駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

悩みも少しはあった方が良い?

2021年09月07日 | 人生
              

 今朝は心地よい秋風の中を駅まで歩いた。こんな日は滅多になく、乗り越して知らない街へ行ってみたいと思った。
 一カ所で三十年以上診療しているので、数多くの人が年老いてゆくのを見てきた。寿命は随分伸びたけれども、老いはなくならない。いずれ自分もという思いが頭をかすめる。掴んだはずの物を落とす、二三日前のことを忘れる。今のところ仕事や生活には支障はない?が、昔はこんなではなかった。いつまで働けるだろうかと思う。
 私と同年齢の患者さんでフルタイムで働いている人は居ない。働いていても週三四日あるいは日に数時間のパートタイムだ。
 完全リタイアの人に毎日何されていますかと聞くと特別何も、散歩テレビくらいと答える人が意外に多い。
 孫の世話、映画鑑賞、魚釣り、ゴルフ、読書、旅行(今はコロナでできない)などと答える人の方が元気なようだ。することがあるというか興味があることがあるというのは、ドネペジルよりも呆け防止に有効かもと観察している。
 妙なことを言うが心配事もあまり深刻でなければあった方が良いように診ている。どうしてそんなことを心配するのと言いたくほどあれこれ心配する患者さん(女性が殆ど)は訴えが多い割に元気な感じがする。刺激の少ない生活は老いを早めるかもしれないという観察研究が報告できそうだ。
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