山とアート

2008年から八ヶ岳南麓に移り住み、庭に小さな菜園を作りながら、知り合いのギャラリーや工芸作家のお手伝いをしている日々。

大月の花咲本陣

2010年04月18日 21時19分10秒 | 旅行
今月はSさんとの「お遊び月間」という様相で、毎週土曜日にお出かけしていましたが、昨日はその最後のイベント・・・行くと決めたのは昨年の春。
Sさんのお知り合いの星野家ご当主のひなまつりに毎年いらしていて、古くて広いお宅でのコンサートが楽しいからと誘ってくださいました。
星野家は大月の甲州街道沿いにある花咲宿の名家↓

http://www.fujinatto.com/events.htm


小淵沢にあるSさんの家近くから観た甲斐駒ケ岳は大泉から観るのとはまったく形が違います。一昨日の晩の雪ですっかり冬山に逆戻り・・・ですが、すっきり晴れました


大月までは高速で1時間ちょっと・・・Sさんの車に女性3人乗せてもらい、姦しい+運転手「女」ですからおしゃべりしているとあっという間に着きました。
入り口は昔の宿場の風情で、中は暗いですが広くてとてもきれいに手入れされています。


なんといってもこのおひなさまがすごい
一番上が明治時代で、2段目は江戸時代、3段目も230-240年前のものらしいということで正確な年代はわからないそうです。
このような顔の人形はとても珍しい・・・ひな人形の収蔵品といえば三井記念館で拝見したのも見事でしたが、今回は初めて観るお顔が多かったです


お仏壇も年代物でついまじまじと見てしまいました・・・

さて、コンサートはとても面白かったのでつい写真も撮らずに笑い転げました。
第一部はソプラノやテノールの美男美女のオペラ歌手がソロを歌い、バイオリンも素晴らしい演奏でした。その後初めて知りましたが永井寛好さんというテアトルエコーの俳優さんのつくった「なっとうをおいしくたべるには」というコマーシャルソング・・・実は星野さんは納豆屋さんなのだそうです・・・「富士納豆」という・・・買ってくるのを忘れた!!
この歌は「ひらけ!ポンキッキ」という番組で一時期やっていたそうです・・・知りませんでした

最後は永井さん作、演出、全出演者によるミニオペレッタで、モーツアルトなどのクラシックの有名な曲に日本語のセリフをのせて、オペラ歌手が歌うのですがみんな芸達者!
特にイケメンの大学院生テノール氏は、3枚目の殿様役で顔と演技(お笑い芸人みたいにうまい)のギャップがすごくて観客は大笑い・・・
もちろん歌も朗々として美しく、甲州街道に響いていました。

定番のこの劇で恒例のひなまつりの時に、このお屋敷を見物できるようです。

さて、これで春のイベントはおしまい・・・今日は晴れたのでやっと「庭仕事はじめ」でした

清春芸術村のお花見

2010年04月11日 21時11分28秒 | 美術館
長坂駅から車で約10分の清春芸術村は、広大な敷地に美術館だけでなく宿泊できるアトリエなどがある総合芸術施設です。
銀座の老舗「吉井画廊」さんが30年前におつくりになったそうです・・・すごい
20年くらい前からたびたび訪れてきたお気に入りの場所なのですが、すでにとても有名なので今まで紹介する機会がありませんでした

ここの桜も見事なもので、毎年お花見会は盛り沢山のイベントが開催されます
先日ご紹介した能の鵜沢久先生もお父上御存命の頃親子で薪能を催され、その時やはりまだ存命であった私の父も無理にひっぱりだして年取ってから「初めて観る薪能」を体験させ、桜を背景に幽玄の世界を楽しんだことがありました

今年はまず10日前夜祭で谷川俊太郎さんの朗読、息子の谷川賢作さんとハーモニカの続木力さんの共演、平淑恵さんの一人芝居があるとのことで2月から予約してありました。


夕暮れの桜と藤森照信さん設計の「木の上の茶室」をバックに谷川さん親子の軽妙なやりとりと音楽を満喫


暮れてからはかがり火が焚かれ、坂口安吾原作「桜の森の満開の下」という平安時代の世界に惹きこまれ・・・この時の伴奏友吉鶴心さんの琵琶が素晴らしかった
ずっとおつきあいいただいている小淵沢のSさんがおいなりさんを作ってくれたのでいただきながらの夜桜見物でした・・・
ちょっと寒かったのですが、前日の御柱見物に比べれば楽々~~


