駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

耐えがたきを、耐えられなくなった

2018年10月20日 | 町医者診言

          

 今朝出がけにギーとかキ-とか聞きなれない妙な鳥の鳴き声を聞いた。鳴き声のした方に目を凝らしたが姿は見えなかった。

 耐えがたきは耐えることになっていたようだが、寄る年波か耐久力が減少し耐えられなくなった。一体、十年前二十年前とどう違ってきたかというと、表現は悪く誤解されかねないが弱者暴力のようなものを感じるようになった。やや悲観的に過ぎるかもしれないが、駅前の診察室からは世の中崩壊の兆候を感じる。

 医療崩壊、家庭崩壊、技術崩壊という病魔が進行している。十月になり少し患者さんが増え忙しくなっているのだが、風邪や高血圧などのまともな患者さんの間に一人でやってきた認知症の患者さんが入ると診察に手間取って大混雑になってしまう。何せ足は丈夫で慣れた道なので医院に来ることはできるのだが、昨日のことも覚えておらず、一体何が言いたくて医院に来たのかも定かではない。独り暮らしだったり、家族が居ても怒鳴るご主人と親のことなど我知らずの独り者の息子というパターンが多い。一昨日鼻水が出て痰が絡むというのを聞き出して感冒薬を出したのに、どうもご主人に風邪じゃないだろと怒られて来たらしい。邪険にもできず、もう一度根掘り葉掘り聞くと食事が美味しくないらしい。もう料理はせず出来合いのものを買ってくるばかりでそのせいもあるかと思ったが、一か月で3kgばかり痩せてきているので胃腸科に紹介した・・昼休みに行きたくないと電話でまたまた埒が明かず、ついには温厚な受付嬢が切れて、先生電話に出てくださいということになり、連れて行くのが面倒というご主人と口論になり昼飯が不味くなった。

 自立できない人のために、自立できている人が割を食らうと書くのには抵抗があるが、そう感じることが出てきた。認知症と高額医療で、このままでは国民皆保険の医療は崩壊するだろう。核家族が増え、家族の絆が細り、家庭崩壊が進んでいる。技術立国日本などと慢心するうちに優れた技術者は減りデータを誤魔化すようになってしまった。もっと謙虚に正直に自分を見直さないと、結局勝ち組負け組の二極化が進み、ぎすぎすした世の中になると危惧する。

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