朝日カルチャーセンター☆ブログ

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カルチャーの現場から #27「京都の御所と離宮」

2024年08月18日 10時11分54秒 | カルチャーの現場から
みなさま、こんにちは。

京都、奈良、近江―――。朝日カルチャーセンター関西の4教室(京都、くずは、中之島、川西)では、関西らしい文化を取り上げた講座を多く設けています。
今回の「カルチャーの現場から」では、そのうちの一つ、「美の粋 京都の御所と離宮」講座をご紹介します。
ふだんは見ることができない、京都の御所・離宮の内部。日本の技術の粋を集めた、ここにしかない空間をご堪能ください。

この講座の講師は、森井英二郎さん。朝日新聞社が、京都の御所と離宮を1年間かけて特別取材したときの写真記者。本講座でご紹介する写真の撮影者です。
中之島教室で行われた初回講座では、さわやかな語り口で、撮影秘話と合わせて、京都御所の内部を、あたかもともに歩いて回るように講義してくださいました。

「さあ、一緒に京都御所の旅へ!」
森井先生の笑顔とともに、講座はスタート。
一般参観口「清所門」から進みます。
そして、「諸大夫の間(しょだいぶのま)」へ。



ここは言わば、控室のような場所。襖絵にちなんで、東から「虎の間」「鶴の間」「桜の間」があります。
森井先生は「さて、あなたはどこに通されるでしょう」と、にこり。
虎の間は最高位の身分である「公卿の間」。
そして身分によって、鶴の間、桜の間と続くそうです。
よく見ると、畳の縁も違います。

講座はその後、朱塗りの承明門(じょうめいもん)をくぐり、正殿・紫宸殿(ししんでん)へ。
紫宸殿には、今も即位の礼で使われる天皇の御座(ぎょざ)である「高御座」(たかみくら)(手前)と、皇后のための「御帳台」(みちょうだい)が置かれています。



講座ではその内部の写真も投影されます。螺鈿の美しさに息をのみました。
ここで驚くべきエピソードが。
平安時代のある梅雨の夜のこと。
外は激しい雨が降っています。
花山天皇は肝試しを思いつきます。
道長の兄である道隆と道兼は内裏へ、道長は大極殿に行くように命ぜられます。
兄二人は逃げ帰ってきますが、道長はその当時大極殿に置かれていた高御座の傍らの柱を削り取り、それを証拠として持ち帰ってきました。
森井先生は「(『大鏡』で記される)この話は道長の豪胆さを伝える逸話になっていますが、実際は権威の象徴である高御座を傷つけることをいとわない、宮中の政治的緊張が感じられます」と解説なさいました。

そして源氏物語や枕草子にもしばしば登場する「清涼殿」へと進みます。平安時代には、天皇が日常の生活の場としていたところです。
昼の生活の場、「昼御座(ひのおまし)」。
寝室である「夜御殿(よんのおとど)」。
惜しげもなく、それらの写真が披露されます。
さらに、王政復古の大号令の際の小御所会議で有名な「小御所(こごしょ)」の美しい様子も。

天皇が公家らと対面する場所でもあった「御学問所(ごがくもんじょ)」の内部も(写真)。



そして、京都御所の中で最も大きい御殿、「御常御殿(おつねごてん)」へ。
豊臣秀吉が、紫宸殿の修復工事の際に設けた御殿です。
明治天皇までの16代にわたる天皇が、生活の場所として過ごしました。
装飾の美しさ、華やかさに、秀吉らしさを感じます。
この御殿の中にある、神器が置かれる「剣璽の間」は、25年3月に行う本講座でご紹介する予定です。

「美の粋 京都の御所と離宮」の次回講座は9月13日。川西教室で行います。もちろんオンライン受講も併設します。
次回のテーマは「京都の離宮」。桂離宮と修学院離宮をたっぷりとご紹介します。
よろしければぜひ、お聴きください。

美の粋 京都の御所と離宮(オンライン受講) | 朝日カルチャーセンター川西教室

ふだんは見ることができない、京都御所・離宮の内部。朝日新聞社は1年間かけて、日本の美の粋が集まる、その特別な空間を撮影しました。それらの写真をもとに、京都御所と...

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朝日カルチャーセンター関西4教室では、他にも魅力的な講座をたくさんご用意しています。
中之島京都くずは川西)のホームページをぜひ、のぞいてみてください。
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