上海事情・・・美容外科医 上海訪問記 その1
当院が関わる医療観光事業の視察の為、上海を初訪問して来ました。GDPで日本を抜き去ろうという中国の中、その経済的象徴でもある上海。中国人でも、上海はまた特別であると感じる人が多いと聞きます。上海の人口は約1900万人、そして出稼ぎ者の流動人口を合わせると2500万人と言われ、勿論中国最大の都市です。今年5月には上海万博を控え、建物や、駅、道路工事でこの大都市がさらに急ピッチに変貌しようと、粉塵を巻き上げています。その為か、上海環球金融中心(上海ヒルズ 492m)の展望階からの眺めは、晴れているのに、街全体が淀んで見えました。
現地でガイドをしてもらった金さんは、吉林省出身の朝鮮族で中国語、韓国語のほか、日本語も流暢に操り、日本の企業に勤めるエリートですが、本人によると 自分はブルーカラー(肉体労働者)で、上海では貧乏人だと冗談まじりに言っていました。聞くと、こちらに出て来て5年、マンションも買い、安定しているように思えるのですが、自分の友人は、同時に多額のローンを組んで、3つのマンションを購入して値上がりを見計らって、2つは高値で売却した上に、残りのマンションのローンも返済したとの事でした。彼にとっては、ホワイトカラー(頭脳労働者)とは、要領よく?財テクで、不労所得を手にする人々を指すのでしょうか。以前から噂される上海の不動産バブルも、この様子では、まだまだ熱覚めやらずと言う感じです。
上海の美容整形事情を知るというのが、今回の最大の目的でした。大学の知人に紹介された美容整形医院を訪れると、病院は地上5階建てのビルが全て美容外科という規模です。上海でも、10年ぐらい前から美容整形は広まり、2004年には「第一回人造美女(整形美人)選美大会」が開かれました。この年 韓国の有名美容外科病院が、上海の医院との合併病院を作るなど、美容医療界でも韓流進出が活発に行われたようです。しかし、そうした中では、技術だけ吸収され何も残らず、撤退を余儀なくされたところも少なくないと聞きます。大いなる機会とリスクが混在する都市が まさに上海なのです。