アジア批評。

アジアのエンタテイメント全般(映画・音楽等)の紹介とツッコミ。

『豪情』(くれい響)

2004-08-08 00:53:36 | くれい(映画)
すんません。またも、2003年11月香港公開作品のレビュー。
ちなみに、何超儀は予想通り、金像奨で助演女優を獲りました。
(くれい響)

『豪情』Naked Ambition
監督:林超賢(ダンテ・ラム)、陳慶嘉(チャン・ヒンガー)
出演:古天樂(ルイス・クー)、陳奕迅(イーソン・チャン)

 大学を卒業し、漫画誌編集部で働く阿忠(イーソン)。彼と放送作家出身のアンディ(ルイス)は意気投合するが、2人は突然のリストラから失業。それを期に2人は、ポルノ雑誌「激情」を出版。
2人と数人の仲間が取材から執筆までを担当した、創刊号は即完売。だが、大手出版社の出資で出版したことで、売り上げのほとんどを吸い取られてしまった。
そこで2人は風俗店や風俗嬢と交渉したり、VCDをおまけ付けたりして新しいタイプのエロ雑誌を作り上げていく。
だが、ビジネスとして成功すればするほど、私生活は荒れ始め、2人の仲も亀裂が入っていく……。

『絶世好Bra』『絶世好B』と企業(+ちょいエロ)コメディを成功させた、陳慶嘉+古天樂コンビが次に挑むのは、エロ本業界。てっきり、『ラリー・フリント』のような老舗エロ本『豪情』創始者の伝記かと思ったら、これがオリジナル。雑誌名も「激情」(ちゃんと、許可取って撮れよ!)。

 ネタがネタだけに、立派な“三級片”。だが、創刊号のイメージガール役の小室友里を始め、日本のAV嬢が脱ぎ要因で出てるのみ。香港サイドは風俗嬢役の何超儀(ジョシー・ホー)や谷祖琳(ジョー・コク)は、テクニックと演技力で勝負! 
まるで、脳ミソが溶けてるような怪演をみせてくれる。
また、應采兒(シェリー・イン)に、周麗淇(ニキ・チャウ)に、何韻詩(デニス・ホー)といった注目の女優競演も嬉しいところ。ストーリーも基本的に、主人公2人の友情物語。1人はメガネ、もう1人は二枚目って、“エロ本版『まんが道』”やん!(もちろん、トキワ荘はでてこない)
 総合的な出来は、2人が決別してからのテンションが落ちるため、“『絶世好』シリーズ”と変わらず。。。
または、良く出来た『漫畫風雲』!

『古宅心慌慌』(くれい響)

2004-08-08 00:05:53 | くれい(映画)
突然、2003年11月香港公開作品のレビューです。
要は以前書きながら、陽の目を見なかったもの。
ま、そんなものです。(くれい)

『古宅心慌慌』The Death Curse

監督:鄭保瑞(チェン・ボウソイ)
出演:Twins、Boy`z

 山奥にある大屋敷に集められた、8人の人間たち。彼らがここに集った目的は、死期が迫った医師の父親に出会うこと。
しかし、8人が集まったときには、父親はすでに死亡。そこで、腹違いの母親から生まれ、初対面となった彼らに遺産が分配されることになる。方中信(アレックス・フォン)演じる弁護士から、そのルールが発表されたとき、彼らに恐怖が襲い掛かる。
 
 ダメすぎる一連の香港ホラーとは一線をなす、『恐怖熱線之大頭怪嬰(ノイズ)』や姉妹編『熱血青年(カルマ2)』を発表してきた、鄭保瑞。馬偉豪(ジョー・マー)組出身なので、それなりの志や作家性を持っている。
要は決してツマラなくもないが、面白くもない作品を撮れる監督である。そんな彼が撮った、中国大陸で初めて公開された香港ホラー。
 だが、これは4本目のTwins主演作。8人の兄弟のなかには、男勝りな蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)とお嬢様な鍾欣桐(ジリアン・チョン)とイメージまんまの2人がいる。
そして、弟分Boy`zの初主演映画でもあるから、張致恆(スティーブン・チョン)と關智斌(ケニー・クァン)もいる。
さらに、黄浩然(レイモンド・ウォン)のような芸達者もいる。そして、ホラーかと思いきや、後半はサスペンスになり、ラストにはキチンと犯人も登場する展開。
おまけに、変な造形の建物まで出てくる。
つまり、制作者の狙いは“Twins&Boy`z版『金田一少年の事件簿』(もしくは『トリック』)”だったのである。
結果、香港ホラーとしてはなかなかの出来でも、Twins映画としては最低な仕上がり。
もちろん、許志安(アンディ・ホイ)と黎瑞恩(ヴィヴィアン・ライ)の無許可映画『金田一手稿之奇異档案』よりは数倍マシだけど……。