G大阪が浦和をホーム万博で迎えた2008AFCアジアチャンピオンズリーグ準決勝1stlegは1-1のドローで終了。次戦の22日アウェイ2ndlegで、G大阪は“勝利”が必須になった。
退屈とは無縁のスペクタクルに富んだ90分。スタジアムは興奮の坩堝と化した。万博記念競技場を真っ二つに割った青と赤の光景は、試合前からただならぬ熱気を放ち、それはウィークデイの光景には見えなかった。
対面するアウェイゴール裏はぎっしりと浦和サポーターで埋め尽くされた
G大阪は2トップに播戸と山崎を起用。鹿島戦での動きがチームにフィットしていなかったロニーはサブに。復帰したルーカスはベンチにも入らなかった。中盤からDFラインはここ数試合の陣容と変わらず。“ホームでの得点”という目標が明確な中で、どれだけ浦和の堅守をこじ開けられるかが課題となった。
開始早々の6分に遠藤のFKから播戸が振り向きざまにシュートを放つが、浦和DF阿部の体を張ったクリアに遭う。この播戸が前線でポストとして機能したG大阪はリズムが良かった。浦和のエジミウソン、高原が下がってボールを持ったところを遠藤、明神、橋本がプレスをかけて効果的にボールを奪えるシーンも幾つか見られる。その2トップよりも、左右に神出鬼没のポンテ、そして左サイドで積極的に仕掛けてくる相馬をどうケアしていくかがG大阪の生命線になった。
セットプレーでも要警戒のポンテ 最も怖い選手だ
先制点のお膳立ては22分、この相馬の突破から
22分に試合は動いた。浦和の右CKをG大阪がクリアしたところを坪井が相馬に繋ぐ。左サイドでボールを持った相馬はそのまま対面の二川を抜きにかかり、ドリブルで中に切れ込んで角度の無い地点からシュート。これを明神が体に当ててクリアしたが、そのこぼれ球に反応して細貝の放った針の穴を通すようなミドルシュートによって先制点を奪われた。G大阪に“アウェイゴール”を献上した重圧がのしかかる。その直後には橋本が不用意にボールをポンテに奪われてゴールを狙われるシーンも見られ、明らかにG大阪は浮き足立ってしまった。先制点を奪った浦和は守備意識を深め、その包囲網をG大阪はなかなか崩すことができない。25分の遠藤のFKは惜しくもサイドネットに逸れてしまう。
驚異的な浦和サポーターのプレッシャーを受けながらも・・・
25分、遠藤のFKがゴールを狙うが惜しくも決まらず
ポゼッションは圧倒的にG大阪に分があった。低い位置でマイボールにして攻撃に繋げる浦和に対して、鹿島戦から好調の守備陣がしっかりと対応して、これを高い位置でブロックし続ける。最早浦和の2トップに脅威は感じなかった。そして、ロニー起用時よりもダイレクトパスが見られた前線が、浦和の厚い守備を崩してくれるだろうという期待感を持って後半に臨むことはできた。
競り合う播戸 前線を活性化させた点では存在感は十分
ハーフタイムも浦和サポーターの大きな声援は止むことがない
後半も攻め立てるG大阪、守る浦和の構図は変わらない。よりポゼッションと攻撃の推進力を上げるべく54分に二川に代えて佐々木が投入される。その直後には明神がミドルシュートをクロスバーに当て、そのこぼれ球を遠藤が繋いで加地が再びミドルシュートを試みるなど更に攻撃は加速。そのプレーで得たCKから播戸が惜しいシュートを放つなど、チャンスを再三掴んでいくG大阪。浦和は執念の守備を見せるが、CKを与えたり、不用意なファウルで前半の相馬に続き、細貝もノックアウトステージ2枚目の警告を受けるなど焦りも確かに見えていた。
高原を追い詰める橋本と下平
加地が足を痛めるアクシデントがあったが、復帰したばかりの安田理が右SBを見事に穴埋めする。65分には佐々木のスルーパスから山崎が振り向きざまに惜しいシュートを放つ。その山崎に代わって、FWの切り札ミネイロが投入され、G大阪は死に物狂いで1点を追う。
すると、81分にエリア内で突破を試みた播戸が相馬に倒されてファウル。これで得たPKを名手遠藤が難なく決めて、待望の同点弾が転がり込む。熱気で蒸し返す万博。2ndlegに大きな望みを繋ぐこの1点を返したのは大きかった。その後も最後まで惜しいチャンスを演じるG大阪だったが、追加点は奪えず結局1-1のまま試合は終了。至極のマッチアップは22日の2ndlegに続くこととなった。
81分、遠藤がGK都築の逆を突いて同点のPKを沈める
双方のストロングポイントを余すことなくぶつけ合うこの両者の対決。最高潮の盛り上がりを見せた90分間は、おそらく国内で今季最高のサッカーが披露されていただろう。東西リーグリーダーの意地とプライドのぶつかり合いは“アジアの頂点”という栄誉が懸かっている。果たして2ndlegにはどんなドラマが待っているのだろう。
