都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

まちあるき用地図

2009-06-24 | Weblog 

 ふだん、まちあるきには1/10,000の地図を持ち歩いている。地形を正確に見ながら歩くには国土地理院の1/10,000地形図が良いのだが、これには諸々の施設情報が少ないので、結果的に普通の地図も持ち歩くことになる。ふだん持ち歩いているのは昭文社の「街の達人 コンパクトでっか字 東京23区 便利情報地図」(1/10,000)か、「街っぷる 東京23区」(1/10,000)。

(左)街の達人 コンパクトでっか字 東京23区 便利情報地図(昭文社)
(中)街っぷる 東京23区(昭文社)
(右)でっか字まっぷ 東京23区(昭文社)

 地形は現地で感じればよいのと、10年以上歩いてさすがに山手線の内側の高低はだいたい覚えてしまったため、最近は山手線の内側では等高線地形図を持ち歩かない。むしろ、最寄りの駅やバス停、喫茶店やファミレスが載っている方が何かと便利。特に冬、夏など、歩くのにつらいシーズンはそっちの情報の方が遙かに重要。

 「街の達人 コンパクトでっか字 東京23区 便利情報地図」は、A5判で見やすい。ただ23区の外周部に近い、足立区や江戸川区、板橋区あたりが1/20,000になってしまうのが非常に残念。また表面がコーティングされていて水性ペンがすぐ乾かないのもちょっと残念。それ以外はほとんどOK。
 一方「街っぷる 東京23区」は、23区全域を1/10,000でカバーしているのが良い。また、他の地図に比べると軽量なのも良い。紙面が多少ざらざらしていて、コーティングはされておらず、水性ペンで書き込めるのも便利。ただ、B6変形判でやや小さいため、現在地から少し離れた目的地までのルートを考えようとすると、あちこちの頁を見なくてはならないのがやや難。A5判にするだけで、ページ数も減らせてかなり改善されると思うのだが。
 一時はポケットサイズの「でっか字まっぷ 東京23区」を使っていたが、これは旧15区の外側に出ると1/20,000になってしまうのと、やはり判型が新書判で小さいので、最近は使っていない。
 というわけで、「街の達人 コンパクトでっか字」と「街っぷる 東京23区」の良いところが合わさったものが出るといいのになぁと、個人的には思っている。

 イベントなどでまちあるきをする場合は、そのために地図を準備したりするが、気が向いた時に一人で外出する際にわざわざ準備をするのは面倒。基本的にいい加減なので、家を出てから行き先を考えることが実は多く、電車に乗ってから地図を開いて降りる駅を考えていることもある。バッグに地図を投げ込んで出掛ければよいという地図がやはり欲しい。

 まちあるきをしたら、歩いた経路を地図に書き込む。地図に書き込んでも良いのだが、何度も歩いていると線が重複してきて、汚くなって見にくくなるので、本にはあまり書き込まない。
 市販の地図には書き込みにくいという事情もある。
 例えば、軽くしようとして薄い紙を使っているものがあるが、紙があまり薄いと、記入したとき裏写りして見にくくなる。
 また、最近の地図は表面にコーティングがされていて弾いてしまい、水性ペンで記入しにくいことが多い。油性ペンは野外ではすぐ乾燥したりして使いにくいのと、他のノートと併用するとそちらで滲んだり裏写りするので、個人的にはやはり水性系のサインペンかボールペンを使いたいのだが・・・。コーティングは雨の時には助かるが、水性ペンで記入しにくいだけでなく、そのインクがすぐに乾かないので、乾く前に地図を閉じると反対側の面が汚れる。
 というわけで結局コピーに書き込むことが多いのだが、記入したものに日付を入れてファイルしておけば、いつどういうコースを通ったのか、すぐに分かるので、これは備忘録として意外に便利だ。

 計画性が無いので、その日に行った先々のコンビニで、該当する部分をコピーする。本の方はバッグにしまってしまい、折りたたんだコピーをちょこちょこ見て、現在位置を確認しながら歩く。脳内GPS。疲れたら喫茶店に入り、そこで経路を書き込む。途中でちょこちょこ地図を見ているので、歩きながら記入しなくても、経路は忘れていない。後でまとめて書き込めばOK。
 一息ついたら、次にどこへ行くかを考える。歩き疲れて、もう帰ろうかと思ってとりあえず喫茶店に入って休んだら、また元気になって更にうろうろすることもしばしば。

 そのようなわけで、たいがいは1/10,000の地図で事足りるのだが、小さな路地をうろうろしてしまった場合、それが書き込めなくなることがある。1/10,000といえども小さな路地は書かれていないことが多い。以前にも紹介した高輪の石垣の間の階段や、大塚5丁目の階段がある路地は、一部しか書かれていない。書いていなければ書き込めばいいのだが、小さすぎると書き込みきれない。これが困る。

はい・まっぷ 住宅地図 千代田区(セイコー社)

