脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

生みの苦しみ ~強くなるために~

2008年11月08日 | 脚で語る奈良クラブ
 雨中の大阪産業大学グラウンドで行われたTM大阪産業大戦。奈良クラブは4-4と撃ち合いの末にドローで終えた。

 

 大事な時期のTMなので、細かくは書けない。得点経過だけでいえば、前半0-3とリードを許し、後半の序盤に一気に2点を返す。そして最終的には、3-4とリードされながら、終了間際に金城のこの日2点目となるゴールで追いついた。常に先手を打たれ、そこに見えたのはチームの表裏一体性と言うべきか。

 前半と後半ではまるで別のチームだった。前後半通してペースを握られたが、前半は失点シーンでは軽いプレーも目立った。しかし、後半になると前がかりになったことで、少し雰囲気は変わる。シュートを打たれながらも、攻撃面では前半見えなかった良さが見えた。すると、やはりゴールを決めることができる。そのブレが如実に現れたことで、逆にスッキリしたのかもしれない。細部まで課題は明確だ。そこを改善していかなければならない。強くなるために。

 

 新加入選手の合流で、選手層は厚くなったが、これを“チーム”としてまとめていく難しさが今の奈良クラブにはある。今回のTMでも、悪い部分、良い部分が分かりやすく露呈された。しかし、ピッチ内外で選手たちはしっかりと対話し、問題点を明らかにしようとしている。悲観することはないはずだ。

 ここまで戦ってきたチームに新戦力を加え、もう一度組み立て直す“生みの苦しみ”。以前より化学反応が起きにくくなったと思えばいい。ここに火が着くことを考えれば、お楽しみはこれからだ。 


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2 コメント

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Unknown (奈良クラブファン)
2008-11-11 11:46:51
いつもブログを通して奈良クラブの動向チェックしています。
今回は府県リーグに向けて大型補強をし,高田やJ経験者も入団したのは心強い限りです。
しかし,残りの練習&ゲーム数で本当にチームにフィットできるかという懸念があります。
ビッグネームの選手はいわばレギュラーが約束されたようなものです。本当に彼らがリーグを戦い抜いた選手達に「合わせる」事ができるのかが心配です。
あくまで個人的な意見なのですが,試合までの日数を考慮した上でも,リーグのメンバー+α程度位の方がチームはまとまると思うんですが,奈良クラブ創設当初から見守っている脚氏はどう思われますか?
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Unknown (脚角)
2008-11-11 13:38:56
>奈良クラブファンさん
コメントありがとうございます。

ご指摘の点は、チームを見守る誰もが思っている核心というべきでしょう。
非常に的を射ております。

確かに驚くようなペースで新戦力が加わり、全員がフィットするとは私も思っていません。
実際、現在のTMでは、そのあたりの問題点が一気に露呈されているとも思います。
チームワークというよりも「個」の力で局面を打開していくチームという例えが現状は最もふさわしいでしょう。

ただ、レギュラー争いの危機感が生まれ、リーグを戦ってきた選手たちも、試合出場を保証されているわけでなく、その点では良い刺激をもたらしてくれているのは確かです。

これらのデメリット、メリットを合わせて考えたときに、個人的には50%ずつ、今のチームには見えるなと思っています。
今季のリーグでも、勝てる試合、勝てない試合の波は社会人サッカー特有のメンバー編成の難しさに起因される浮き沈みが激しいものでした。

今回、挑む府県リーグ決勝大会は、これまで県リーグとは比較にならない厳しい戦いになるはずです。
連携面では、もしや出場チーム中、最もリスクを抱えているチームかもしれない、そう考えています。
メンバー的には県リーグレベルではないのですが、そのメンバーの経験値、引火した際の爆発力に頼らざるを得ないのでしょう。

その意味でも、奈良クラブにとっては、今最も厳しい時期、乗り越えなければいけない壁に直面している時期です。

“決して強くない”
厳しいですが、これが正直な現在の見解かもしれません。この意識を常に持って“挑戦者”の立場で大会には臨まないといけないと思います。
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