脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

見せた、天皇杯への執念 ~天皇杯5回戦 VS磐田~

2008年11月27日 | 脚で語るガンバ大阪
 ディフェンディングチャンピオンとして来季のACL出場を懸けた天皇杯の5回戦。磐田を3-1で下し、難なくベスト8進出を果たしたG大阪。正念場の勝負所できっちり次に繋げられる戦いができた。

 

 磐田がJ1残留争いを考慮し、サブメンバー主体の布陣で臨んできたのに対し、AFCアワード出席の遠藤、怪我で戦列を離れている二川以外、ベストメンバーで臨んだG大阪。しかし、今季限りでの引退を表明している名波が開始1分、中盤のパスワークから鮮やかに右サイドの山本にふわりと浮かせたパスを送ると、その山本が放り込んだクロスにファーサイドへ走り込んだ西が合わせ、開始早々先制点を決められる。安田理が中盤のチェックに行ったところを、倉田のカバーリングが遅れたが、そこを名波に突かれた。

 
 開始1分も経たぬうちに西に先制点を献上する

 立ち上がりからハイペースでボールを動かしてくる磐田に対し、G大阪はリズムを掴めず、なかなかシュートまで持ち込めない。ここで個人技で局面を打開したのは佐々木だった。
 15分に、藤ヶ谷のフィードを受けると、そのままドリブルで左サイドを疾走。相手エリア手前で一度中に切れ込むと、そのまま鮮やかなロングシュート。弧を描いたボールはGK松井の頭上を越えながら、ゆっくり落ちてゴールに吸い込まれた。同点にしたところで徐々にG大阪にペースが生まれ始める。前半こそ磐田の素早いプレスに苦しんだが、G大阪に生み出された本来のリズムは、磐田の運動量を削いでいくには十分だった。

 
 川崎戦では無念の交代を強いられた藤ヶ谷もこの日は1失点に抑えた

 
 惜しまれつつ今季限りで引退する名波 そのパス精度はまだまだ高い

 後半に入ると、集中力に差が出始める。54分に相手のパスミスを高い位置で奪ったルーカスから、中央の播戸、右サイドの佐々木と繋ぎ、最後は加地がミドルシュート。これを磐田DFが体に当ててクリアすると、これで得たCKから、一度は中央でクリアされるも佐々木が再度中央へクロス。これに山口が合わせて逆転に成功した。

 
 川崎戦での4失点から3日・・・ 中澤を中心に守備陣は集中

 
 先制点を決めた西も66分に萬代と交代

 73分には、磐田MF成岡がエリア手前中央から中山に絶妙なパスを通し、これをフリーで受けた中山にあわや同点ゴールかというシュートを打たれたが、ボールはポストに当たって急死に一生を得る。ツキすら味方にしたG大阪は、試合を決定づける3点目を後半途中から入った山崎が74分に決める。これも中盤でボールを拾った佐々木の浮かせたフィードに、相手DFラインの裏に飛び出した山崎が合わせたもの。4回戦の甲府戦に続き、佐々木の獅子奮迅の活躍は、G大阪のベスト8進出における大きなポイントになった。

 
 闘志では誰にも負けぬ フル出場こそ叶わぬも中山は持ち味出す

 
 ゴールこそないが、高い位置でルーカスの存在は効いていた

 
 低調なFWと対照的に天皇杯では2試合連続ゴールの山口

 リーグでは低調なものの、天皇杯できっちり結果を残すところにG大阪の執念は見えた。準々決勝は1ヶ月後に名古屋と対戦。その前に残りのリーグ、そして“世界への挑戦”クラブワールドカップの戦いで、更なる成長と刺激を得て、天皇杯優勝への良いフィードバックにできれば、結果オーライだ。まだまだG大阪のシーズンは終わらない。


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