トウストパンのようなあかり

2010-04-13 | 日記
部屋全体を明るくしないで、ランプのまわり30㎝以内くらいが照らされればいい。光と闇とは、一方が欠けてもどちらも存在しない。喜びと悲しみもまた。

堀口大學のエッセー 「 季節と詩心 」 を読んでいて、とても美しいフレーズに出合った。
 
 笑ふとき
 マリイ
 ロオランサン
 金の輪が浮ぶ
 美しいその
 瞳の中に   ( 小澤書店刊 『 堀口大學全集 6 』 )

詩人ジャン・モレアスの詩。大學のライト・バース ( 軽い言葉 ) の訳がいい、日本語が青空の下、風にそよいでいるようだ。マリイの泣き止んだすぐ後の笑顔が清清しい。「 金の輪 」 は涙の光? 
マリイが笑う時、美しい瞳の中に涙が光って金の輪のように浮んでいる。