Art & Life in Toronto

カナダ・トロントに住んで出会ったアートを紹介します

カナダ東部の紅葉写真集

2016年10月17日 11時26分30秒 | その他のおでかけ
カナダ東部の紅葉は美しく、日本からも毎年多くの観光客が紅葉を見に訪れていることを、知ってはいたけれど、秋は仕事も忙しく、そういう場所を訪れるには車がないと不便なので、これまで訪れたことがなかった。カナダでとうとう4回目の秋を迎え、これ以上先延ばしにできない(?)と思い、感謝祭の3連休、1泊2日で出かけてみた。

目的地はケベック州モン・トランブランという紅葉とスキーで有名なリゾート地。1日目に飛行機でモントリオールに移動して1泊、2日目は朝7時30分モントリオール発の長距離バスで2時間半。さらにローカルバスに乗り換え。待ち時間含めて計4時間のバス移動を経て、ようやくモン・トランブランの中心地に辿りつく。

バス移動の間も、周りに見える山々は、赤、オレンジ、黄色、緑の斑模様に染まっている。以前、正倉院展で見た、聖武天皇の「七条織成樹皮色袈裟」を思い起こした。色を作り出しているのは主にカエデ。葉が大きいので色に強さがあってきれいなのだとわかった。


バスの車窓から

モン・トランブランは、日本で言うと軽井沢にスキー場を足したような場所で、かわいらしいホテルやレストランが並ぶ一角を抜けると、冬はスキーのゲレンデになる山にリフトやゴンドラが動いている。登山道もある。私は山の中腹までリフトに乗り、そこから8合目的なところまで歩いて登った。街のむこうには湖が臨め、風光明媚とはこういうこと。






みんな頑張って登っています


8合目?からの眺め


脇の登山道へ



最後はこの街の雰囲気に誘われて、濃厚なアップル・シードルとフルーツとチョコレートソースのクレープを食べ、再びバスで4時間、モントリオールへ。さらにこの日のうちに飛行機でトロントまで戻った。移動時間の長い一日でさすがに疲れたけれど、夢のような紅葉が見られてよかったです。



Mont Tremblant
(10/9/2016)

アシュケナズ・フェスティバル

2016年09月06日 08時35分21秒 | その他のおでかけ
ケベック旅行の途中ではありますが、ここで今週末の話。

カナダでは9月の第一月曜日はLabour Dayという祝日で、3連休。気持ちよく晴れた3日間、残り少ない夏の日々を楽しもうと、ハーバーフロント方面行きのストリートカーには毎日長蛇の列ができていた。
遠出を計画しそびれた私が、思いがけず3日連続でハーバーフロントセンターに通うことになったのは、アシュケナズ・フェスティバルのためだった。

アシュケナズとはドイツ語圏や東欧諸国などヨーロッパに定住したユダヤ系の人々のこと。このフェスティバルを主催するトロントのアシュケナズ財団は、芸術活動を通じてイディッシュ並びにジュイッシュ文化の認識を高めることをミッションとしている。その活動の中心となるのが2年に一度開催されるこのフェスティバルで、1995年に始まって以来、今回が11回目となる。7日間のフェスティバルでは、演劇、ダンス、展示、映画、トーク、ワークショップなど様々なイベントが行われるが、中心はなんといってもクレズマー音楽である。10カ国以上から総勢250以上のアーティストが参加しているのだそうで、ひとつの民族文化にフォーカスしたフェスティバルとしてはちょっとすごい規模であり、しかもほとんどのイベントが無料。この企画力とファンドレイジング力には感銘を受ける。

初日にまず見たのは、なんと日本のバンド。「ジンタらムータ」はチンドン屋をベースに、クレズマー音楽やバルカン音楽、ニューオーリンズ・ジャズなど様々な要素を取り込んだアンサンブル。チンドン屋とクレズマー音楽には、クラリネットが中心的な楽器であるという共通点があったのだ。ボーカルのこぐれみわぞうさんのイディッシュ語(?)の歌声に、観客(恐らくイディッシュ語がわかる人たち)から「ほう!」という低い感嘆の声が上がっていた。こういうフェスティバルで日本の存在感があるのは珍しく、日本にもこんなバンドがあることを知って、なんだか嬉しかった。



