駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

人間診療の難しさ

2018年05月16日 | 小験

     

 天候が不安定で五月半ばになっても暑くなったり涼しくなったりしている。そのせいか、日によって受診される患者数が大きく揺れ動く。待合室に待っている患者さんが居ないこともあり「今日は休み」と驚かれたり、混み合って座る場所がなく「何これ」と帰ってしまう患者さんが居たりする。

 診療する側も仕事がしにくい。何とか日による変動を減らそうと職員と話し合うのだが、中々名案が浮かばない。高齢者が多く予約は難しいし、連休前の投薬日数をばらけさせるのもさほど効果がないし、患者さんによっては嫌がる。午後は空いているので高齢者に午後受診を勧めているのだが、なかなか午後に回ってくれない。

 混んでいると後ろで待っている患者さんのことを考えてさっと帰ってくださる患者さんも多いのだが、ひとしきりあれこれ訴えないと気が済まない患者さんもおられる。癌や心筋梗塞そして肺炎など重大な病気疑われる時は混んでいても十分な時間を割くが、唯気に掛かるだけでいつもと同じ愁訴を繰り返される患者さんには、正直内心ではイライラしてしまう。ベテランの看護師が付いてくれていると上手く切り上げるきっかけを作ってくれるので助かる。

 先日は「いい加減にしてくれ」と怒鳴りたくなるような患者さんが混じっていた。四十半ばで言葉が少し不明瞭な初診の患者さん、動悸がすると訴える。明け方動悸がしたので救急車を呼び病院を受診したのだが、心電図採血検査で異常なく点滴をしてもらったら楽になったので帰された。家に帰ったらまた動悸がするのでここに来たと言う。血圧も正常で脈拍数も八十ほどで不整脈もない。動悸がするとは考えにくい、首を傾げながらカルテの住所を見ると当院の診療圏外の川向うなので、なんでここにと聞くと「病院の看護師がここに行け」と言ったからだ俺の知ったことかとえらい剣幕で言い返された。根ほり葉ほり聞いたり、重病のように対応しなかったのが気に障ったらしい?。聞けば三年ほど前からあちこちの医院病院を転々とし、どこでもよく分からないと言われたと言う。遂には職も失ない生活保護になったと私を睨む。初診なので状況がよく分からず、誰と住んでいるかと聞くと独り暮らしだと大声。ご両親はに、居ない独りだと言っただろうと怒鳴る。恵まれず鬱屈が溜まっているのは分からないでもないが、そうした態度で悪循環になっているのではないかと感じた。心臓などに心配な病気はないと思う不安が原因と思うから安定剤を少し飲んでください。医者を転々とするのは良くない。決まったところに続けて通院するとよいと、近くの医院を三軒ばかり教えた。遠いけどここ来たいなら診させてもらうので、来るのは構わないとお引き取りを願った。

 それにしても救急外来の看護師はなぜ当院の名を挙げたのだろう、思いつき?で名を挙げないで欲しい。

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