マイペースおくやまの進化的考察

進化の研究は楽しい!というわけで、日常の研究生活で考えたこと、感動したこと、あるいは思いつきのネタの備忘録です。

モデル生物からの脱却

2010-01-21 17:40:15 | 論文紹介
最近研究が面白すぎて他のことが手につきません。
研究を仕事だと思ってはいけない気が真剣にしてきました。

さて、モデル生物からの脱却というタイトルで昨年末の種生物学会のポスター発表をしましたが、ついにScienceに凄い論文が出ました。
The Genetic Map of Artemisia annua L. Identifies Loci Affecting Yield of the Antimalarial Drug Artemisinin. Science 5963: 328-331.
全く遺伝学研究のためのリソースが整備されていない材料(ヨモギの1種)で、一気に高密度連鎖地図を完成させ、さらに実質QTLの原因遺伝子と思われるものを2つも単離してしまっています(コンプリでの確認まではしていませんが)。

しかしこの種、はっきり言ってホモ接合の系統さえ準備していない分チャルメルソウより材料としては悪いんじゃないかとさえ思えます。この論文を読んでいてようやく気づいたのですが、マッピングをするためなら、必ずしもF2まで世代を進める必要は無かったのですね。片方の親でヘテロになっている遺伝子座同士であればF1の段階で連鎖解析できますね。当たり前ですね。うーむ遺伝学の基礎が分かってなかった、、、。

マーカーの多くは454シーケンサーでESTを読みまくって、in silicoでSNP探索を行って作成しているようです。そしてilluminaのGoldenGateアッセイで一気にジェノタイピングです。これだけ新技術が使えると、もはや研究の律速は形質のスコアの部分だけなんだろうとも思います。きっとプロジェクトが始まってからまだそんなに時間が経っていないんだろうなあ。

まだかなりのマンパワーがかかっている仕事ですが、今後このレベルの仕事が個人研究で出来るようになると思うと、ほんまに楽しいですね。

折しもRocheからはGS juniorという卓上型454シーケンサーが今年中に発売になって、しかも価格は3130xlと同程度との噂です。

適応遺伝子の先に何があるのか、何を求めるのかが、多様性研究の今後のテーマになるでしょう。とはいえ、今はとにかくやってみたい!
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