脚と角

関西を中心に国内外のサッカーシーンを観測する蹴球的徒然草。

喜怒哀楽の真髄は蹴球にこそ有り。

宿敵を粉砕!アジア王座に王手! ~ACL準決勝2ndleg VS浦和~

2008年10月23日 | 脚で語るガンバ大阪
 日本勢同士の対決となった今季のAFCアジアチャンピオンズリーグ準決勝2ndleg。アウェイ埼玉スタジアムで3-1と勝利を収めたG大阪がトータルスコアを4-2とし、初のACL決勝進出を決めた。もう1試合、クルブチVSアデレードユナイテッドはトータルスコア1-3でアデレードが勝利。G大阪はアジア王座を懸け、アデレードと来月5日、12日という日程で決勝戦を戦う。

 

 これまでここで、何度苦汁を飲まされたか。その記憶を払拭するには十分な完勝劇だった。FWを磐田戦のスタートと同じく、ベストメンバーとも言える布陣。ルーカスとロニーの2トップで臨んだG大阪。対する浦和は細貝、都築を出場停止で欠き、ここ5試合で勝利に見放される不安定ぶり。前半こそ浦和のペースにリズムを組み立てられず、36分に加地のヘディングによるクリアが中途半端になったところを高原に先制点となるシュートを決められる。しかし、それでも浮き足立つことなく己のサッカーを貫いたG大阪には希望が見えた。

 
 36分、先手を取ったのは浦和 高原が先制ゴール

 
 エジミウソンには山口がしっかり対応し、仕事をさせない

 
 闘莉王の攻め上がりは要警戒 中澤と橋本がカバー

 後半に入って、G大阪は佐々木を投入。スピードを活かした縦への推進力でチームにリズムをもたらす。すると、50分に遠藤の右CKから山口がヘディングで合わせ、同点弾を叩き込む。これまで何度も見たこのホットラインは大舞台で値千金のゴールをもたらした。勢いづくG大阪。浦和はその後、堤を中盤で遠藤にマンマークに付かせたが、佐々木というジョーカーが入ったG大阪には効果なし。磐田戦同様にスペースメイキングに努めた遠藤の動きによって、佐々木、加地、安田理の動きが活性化。橋本、明神もカバーリングに入る守備面ではキレの良い高原、シュートを果敢に狙うエジミウソンに仕事をさせない。ポンテのプレーエリアを消し、スペースを活かしたカウンター攻撃が徐々にG大阪の勢いを加速させた。

 
 50分、山口のヘッドでG大阪が追いつく!!

 
 持ち前のスピードでリズムをもたらした佐々木

 
 守備面で大きな貢献の明神は逆転弾も生み出す

 
 1得点2アシストの遠藤 まさにアジア屈指のプレーメイカー

 山崎を投入した直後の72分、再び遠藤の右CKからニアで合わせたのは明神。中央へ流そうと必死で彼が足に当てたボールは魂を込めたかの如くゴールへ吸い込まれる(相手の足に当たった感も否めないが)。待望の逆転弾は、試合運び、時間帯も考えると事実上浦和の息の根を止めるには十分だった。
 その4分後には、右サイドに攻め込んだルーカスが中央の橋本にパスを送ると、逆サイドでフリーだった遠藤にすかさずパス。易々とこれを遠藤が流し込み、完全に試合の行方を決めたのだった。

 
 明神のゴールが決まり、G大阪に歓喜が巻き起こる

 
 後半途中から投入された山崎 裏を狙い、3点目ではうまく囮に

 
 影のMVP GK藤ヶ谷も好守で勝利に貢献

 
 浦和は終盤、DF闘莉王が攻め上がり続けチャンスを狙った

 3-1と試合をモノにしたG大阪に対して、3点を追いかける浦和は、闘莉王の攻撃参加、途中投入の田中、永井のチャンスメイクに頼るが、ここまでくれば疲れの見えた相手に対するG大阪のパス回しは流石。ほとんど浦和にチャンスを与えることなくいなし続けた。セーフティにパスを回し続けるG大阪に歓喜をもたらすホイッスル。宿敵、そして昨季のディフェンディングチャンピオンの浦和を下し、遂にアジア王座へ王手と迫る決勝進出を決めた。

 
 ここまで来ればアジアを制するしかない 頂点まであとひとつ!

 何も言うことはない。G大阪VS浦和は因縁多きマッチアップだった。ライバル同士、アジア王者をかけたこの舞台で顔を合わせる宿命だったのかもしれない。日本サッカーの熟成を感じさせ、歴史に名を残す試合だったと思う。
 “日本代表”。昨季浦和が快進撃を続けたACLをこう思って見届けた。次は、日本を代表してG大阪が快挙に挑む番だ。

 ここまで来て負けたら意味は無い。いや、それを考える必要は無い。

 決勝で必ず勝つ。アジアを制す。それだけだ。