個展から⑨ 最終日

2017-04-23 | 日記

       

             

今日で個展は最終日でした。が、相変わらず訪れる人もまばらで、最終日にしてはちょっと寂しいものがありますね…。ま、僕としては面白い展覧会になったと思う。僕のモノを見る、その見方がよく分かる個展だったように思う。所謂「見立て」という日本古来からの観賞の方法なのである。庭に白い砂利が敷き詰められてあれば、そこはもう白浜なのである。拾ってきたオブジェが何に見えるか、そういうオヤ?と思うものにスポットライトを当てると、当てられたオブジェはもう廃品などではないのである。一人のスターであり一個の芸術品なのである。

掲載した2枚の写真は、今夜、帰宅した作品たちである。落ち着くところに落ち着いたのである。よかったのか、そうではなかったのか。

 


個展から⑧

2017-04-22 | 日記

     

外山文彦氏撮影の会場風景。仰視的写真は割と珍しいのではないか。アングルを変えて撮影するだけで作品の表情がまた豊かになる。今日は土曜日、明日はいよいよ最終日となった。どういう出会いがあるのか、ないのか、愉しみである。

 


個展から⑦

2017-04-21 | 日記

     

今日はハナキンにもかかわらず、夕方でさえ個展会場はいつもと変わらずサッパリでした。そこで作品をまたまた移動して見ました。鍬の折れ曲がったオブジェを会場の真ん中に設置し、壁面に掛けてある作品も少し移動してみましたので、少し雰囲気も変わってきました。個展もあと、土・日の二日間を残すばかりになりましたから、時間のある方は、ぜひいらしてみて下さい! ギャラリー担当者の方々も、皆さん親切に応対してくれるので有難く思います。

 


個展から⑥

2017-04-20 | 日記

          

2000年1月の作、タイトルは未だない。黒いマグカップにカラー・ヴァリエーションが豊富なボールペンを立てて、ペン立てとする。それがこのスケッチで、これに文字を添えて見た。余白のある小さい作品ながら面白い絵に仕上がった、と思う。

          今夜のあがりはこの黒色の筒だった。

          どこへも流されずに庭の隅の土中に

          しずんでいたのだった。

          飲んでみたまえ雨の夜の雨は

          深くなる それらは流れて 思い出の川へと

          注ぐ。

          陶製のペン立てに使われて おまへは

          本当にそれでよかったのだろうか うしろ姿ではなかったか。

          かくれて はや数年がすぎてゆき

          残されて流されず 今この机の上にあるのだった。

          かたすみからの報告に耳かたむけよ。

もう一枚掲載する。この水彩作品も上の作品と同じ2000年1月作となっているので、同じスケッチブックから抜き出したものだろう。上下各マット付価格で¥20,000 。

          

 


個展から⑤

2017-04-19 | 日記

          

左のオブジェ作品は河原の藪の中に見つけた、頭部(?)の真ん中が腐食して欠損した自転車のサドル。レンガの欠片に傾くままに立たせたもので、ピカソ (1881-1973) の彫刻作品にサドルを使った名作がある。先日のブログにこの作品を掲載したが、今日は他の作品との2点のコントラストで掲載して見た。右に掛かる作品は、骨董屋で見つけた分厚い版木を、額縁に見立てた箱に入れて飾った。版木はブルーのインクがまぶしてあった。従って、これらの作品は、と言うよりこれらの物体は昔日の “面影” である。今となっては “見る影” もないのである。僕は、これらの “影” に光を当てるのである、これらの埋没への夢を起して彼らにははなはだ迷惑だろうが。

        陽の眼を知らぬ原始林の 

        幾日幾夜の旅の間

        わたくし 熟練な未知境の探検者は 

        たゞふかぶかと頭上に生い伏した闊葉の

        思ひつめた吐息を聴いたのみだ。

        ただ蹠(あなうら)に踏む湿潤な苔類の

        ひたむきな情欲を感じたのみだ。 (『富永太郎詩集』より「原始林の縁辺に於ける探検者」の一部)