美容外科医の眼 《世相にメス》 日本と韓国、中国などの美容整形について

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラムです。

上海事情・・・美容外科医 上海訪問記 その1

2010-04-05 20:03:14 | Weblog

 

上海事情・・・美容外科医 上海訪問記 その1

 

当院が関わる医療観光事業の視察の為、上海を初訪問して来ました。GDPで日本を抜き去ろうという中国の中、その経済的象徴でもある上海。中国人でも、上海はまた特別であると感じる人が多いと聞きます。上海の人口は約1900万人、そして出稼ぎ者の流動人口を合わせると2500万人と言われ、勿論中国最大の都市です。今年5月には上海万博を控え、建物や、駅、道路工事でこの大都市がさらに急ピッチに変貌しようと、粉塵を巻き上げています。その為か、上海環球金融中心(上海ヒルズ 492m)の展望階からの眺めは、晴れているのに、街全体が淀んで見えました。

現地でガイドをしてもらった金さんは、吉林省出身の朝鮮族で中国語、韓国語のほか、日本語も流暢に操り、日本の企業に勤めるエリートですが、本人によると 自分はブルーカラー(肉体労働者)で、上海では貧乏人だと冗談まじりに言っていました。聞くと、こちらに出て来て5年、マンションも買い、安定しているように思えるのですが、自分の友人は、同時に多額のローンを組んで、3つのマンションを購入して値上がりを見計らって、2つは高値で売却した上に、残りのマンションのローンも返済したとの事でした。彼にとっては、ホワイトカラー(頭脳労働者)とは、要領よく?財テクで、不労所得を手にする人々を指すのでしょうか。以前から噂される上海の不動産バブルも、この様子では、まだまだ熱覚めやらずと言う感じです。

上海の美容整形事情を知るというのが、今回の最大の目的でした。大学の知人に紹介された美容整形医院を訪れると、病院は地上5階建てのビルが全て美容外科という規模です。上海でも、10年ぐらい前から美容整形は広まり、2004年には「第一回人造美女(整形美人)選美大会」が開かれました。この年 韓国の有名美容外科病院が、上海の医院との合併病院を作るなど、美容医療界でも韓流進出が活発に行われたようです。しかし、そうした中では、技術だけ吸収され何も残らず、撤退を余儀なくされたところも少なくないと聞きます。大いなる機会とリスクが混在する都市が まさに上海なのです。

 

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教育格差社会

2010-04-05 19:59:24 | Weblog

 

教育格差社会

冬季オリンピックも終了し、連日、日韓対決と騒がれた二人の女子フィギュア選手フィーバーも、ようやく落ち着きを見せてきました。一方 一部のマスコミでは、彼女らを育てた母親の‘子育て’に注目した報道が見られます。若くして特別な才能を認められた‘天才’が現れる度に、その人の生い立ち、環境、親の教育に関心が集まるのは、世の常でしょう。「どうすれば我が子を、優秀に育てられるのか。」と参考にしたい親もいる反面、「あそこまでやらなければ無理だろうな。」と自分と子供の凡庸さに納得し、現状満足する人も多いと思います。勿論私も後者ですが、‘天才とは努力し続けられる才能である。’という誰かの言葉を目にしたとき、大いに肯けたのを覚えています。

結果的に二人の天才少女の競演は、金と銀という形で、決着がついたのですが、その差が、才能か努力か戦術か、或いは、一部取り上げられたように親の熱意の差かは微妙なところです。しかし、子供に対する教育熱という面では、今の韓国社会がトップクラスであることは、もはや世界的にも認められています。世界28カ国でのGDPに対する学校教育費率調査では、韓国はアイルランド、デンマークに次ぐ3位ですが、特にその内訳での私的負担率は、ダントツの一位です。これは、国の政策以上に、国民一人ひとりの子供に対する教育意識の高さを表すものです。しかし、世界的な不況が続く中、私的教育費負担が高い国ほど、貯蓄率は低くなるという現実があります。‘韓国人は子供に投資する。’とも言われますが、あるアンケートでは韓国の子供が最も生活の中でプレッシャーを感じている割合が高いと出たのも、このような理由かも知れません。

先日、日本で子供を餓死させる事件がありました。豊かで平和といわれる国での、死に至らせるほどの虐待と地域の無関心には、本当に悲しく、いたたまれない思いです。教育熱心な韓国でも虐待は年々 増加しているとの報告が聞かれます。教育熱心な人々が多い反面、育児放棄、虐待という‘教育格差’も同時に抱えている問題です。また、その教育費の負担からあえて子どもをつくらないという選択が少子化問題に繋がっているとも言えます。国の発展に高い能力の人材を育てる必要があったとしても、その狭間で犠牲になる子供がいてはならないでしょう。

 

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