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換気システムと換気量調整

2010-02-25 11:08:33 | 換気、住宅
換気システムの換気量調整はどのように行われるか知っていますか?

基本的には、ファンが作り出す静圧が、ダクトの径、長さ、曲がり、ダクト内の抵抗、ガラリの圧損等により、損失しながら換気場所で設計値通りの換気量が確保されているかどうかであります。

現在の建築基準法では、メーカーが独自で自社製品の損失値を計っており、その値に基づき、ダクトの損失、付属部材の損失を計算して、工務店に添付資料として提出しています。

このデーターは、あくまでもその通りに配管され、計画通りの場所で排気されることが前提であります。いわゆる、性善説に基づいていますので、設置後の換気量調査は行わないでよいのです。

住宅現場では、設計通りの配管経路を確保できないケースは良くある事であります。

その場合は、一旦持ち帰って、再計算するのが本当ですが、業者が現場に入ってて再度来てくださいなんて言う人はいません。コストが倍もかかるのに、わざわざ安い換気を使った意味がなくなります。

家全体の気積の0.5回分の換気量が確保されているか?部位別(トイレ、居室)の換気量が確保されているか?調べようが無いまま設置されて、24時間換気システムが勝手に動いているだけであるのが現状であります。

自分の所の換気システムに興味は無く、工務店も重要視してない場合は、ただモーターが廻っているだけであります。

結露、カビ、臭いが抜けないなどとは、全く因果関係を見出せない人たちが95%もいる現状では致し方ないのかも知れません。

換気システムの価格差は、熱交換のように高いものから、壁掛けファンの数千円レベルまで様々であります。

一般の人にとって、数千円から数十万円、数百万円までの違いをはっきりと分かっている人がどの位いるのでしょうか?

また、高いお金を払っても、その機械がしっかりと決められた換気量を出し入れできているか、誰も知らないなんて、この業界は良い世界であります。

もし、居室、トイレで換気量が足りなくても、家全体の換気量が足りなくても、誰も知らない可能性があります。

国交省は、設置後の換気量測定は義務付けていません。性善説で設計図通りに出ているとその図面を確認申請時に担保しているためです。

換気量測定は、各排気場所(給気場所)での換気量測定を行い、その数値を施主に提出できる工務店は、全国で数%しかいません。

現在の換気量設定は、排気場所のグリルの開口面積を開けたり閉めたりすることにより調整します。

この方法ですと、機械本体に近い場所で換気量が多く、ダクトの曲がりが多い場所や、長い場所では、当然換気量が少なくなります。

近い所の換気量を調整するためにはグリルを閉めて、遠い所を最大限開けて多くするように調整します。

しかし、ダクト内部には常に圧力が一定に掛かってますから、何処かを増やせば、何処かが減るの繰り返しで、設計図通りの換気量に追い込んでゆきます。

このためには、排気場所の数のトランシーバーと人間が、数時間掛けてやっと追い込める?ほとんどの場合ギブアップであります。

それでも、ここまでトライする工務店がいたら、その姿勢は素晴らしいと思えます。

なぜなら、全く換気量測定をしたことも無い業者が99%近くもいる業界です。

換気システムは、設計通りの換気量が確保される事が最低条件です。しかし、一般のお客様から、そんな質問を受けた事もありません。

工務店の言う、うちの換気はこんなに素晴らしいのですよ!という言葉だけを信じて買うノー天気なお客様が多いという事実は、何とかならないのでしょうか?

熱交換の場合の、設定換気量と、排気、給気量のバランスを取りながら、家全体の風量バランスを取るのは、神業的な仕事であります。

現在誰も、換気量測定に言及しないのは、痛い腹を探られたくないというのが本音ではないでしょうか?

換気に関して、興味が無い人と、換気にお金を掛けたくない業者は、知られたら困る事になるので、現在の曖昧のままが一番よいのかも知れません。

だから、このコラムで何度も書いていますが、見えない空気に関しては、言った者が勝ち、そういう人が一般の評価をうけるのであります。

正直に性能がよく価格の高い換気システムを付け、換気量測定までして差別化を図っても、そのような優良な工務店は報われません。

そういう工務店さんは直ぐには認められなくても、長いスパンの中で、住まわれている方の健康と幸せを言わなくても実現させていることが凄いことです。

このような全国で数%しかいない工務店とめぐり合えた人は、幸せ者です。

換気量測定を義務化しなければ、良い換気システム、換気量設定が楽で正確に出せる業者、工務店が淘汰されてしまいます。