ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

書寫山圓教寺(姫路・淡路・鳴門ツアー2)

2018年07月08日 | たびたび旅
姫路駅から神姫バスで30分ほど行った場所にある書写山へ行きました。当初は姫路城を見た後で行く予定だったのですが強風のため山頂へ行くロープウェイが運休のため二日目午前に予定変更。

二日目も朝のお天気は決してよくなかったので諦めていたのですが昨日より風は少ないということでめでたく通常運行。それでもロープウェイの行く先はガスでまったく見えません。
ロープウェイ山頂からマイクロバスで5分ほどで摩尼殿のすぐ近くまで運んでくれます。ロープウェイ駅から歩いても15分ほどの道のりでしたが足元も悪そうでバスを使うことに。

圓教寺で検索して一番よくみるアングルの写真。左上に摩尼殿が迫力をもって迫ってくる場所なのですがガスで朧気にしか見えず。これはこれでいい眺めでした。

階段を上って徐々にガスの中から見えてくる大伽藍。がっしりと足場を組んで斜面に張り出すように建てられています。火災で焼失の後、昭和初期に再建。
その時の設計者が武田五一だったということをこれを書きながら知って驚いています。武田五一。朝ドラの「ごちそうさん」でムロツヨシが演じていた変人建築家です。
明治時代の日本の建築にコンクリートの重要性を広めた近代建築の人として知られていますが、それと同時に伝統的な木造建築も手掛けていたということにびっくり。

貼り出した縁と奥に霞む木々の厚さ。この天候で参拝者もほとんどおらず聞こえるのは雨音だけ。この写真は今回の旅の中でも一番気に入っている1枚です。

清水寺と同じような懸造り(舞台造り)で中空に突き出ています。



摩尼殿の山側の縁の下を経由して少し奥へ。圧倒的な人工物を見た後で神秘の風景。

大仏様もおられました。

大講堂(右)、食堂(左)そして大講堂と向かい合うように常行堂がコの字型に配置された「三つの堂」。



これほどのスケールの中で、私たち以外にはバスから一緒だったご婦人一人以外の気配が一切ありません。

食堂の2階に上がることができます。段差に腰かけていつまでも雨を見ていたい。

食堂の左端の垂木部分と常行堂の屋根の隅棟が完全に交錯、というか接触しています。どうしてこういうことになったのか。どちらの屋根が先にできたのか。賢者の調査を待ちたいものです。

三つの堂から奥の院へ。まだまだ先はありますが雨も強まって来たので残念ですがここまで戻ることにします。

私たちがここを歩いたのは7月5日でした。まだ雨の風情を楽しむ余裕がありましたが、この夜から姫路も豪雨に襲われます。一日違いで危ないところでした。関係の方々と建物の無事を祈ります。

バス乗り場までの戻り道の途中。

書写山は姫路で姫路城以外で何を見ればいいのか調べていて初めて存在を知りました。いくつかの写真や旅行記を見てもあまりピンと来なくて正直期待度は低かったです。
悪天候でロープウェイが止まったあたりからはパスでもいいかなと思い始めていたのですが、こうして写真を見ていてもこの時の興奮が蘇ります。
新緑や美しい紅葉を背景にした写真をたくさん見ましたが、それとはまったく趣の違う静謐な写真がたくさん撮れてうれしかったです。PCの大きい画面で見たいただければ幸いです。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする