マイペースおくやまの進化的考察

進化の研究は楽しい!というわけで、日常の研究生活で考えたこと、感動したこと、あるいは思いつきのネタの備忘録です。

駒場デビュー

2010-02-21 22:59:46 | 研究
明日2月22日月曜日、駒場進化セミナーで発表させていただきます。

内容は以下の通り、、、になるかなあ。要旨で大風呂敷を広げすぎて、収拾がつかないかも、、、。
お近くの方は良かったら聞きにきて下さい。次世代シーケンサーがすげえ!(でも本当にすげえのは地道な野外データの蓄積)というお話をする予定です。

ゲノム時代の多様性生物学:
チャルメルソウ属の進化・自然史研究からの展望


 地球上のあらゆる地域を気軽に旅することができ、またその気になればいかなる生物のゲノム情報にもアプローチできる現在は、大航海時代以来、再び発見の宝庫としての「多様性の生物学」が輝き始めた時代である。
 発表者はふとした発見をきっかけとして、
チャルメルソウという植物の仲間を一貫して研究してきた。9属約80種からなるユキノシタ科チャルメルソウ類は、特に北米と日本で際立った多様化を遂げており、また遺伝学的に扱いやすいこと、花の形が風変わりであり、かつ多様であることなどから、被子植物の種分化、多様化のプロセスやメカニズムを解明する上で大変興味深くまた優れたモデルであると考えたためである。とはいえ、個人研究のレベルであり、またいかなるモデル生物との類縁性も遠い植物であるため、アプローチの方法は限られていた。それはなるべく多くの種をカバーするような網羅的な野外観察と、ちょっとした操作実験、そして保存的な遺伝子領域を利用した分子系統解析といったものである。
 しかし新しい分析技術、
すなわち高性能の化学分析と新型DNAシーケンサーを用いた遺伝子発現解析を導入することで、これら従来の「記載的」な研究成果に大きな価値が付加されることが次第に明らかになってきた。
 本発表では、種間比較と系統学の方法論によって、
チャルメルソウ類の起源およびその多様化の秘密にどこまで迫ることが出来たかをまず紹介する。特に花形質の多様性のパターンが送粉者に対する適応として生じていることを示した上で、日本産チャルメルソウ属の種分化を直接引き起こしたと考えられる花の匂いの実体とその遺伝的基盤についての最新の知見を示したい
 「多様性の生物学」の可能性が広がる現在は同時に、
発見の源たる生物多様性がこれまでにない速度で失われつつある時代である点も見逃せない。このような研究を通じ、生物多様性の新たな価値をいかにして社会に提示できるかについても議論を深めたい。

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