勝つのはG大阪だ。必ず勝ちたい。アウェイでの“絶対勝利”が求められる彼らに今日のスペクタクルの続きを是非見せて欲しい。
退屈とは無縁のスペクタクルに富んだ90分。スタジアムは興奮の坩堝と化した。万博記念競技場を真っ二つに割った青と赤の光景は、試合前からただならぬ熱気を放ち、それはウィークデイの光景には見えなかった。
対面するアウェイゴール裏はぎっしりと浦和サポーターで埋め尽くされた
G大阪は2トップに播戸と山崎を起用。鹿島戦での動きがチームにフィットしていなかったロニーはサブに。復帰したルーカスはベンチにも入らなかった。中盤からDFラインはここ数試合の陣容と変わらず。“ホームでの得点”という目標が明確な中で、どれだけ浦和の堅守をこじ開けられるかが課題となった。
開始早々の6分に遠藤のFKから播戸が振り向きざまにシュートを放つが、浦和DF阿部の体を張ったクリアに遭う。この播戸が前線でポストとして機能したG大阪はリズムが良かった。浦和のエジミウソン、高原が下がってボールを持ったところを遠藤、明神、橋本がプレスをかけて効果的にボールを奪えるシーンも幾つか見られる。その2トップよりも、左右に神出鬼没のポンテ、そして左サイドで積極的に仕掛けてくる相馬をどうケアしていくかがG大阪の生命線になった。
セットプレーでも要警戒のポンテ 最も怖い選手だ
先制点のお膳立ては22分、この相馬の突破から
22分に試合は動いた。浦和の右CKをG大阪がクリアしたところを坪井が相馬に繋ぐ。左サイドでボールを持った相馬はそのまま対面の二川を抜きにかかり、ドリブルで中に切れ込んで角度の無い地点からシュート。これを明神が体に当ててクリアしたが、そのこぼれ球に反応して細貝の放った針の穴を通すようなミドルシュートによって先制点を奪われた。G大阪に“アウェイゴール”を献上した重圧がのしかかる。その直後には橋本が不用意にボールをポンテに奪われてゴールを狙われるシーンも見られ、明らかにG大阪は浮き足立ってしまった。先制点を奪った浦和は守備意識を深め、その包囲網をG大阪はなかなか崩すことができない。25分の遠藤のFKは惜しくもサイドネットに逸れてしまう。
驚異的な浦和サポーターのプレッシャーを受けながらも・・・
25分、遠藤のFKがゴールを狙うが惜しくも決まらず
ポゼッションは圧倒的にG大阪に分があった。低い位置でマイボールにして攻撃に繋げる浦和に対して、鹿島戦から好調の守備陣がしっかりと対応して、これを高い位置でブロックし続ける。最早浦和の2トップに脅威は感じなかった。そして、ロニー起用時よりもダイレクトパスが見られた前線が、浦和の厚い守備を崩してくれるだろうという期待感を持って後半に臨むことはできた。
競り合う播戸 前線を活性化させた点では存在感は十分
ハーフタイムも浦和サポーターの大きな声援は止むことがない
後半も攻め立てるG大阪、守る浦和の構図は変わらない。よりポゼッションと攻撃の推進力を上げるべく54分に二川に代えて佐々木が投入される。その直後には明神がミドルシュートをクロスバーに当て、そのこぼれ球を遠藤が繋いで加地が再びミドルシュートを試みるなど更に攻撃は加速。そのプレーで得たCKから播戸が惜しいシュートを放つなど、チャンスを再三掴んでいくG大阪。浦和は執念の守備を見せるが、CKを与えたり、不用意なファウルで前半の相馬に続き、細貝もノックアウトステージ2枚目の警告を受けるなど焦りも確かに見えていた。
高原を追い詰める橋本と下平
加地が足を痛めるアクシデントがあったが、復帰したばかりの安田理が右SBを見事に穴埋めする。65分には佐々木のスルーパスから山崎が振り向きざまに惜しいシュートを放つ。その山崎に代わって、FWの切り札ミネイロが投入され、G大阪は死に物狂いで1点を追う。
すると、81分にエリア内で突破を試みた播戸が相馬に倒されてファウル。これで得たPKを名手遠藤が難なく決めて、待望の同点弾が転がり込む。熱気で蒸し返す万博。2ndlegに大きな望みを繋ぐこの1点を返したのは大きかった。その後も最後まで惜しいチャンスを演じるG大阪だったが、追加点は奪えず結局1-1のまま試合は終了。至極のマッチアップは22日の2ndlegに続くこととなった。
81分、遠藤がGK都築の逆を突いて同点のPKを沈める
双方のストロングポイントを余すことなくぶつけ合うこの両者の対決。最高潮の盛り上がりを見せた90分間は、おそらく国内で今季最高のサッカーが披露されていただろう。東西リーグリーダーの意地とプライドのぶつかり合いは“アジアの頂点”という栄誉が懸かっている。果たして2ndlegにはどんなドラマが待っているのだろう。
勝つのはG大阪だ。必ず勝ちたい。アウェイでの“絶対勝利”が求められる彼らに今日のスペクタクルの続きを是非見せて欲しい。