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住宅の気密性能とレンジフードファンの関係

2010-02-24 08:39:10 | 換気、住宅
住宅の気密性能を高めて行くと、必ずぶつかる問題があります。

それは、レンジフードファンの給気供給量の絶対値が不足することであります。

そのため、同時給排式レンジフードが開発された訳です。

しかし、これでも一時的に何百立米も必要な排気量を賄うだけの空気量を確保できません。

住宅の気密化を進めると、家の換気量だけではなく、一時的に使用するレンジフードファン用の大きな空気量を確保しなければなりません。

一般的に行われるのは、強制的にショートサーキット設けることです。

これは、レンジフードファン近くに、給気口を設けて使用するときだけ開けて、空気を供給する方法です。

ただし、寒冷地ではキッチンの温度が急激に下がる可能性があります。

日本では、防火基準上レンジと排気ファンとの高さが80cm以上と制限されており、煮炊き、魚、肉を焼いた時に、全て上のファンで捕集できないケースが多々あります。

これらの問題が無いと思われる方は、住宅の気密性能が基本的に無いので心配する事はありません。

それは、隙間からレンジフードファンに供給する空気量が確保できているからです。

第3種の換気を気密化された住宅、隙間相当面積で0.5平方cm以下の性能であれば、レンジフードファンを使用すると、引き違いサッシの場合笛吹き現象が出て、キッチン方向に気流感が生じます。このレベルの家でも、給気口から入る空気量は家全体の換気量の40%くらいであります。

残りの60%は、躯体の隙間から供給されています。

この気流の速さは、隙間量の少ない、隙間の形状が入りにくい家ほど早くなるのです。(躯体に隙間が少ないため、特定の給気口から給気されるため)

この現象を防ぐために、ショートサーキット(空気の短絡経路)を強制的に造ることで、室内でのキッチン方向への空気の流れを制御することになります。

それらをしないで使用した場合は、レンジフードファンが空回りして、性能値通りの排気量を確保できていない可能性があります。

その場合、炊事のの臭いが室内に拡散されたり、湿度が一時的に多くなり、何処かで結露したりする現象がでる可能性があります。

なるべくレンジフードファンに良い働きをしてもらうために、ショートサーキットを何処に設けるかが課題となってきます。

空気の流れが分かる単純な換気が良いと、言っているのは、全熱交換の場合は、このようにレンジフードファンで捕集できなかった臭い、湿度、煙などはどのように家の中で回収されるのでしょうか?

また、レンジフードファンに必要な給気はどのように確保してるのでしょうか?

また、熱交換換気を使うのであれば、限りなく気密化をしなければ、熱回収の意義が薄れる可能性がありませんか?そのためには、家の気密性は最低でも隙間相当面積で0.1平方cm以下位の性能でないと、せっかくの熱回収装置にお金を掛けても元が取れないでしょう。

北海道の温度差の在る地域での熱交換でも、20年では元が取れないのは分かっています。温度差の無い地域での熱回収自体、余り意義が感じられません。

それよりも、フィルターのメンテナンス、給気ダクトの清掃のコスト負担が大きくなります。

レンジフードファンは同時給排型を使うのは最低条件としても、捕集できない臭い、煙、水蒸気の排気経路は、何処で室内換気ルートと交わるのでしょうか?

いずれにしても、通常の換気経路と、レンジフードファンの経路が家の中で交錯しております。

給排経路を明確にする事は、家の中の空気の流れが見えることです。

全熱交換で気密化を最大に取って住宅を建てている工務店さんは、この問題をどのように解決してるのでしょうか?