5月29日に、中国語の学習時間が250時間に到達しました。
3月5日から記録をつけ始めたので、3ヶ月かかりました。
毎日の平均学習時間は、2.9時間でした。
昨年は、特に記録もせずに、漫然と学習をしていましたが、
記録をしはじめると、ちょっとした時間でもかき集めようというモチベーションが生まれました。
また、昨年は、さまざまな学習法を試行錯誤した一年であったのに対し、
この3ヶ月は、割と安定したメニューを展開していました。
「文字ベースで、漢字・意味・発音記号が浮かぶ単語を増やす」をトレーニングメニューの中心におきました。
というのも、以前、TOEIC300点台の学習者がわずか1年で900点台に成長したことがあり、
彼は、徹底的に多読をしたと聞いていたからです。
中国語映画を観て、わかる部分は、決まって、自分の中に、文字と発音記号が浮かぶ単語の蓄積がある場合です。子供の外国語理解のしくみはさておき、少なくとも成人してから学習する場合、聴解とは、聞いた音を自分の文字データに照合して理解していることを、中国語学習で痛感しています。中国語理解に限らず、私の英語理解も同じ原理です。
ある程度わかる語彙が増えてきたこと、また、語彙トレーニングは、ひたすら単語を見たり聞くだけで、退屈であることもあり、最近、こまごまとした語法や文法解説を読むのがおもしろくなってきました。ただ、覚えなければならない決まりごとがあまりにも多すぎるため、私は読書のつもりで、語法・文法解説を読むようにしています。そこに書かれてある無数のルールは、やがて自分が中国語で本格的にしゃべりだす頃に、意識に再浮上していくのだと思います。したがって、今は、読書感覚で楽しめば十分だと思っています。
さて、その中国語解説書によれば、現在の中国語には存在しないp,t,kのような子音で終わる単語が、大昔は存在したとありました。日本はそうした単語を取り入れつつも、子音で終わるような発音ができなかったため、そこに母音をつけて、たとえば、学(gak) であれば、gaku(ガク)のようにして取り込んだそうです。
この説明を読んで、興味が出てきたのが韓国語です。韓国語には、まさにp,t,kのような子音で終わる単語がたくさんあります。これは私の素人的推測ですが、大昔に、中国から、p,t,kのような子音で終わる単語が大量に韓国に流れつき、韓国ではその発音が残っている一方、中国では消えていった。そして、日本ではpu,tu,kuのような日本流の音声に変化した形で取り入れ、現在も残っている。こんな日韓中の言葉の交流を想像してみると、韓国語も少しづつ学んでみたくなります。
ただ、せっかく250時間積み上げた中国語のペースを落としたくないので、韓国語はやるとしても毎日30分に限定しておくのが現実的かもしれません。将来、ネイティブスピーカーのレッスンを受ける際、聞いて理解できる語彙、話せる語彙を増やすため、当面は、読んでわかる韓国語の世界を増やそうかと思っています。
中国語と韓国語をぺらぺら話せる自分はまだまだ先のことでしょう。遠い将来の目標はさておき、今は、日本語・英語・中国語・韓国語を比較しながら、それぞれの言語的特性を考慮した、外国語学習法を模索し、英語教育に還元していくつもりです。
ところで、中国語を学習していると、そのしんどさは、ちょうど漢字だけの日本語を読むような感じに似ていることに気がつきます。一方、韓国語を読むしんどさは、ひらがなだけの日本語を読むような感じに似ています。ということは、英語を読むしんどさは、韓国語を読むしんどさにちょっと似ているのかもしれません。
以下が、私にとっての漢字とひらがなのイメージです。
■漢字を読むメリット→一文字一文字に意味やイメージが凝縮されている。したがって、漢字一文字を見るだけで、想像の世界が膨らみ、文字を覚える作業に、「濃厚な収穫」を感じる。一方で、漢字だけだと、一文字あたりの意味の密度が濃厚であるため、重苦しく感じる。少しひらがなのような軽いものがほしくなる。
■ひらがなを読むメリット→漢字と違い、ひらがが一文字一文字には、特に意味やイメージがないため、漢字を読むときの重苦しさはない。しかし、ひらがなの組み合わせから、自分自身で意味を作り上げていかなければならないため、漢字を読むときよりも、数倍想像力をたくましくしないといけない。読んでいても、「このひらながなは、漢字にするとどうなるのか?」が気になる。
こうしたことから、中国語は、漢字だけの日本語を読んだり聞いたりするイメージ。韓国語はひらがなだけの日本語を読んだり聞いたりするイメージにそれぞれ近いのかもしれません。確かに韓国語の単語を見ていると、「これ、漢字にするとどうなるのかな?」と想像せずにはいられません。たとえば、「カムサ=感謝」「チド=地図」「ハクセン=学生」だって、漢字にすれば、日本語と同じ漢字になるため、理解が早まります。「チャルプータッカムニダ=よろしくお願いします」も、「チャル付託ハムニダ」で漢字を入れると、格段に覚えやすくなります。こう考えると、英語を学ぶのは、ひらながなだけの日本語を読んだり聞いたりするイメージに近く、ハングル文字だけの韓国語を見て、気が遠くなったとき、「あ、この感覚が、初級学習者が、英文を見たときに感じるめまいに近いのかもしれない」と思いました(汗)。
いずれにせよ、他の外国語を学ぶしんどさを少しでも知っておくと、日本人にとって、英語がもっとも学びやすい外国語だということがわかります。以下にそのポイントをまとめておきます。
■他のヨーロッパ言語(例:フランス語)を学ぶしんどさ:
・主語が変わると、動詞も変化する。→英語はそういう変化がないため日本人学習者には有利。
・名詞は、男性名詞・女性名詞・中性名詞に分かれるため、単語を覚える際、その単語の性別まで覚えなければならない。→ 英語は、単語単独で覚えられるため日本人学習者には有利。
■中国語を学ぶしんどさ:
・ひとつの単語を覚える際、漢字+意味+発音+四声 という4要素を同時に覚えなければならない。→英語は、つづりさえ覚えれば十分なので日本人学習者には有利。
・発音が少しでも違うと通じないので、徹底的な発音練習が必要→英語は、一部の単語以外は、ほとんどカタカナで通じるので日本人学習者には有利。
・発音が正しくても、四声が違うとまったく違う意味になるので、徹底的な四声の暗記も必要→英語は、アクセントが多少違っても通じるので日本人学習者には有利。
・車(car)、りんご(apple)、犬(dog)、猫(cat)、白(white)、黒(black)のような、英語ではすぐに言えるような基本単語をゼロから学ばなければならない→英語は、相当数の基本英語語彙をすでに持っている日本人学習者には有利。
■韓国語を学ぶしんどさ:
・日本語の動詞のような、複雑な動詞の活用変化がある→英語にはないのでとても日本人学習者には有利。
ざっとこんなところでしょうか?
昨今の中国語ブームで、多くの日本人が、中国語を学びはじめています。私は、「中国語を学ぶ難しさ」を体験することで、あらためて「英語の学びやすさ」を再発見する日本人が増えることをひそかに期待しています。