季節
昨日夕方の長岡市内、福島江の両岸に咲き始めた桜。雪が消え、また桜の季節である。雪深い土地に生まれ住んで、今の時季が一番いい。自然の風景が一番のご馳走である、ほんとうに美しい季節になった。桜に限ったことではなくて精神的にも、何かから解放されたような枷を外された気持ちにもなって、大地と空と遠くの山々を精神が精神に吸収するのである。深呼吸とは、春の風景を吸い込むことである。ぼくは身を委ねる、川の流れに、花の揺らぎに。花の影におまえが隠れていても、空虚が静かさを脅かしても、美しさがぼくを満たしてることを、ぼくは知っている。肌寒さの中でも花の蕾は熱っぽいし、昨夜目覚める精神は搏動(はくどう)する。