マイペースおくやまの進化的考察

進化の研究は楽しい!というわけで、日常の研究生活で考えたこと、感動したこと、あるいは思いつきのネタの備忘録です。

インドゴムノキから天然ゴムを採取するには?

2009-06-02 12:14:48 | 研究
「教材用に使いたいのだが、インドゴムノキから簡単にゴムを採るにはどうすればよいか?」という質問を頂きました。
確かにこれまでも漠然と、「きっと頑張ればゴムが採れるんだろうなあ」とインドゴムノキを目にするたびに考えていたのでかなり興味深いですが、正直実際に試してみたことが無い身としては簡単には答えられない質問です。まだまだ植物力が足りません。今度自分でも試してみなければ。

とりあえずの私の返答を以下に示しておきます。

まず、観賞用のゴムノキはインドゴムノキで、クワ科イチジク属の植物です。一方で一般に商業的にゴム採取がなされているパラゴムノキはトウダイグサ科で、全く異なる植物です。ちなみに筑波実験植物園の栽培温室ではパラゴムノキを見ることが出来ます。

残念ながらインドゴムノキから十分量のゴムを採取するのは難しそうです。またそれなりの大きさの木に成長するまでにも時間がかかるため、直接ここからゴムを作って見せるのは難しいのではないかと思います。しかし、(私も実際に試してみたことが無いためどの程度の乳液が出てくるかは分からないのですが)幹や茎を切りつけたり切断して、乳液が出るところを観察することは可能だと思います。まず試してみて、どのようにすればたくさん乳液が得られるかを一度確かめてみて下さい。
ちなみにインドゴムノキでも同じかどうかは自信がありませんが、一般にゴム乳液採取は早朝に幹を傷つけ、午前中に完了するそうです。
また、インドゴムノキの乳液にはアレルギー性、毒性があるため、子供には直接触らせない方が良いようです。

その代わりと言っては何ですが、少し調べましたところ天然ゴム由来のラテックス液が購入できるようです。実際にゴムを作るステップでは、こちらを利用されてはいかがでしょうか?ただし一般に天然ゴムに強いアレルギーを持つ人が稀にいるようですので、天然ラテックス液を用いる際はやはりアレルギーに注意する必要があるかもしれません。

さてここからは実際に授業に使う方針のご提案です。
1)まず様々な植物がゴムの元になる乳液(ラテックス)を持っていることを学んでもらい、実際にいくつかの植物から乳液が出ることを観察する。最も身近なものとしてはタンポポ、他にもイチジク(薬用、毒?)、キョウチクトウ(猛毒)、トウダイグサ(毒)などがある。
2)これらは全て、傷口をふさぐ『かさぶた』のような役割であったり、昆虫や他の動物に食べられないように身を守るために(他にも役割については諸説あるようですが)植物が進化させたものであることを学んでもらう。よって毒であることが多いことも注意する。
3)ラテックス液を用いて、ゴムを作ってみる。ラテックス液は、植物の乳液からゴム成分を濃くして、適切な溶液に溶かしたものであることを教える(詳しい成分は製造元に問い合わせると良いでしょう)。

もしこのブログをご覧の方で、何かご存知の方はぜひ情報をお寄せください。
コメント   この記事についてブログを書く
« 大衆化する分子系統学 | トップ | 明後日より海外出張 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

研究」カテゴリの最新記事