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1970年代のオーネット・コールマン(CD)

2023-07-19 | JAZZ (CD)
オーネット・コールマンの最後は、1970年代初頭のCBS録音盤です。

「SCIENCE FICTION」 SRCS 9372
 

8曲から成るこのアルバムは、5種類の編成による演奏となっていて、従来のトリオ・フォーマットから離れて、次のステップへの足がかりとなるような演奏集となっています。
その代表的な演奏が、「WHAT REASON COULD I GIVE」と「ALL MY LIFE」の2曲で、いずれも大きい編成の中で意表をつくアシャ・パスリのヴォーカルをフューチャーしています。
また、タイトル曲の「SCIENCE FICTION」では、赤ちゃんの泣き声なども入った渾然としたサウンドの中で、デヴィッド・ヘンダーソンが淡々と詩を朗読する変わった演奏です。
そして、「ROCK THE CLOCK」は、デューイ・レッドマン (ts)が参加したカルテットの中で、ワゥ・ワゥを取り入れた新しいサウンド作りをしています。

その一方で、「CIVILIZATION DAY」と「STREET WOMAN」はドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンズが参加したカルテットで、ドン・チェリーのぶっ飛びのトランペットと、チャーリー・ヘイデンの力強いベース・ランニングが激しい演奏を繰り広げているかと思えば、「LOW YEARS」と「THE JUNGLE IS A SKYSCRAPER」ではボビー・ブラッドフォードのトランペットや、デューイ・レッドマンのテナー・サックスをフューチャーして往年のオーネット・コールマンの音楽を展開するというごった煮のアルバムです。



本来CBSには、「アメリカの空」と、上記の「SCIENCE FICTION」の2枚が公式録音として記録されていましたが、後に下記のアルバムが未発表演奏集として発売され、話題となりました。
録音時期や、参加メンバーには、上記アルバムと同じ奏者によるグループ演奏もあることから、2枚を一つの塊として聞くべきものと思い、ここに取り上げて見ました。

「BROKEN SHADOWS」 SRCS 9373
 

「SCHOOL WORK」では、3管によるテーマの合奏があり、その後のボビー・ブラッドフォードが爽やかなアドリブを披露しており、続くオーネットもその影響を受けてスマートなソロに徹しています。
また「COUNTRY TOWN BLUES」「BROKEN SHADOWS」「RUBBER GLOVES」の3曲は、オーネットの従来のサウンドを踏襲した演奏で、聴いていて安心感があります。
全8曲において2曲(GOOD GIRL BLUES、IS IT FOREVER)では、ウェブスター・アームストロングのヴォーカルをフューチャーしており、「SCIENCE FICTION」では消化しきれなかったサウンドの再現となっています。

いずれにしてもこの2枚は、オーネット・コールマンの次の「プライム・タイム・バンド」へ繋がれる通過点のサウンドのように思えます。


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