初日はもうひとつ、夜11時開演のLemon Bucket Orchestraを見た。「Counting Sheep」を見て以来、いずれちゃんと音楽を聞きたいと思っていたが、ちょうど機会が訪れた。「バルカン・クレズマー・ジプシー・パーティ・パンク・スーパーバンド」というふれこみのこのバンド、やはりジプシー・ブラスの要素が多くあり、Fanfare Ciocarliaで聞いた覚えのある曲もあって、楽しかった。一人一人が演奏者として魅力的で、色気がある。驚いたことに、ゲストとして日本人トランペッターが登場。若くて華奢な(日本人ですから)男性が、力強くソロを披露して、観客からも拍手。日本人にもいろんなところ・分野で活躍している人がいるものです。


最後にステージから会場に降りて、観客の中で輪になって演奏

2日目は、モントリオールのGypsy Kumbia Orchestraを聞いた。クレズマー音楽、ジプシー・ブラス、アフロ・コロンビアンのパーカッションなどを融合した、歌って踊れるビッグ・バンドである。音楽はきれいだったが、Lemon Bucket Orchestraのほうが、各演奏者ひいてはバンド全体として魅力的だったな、というのは私の個人的な好み。



クレズマー音楽はクラリネットとバイオリンが中心となるのが特徴で、どこか素朴なところがあり、また、哀愁のある旋律を含んでいて心奪われる。高校時代に吹奏楽部でクラリネットを吹いていたときは、こういう音楽があることを知らず、クラリネットの本当の魅力を知らずにいたなあと今さらながら思う。

最終日の昼下がりに聞いたのは、クラリネット、アコーディオン、そしてtsimblという打楽器(金属弦を木のばちでたたいて演奏する)による、19世紀ヨーロッパの小編成スタイルのアンサンブルZev Feldman Trioだった。tsimblは17世紀初頭から東ヨーロッパ各地で使われたが、19世紀後半から徐々に廃れ、第二次世界大戦以降はほとんど使われなくなった幻の楽器だ。今ではなかなか見られないが、例えば、シャガールの絵には頻繁に登場するのだという。tsimbl奏者のZev Feldmanはトルコ・ジュイッシュ音楽の研究者であり、1970年代末に米国で起こったクレズマー・リバイバルの中心的人物でもあった。tsimblの高い音色と、クラリネットとアコーディオンが早いテンポで細かく刻むメロディが心地よく、1時間の演奏はあっという間だった。最後にFeldmanおじさんが素敵なダンスを披露してくれた。



全般的に、観客にはやはりユダヤ系の人たちが多いようで、しかも年配の人たちが目立っていた。私が参加したどのコンサートもほぼ満員で、ハーバーフロントセンターは連日、夜中まで賑わっていた。トロントのユダヤ系住民は約16万人(2001年調査)。移民の歴史は古く、17世紀初めからユダヤ系の人がここに住んでいた記録があるという。長い時間の中でここに住むようになったユダヤのルーツを持つ人々が、そのアイデンティティや連帯意識を維持したり、自らの文化の国際的な広がりに誇りを持ったりする装置として、このフェスティバルは単なる娯楽ではない重要性を持つのだろう。エスニック・コミュニティの存在を前提にしつつも開かれたイベントという意味で、トロントらしく、トロントならではのものだと思う。

Ashkenaz Festival
(9/3-5/2016, Harbourfront Centre

第55回トロント・アウトドア・アート・エキシビション

2016年07月20日 11時09分48秒 | その他のおでかけ
夏のトロントでは、毎週末、数多くのお祭りやイベントが開催される。日本の夏祭りを含めてエスニック・コミュニティのお祭りも多いし、ジャズ・フェスティバルや各種青空市など、あまりに多いので知らないまま過ぎていくものも多い。