このように連日遊んでいるわけですが、今日が本番朝からお花見です
芸術村の外側からすでに見事な桜が迎えてくれます・・・Beautifull

この建物がここの特徴です
ラ・リューシュというパリにあったデザインをそのままに建てられたそうです↓

http://www.kiyoharu-art.com/laruche/index.htm


今日は30周年記念式典なのですが、実は招待されていた鵜沢先生の代理で出席しました。
ルオーの礼拝堂で挨拶するルオーのお孫さん、ルオー財団の会長さんです。
この礼拝堂はシンプルなデザインでとても落ち着くので、たびたび来たものです。


式典の後は昨夜の琵琶法師、友吉さんの独演「愛宕山」
これまためったに聴けない音質で、野外での演奏が一段と効果的でした



今日だけは誰でも門のところで入場料1000円払えば、美術館もどこでも自由に観覧できるシステムです・・・白樺美術館は何度来ても名作を堪能できます。
ルオーのコレクションは日本では有数、いや日本一かな
実は昔ルオーはあまり好みではなかったのですが、ここで何度も観ているうちに良さを感じるようになりました
ルオーだけでなくロダン、セザンヌ、ピカソETC・・・さすがです


美術館の設計は谷口吉生氏・・・個人的には国立美術館の法隆寺館がとても好きです。


このあたりの桜の名所としても知られていますが、甲斐駒をかなたに観てのお花見は格別ですね
この他、敷地内に梅原龍三郎のアトリエ(家一軒そのまま移築)や、素敵なレストラン「パレット」もあります。

芸術村のHPは↓
http://www.kiyoharu-art.com/index.htm

さて、遊びすぎたのでそろそろ庭と畑仕事にとりかからねば・・・

しつこいですが、今度は下社の御柱

2010年04月10日 10時09分10秒 | 旅行
10-11日は予定が入っているのであきらめていた下諏訪の御柱祭・・・公式サイトをみていたら9日(金)にも木落としがあることが判明しました!
しかし、有料観覧席はもうしめ切り後で果たして観る場所がみつかるのかどうかわからないままSさんに相談すると・・・彼女は午前中仕事があるが12時半の電車には乗れるし、次は行けるかわからないからとりあえず行ってみようと決断

一緒に小淵沢から普通電車に乗り込んだところ、意外にもがらがらにすいていて作っていったおにぎりなどゆっくり食べながら34分後下諏訪駅に到着

すごい柱が建っている駅前は、しかしがらんとしていて売店もひまそう・・・大型スクリーンが設置されていて木落としの様子をVTRで流しています。
「今日は金曜日だし観光客は明日から来るのね」「これなら楽勝で観れるんじゃない?!」などと言いながらも・・・なんと駅から木落とし坂までは徒歩1時間半


近道となっているルートには神社を抜けるので壁のような長い階段・・・
これを上がるのは結構きつかったです・・・

そのうち前方からおびただしい人の群れがおりてきました・・・どうやら13時の木落としが終わったようです。私たちがまず観ようとしているのは14時の2本目・・・ですがまだまだ先は長そう・・・速足でがんばりました


途中の二股で広い舗装道路を選んだらもうひとつの道を落ちたばかりの御柱が街に向かって進んでいくところでした・・・「よいさあ!よいさあ!」と全員が声を合せていて祭の気分が高まってきます
でも、時間が・・・もう14時になるころで大急ぎに坂をのばると・・・坂の下に到着してもぎっしりの人が道まであふれていて近づけない
観覧席の入り口もよくわからないまま、強引にかきわけロープで前に進むのを止めているおまわりさんのところまでやっとたどり着き、途中でゲットしたパスポートを見せて無事なんとか見えるところへ。
もうここは山の中、坂の下を流れる谷川をはさんだ河原にシートが敷かれ、岩場に階段状の席とやぐらが設置されています。椅子はなくて地面に座るところなので、持参したタオルを敷いてなんとか見えるところを確保しました。



この画像の右手奥から入ってきて人波をかきわけ階段を下りてから川を渡りこのような場所まで移動してきましたが、御柱の先頭がちょっと見えているだけでまだ始りません・・・よかった、間に合った・・・はあはあ


上社の坂とは大違いの坂、100メートルあり最大傾斜35度だそうですが観た感じもかなり迫力です。この後真ん中を旗がおりたり、木遣りの後何度も柱をゆらしたり、少しづつ柱がせり出してきて・・・1時間後


一気に落ちましたアッという間ですが、大観衆の歓声がすごい
人がぼろぼろ柱から落ちるのと、落ちても柱を追いかけ一緒に駆け下り最後は柱の周りに集まります・・・拍手

この後一斉に観ていた人たちが立ち上がって退場し始め、柱の曳行についていくようです。次の予定16時の木落としまで約1時間です。
河原は日陰で冷たい風・・・しかし、前回の教訓があるのでしっかりホッカイロなど持参していてのんびりたこ焼きなど食べながら待ちました


