夢と希望と

そして力と意志と覚悟があるなら、きっと何でも出来る。

ちょっぴりマニアックな話・その3(3だけに燦ちっくに)

2007-04-17 | 中身
 燦から雷皇天葬八陽閃でも喰らいそうな最低のタイトルセンスですが、それはソレと致しまして。
 ひぐらしを罵倒したり文明社会に唾吐いたりと、気が付けば何やら引っ越してから立て続けに「嫌いな物」について語っていました。好きと嫌いは相反する感情ではありませんけれど、やはり此処は一つバランスをとる意味も兼ねて「好きな物」についても述べておきましょう。
 私が好きな物と言っても多種多様であり、たとえば殿方ならばオフレッサー上級大将とか大好きですが、ひぐらしに対するバランスという意味ならば作品を挙げるのが筋かも知れません。そこで今回取り上げるのは「アニメ版餓狼伝説2」です。
 はい、もぅ凄くマニアックですね。古い作品ですし、当時からかなり酷評されていた代物です。故にこの記事をご覧になられても意味不明という方が大多数ではないでしょうか。
 ……あ、ちなみに全く他意はありませんけれど、私が個人的に使っているファイル置き場のURLを突然ですが忘れないように此処にメモしておきましょう。
http://www.filebank.co.jp/guest/arvelirde/sun
 パスワードは「燦の私書箱」にしておけば万全ですね。これで攻殻機動隊に出てくるような凄腕クラッカーでも破れますまい。


 この作品の魅力の第一は、まず何と言ってもクラウザーとギースの格好良さ。これに尽きます。声を担当なさっているのが鈴置洋孝・柴田秀勝の両氏というだけでも卒倒モノですが、二人とも悪役の鑑的立ち居振る舞いです。特にクラウザーは、テリーが師匠から伝授されて必死に会得した最終奥義を初見で見切って模倣し、しかも本家を凌駕する威力を見せつけるという天才キャラの真骨頂を発揮していますし、今見ても痺れます。ちなみにずっと以前に静流がパイプオルガン弾きながら敵を出迎えるという構想を語った事がありましたけれど……えぇ、思いきりクラウザーの真似ですとも。まぁ時雨が前作(?)で敗れた後に山奥に篭もり、色々あった挙げ句に配下の者から連絡を受けて「くっくっく、愚かなり風祭万里……!」とかやるのも素敵かも知れませんが。

 そして第二に、闘争を綺麗事で飾っていない、というのも個人的に極めて高評価です。人というのは己の心にかかる負担を少しでも軽減する為に、たかだか互いに殺し合う程度の事に御大層な御題目を用意したがる生き物ですけれど、度が過ぎたなら鬱陶しいだけです。大抵の場合において闘争なんてモノは、「やりたいからやる」で充分なのですから。
 兄弟であろうと勝利を掴む為には喰らい合う餓狼と化し、大義の為でも無く誰かの為でも無く、ただ己の満足の為に闘いを欲し、遂行する。大仰な必殺技を撃ち合ってもソレで決着する事は無く、ただ陰惨で地味な殴り合いで勝敗が決する。勝っても誰の祝福を受ける事も無く、他人には呆れられ、更なる闘争の始まりにしかならない。正義だから勝つのでは無く、愛する者が居るから勝つのでは無く、絆の力があるから勝つのでも無く、単純に強いから勝つ。そして勝者は敗者から奪う。えぇ、闘争というモノの本質を良く描いています。だからこそ強くならなければならないのだと、常に己を磨き続けなければならないのだと、再認識させてくれます。

 まぁ確かに突っ込み所も山程あります。パワーウエイブ一発で大森林を焼き払ったり、ブリッツボール一発でジョー東が瀕死の重傷を負ったり、その割に超必殺技である筈の超裂破弾は妙に地味だったり、パワーゲイザーとカイザーウエイブが共に地を這う技になっていたりと、原作ゲームとは異なる部分も多々見られ……というよりも異なる部分だらけ。話の流れも、真っ当な人間が見たならば「何だコレ」という物なのかも知れません。
 しかし昨今の、萌えやら燃えやらで闘争の本質を包み隠して仮初めの陶酔に浸るような喉越しの良い作品に対して反射的に反吐が出そうになる者にとっては、コレは紛れもない大傑作なのです。


 あ、狼といえば……って餓狼伝説と直接的には全く関係ありませんけれど、今現在プレイ中の「ファイアーエムブレム 暁の女神」に登場する狼女王ニケさんが、個人的に途轍もなく好み。思わず「喰い殺されたいなぁ」等と呟いてしまっていました。強い相手と全力で闘い、敗れて喰われて血肉になるって素敵だと思いませんか?