大森(LR)パクジュンヨン(?)
DH 下田 坂岸? (山下)
WB 石田(RL)嵯峨(RL)加瀬(R)(山下L)(山口L)
IH 山下 谷村 山口 鏑木 杉山 西川 大迫 加藤 白輪地
FW 有馬 近藤 坂元 ブワニカ 棚田 (杉山)(白輪地)

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