駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

休日に働いている人達

2019年01月04日 | 世の中

                

 

 今日から診療開始だ。快晴で通勤路は冷え込んでいた。すれ違ったマラソン爺さんも帽子に耳当ての完全防寒だった。電車は学生が居ないせいか空いており悠々座れた。例年最初の日は患者さんは少ないので助かる。エンジンを暖めるには一寸時間が掛かるのだ。

 二日経って解熱しなければ病院を受診するようにと予め紹介状を書いておいた独り暮らしのお婆さんが、暮れの二十九日に病院を受診し入院したようで当直の医師から丁寧な返事が来ていた。休みの日もきちんと働いてくれる若い先生が居てくれて有難い。災害や病気は休日に関係なく起きるから困るのだが、そんな時支えてくれる人達が居る。

 かっては自分も正月に当直して一晩で十七人も入院させたことがあった。若かったからできた。昔は当直の翌日も通常勤務で、忙しくて眠れなかった日はきつかった。唯、その頃はそういうものだと思っていたから文句も言わずに働いた。もっと昔はいろいろと無茶もあったらしく、先輩の話では当直でもビールを飲んでいる医師も居たそうだ。今ならマスコミで吊るし上げられ、問題があれば警察沙汰で免停になるだろう。たとえ昔でも良くないことと思うが、五十年前のことを今の感覚で断罪するのはちょっと違う気もする。時代によって感覚は変わり基準も違ってゆく、果たして救急や災害で働く人たちの労働環境に改善があるだろうか。3Kで嫌われて、やる人が居なくなっては社会の屋台骨に皹が入る。

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