Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

平等が自由を脅かす時

2015-09-08 22:08:51 | コラム

買い物の際の店舗への「マイナンバーカード」提示を義務化…財務省 (時事通信の記事より)

上記事の、マイナンバー制ですが、新安保よりずっと恐ろしい面のある法案だと思います。
物を買う度に必ずマイナンバー・カードを提示して、後で行政から還付を受けられる仕組みです。
手間がかかる上に、誰がどこで何を買ったかが全て行政に管理されるのは、気持ちのいいものではありません。

我々は何をするにも国に税金を払い、病気にかかれば国民保険を利用します。
これらが全て一括した管理のもとに置かれれば、その人の個人情報は完全に丸裸です。

それに、テクノロジーに頼りすぎた社会は、少しのミスで大混乱に陥る弱さを併せ持ちます。
某銀行ATMのシステムのように、システムのエラーで取り返しのつかない不具合が起きる可能性もあります。
また、批判も多いこの新制度を、税還付をエサにして浸透させていこう意図も不気味です。

とはいっても、財務省の官僚だって根っからの悪人というわけがないと思います。
なにかそういったデメリットを上回るメリットがあるに違いありません。

それは、ひとえに真の「平等」の実現のためです。
消費税が上がれば、特に経済的弱者の方々の負担が増えることになります。
そこで、食料品についてはお金を返すというわけです。
また、すべての情報を集めたビッグデータから、最も効果的な社会福祉政策も打ち出しやすくなります。

つまり、平等の実現のために自由が犠牲になるのもやむなしというわけです。

自然界の食物連鎖からスクールカーストや会社組織まで、生き物はほっておけばピラミッド型の社会を作ります。
あるがままに「自由に」していれば、かならず不平等が生まれるのがこの世の常です。
それを是正するには、強力な管理と強制力が必要となるのです。

日本の左がかった方たちは、何かといえば自由と平等をセットにして声高に叫びます。
しかし、指摘した通り、この二つはお互いに対立することが多いのです。
それは、あんの入っていないあんぱんを食べたいと言っているのと同じで、ほとんど意味がありません。