Aruiのスペース

自分の身の回りで起こったことの記録であったり、横浜での生活日記であったり・・・です。

中国の食料品の安さ

2006-08-13 20:02:11 | Weblog
中国の食料品の安さ

これについては、度々書いてきました。街の屋台で蒸して
売っている小龍包が1個2円してない事実を発見した時は、
驚いたものです。安さの理由は、いろいろ有ります。土地
が広大で、土地代が安い、人件費が安いことが基本でしょう。
だから、基本的な原料費材料費が安い、だから、製品も安い。
こういうことだろうと思います。しかし、中国の市井に生活
してみて気が付いたことで、日本人に欠けている,あることが、
物価、特に食料品の値段に大きく関係しているのではないか
と思うようになりました。それは、値段の単位です。

値段の単位などと言うと、日本なら円で、中国なら元なん
ですが、その先の話です。つまり、何個で幾ら、何gで幾ら
かと言う話です。最近、日本のスーパーでは、魚一切れの
値段が表示されているのは当然として、100g幾らになるかも
表示されようになりました。しかし街の小売店では、肉とか
お米以外では、100g当たりとかKg当たりの値段が表示されて
いることは、まだまだ少ないように思います。つまり、これ
は消費者が、そんなことを気にしていないことの証明のよう
な気がします。

魚の切り身は、元の魚から切り身がどれ位取れたかで、重量
当たりの値段は、複雑な要素が絡むので、もっと簡単な桃や、
林檎で話をしましょう。日本の果物屋で、林檎の値段は、殆ど
の場合、1個幾らで、或は1箱幾らで表示されます。そして
買う側の私達も、それで高いか安いか判断します。いえ、Kg
当たりの値段をチェックする賢く厳しい消費者が居ることは
承知して居ますが、一般的には、大根が1本幾らになって、
高いのは雨が続いたせいだ・・・などと言う話になります。

中国では、野菜果物、肉、魚、えび、蟹など食料品の値段は
全て重量当たりで表示され、売買されます。これが1個当たり
の値段で表示され売買されるのと大きな違いが生じます。
何故か。数学的には1個の値段が表示されれば、後で、その
重量を計り、重さで割れば、重量当たりの値段が出るから、
ただ換算だけの問題のように思えますが、実際の売買になると
大きな差が生じます。それは、1個当たりの値段で売買される
ためには、同じ大きさの商品を揃えなければなりません。これ
が、大変なコストになってるだろうと想像します。

ここ天津の道端で、桃だけを売っている小母ちゃんでも、こち
らの山は、粒が大きくて良い桃だから、1斤、幾ら。こちらの
山はもっと安いよ・・・と売っていますが、日本の場合は、生産
者が出荷する段階から、大掛かりな選別が行われ、そういう
選別がされない商品は、まともな流通経路に乗らないと言う
現状があるように聞いています。だから、出荷の段階で、既に
コストが上がっていることになります。

大きな物も小さな物も、曲がったのも2股のものも、一緒に
売って良いなら、野菜や果物の値段は大幅に下がることは
間違いありません。問題は、そういう商品を消費者が買うか?
と、言うことでしょう。消費者が受け入れなければ、売る方は
怖くてそういう方向に切り替えることができません。大きさが
揃っていて、見栄えが良くて、綺麗な商品にするべく、コスト
がどんどん上がっていきます。

上で、1斤と書きました。中国の1斤は500gで、これが日常の
取引単位です。1斤の10分の1が1両で50gですが、日常の安い
品物の売買で両は使いませんと言うか、1斤か半斤のどちらか
になってしまいます。このおかず3両下さいと言うと、こんな
安いの半斤買って行ってよと押し切られます。おかず250gと
言うのは、私の経験で、3回では食べきれません。この重量を
判って居なくても、道端や、自由市場で買い物出来ないこと
は、ありません。好きなだけ選んで、売主に渡せば、重さを
計って、値段を言ってくれます。中国でも1kgと言う言葉は
有ります。1公斤(イーコンジン)です。が、日常生活では
使いません。

天津の大型スーパーでも、小売用にパッケージした食品を
売ってますので、それらは、1個幾ら、1パック幾らの表示
です。私も最初の頃は、そういうところで買い物していまし
たが、街の中の方が安いので、今は、スーパーに行くのは、
ワインを買う時ぐらいです。スーパーの野菜売り場でも、主流
は重量売りです。ですから買う時は、商品を選んでから、計測
場がありますので、そこで計測して貰って、重量を記入して
貰い、レジに向かいます。

日本でも不揃いの林檎たちを、1kg幾らで売る、買うことが
主流になれば、値段は劇的に下がるのではないかと思って
います。ただこれが、主流にならないところが、この問題の
難しさだと思います。消費者が変わらなければ、値段は下がら
ないってことでしょうか。