組によって儀式も違うようで、この組は先に派手な槍をもった人が行進。綱を曳く人の数も圧倒的に多くて、この柱が直径3メートルの巨木だそうです。
カメラを構えているとしっかり観れないのでこの回は撮影はせず、じっくりと拝見
今回もほとんどの人が振り落とされる中、柱の先頭に乗っていた人は最後まで落ちずに大喝さいを浴びていました

スリルと迫力、素朴さと華麗さ、いろいろな点でやはり下社の木落としを観ないと「御柱祭」を観たとはいえない・・・ですねえ
がんばって1時間半歩いた甲斐がありました


帰り際に振りかえるとやはり坂はこんなに急だったんだと改めて感心・・・入る時は夢中で観ていなかったので。

上社も下社もそれぞれの味わいがあって、両方観てよかったです

下社の木落とし解説は↓
http://www.onbashira.jp/shimosya_yama/zenpan/nagare


今日はお花見、神代桜

2010年04月06日 20時07分06秒 | 日記
父が亡くなった翌年から恒例となった母と二人で行く4月のお花見・・・武川の実相寺は車で約30分
早くも先週開花宣言が出て満開になっているとの情報・・・今日はお天気
午前中に出かけました

この時期は近所の農家が総出で屋台、駐車場、交通整理・・・もちろん「花より団子」も売っています。


お寺の門からして年代物・・・背後の桜があふれんばかり


ここは手前にチューリップ、まっさかりの水仙、桜、その向うに南アルプスの山波が観える贅沢な景色です
おじさん、顔を公開してごめんなさい


さすが!当然ながらお寺さんは先にまず参拝しろと
このくらいでないと毎日大勢の人に押し掛けられて、修行の邪魔?で割が合いませんね


おまいりしてから進むと正面に神代桜が現れます


今年は丁度満開の時期にあたりました昨年も7日だったのですが、すでに散り始めていた頃・・・それに青空がきれいに映えています。


化石のような幹の重厚さも相変わらず


こちら側の角度からは花がたっぷり

最近の桜はソメイヨシノが主役ですが、これはエドヒガンという種類です
なんといっても樹齢2000年ですから・・・何度観てもすごい
何故かこの樹には特別な思い入れがあって、本来なら好みではないこのような観光名所であるにもかかわらずつい毎年来てしまうのです。
それに、一度は枯れそうになった神代桜を地域の人たちが知恵を絞って研究し、土を入れ替えたり枝を支えたり、努力を惜しまない姿勢を考えると好感を持つだけでなく頭が下がります。
もっと詳しく知りたい方は↓
http://park8.wakwak.com/~matsunaga/

その後は少し山を登ったところにある、槇原桜並木へ向かいます
入り口のところに玄米と有機栽培の和食処「かたかご」があってお昼をいただいてから、桜並木を散歩するのが定番なのですが・・・


今年はまだ咲いていませんでした

母がそろそろ疲れたようなので、ランチだけ食べてひとやすみ

桜並木だけもう一度来なければ・・・




御柱本番

2010年04月04日 10時44分02秒 | 旅行
先日の木作りで刺激を受けてお祭りに行くことにし、初めて行くところでうろうろして時間の無駄をするよりはと3日の「木落とし」有料観覧席を予約しました!
小淵沢在住の友人Sさんが氏子になる予定の「本宮二の御柱(以下・・本②)」は12時からとなっていてA席は完売、安い方のB席なら取れました。他に観光会社が販売している6000円の桟敷席というのもありましたが、そこまでの贅沢はできないので3000円の席をゲット。

当日、朝7時職場に集合のはずのSさんから電話があって氏子のバスはパスしたから同じ電車で行くとのこと・・・お~!心強い


お天気は普段車が多いのでめったに来ない長坂駅ですが、甲斐駒が見えてなかなかの風情です
普通電車松本行きに乗り込みました


小淵沢からSさんが乗ってきて、駅に停車するごとに法被を着た人々が次々に乗り込み、普段は閑散としているであろう普通電車が東京のラッシュアワー状態・・・茅野に着く前に車窓の外に観覧席と大勢の人波
電車の中からのショットです。
ここは後で待機所だったとわかりました。


茅野の駅前は最近整備された模様。人の流れについていくとこのような親切なサンドイッチマンも
どうやら、現在本①が終わって前宮①が始まるようです。
順番は本①が10時、前①が11時、本②が12時、前②が13時と大体決まっています。