 路地巡りになりそうな時は、ハンディタイプの住宅地図「はい・まっぷ」(セイコー社、1/3,800、A6判)を持ち歩くこともたまにある。特に、墨田区あたりは路地が多く、迷路のようになっているので、写真を撮った場所を確認するには住宅地図が必要になる。また、台東区や、中央区の銀座、日本橋界隈は街区が小さかったり、建物が密集している。街区がグリッド状で、どの小路を歩いたのか後で分からなくなることも多い。だから詳細な住宅地図を見ながら歩く必要性があることも確かだ。そういう時は携帯ルーペも持っていく。
 しかしふだんは住宅地図を持ち歩く必要性はあまりない。歩いているとすぐに違う頁になってしまうのも面倒だし、複数の区にわたる時に全て持ち歩くのも大変。

 そうこうする内、東京都心のまちあるきにはその中間の1/7,000程度の地図がちょうど便利だと思うようになった。半端な数値だと思われるかもしれないが、歩く場合にはこのくらいがちょうど良いのだ。
 昭文社からは1/7,000の地図が出ているが、1/7,000で掲載されている範囲はやはり都心の一部に限られている。またA4版で分厚く、これをまちあるきに持ち出す気にはなれない。というわけで市販の1/7,000はボツ。

 さて、A5版の1/10,000地図を見開きにして、これをA3に拡大コピーすると、1/7,100相当程度になる。約3時間弱、疲れない程度のお気楽なまちあるきをした場合、歩行経路はこのA3、1/7,100相当程度の範囲に収まることが多い(1/10,000なら、A4サイズ)。これなら行った先のコンビニで拡大コピーをするだけでいいので、簡単・便利。そう考えると、最初に挙げた「街の達人 コンパクトでっか字 東京23区 便利情報地図」を持ち歩いて拡大コピーして使うのがやっぱり簡単で便利なのだ。

 ところで、市販の地図本は東京、渋谷、新宿などの大きな駅前などは拡大地図を掲載している。これはこれで良いのだが、丸の内や西新宿、お台場などは、拡大図はあまり必要ないんじゃないかと私は思っている。というのは建物じたいが大きいから。御覧頂ければおわかりになると思うが、結構、間が抜けているのだ。
 だが一方で、繁華街で比較的小さな建物が密集している銀座などは、もっと拡大して欲しいとしばしば思う。あと横浜の中心部も。ここまではユーザーも多いので、共感してくれる人も少なからずいるのではないかと思う。
 ただマニアックなまちあるきをしている人々からすると、路地のある住宅街ほど詳細なものが欲しくなってくる。需要があまりないので、無理なお願いなのは分かってるんだけど・・・。

 書き込みをすることを考えると、濃い色や鮮やかな色が少ない、もしくはグレー中心の方が良い。ベースが派手だと、書き込みが目立たなくなるし、あとで読みにくくなる。だが、あまり薄いと、コピーをとった時にとんでしまったり、明るい野外で見にくくなったりするので、適度な濃度が必要。同じ理由から線が細すぎるのもダメ。ポケットサイズの住宅地図でも、出版社によっては線が細すぎて、非常に見づらいものがある。

 番地のナンバーは全てふっておいて欲しい。他の文字に隠れて見えないことがあるが、やはり全部見える方が良い。またはっきり読めるコントラストで記して欲しい。
 それから町丁の境界線もはっきり分かるようにして欲しい。中央区の日本橋界隈や、千代田区の神田界隈などは昔ながらの町丁になっていて、その境目が非常に複雑で分かりにくいことが多い。番地の数字が読めても境界線が明瞭に見えないために町名が分からないことがたまにある。

 建物の輪郭、名称は大きな建物以外は要らない。中型のマンションなどは不要。一方でバリアフリー的には、地下鉄などでエレベータのある入口の記載が欲しい。
 史跡などの標識は、史跡の名称だけを地図上に記載しておいて欲しい。ポイントはできるだけたくさん。坂の名前、旧町名なども入れてくれると更に嬉しい。なんだろうと思ったら、別の資料で調べるので、詳細は記載せずとも良い。スペースがもったいないので、名前だけでOK。事前に全て分かってしまうより、なにかがあると思いながら現場に行って、標識を読む方がおもしろいというのもある。

 というわけで、地図出版の会社の方、是非、まちあるき用の地図を売り出して下さいませ。まちあるき地図と名乗っている地図は結構あるけど、お食事どころなどを大量に掲載しているものが多く、これは私のような街自体を見る歩きかたには向かないのです。
 実は各区などの自治体が発行している、文化財地図やまちあるき地図が、意外に良かったりする。だが、こちらは一枚ものが多く、街角で四苦八苦しながら広げることになるのがいまいち。区の枠組みを超えて、一冊の本になっていると本当にありがたいのですが・・・。

#地図
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2 コメント

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同感です。 (ぶらり東京)
2009-06-24 08:01:00
同感です。
現在市販されている地図はどれも一長一短で
街歩きマニアの心を捕える地図がありません。
やはり史跡、坂、旧町名の情報は必須だと思っています。
鉄道の乗りつぶしマップのような“歩きつぶしマップ”なんても欲しいと思ってしまいます。
やはり (asabata)
2009-06-25 19:26:46
ぶらり東京さま
やはりまちあるきをされている方の中には、
同じようなことをお考えの方がいらっしゃるのですね。
そうでした、旧町名も確かに入れて欲しい情報です。
満足できる地図がなかなかないので、結局いろいろ買ってしまっています。
これからも試行錯誤していくことになるのかもしれません。

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