上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展に行ってきました!
上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展 チラシ表面
みなさまこんにちは!
新緑の季節に移り、あたたかい日が増えてきた今日この頃
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
最近、三菱一号美術館で開催中の「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」を観賞してきました。
本展は上野リチの作品が好きな方だけでなく、デザインやファッションが好きな方にもおすすめです
上野リチ(上野リチ・リックス)は1893年オーストリア・ウィーンで生まれた女性デザイナー。
壁紙や日用品、室内の装飾など幅広いジャンルのデザインを手がけました。
彼女が生み出すデザインは、モダンで鮮やかな色彩や自由な線が特徴的で
現代においても多くの人々を魅了しています。
上野リチは京都出身の建築家・上野伊三郎との結婚を機にウィーンと京都を拠点に活躍しました。
戦後は夫婦共に京都市立芸術大学で教鞭をとり、退職後はインターナショナルデザイン研究所を設立し、後進の育成にも尽力しました。
本展は世界初の大規模回顧展であり、京都国立近代美術館やオーストリア応用芸術博物館/現代美術館(ウィーン)など国内外のコレクションの中から
テキスタイルデザイン、インテリアデザイン、小物、ポートレート、スケッチブックなどを通して、上野リチの知られざる創作の神髄を展覧することができます。
どの作品も魅力が溢れていて、ついつい夢中になって時間を忘れてしまうほどじっくりと鑑賞したのですが、
中でも印象に残っているのは東京・有楽町の日本生命日比谷ビルの中にあった日生劇場旧レストラン「アクトレス」の壁画です。
黄金色に輝く背景にかわいらしい鳥や花蝶が繊細な線で描かれており、鑑賞しているだけで心が和み感動しました。
当時の「アクトレス」で時間を過ごした店員さんやお客様はきっとこの壁画に癒されていたのであろうと思うと羨ましい限りです
このほかにも上野リチが手掛けた室内装飾のデザイン画なども展示されており、現代においてもモダンで
時代を感じさせない普遍的なデザインを堪能することができます。
そのほか素敵な動植物がモチーフの七宝やプリント布地など惚れ惚れする作品が非常に多く、
出品作品を通して日本の美が上野リチ独自のグラフィカルな視点で捉えられ、創作において彼女の独自性を高める
大きなきっかけとなったのではないかとも思いました。
上野リチは生涯独自の想像力を発揮して作品を生み出すといった強い信念を持っていた女性で、
教え子には他者の真似をしないようにと繰り返し伝えていたそうです。
個が生み出すクリエイティブな思考が大切だという価値観は、現代にも通じるものがあり
展覧会でただ美しい作品を鑑賞するだけでなく、今後の生き方についても考えさせられる展覧会だと思いました。
展覧会のグッズもとても素敵な品ばかりで、どれにしようか楽しそうに迷っているお客様がたくさんいらっしゃいました。
当の私もとても迷い、全て欲しくなってしまうほどでした
「上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー展」は
素敵な作品群だけではなく、彼女の創作の軌跡や創作に対する情熱を感じられる展覧会です。
5月15日(日)まで三菱一号美術館にて開催されていますので、
気になられた方はぜひ下記の展覧会公式HPをチェックしてみてください
展覧会公式HP