Sさんと別れて待機所に入るとはるかかなたにこれから落とす前①の姿が・・・
ここからまずこの柱の木落としを観たのですが、前①は落ちる時バランス崩して横倒しになってしまいました・・・残念
しかし、周囲の人たちの会話「あれあれ、へたくそだねー」「へただったねー」
結構厳しいご意見が出てます・・・確かに1時間くらい期待しながら待ったら損した気分かも


この橋は無料です・・・が、かなり離れているし見える場所を確保するのは至難ですね・・・やはり予約しておいてよかったかも


で、ここがA席からの眺め実際には結構近くに見えます。この席にはそろいの法被がついていて法被を着用しないと入場できません。B席はタオルマフラー・・・この時間帯は全員黄色・・・先ほど電車からみえた観客は青でした


私の席はF3で前から2番目・・・ラッキー


まずこんなに長い縄をこんなに大勢の人が引っ張っています。


坂は角度27度、長さ37メートル・・・木遣りの声が響き渡り、それに呼応して「よいしょ、よいしょ」の掛け声とともに綱を引いて少しずつ柱が進む・・・時間はかかります


そして姿をあらわす本②に「お~~」という歓声・・・この組は時々管楽器が進軍ラッパのような演奏をしてそれに合わせて全員がはたきのような「おんべ」を前に振ります。
めどでこに乗っている若者たちは凛としてなかなかかっこいいです


本②はゆっくりとまっすぐきれいに着地して大歓声の中で坂をおりました
観覧席の入れ替えはブックごとに順番に別の出口から出るので、実に整然と皆お行儀良くスムーズに行われていて感心・・・しかし出るまでに待ち時間も結構長い。


次はもうひとつの目玉「川越し」を観るためにみんなが移動していく後をついていきます・・・途中でさつまいも揚げを買ってかじりながら・・・狭い道を曳行されていく前②
を追い越して


途中の道端ではやぐらの上で子供たちが大活躍・・・木遣りをうたう小学生やラッパを演奏する中学生・・・頼もしい後継者ですね


大好きな和太鼓にも聴き惚れました


ところで、何百万の人々が集まるから当然のようにあちらこちらに仮設トイレがありますが、この看板が何故こう書いてあるかというと・・・木遣りの文句が
「いや~、こころあわせてお願いだあ~」と言っているからなのです。


だらだら歩いて中央道をくぐると朝一番に木落としだった本①が川に向かって曳かれているところでした。
この組は黄色の衣装がきれいだし勢いがあってよさそう・・・でも人が多くてとても見えません・・・大体会場がどういう構造になっているかもわからない
あちこち歩いてみましたが無理でしたので、これは観るのをあきらめるか・・・と思っているところで大歓声どうやら本①が無事落ちたようです。


すると帰り始める人がいて入れ替え状態になり、無事河原脇階段前から2番目の場所をゲットすでに本①は向う岸に上がる直前でした。
水が冷たそう・・・

安心したところが、それからが大変・・・待てど暮らせど次の前①が来ないのです。予定の3時を過ぎても一向に始まる気配なく、河原の冷たい風に吹かれて寒いこと寒いこと・・・
周りの人も持っているものをみんな着こんでがんばっている・・・観る方も忍耐が必要です


やっと4時過ぎてから縄を曳く人が先に川に入って反対岸に泳いで運び、曳き手の人が続きました。しかし、この前①の組は人数が少ない上にどうも気も合っていないらしい・・・いくら掛け声かけて曳いても柱なかなか動きません・・・これまた時間がかかること


やっと落ちたと思ったら川底につっこんでしまったらしく、また動かなくなってしまった・・・
先ほどの木落としも失敗して今度も・・・これじゃ7年先まで言われるだろうなあ・・・かわいそうに


すっかり冷えてしまって帰りたいけれど、もう次の本②が後ろで待っていてSさんと落ち合うと「やはり知っている組だから観ていく」とおっしゃるので、場所を変えて観ることに。

さすが人数が多いだけでなく気が合っているし、川に並んで立つ間を曳き手が移動したり、子供が赤フンだけで泳いで縄を向う側に渡す、などパフォーマンスもうまくて短時間に見せ場がいっぱい


終わるころにはもう日が沈む前でライトもつき、夕暮れの中最後の前②は遅くなったということで翌日に持ち越されました。

丸一日外での見物は珍しいことでしたが、やはり観ておいてよかった・・・次の7年後には体力的に無理・・・な気がしますでも大体要領がつかめたからもっと効率よく動けるかなあ

下諏訪の木落としの方が丸たにまたがって100メートルも落ちるすごいものらしいですが、今回見物したお祭りは華やかできれいでした。
なにより観衆の多さにもびっくりでした