が、それにしてもこのアート・エキシビションには、昨年も一昨年も全く気が付かなかった。55年も続いているイベントだなんてちょっとショックを受けながら、3日間の会期の中日に出かけてみた。 市庁舎前のネイサン・フィリップ広場に、300以上の作家が白いテントで出展している。日差しの下を歩くのはちょっとつらい、真夏の暑さの日。青空市なので、ギャラリーよりは個人作家の出展が多い。


奥に旧市庁舎の塔が見える

Art Hear」というツアーシリーズのうち、「Emerging Artists Under 33 to Watch at the Exhibition」というツアーに参加した。このツアーのコーディネーターがYounger Than Beyonce Galleryという、昨年できたばかりの注目のギャラリーで興味が湧いた。

タイトルのとおり、33歳以下の若手作家5人のブースを巡った。陶芸、ガラス、テキスタイル、油絵を含み、全て作家本人との質疑応答で進んでいくツアーは、メディアもいろいろ、作家もそれぞれ個性的で、充実していて面白かった。若いということにはやはり何らかの価値があるのかもしれない。ツアーの後味は清々しい。

Jing Huang(陶芸)





Shay Salehi(ガラス)



Kaley Flowers(陶芸)



Sarah Carlson(油絵)

Helen Liene Dreifelds(テキスタイル)

他方、買い物という観点では、100ドルくらいからあるものの、いいものはそれなりに高く、見ていくとやはりいいものがほしくなるので、難しい。いつか自分の中での価値と金額とが釣り合う瞬間が訪れるのかしら。

会場には、Wear-able Artということでジュエリー作家の出展も多い。スターリング・シルバーのペンダントを購入。モントリオールの作家さんでした。

55th Toronto Outdoor Art Exhibition
(7/8-10/2016, Nathan Phillips Square)

2016年プライド月間

2016年07月19日 12時16分51秒 | その他のおでかけ
昨年までは6月末の1週間ほどだったプライドが、今年初めて6月いっぱいをプライド月間として、7月3日のプライド・パレードまでの1ヶ月余り、パーティやパネル、講演、映画上映、ライブなどの関連イベントが続いた。マーガレット・アトウッド氏やジョージ・タケイ氏など著名人が登場するイベントもあったが、6月半ばに日本に一時帰国していた私は、プライド月間の最初と最後に参加した。

プライド月間のオープニングはAGOでのパーティ「Queer Insurgents」。ブルース・ラブルースの企画で、美術館内の4つの広場でパフォーマンスやライブ演奏、トークショーが行われる。バーができ、もちろんアルコールも販売されて、DJがたって1階のウォーカー・コートはすっかりクラブと化している。警備員はたくさんいるけれど、常設展示の展示室も開放。19時から23時30分まで。すごいな、AGO。



これはNarcissisterというニューヨークのアーティストによる「Upside Down」というパフォーマンス。映像上映の後、実物が出てきて踊る。腕のように見えているところは実は足。股の間にアタマをつけて逆立ちして踊っているところ。最後はやっぱり、ほぼハダカ。



クロージングのほうでは、7月2日に行われた「Drag on!」というイベント。トロントのダウンタウン中心部にあるダンダス広場での、午後2時から11時まで9時間のマラソン・ショー。パンフレットによれば40人以上のドラアグ・クイーンが出演したようだ。その最後の1時間ほどを見学。話芸が達者な人もいれば見とれるほどに美しい人もいて、ドラアグ・クイーンもいろいろ。ダンダス広場の周囲には柵が設けられ、中に入るには身分証明書チェックをしていたけれど、拡大映像を投影していることもあって、柵の外側からでも見られる。こんなことが公共の場で行われて、誰でも無料で見放題だなんて、すごいな。

クライマックスは7月3日のプライド・パレード。私は、トロントにおけるゲイのメッカ(?)、チャーチ・ストリート近くに住んでいるので、このパレードを見るのは今回で3回目。毎年ちょっとずつ雰囲気が違う気がするのは、何時間も続くパレードの、それぞれ一部分を見ているからかもしれない。今年は最初から見たので、公的機関や企業のグループが目立っているように感じた。ピンクのシャツのトルドー首相が歩いて参加していたのにはちょっとびっくり。


Toronto District School Board


Toronto Transit Commission


??


Air Canada


Toronto Police

途中、30分ほどパレードが前に進まなくなったことについて、そのときは何が起きたか知る由もなく、渋滞くらいにしか思わなかった。後でわかったのは、パレードに参加していたBlack Lives Matterという黒人の権利擁護団体がプライド代表者に、プライド内での黒人の地位向上やプライドからの警察の参加の排除などを要求して、路上で座り込みをしていたのだった。




Black Lives Matter

それ以降、マスメディアを含む各種メディアでこの問題が議論されている。そのようなことができるのがまさにプライドだという意見もある一方で、プライドはセクシャリティを問題にする場であって人種差別は別の場で議論すべきだという意見、プライドはあらゆる人種やアイデンティティを持つ人々が参加できるのであり、警察だって排除すべきでないという意見など、賛否両論様々な意見があるようだ。性的少数者の中にも白人、黒人、アジア系と様々な民族的背景を持つ人々がいて、立場の違いがあるのは確かなことなのだろう。実力行使に至る前に融和に向けての努力ができればいいのにな、と思うのは、きれいごとだと分かっているが、トロントだったらできるかも、と思うからかもしれない。

Pride Toronto

カナダの誕生日

2016年07月11日 06時03分13秒 | その他のおでかけ
7月1日はカナダデー。カナダの建国記念日で、今年は149回目。
毎年恒例、カナダデーを祝う花火は、トロントではオンタリオ湖上に打ち上げられる。
20分遅れで11時から始まった花火は20分間。短いけれど、途切れなく続く花火は壮観でした。
お誕生日おめでとう、カナダ。
来年は150歳。











Fireworks at the Harbourfront centre
(7/1/2016)


トロント動物園 写真集

2016年06月12日 05時29分26秒 | その他のおでかけ
5月の3連休の最終日、トロント動物園に出かけた。私の住まいからは地下鉄とバスを乗り継いで約1時間、トロント市の東の端のほうにある。トロント動物園は世界最大の動物園のひとつで、500種以上、5000頭以上の動物がいるのだという。確かに広くて、今年初めて夏の暑さになったこの日、よれよれになるまで歩いたが、全てを見ることはできなかった。

一番のお目当ては昨年10月に生まれたパンダの双子の赤ちゃん。これは大人気で、お母さんと双子がいる建物に入るために、まるで日本のディズニーランドのように列を作って1時間待ち。
1時間並んだが…



おひるね中。どうやら時間帯が悪かった。
お母さんと双子とは、離れて外にいるお父さんも…



爆睡中。顔はどうなってるんだ?

気を取り直して、他の赤ちゃんを見に行った。次はホッキョクグマの赤ちゃん。昨年11月生まれ。
こちらは元気に遊びまわっている。一人っ子は一人遊びが上手。さすがだね。



じゃーんぷ。



ぶるぶる。



親御さんは、水の中でおひるね中。全然動かない。



次はホワイトライオンの子ども。昨年9月生まれ。
愛らしい赤ちゃんという感じではなく、すでに小さい大人の風格?



フクロウ先生に見られている。



カナディアン・ドメインというカナダの動物がいるエリアは、入口から最も離れたところにある。動物園の中なのに、起伏のある林の中を歩いて行く。私はこのあたりでよれよれに。
グリズリーベア。仲良く草?を食べている。



パンダの赤ちゃんが諦めきれず、最後にもう一度、1時間並んでパンダ小屋に入った。
みんな起きてたー。 ひたすら笹を食べるお母さん。登る赤ちゃん。



やっぱりかわいいなあ。







Toronto Zoo (5/23/2016)